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終わりに
先月のこの欄の終わりに、今年の梅雨はほとんど雨が降らずに、アジサイの花もしおれてしまったことを書きましたが、それ以後も当地串本では梅雨らしい雨もほとんど降らずに7月12日に梅雨が上がってしまいました。
今年は旧暦の2月が2回あるウルウ年で、生物暦も狂いがちです。その最たるものは、遅くまで咲き続けるサツキで、6月18日になっても、未だに多くの花を付けています(写真1)。
一方この6月18日には、雨不足でしおれているアジサイ(写真2)をよそ目に、南国育ちのランタナは元気に花を咲かせていて、ジャコウアゲハをはじめチョウがよく求蜜に訪れます(写真3)。この頃には畑で栽培されているホオズキも色付き始め(写真4)、
栗の実も小さなイガをなしています(写真5)。
その間に断片的に観察した、海中公園付近の様子を紹介します。
21日には台風6号が通過し、翌22日には海岸植生(写真8)や海中公園の生け垣(写真9)が潮風や波の被害を受けましたが、塩性植物でもあるハマボウはさすがに強く、翌22日にはダイビングパークで開花し始めました(写真10)。
24日にはヤブカンゾウが開花しました(写真11)。「わすれぐさ」という別名をもつこの花は台風の風雨も、梅雨の雨も忘れてしまったのでしょう。好天と猛暑が続きました。この日、国道を挟んで海中公園の反対側の人家の庭で、リュウキュウムラサキのオス1頭を見つけました。八重山によく行く筆者にとってなじみ深い台湾型ではなく、マリアナ型のオスで、先日の台風が運んできたものに違い有りません(写真12)。
27日頃にはヒオウギズイセンが満開で(写真13)、モンキアゲハがよく求蜜に立ち寄っていました。また夏みかんの木は花が咲いて1ヶ月以上経過したので、ミカンの実がふくらんできました(写真14)。
7月6日頃にはハマボウが満開となり(写真15)、栗の実もこんなに大きくなりました(写真16)。
翌7日は七夕で、ホオズキは出荷直前で、真っ赤にみのっています(写真17)。またこの辺りに沢山自生するイヌビワの実もふくらんで、赤みが差してきました(写真18)。イヌビワの実は九州では食べるといいますが、当地では食べる風習はありません。ダイビングパーク前の海岸ではオニユリの群落が一斉に開花しました(写真19)。
毎年この頃になると、タマムシが羽根を輝かせて飛ぶのが見られます。今年は七夕の日に最初に目にしました(写真20)。カササギの代わりに天の川に橋を架けてきたのでしょうか。それとも今年のタマムシは橋をピョンヤンからジャカルタに架けたのでしょうか。カササギよりはきれいな橋が架かるような気がします。
7月10日には柿の実はこんなに大きくなり(写真21)、11日には夏みかんの実もこんなに大きくなりました(写真22)。
すでに10日からニイニイゼミ(写真23)がチイチイとか細く鳴いていましたが、 12日になって、今年初めてクマゼミのセミ時雨を聞きました。また12日にはツユクサが初開花し(写真24)、13日にはハマナタマメの花が咲きました(写真25)。
いよいよ夏休みも近く、南紀串本は夏本番を迎えます。