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終わりに
5月15日、前回8日に大きくなっていたミカン(正確にはハッサク)の花が咲きました(写真 1)。またこの日、観察コースのキショウブが初開花しました(写真 2)。17日にはテイカカズラが開花しました。スクリュー型をした変わった花で、香りもよいところから、一度覚えると忘れられない蔓植物です(写真 3-4)。また18日には観察木の中では最も新葉の展開が遅いクリの枝にも立派な若葉が茂ってきました(写真 5)。この頃、観察コースにはアブが飛び始め、何匹もの個体が、私の顔の周りを飛翔し始めました。間隔を置いて体の周りでめったやたらに捕虫網を振り回し、定期的に除去を試みるのですが、すぐにまた増えてきます。20日にとらえたものを撮影しました(写真 6)。北の方で多いゴマフアブのようです。
今年の気候は例年に比べて少し変で、前回紹介したモンキチョウが多いこともそうですが、毎年大量に発生するテングチョウが今年はほとんど見られませんでした。前回13日に初観察したテングチョウですが、ようやく26日に羽化したばかりの個体の撮影に成功しました(写真 7)。この日、タイサンボクの大きな花が開花しました(写真 8)。またビワの実が熟し、ハマボウの葉がよく茂ってきました(写真 9-10)。さらに28日にはドクダミが初開花しました(写真11)。
5月30日、観察コースのウメの林が大規模に剪定されました。大きく育っていたウメの実も、写真のように多量に地面に転がっています(写真12-13)。一昔前と違って、ウメの実の値段が輸入品との競合によって暴落した結果の現象だと思われます。この日、廃屋となっている家の側で、ついにアライグマとおぼしき幼獣が遊んでいるのを目撃しました。突然の邂逅で、彼等はあわてて納屋の下の隙間から納屋の中へと逃亡しました。またこの30日、ヒオドシチョウを初見しました。それ以後もヒオドシチョウを観察するチャンスはほとんどなく、今年はテングチョウと同様、非常に少ない発生でした。
5月31日から6月7日まで、種々の用務があったり、出かけたりで、観察の機会がありませんでした。6月8日、久しぶりに観察コースを歩くと、クリの花もサンゴジュも満開で(写真14-15)、アカメガシワとハマボウとが開花していました(写真16-17)。また、ビワの実は過熟の状態です(写真18)。さらに海中公園の園地ではネジバナが開花しました(写真19)。
12日、ウメの実が熟して多量に落果していました(写真20)。また海中公園の園地では春から花を咲かせ続けているミヤコグサが一段と花勢を強めているようです(写真21)。 この日、先日発見したアライグマの子供を撮影しました。余りよいできではありませんが3匹が遊んでいるのが分かります(写真22)。またこの日、ホシベニカミキリを見ました(写真23)。
6月14日、ネジバナが満開になりました(写真24)。またカキの実も随分と大きくなっていています(写真25)。今年の梅雨は思ったほど雨が降らず、生活はしやすいようですが、このような年では、梅雨が上がる間際に豪雨があることが多いので、それが心配されます。また本年の晩春から初夏にかけては生物ごよみに例年と異なる現象が散見されて、地球環境の変化による影響ではないかと、これも気に懸かる昨今です。