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終わりに
年の瀬を迎え、紀南串本も冬の寒さに襲われています。今年は暖冬だという天気予報は見事にはずれ、ここのところ12月にしては異常に寒い日が続いています。 11月20日には秋の生き残りを思わせるルリシジミがアメリカセンダングサで吸蜜しているのが見られましたが(写真1)、同じ日には、秋になって個体数を増しながら日本列島を北上するので有名なウラナミシジミの交尾の撮影に成功しました(写真2)。ウラナミシジミは飛ぶのが非常に素早く、特にデジカメでの撮影はなかなかうまくいかない蝶ですが、交尾中と言うことで動きが少なく、うまく撮影できました。翌21日には日当たりの良いミカンの葉の上で、ムラサキツバメ♀がひなたぼっこをしていました(写真3)。既に越冬のために山から下りてきたのでしょう。当地では先月16日に初開花したツワブキの花がいまだに咲き続け、この花にはウラナミシジミ、ハナアブなど多くの虫が訪れています(写真4)。
11月26日にはこれも成虫で越冬するウラギンシジミがミカンの葉に止まっているのが見られました(写真5)。恐らくここがこの個体の越冬場所になるように思えました。今年はムラサキツバメの発生が多いようで、よく目に付きます。普段は日当たりの良いミカンの葉の上に止まっているのですが、珍しくハッサクの実の上に止まっているのを見つけたので写真を撮りました(写真6)。30日にはビワの花が咲いているのに気が付きました(写真7)。また今年はカキの実がほとんど残っていず、枝先に僅かに1個残っているだけです(写真8)。
12月1日は定期観察日です。ウメは既に全く枯れ木然としています(写真9)が、小枝をみれば、小さく固い新芽が見られます(写真10)。カキはたくさん葉を落としましたが、まだ黄葉がたくさん付いています(写真11)。クリの葉はまだ少し緑色を帯びています(写真12)。最も元気の良いのはハッサクで、大きな実をたくさん付けています(写真13)。このハッサクの葉の上にムラサキツバメ2尾が寄り添って止まっています(写真14)。ムラサキツバメは集団越冬をするので有名な種で、ここでは2尾で集団越冬をするつもりなのでしょう。
12月の始めの日、あちこちに咲くチャの花が目に付きました(写真15)。さらにヒノキの球果も多く付いているのに気が付きました(写真16)。海中公園センターの園地の縁の山際にはイソギクが趣のある花を咲かせました(写真17)。またこの頃は海中公園センターの園地周辺を含め、紀南一帯でタイキンギクが満開のころを迎え、冬に入っての花の少ない時期に一段と目立ちます(写真18-19)。
12月5日にはいつも見ているウメの木の幹にマメヅタの胞子葉が穂を立てているのを見つけました(写真20)。12月10日には長く咲き続けたツワブキもすっかり花の時期を終えました(写真21)。その代わりウメのつぼみが大きくふくらみました(写真22)。また次のシーズンは花粉が少ないとの予報が出ているスギ・ヒノキですが、ここのヒノキは本年における大量の花粉生産の結果、非常にたくさんの球果を付けています(写真23)。
12月11日には、海中公園園地の園芸品種のツバキが初開花し(写真24)、13日にはヤブツバキが初開花しました(写真25)。
さらに17日夜から18日朝にかけて、串本はうっすらと雪化粧をしました。12月中旬に雪が積もるのは大変珍しいことです。