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終わりに
暖かい南風が浜を吹き渡っていく。海の水はまだ冷たいが吹く風にはすでに冬の名残はない。浜を埋め尽くす程の黄色い絨毯。ミヤコグサの群落である。近づいて間近でみると花は烏帽子の様な変わった形、そうミヤコグサはマメ科の植物である。まばゆいばかりの黄色い花はこの時期としてもひときわ目を引く。ミヤコグサは古い時代に日本に入ってきた史前帰化植物だと言われている。古い時代には奈良や京都の様な都市部にしかみられなかった植物らしくそれが名前の由来という。今は全国各地にみられるが長い長い歴史の中で少しずつその勢力を広げていったのであろう。しかし人の世の移り変わりの激しさに伴って植物の世界も世代交代が激しくなっている。今勢力を拡大しているのはヨーロッパから来たセイヨウミヤコグサ。遠目にはとてもよく似ているがミヤコグサよりも花の数が多く今全国を席巻中であるという。動物でも植物でも大陸育ちは勢いがすごい。やがてはここのミヤコグサもセイヨウミヤコグサに入れ替わってしまうのかも知れない。栄枯盛衰は世の習いとはいえ、目の前に広がる黄色い花畑がいとおしくなった。