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終わりに
スポーツの世界では「なでしこジャパン」が元気だ。世界を相手に大奮闘している。なでしこジャパンの名は「大和なでしこ」からついたらしいが、「大和なでしこ」の意味を調べてみたらこうあった。『日本人女性への賛辞の意。清楚でかつ凛とし、慎ましやかで、一歩引いて男性を立て、男性に尽くす女性像を指す。』なんだかサッカーで屈強な外国人と渡り合うイメージとは少し違うが、小さい花ながらも決して負けず、強く健気に咲くイメージはナデシコの花に通じるか。なるほど。
なでしこの名は古くは枕草子に見え、有名な「花の色は」の中に「夏の花はなでしこ。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし」とある。ナデシコは秋の七草の一つで初秋に薄い紅色の花を咲かせる。ところで錆浦の浜でみられるのはナデシコはナデシコでもハマナデシコ。ナデシコと違って花の時期は夏。花の色はナデシコと同じく薄い紅色だが、ナデシコと違って小さな花がびっしりとかたまって咲く。小さくてもがっしりとした茎はすっくと立ち、葉は観葉植物の様につやつやとツヤがある。なぜならハマナデシコの生えているところは海岸の岩場やガレキの中。ほとんど土や水がない様な所でもたくましく根を張って成長し、初夏に可憐な花を咲かせる。種は小さな黒い粒で秋に実り周囲に種を飛ばす。これこそが本当の「なでしこジャパン」ならぬ「ジャパンなでしこ」だと思わせる花である。