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終わりに
動乱の2005年が暮れ、新たな年が始まりました。本年も本州最南端、ここ串本の錆浦から、陸上の生き物の季節による移り変わりをお伝えしていく予定です。 ミカンの葉にとまって越冬準備をしていたムラサキツバメは12月18日までは2匹が寄り添っていたのですが(写真 1)、19日の嵐で1匹が吹き飛んだ模様で、23日には所定の場所には1匹しかいませんでした(写真 2)。一方、別のミカンの木の葉で越冬準備をしているウラギンシジミは、相変わらず所定の位置に留まっています(写真 3)。 多くの植物が枯れる中、葉が枯れたカラスウリの赤い実がもの悲しく見えます(写真 4)。 年も明けていないのにウメの花芽がずいぶんとふくらんでいます(写真 5)。 翌24日はクリスマスイブです。この頃になると、海中展望塔の周りにウミネコが集まってきます(写真 6-7)。展望塔の上からお客さんが魚にまく餌のペレットをねらって集まるのです。先日まで黄色い葉を残していたカキは全ての葉を落とし(写真 8)、栗もほとんど丸坊主になりました(写真 9)。
26日にはキンカンの実が色付き始めました(写真10)。また28日にはスイセンが咲き始めました(写真11)。
元旦は定期観察の日です。カキとクリの枝は枯れ枝のようですが、小さな新芽が顔を覗かせています(写真12-13)。それに引き替えウメはつぼみが大きくふくらんで、もうすぐ花が咲きそうです(写真14)。ハッサクはついに大きな実になりました(写真15)。
その他、正月用に刈り取られた葉ボタンの畠に僅かに刈り残された葉ボタンが見えます(写真16)。去年の元旦にはたくさんの花がみれましたが、今年は異常に寒い冬を反映して、見られる花は非常に少なくなっています。目立つのは暮れから咲いているスイセンとタイキンギクくらいです。去年満開だったムラサキカタバミは僅かに1株が花を付けているだけですし、ハルノノゲシも1株だけが咲いているのを見つけました(写真17)。
ウラギンシジミは所定の位置に静止しています。また陽気に誘われて、しばらく姿を見せなかったムラサキシジミも飛び出しました(写真18)。
1月7日には気温が上がり、テングチョウがひなたぼっこをしていました(写真19)。 11日には畠の畦にホトケノザが咲いているのに気が付きました(写真20)。海岸ではハマオモトが寒波によって、地上部の葉がすっかり凍みて枯れてしまっています(写真21)。冬から春への季節の移り変わりを印象づける海岸のアオサの緑が目に付くようになってきました(写真22)。
翌8日には観察コースのミカンの木やその他の木が切られてしまいました。それによってムラサキツバメが越冬準備をしていた枝も、ウラギンシジミが止まっていた枝も切り落とされて、これらの蝶の姿を見失ってしまいました。
15日は春を思わせる陽気で、ムラサキツバメも浮かれて飛び回り(写真23)、ウメのつぼみも揺すれば咲きそうなほど大きくなりました(写真24)。このムラサキツバメは枝を落とされたために飛び去った個体かどうかは不明です。サルも活動を始めたと見えて、ニューサマーオレンジを食い散らかした後が見られました(写真25)。
ここのところの陽気で、楽観的な私は、もう今期の寒さは去ったものと思っています。 本州最南端ですから、このくらいの気候でなければなりません。春はもうすぐそこという感じを楽しんでいるこの数日です。