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終わりに
前回(2月)のこの場で、串本地方に2月14日に春一番が吹いたことをお知らせしました。そして、その翌日の2月15日午後3時半頃に、ダイビングパークのすぐ裏の林で、まだ余り上手ではありませんでしたが、ウグイスの初啼きがありました。ジュルジュルとさえずるばかりだったウグイスも、春一番で目覚めたのでしょう。
ところが、2月20日夕刻のテレビで、「近畿のトップを切って奈良でウグイスの初啼きがありました」とのニュースがありました。実はその5日も前に、近畿のトップを切ってウグイスが初啼きしたのは串本だったことを知っているのは私と、このホームページを開いたあなただけなのです。
翌2月21日は朝から春霞にかすんでいました。気温も上昇し、4月中旬並に達したそうです。この陽気で満開だった梅は散り始め(写真2)、多くの春の野草が花を咲かせました。まず少し前からポチポチ咲いていたオオイヌノフグリ(写真3)やヤハズノエンドウ(=カラスノエンドウ)(写真4)をはじめ、ホトケノザ(写真5)、タチツボスミレ(写真6)、オオジシバリ(写真7)、ジロボウエンゴサク(写真8)などです。
またイシガキチョウ・キタテハ・ウラギンシジミ・テングチョウ・ムラサキシジミといった成虫越冬をしていた蝶たちも一斉に飛び出しました。さらに羽化直後のモンキチョウ(写真9)も現れ、辺りは一挙に春の装いとなりました。
ところがこの陽気は長続きせず、翌2月22日は強風を伴った春の雨で、海は南風で大荒れで、以後25日まで天気が良くありませんでした。
2月26日は曇りだったのですが、久しぶりに雨が上がっていたので、観察に出かけたところ、フキノトウが花芽を出していました(写真10)。また梅は数度の嵐の洗礼を受けてすっかり散ってしまいました(写真11)。
ひとりのみ ながめて散りぬ 梅の花
新古今和歌集 八条院高倉
知るばかりなる 人はとひこず
以後3月10日頃までは春とは思えない寒い日が続きました。
3月11日は曇りで余りよい天気でなかったものの、ラッパスイセンは満開となり(写真12)、アシビ(アセビ)(写真13)やキンランソウ(写真54)が開花しました。
山の端にはところによって、うすピンクに染まり、ヤマザクラが開花前からその存在を主張しています。サクラで埋まる串本の春本番はすぐ目の前です。