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最新の話題 2011年9月【海域】

9月の錆浦の海

 7月の平均水温は26.3°C(平年比+0.9°C、前年比+0.8°C)、8月の平均水温は27.9°C(平年比+0.4°C、前年比-0.7°C)でした。7月は台風6号の通過まで比較的水温の高い日が続いたが、その後は平年並みとなった。8月も中旬が平年より高かったものの、今年は水温29°Cを超えるような猛暑とはならず、浅海域のサンゴも前年のような著しい白化は見られませんでした。

 今年は台風の当たり年となったようです。9月には2つの台風が串本に接近して通過していきました。とくに台風12号による災害については、ニュースなどで全国的に報道されていたので記憶に新しいことと思います。南紀地方では新宮市や那智勝浦町などで大雨による大きな被害が出ており、串本町でも東の古座川周辺で被害が出ていました。串本海中公園の周辺では、大きな川がないことと東側が山に遮られて雨量が比較的少なかったことから、大雨での被害を受けることはありませんでした。

 さて、台風の影響を強く受けたと思われるのが、夏に黒潮に乗ってやってくる魚たちでしょう。例年、串本海中公園前のタイドプールには熱帯性魚類の子供達があふれるように生息しています。しかし、今年は少し様子が違っています。代表的なスズメダイ類をチェックすると、オヤビッチャの仲間は普通に見られるのですが、ネズスズメダイやイチモンスズメダイの幼魚は全然見られません。タイドプールの魚類を観察しているダイビングインストラクターのM氏に聞いても、やはりほとんど見られないという話です(さすがにM氏は私よりずっと広い範囲を観察しているので、少数の確認はしているとのこと)。これらの魚種は串本での繁殖によってタイドプールに幼魚が出現するのではなく、串本より南の四国や九州、沖縄などで繁殖したものが黒潮に乗って串本沿岸にたどり着くと思われます。南の方での繁殖が台風によって阻害されたために串本に出現しないのか、もしくは串本沿岸にたどり着いてすぐに台風による攪乱を受けて死んでしまったのか、どちらかの理由が大きいと思われます(それ以外の要因もあるでしょうが…)。チョウチョウウオ類やベラ類の幼魚も全体的に少ないように感じられることから、今年の夏は熱帯性魚類の幼魚にとっては過ごし難い海のようです。

オヤビッチャの幼魚
写真1. オヤビッチャの幼魚
ロクセンスズメダイの幼魚
写真2. ロクセンスズメダイの幼魚
テンジクスズメダイの幼魚
写真3. テンジクスズメダイの幼魚
シマスズメダイとシチセンスズメダイ(後)の幼魚
写真4. シマスズメダイとシチセンスズメダイ(後)の幼魚(水槽撮影)

※ 写真1~4はオヤビッチャの仲間たち

ネズスズメダイの若魚
写真5. ネズスズメダイの若魚(水槽撮影)
イチモンスズメダイ
写真6. イチモンスズメダイの幼魚

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