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終わりに
現在12月半ばなのですが、今年は暖かい日が続いていて、もう少しで年が改まるという実感があまりしないようです。
先月紹介した海中公園前の国道沿いのセイタカアワダチソウは11月17日には既に枯れてしまいました(写真 1)。それ以後所用と天候の巡り合わせが悪く、あまり観察の機会がありません。その上取り立てて目に付く風物も見あたらず、師走に突入してしまいました。その間に、サネカズラが真っ赤な実を付けて、花のない初冬にはよく目立ちます。22日に撮影しましたが、残念ながらご覧のようにピンぼけでした(写真 2)。
12月1日の定期観察の日には毎月変わらずに撮影するものがあるので、ルーティンワークをこなしました。
ウメの木は相変わらず枯れ枝ばかりのように見えますが(写真 3)、葉が全部落ちてしまうと、枝の中に褐色のものと、緑のものとがあることがわかります。緑の枝は一年前に伸びた新たなる枝です。これらの枝を見ると、ちゃんと新芽がふくらんでいます(写真 4)。多分年が明けると、寒風の中でよい香りを漂わせるべく着々と準備を進めている証拠なのでしょう。
前回では柿の葉は色付いてはいるものの、まだたくさんの葉が枝に残っていたのですが、今月になると、葉はほとんど残っていません(写真 5)。今年はカキは生り年で、たくさんのカキをいろいろなところから頂戴しました。私は柿が大好物で、今年は幸せな秋を過ごした気がします。それにつけても和歌山のカキは非常に美味で、今年ほど、地元のカキが天下に誇りうる秋の味覚だと感じたことはありませんでした。ところが、この生り年のはずのカキの実がほとんど見られなくなりました。確かに花は沢山咲き、小さな実も多く見られたのですが、どうしたわけか、非常に多くの落果が起こり、以後実を見つけるのが難しい状態が続きました。ところが、葉がすっかり落ちてしまうと、枝のあちこちに僅かに残ったカキの実がよく目に付くようになりました。写真5はそのような関西の晩秋の典型的な風景でしょう。
一方、クリの木はまだたくさんの葉を付けています(写真 6)。栗の葉は木全体では黄色くなっているように見えますが、葉そのものは部分的に黄緑と黄色と茶色がブチになっていて、黄葉の木としてはさほどきれいなものではありません(写真 7)。
最後、ハッサクは一人青々と葉を茂らせて、冬の寒さの中で元気はつらつとしている風情です。既に大きく育ったハッサクの実は黄金色に色付いています(写真 8)。
この日、冬の花で、かなり以前から咲き続けているチャの花が相変わらず、目立たない花を付けています(写真 9)。この時期としては貴重な蜜源と見えて、ハナアブが沢山吸蜜に訪れています。この日、海中公園駐車場のツバキが初めて花を咲かせました(写真10)。
また秋から実を付けていたナンテンの実がだんだん赤くなり、この頃では真っ赤な実が暗い林の中で一層鮮やかに輝いています(写真11)。近くの農家では、正月用の葉ボタンの苗が大きくなり、葉の中心部の赤色が目立つようになってきました(写真12)。
12月6日、スイセンが初開花しました(写真13)。また、この日になって初めて頭上のキンカンの実が色付いているのに気が付きました(写真14)。それというのも、野径に黄色いキンカンの実が落ちていたからで、その実にはサルがかじった痕がありました(写真15)。
12日にはハッサクの実はますます大きく、ますます黄色くなり(写真16)、クリの枝にも枯れ葉然としたクリの葉が目立つようになりました(写真17)。晩秋から初冬にかけて目立たない花を咲かせるフユイチゴがかわいい実を付けているのに気が付きました(写真18)。このおいしそうな実はだれのご馳走になるのでしょう。フユイチゴの枝は低く道路を這うようにしていて、鳥もあまりつついているのを見ませんし、タヌキやサルも食べた様子がありません。この日、畠のある道ばたでハルノノゲシの花を見ました(写真19)。どうも季節が合わないような気がしますが、地球温暖化と短絡的に結びつけたくない気もします。
今年もまもなく暮れますが、このコーナーは来年も懲りずに続けるつもりです。来年は定期観察の植物(木本)種を替えてみようかとも思っています。よいお年を。