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最新の話題 2005年9月【海域】

9月の錆浦の海 -チョウチョウウオ類の幼魚が増えてきました-

 9月初旬に台風14号が九州を中心とした西日本に大きな被害をもたらしましたが、錆浦では波の高い日が数日続いた程度でした。海中のサンゴたちにもほとんど被害が見られず、生き生きとした姿を見せてくれます。

 さて、そのサンゴたちが見られる水深3~4m程のクシハダミドリイシやスギノキミドリイシの群落を見ると、8月には見られなかったチョウチョウウオ類の子供たちが多数見られるようになりました。依然として多いのは先月から見られるトノサマダイとスミツキトノサマダイの2種ですが、アケボノチョウチョウウオやヤリカタギ、ミスジチョウチョウウオの3種も普通に見られるようになりました。サンゴの群落は20m四方くらいの狭いところですが、これら5種はそれぞれ10個体以上、トノサマダイでは30個体以上が見られると思います(正確に数えて回ったわけではないのでもっと多いかもしれません)。また、珍しいところではハナグロチョウチョウウオが1個体、ミカドチョウチョウウオが2個体見られ、全部で12種のチョウチョウウオ類が確認できました(残りはニセフウライ、トゲ、フウライ、ウミヅキ、そして普通のチョウチョウウオです)。これらの子供たちは3 cmほどの大きさのものが多く、8月からサンゴの隙間にはいたものと思われます。また、中には南の海からやってきて間もない1 cmくらいの小さなものも見られるので、まだまだ黒潮に乗って南から流れ着き、数も増えていくものと思われます。

 チョウチョウウオ類の子供たちの多くはスギノキミドリイシの枝の上や近くを泳いでいます。そして、サンゴのポリプをつついて食べていたり、周辺の岩についた何かしらの生物を食べていますが、ちょっと近づいてカメラを向けると、さっさと枝の隙間に隠れてしまいます。しばらく息を凝らして待っていると少しずつ出てくるのですが、なかなかいい写真を撮るのは難しいものです。

 串本でも陸上には秋が来ました。しかし海中では、チョウチョウウオ類の子供たちがサンゴ群落で多数見られるようになって、やっと錆浦にも夏が来たように感じられます。これから水温の下がる冬までは、錆浦の浅海域をこれらのチョウチョウウオ類の美しい姿が彩っていくことでしょう。

錆浦でも珍しいミカドチョウチョウウオ
写真1. 錆浦でも珍しいミカドチョウチョウウオ

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