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終わりに
9月16日にはススキの穂が出始め、秋の風情を漂わせます(写真1)。秋は実りの季節です。ミカンやカキの実は大きくなり、クリも随分と大きなイガになりました(写真 2-4)。 その後しばらく、留守などで観察の機会がなかったのですが、24日に見回ったところ、あたりは秋の花盛りで、農家の庭にはキバナコスモス・ヒマワリ・ヒャクニチソウが満開でした(写真 5)。数日前から咲き始めたのでしょうか、ヒガンバナが咲いていました(写真 6)。ススキの穂も、前回見たよりも遥かに立派になっています(写真 7)。クサギは花が終わり、実が書いて字の如く、充実し始めています(写真 8)。あたりの暑さもさすがに終わったと見えて、そこここに蝶の飛ぶのが目に付くようになりました。秋に個体数を増すウラナミシジミも随分多く飛び出しました(写真 9)。
9月も末の29日、今にも開花しそうなセイタカアワダチソウが見られます(写真 10)。今を盛りと咲き誇るヒガンバナには大型のモンキアゲハやアゲハが吸蜜に訪れていました(写真 11-12)。
9月30日に定期観察をおこないました。ミカン・カキの実は順調に成長していて(写真 13-14)、クリの実もまだ青々とした立派ないがに被われています(写真 15)。一方、ウメの木は葉がすっかり落ちきってしまいました(写真 16)。むろんこの時期には実もありません。
シイの実ははじけるほどに大きくなり、多くの実が地面に落ちています(写真 17-18)。新枝の勢いのよいのはウバメガシとトベラで(写真 19-20)、トベラはそれに加えて、鈴なりの実が黄色く色付いています(写真 21)。
シャリンバイの実も色付き始めました(写真 22)。不思議なことに海岸の藪ではクサギの花が再開花しました(写真 23)。この日にはアブラゼミ・ミンミンゼミ・ツクツクボウシの3種の鳴き声を聞きました。しかし、9月に入ってクマゼミの鳴き声を聞いた記憶がありません。また年中咲いている感のあるランタナにこの日、大きなクロアゲハがきていました(写真 24)。これだけ見ていると盛夏を感じさせますが、ウラギンシジミの翅型は先端がとんがっていて、秋を示しています(写真 25)。
10月1日、このあたりのハマアザミは花盛りで(写真 26)、野辺ではツユクサとアメリカフウロが満開でした(写真 27)。4日にはミンミンゼミとツクツクボウシの鳴き声を聞きました。10月7日、アケビははじけ始めました(写真 28)。満開のハマアザミにはツマグロヒョウモンが、同じくキバナコスモスにはクマバチが訪れていました(写真 29-30)。秋期に盛りを迎えるイタドリの花が目立ちます(写真 31)。翌8日に、クリの実がたくさん落ちて、食い散らした後がありました(写真 32)。おそらくサルの仕業でしょう。今年はクリも生り年で、木の持ち主も、その収穫を期待している様子です。まさにサルと人との競争ですが、どちらが勝つことやら。この日、ウメの木を見ると、枝のみとなった真冬の姿と変わらぬ様子でした(写真 33)。またこの日に聞いた蝉はツクツクボウシのみで、いよいよ夏のかけらもなくなっていく模様です。
今回最後の日、10月15日、比較的低い枝にあり、写真の被写体としていたクリのいがが色付きました(写真 34)。また先月にも紹介しましたが、シャリンバイではあちこちの木で花芽が伸びて、花の狂い咲きが見られています(写真 35)。今年は例年になく猛暑が続く夏でした。それで生きものたちも少々狂ったのかも知れません。温暖化が叫ばれていますが、これからますますこのような現象が増えて、そのうちに急転直下、生態系の破滅に陥るのかも知れません。8日に聞いたツクツクボウシの声を最後に、それ以後、セミの鳴き声は聞こえません。当地の蝉はまだルールを忘れていないようです。