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終わりに
10月下旬に冬季限定のダイビングポイントとして人気のあるアンドの鼻が開放されました。前にもこのコーナーで紹介しましたが、ここには「アザハタの根」と呼ばれるヤスリサンゴの大きな群体があります。このサンゴの周辺にはアザハタを中心にたくさんの魚たちが集まり、不思議な空間を創っています。
ここには魚だけでなくスザクサラサエビやオトヒメエビ、オシャレカクレエビ、クリアクリーナーシュリンプ(ソリハシコモンエビ属の一種)などのエビたちもたくさん見られます。なかでもスザクサラサエビの数は多く、キノコの傘のように広がったヤスリサンゴの下にできた隙間にひしめき合って生活しています。周りに魚がたくさんいるにもかかわらずその行動は大胆で、サンゴの上や周辺を歩き回っています。魚たちも気にとめる様子もありません。このエビの前にそっと手のひらを差し出すと、近づいてきて指先を脚でつついてきます。ちょっと痛いようなくすぐったいような感触です。がまんして静かにしていると、いっぱい集まってきて、てのひらに乗ってくるものも現れます。始めに大きなものがやってきて安全を確認し、次に小さいのが近づいてくるようです
白くて長いひげ(触角)でその存在がすぐに分かるオトヒメエビのペアー。体は透明ですが先端部の黄色がよく目立つ大きなはさみ脚をもったオシャレカクレエビ。また透明な体に赤と白の小さな斑紋のあるクリアクリーナーシュリンプはウツボやアザハタの体にくっついています。移動するときは海中をふわふわと泳いでいますが、その様子は蚊が飛んでいるようにも見えます。これらのエビはスザクサラサエビのように多くはありません。
アザハタの根に集まっているエビたちは色や形はさまざまですが、魚の体についたゴミや寄生虫を取り除く掃除行動をするという共通点があります。私もスザクサラサエビにてのひらを掃除してもらいましたが、エビの指圧マッサージのようでもあり馴れれば気持ちよくなれそうです。