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終わりに
寒さの本番ともいうべき2月中旬の18日、タチツボスミレが咲きました(写真1)。また例年だと、観察コースでほとんど年中花を咲かせているシロバナタンポポがこの春の初開花を見せました(写真2)。さらには海中公園の敷地のセイヨウタンポポも花を開きました(写真3)。この日、早咲きのウメの大木は本当の満開で(写真4)、木の下には散ったウメの花弁が初雪のように散らばっていました(写真5)。またこの日、クチナシにいままで気付かなかったオレンジ色の実が付いているのを見つけました(写真6)。
翌19日には観察木のウメにも花が咲き始めました(写真7)。香りを愛でるウメの花もよく見るとなかなかカッコイイ形をしています(写真8)。
2月25日にはあちらでもこちらでも、うすむらさきのタチツボスミレの花が目立つようになりました(写真9)。また、ウメの大木も大部分花が散ってみすぼらしくなりました(写真10)。この25日に、錆浦でウグイスの初音を聞きました。さらに観察木がかたまっているこの辺りで唯一の薄ピンク色のウメがようやく開花しました(写真11)。そのころにはこの辺りの地面も散ったウメの花弁で雪化粧です(写真12)。
この頃、ヤブツバキも見頃を迎えました(写真13)。
2月10日に初開花したオオイヌノフグリも、27日には満開です(写真14)。それと比べて、ウメの花はいよいよ散り尽くした感じです(写真15)。この日、暖かさに誘われて、テングチョウが飛びかい(写真16)、ウメの花で吸蜜するものもありました(写真17)。 2月の最後の28日、正午頃が干潮で、海岸の岩場にヒジキの繁茂が見られました(写真18)。また、花粉症の元凶のスギの花が開いています(写真19)。
3月1日は留守をしましたので、2日に定期観察を行いました。ハッサクは相変わらず重そうな実を付けています(写真20)。カキ(写真21)やクリ(写真22)は相変わらず枯れ枝のようですが、僅かに新芽がふくらんだようです。一方、ウメはすっかり花が散り、萼だけが目立ちます(写真23)。キンカンの実はますます熟れてきました(写真24)。
3月5日は天気がよく、気温も上がり、テングチョウがひなたぼっこをしていました(写真25)。また越冬をしたキタテハとイシガキチョウが飛ぶのが見られました。この日、観察コースの一番奥のヒノキ林の小径で葉の裏が紫色になるシハイスミレが咲きました(写真26)。
3月7日、去年なら冬中咲いていたムラサキカタバミがこの春初めて咲き始めました(写真27)。またこの日、海岸に競って咲き始めたハマダイコンで吸蜜しているミツバチがたくさん見られました(写真28)。翌3月8日にはヤマザクラが咲き始めました(写真29)。海中公園付近では、ヤマザクラはこの日に開花を迎えましたが、この辺りで最も早い、那智勝浦町下里の太田川付近では今年は3月1日にヤマザクラの開花を確認しました。
3月8日には気温が上がり、これまで見られていた蝶に加えて、ヤクシマルリシジミの新羽化個体の飛翔が見られました。またこの8日には海中公園駐車場のサクラ(多分オオシマザクラ)のつぼみがふくらんできました(写真30)。さらにその翌日の9日にはフキノトウを見つけました(写真31)。毎年そうなんですが、フキノトウは芽を出してかなり大きくなって、初めて気が付きます。おそらく4-5日前には顔を出したものと思われます。10日にはルリシジミの新羽化個体の飛翔が観察されました。
3月12日にはウメの新芽が展開し始めました(写真32)。サクラの花芽もふくらんで(写真33)、ソメイヨシノの花芽も見分けられるようになりました(写真34)。翌13日にはタラの芽も摘み頃を過ぎ(写真35)、春一番に羽化するので有名なコツバメが飛びましたが、あまりの寒さによたよたしていました(写真36)。この頃になって、コース西端にあるモモの花が咲きました(写真37)。
今年は冬の寒さが例年になく厳しく、春の訪れも遅れ気味でしたが、3月に入って季節の移り変わりが早くなり、桜も例年より早めに咲きそうでした。しかし、14日になって再び寒波が襲い、ここ串本で日中にみぞれが降りました。今年の自然界の暦もずいぶんと異常なことが起こる年になるような予感を抱かせる今月号の報告です。