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終わりに
先月に続き、今月も例年になく春の進み具合は遅いようです。しかし少しは遅いものの、生き物の暦で見る春は例年のように確実に過ぎていきます。
今春は例年になく、越冬したテングチョウが沢山飛び回りました。4月17日にはテングチョウの交尾の撮影ができました(写真 1)。このような状況を見ていると、今年はテングチョウの食草であるエノキの受難の年で、エノキは丸裸になることが予想されました。この日、畠の畦ではキツネノボタンがつやのある花を咲かせていました(写真 2)。
6日に初見したジャコウアゲハなのですが、18日にようやく撮影に成功しました(写真 3)。この日、山間の日陰では、大きく伸びたフキノトウの花塔が見られました(写真4)。
19日杉・檜の林で、ハルゼミの頼りない初鳴きを聞きました。今年のハルゼミはだらしなく、5月13日の昨日でも、未だに時々鳴き声が聞こえます。昨年の初鳴きは4月29日だったので、今年は10日ばかり早いことになり、このあたりで、遅い春は例年に追いついたのかも知れません。
4月19日のこの日、トベラ(写真 5-6)とウバメガシ(写真7)が開花しました。また少し前から開花し始めた海中公園駐車場の八重桜(写真 8)とツツジ(写真 9)が満開を迎えました。苑地のツツジの今年の花の付き具合はあまり良くありません。さらに毎年ツツジの花を訪れるジャコウアゲハやナガサキアゲハの姿がめっきり少ないのに気が付きます。恐らく昨年の台風のダメージの結果だと思われます。
21日はゲンノショウコにそっくりな移入種であるアメリカフウロが開花しました(写真 10)。また23日には錆浦海岸でイワタイゲキが早々と開花しました(写真 11)。
私の観察ルートには春先にレンゲソウの咲く田や野原がありません。ところが、山間のフキの群落の間に、25日のこの時期になってようやく数本のレンゲの花を見ました(写真 12)。
この25日、モンキアゲハとナガサキアゲハを初見しました。また翌29日には新しく羽化したツマグロヒョウモンを初見しました。28日には先月咲いたヘビイチゴが鮮やかな実を付けました(写真 13)
5月1日は定期観察の日ですが、この日は雨天だったので、翌2日に観察を行いました。ウメは葉が大いに茂り、実も大きくなりました(写真 14-15)。カキ(写真 16)やクリ(写真 17)も葉を大きく展開しています。ミカンは大きなつぼみをもち、いくつかは既に開花していました(写真 18)。ちなみにミカンは去年も5月1日に開花しています。
この5月2日、ダイビングパークのシャリンバイが開花しました(写真 19)。海岸のハマダイコンも奇妙な形をした実ばかりが目立つようになりました(写真 20)。また空き地に群生するニワゼキショウが満開で、白い花の群れと紅い花の群れが競い合っています(写真 21-22)。
3日にアオスジアゲハを初見しました。また予想通り、テングチョウの幼虫が大発生し、7日には駐車場のエノキが丸裸になり(写真 23)、そこいら中にテングチョウの幼虫が見られ(写真 24)、多くの幼虫が糸を引いて木の下にぶら下がっていました(写真 25)。
ダイビングパークの歩道の路肩に、移入種であるコメツブウマゴヤシが密な群落を作っていて、ちょうど開花期を迎えているのに気が付きました(写真 26)。
5月10日に、ユキノシタが開花しました(写真 27)
12日には今年多産が予想されるテングチョウの新羽化個体を初見し、翌13日には同じくエノキを食草とするヒオドシチョウの新羽化個体を初見しました。