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終わりに
アカヒメジが9月30日から50匹以上の群れで海中展望塔から見られるようになりました。大きさは25cmくらいで、普段は塔の北側、10mくらい離れたところに群れています。
アカヒメジは南日本で浅海域に生息する全長40cm近くになる中型のヒメジ科魚類です。ヒメジ科の魚は下顎の先端に2本の長いヒゲが生えているのが大きな特徴で、このヒゲを使って餌を探します。アカヒメジは名前に反して体色が黄色いのですが、死ぬとその名の通り赤くなります。浅いサンゴ群落で群れをつくり、サンゴの少し上あたりを泳いでいることが多く、串本でもよく見られるホウライヒメジのように岩の上に乗ってじっとしていたり、オジサンのように海底でヒゲを使って餌を探している姿はあまり見られません。
錆浦地先でも秋頃にはよく見られる魚ですが、これほどまとまって見られることは珍しいと思われます。最近では2002年の秋~冬にかけて、塔の北側100mくらいに位置するスギノキミドリイシ群落で5~10個体がノコギリダイと一緒に群れていたこともあります。海中展望塔からの記録では昨年の8、9月にも複数見られましたが、そのときも2、3個体が見られただけで、群れとは呼べないものでした。
とある本にヒメジの仲間は夜に索餌すると書いてあったことや、日が暮れる頃に餌を探す1匹のアカヒメジの姿を見たことがあるので、この群れをなすアカヒメジたちは、塔にお客さんがいなくなり暗くなった頃にそれぞれ餌探しに出かけるものと思われます。彼らもそのうち塔の近くから離れていくかもしれませんが、しばらくは海中展望塔から群れる姿が見続けられるもとの思われます。