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終わりに
前回の終わり(8月の近況)に、8月15日にミンミンゼミが初鳴きしたことを書きました。その時に最後に残ったツクツクボウシの初鳴きはいつになるかというようなことを書きましたが、何と、翌16日にツクツクボウシの初鳴きを観測しました。ミンミンゼミもツクツクボウシもあまり多産せず、デジカメでの撮影は成功していません。
この8月16日にはヌスビトハギが咲き始めました(写真1-2)。またこの頃ヤマノイモの目立たぬ花が籔蔭にひっそりと見られます(写真3-4)。
翌17日にはヒメムカシヨモギの花が荒れ地にすっくと立っているのが目に付きました(写真5)。またその周りには、小さな花が愛らしいキツネノマゴが一面に花を付けています(写真6-7)。さらに林縁ではヤブマオが風変わりな花を付けています(写真8-9)。
しかしこの頃になっても、夏を象徴する花、百日紅(サルスベリ)は元気に赤い花を咲かせ続けています(写真10)。
8月22日に、この辺りで秋に特徴的な花を咲かせるセンニンソウが初開花しました(写真11-12)。初開花した株は藪の彼方の林の上でしたので、写真の撮影ができませんでした。そこで後日近寄れる場所で開花したものを示します。写真は遠景が24日、接写が27日に撮影した物です。
8月24日にはムベの実を見つけました(写真13)。この頃には茶の実も大きくなっています(写真14)。夏の暑さを謳歌したモンキアゲハのメスがミカンの木の辺りで羽を休めている風景(写真15)は夏の終わりを思わせます。それとは引き替えに、数を増したイチモンジセセリはわが世の到来とばかりに活発に飛び回っています(写真16)。
27日には辺りに非常に甘い香りを漂わせるオニドコロが金の鎖のような花を咲かせました(写真17)。それと同日には臭いからその名が付いたヘクソカズラが可憐な花を咲かせています(写真18)。
真夏の間、あまりに暑いせいでしょうか、蝶の飛ぶのがほとんど見られません。そんな中で唯一、アリとキリギリスのたとえ話のアリのように勤勉に働き続けている蝶があります。それはヤマトシジミです。この時期になっても、ヤマトシジミは小さなキツネノマゴの花に吸蜜に訪れます(写真19)。こんなに小さな花でも、それに吸蜜に来る昆虫がいて、キツネノマゴも受粉ができ、次世代を残せるのです。
8月も終わりに近い30日、フユイチゴが林の中で、目立たない花をひっそりと咲かせているのに気が付きました(写真20)。この日紅色の小さな花の列がかわいいミズヒキも初開花しました(写真21)。秋も近くなったのでしょう、あちこちでクダマキモドキが枝から枝へと盛んに飛び回っています(写真22)。9月1日には、観察を続けている夏みかん、クリ、カキの実も随分大きくなりました。(写真23-25)。
咲き始めたキバナコスモスには秋に個対数が増えるヒメアカタテハが吸蜜に来ています(写真26)。
今年は台風の当たり年で、海岸・海中共に大変攪乱されましたが、野外の生き物の季節の経過にともなった移り変わりは平年通りの推移を見せています。
9月5日にはヒガンバナが咲き始め、シソの花やススキの初穂も見られました(写真27-29)。8日にはガガイモの風変わりな花が咲き始めました(写真30-31)。また秋の季節をイメージさせるイノコズチも開花が始まりました(写真32)。