本文へジャンプ
共通メニューへジャンプ

串本海域公園について

串本海域公園の利用

串本海中図鑑

串本海域公園の話題

終わりに

環境省国立公園吉野熊野公園利用ガイドみどころ紹介串本海域公園|最新の話題


ここから本文

最新の話題 2007年11月【陸域】

 今年はなりものの当たり年のようで、カキ・クリ・アケビなどが豊作のようです。観察コースにあるクリも、今年はたくさんの実を付けています。例年だと木の持ち主もサルとの戦いをあきらめるのですが、今年は豊作とあって、サルに負けじとクリの収穫に励んでいるようです。サルは木の上でクリのイガに達することはできますが、イガを手に取ることは痛くてできません。サルのできることは、木を揺すってイガを地面に落とすことです。ところが、イガを落とす競争では人間は必ずしもサルに負けるとは限りません。  10月18日、クリの大木のそばの、ウメの木に竹竿が立てかけてありました(写真 1)。サルにやられる前に、木からイガを落として、クリを収穫するという手段にでたに違いありません。それが証拠に、地面には大量のイガが散乱していました。さらにわずかですが拾い忘れたクリも見つかりました(写真 2)。この頃になると、ヌスビトハギの実が成熟して、ものにくっつくようになりました。草むらをこいだ後のズボンにはヌスビトハギの実がたくさんつきます(写真 3)。

 10月24日、秋の空気を染めるキンモクセイが花盛りを迎えました(写真 4)。また、ナンテンも冬に向かって、実が赤味を増してきました(写真 5)。方々のカキの実は落ちるなり、サルにやられるなり、人が収穫するなりして、あまり目立たなくなりましたが、あちこちの木にぽつりぽつりと残った実は黄色く色付いています(写真 6)。

 翌25日、シャリンバイの実は黒ずんできて、小豆色ほどになっています(写真 7)。ススキとセイタカアワダチソウが秋を演出しています(写真 8)。チャの花も咲き始め、ノコンギクの大きな群落が荒れ地のあちこちに見られます(写真 9-10)。

 定期観察の11月1日に串本を留守にするので、10月30日に定期観察を行いました。ウメにはまだ葉が付いていますがわびしいたたずまいです(写真 11)。カキの実は既に熟しています(写真 12)。クリはまだ青い葉を付けていますが、イガは茶色くなり、ほとんどが地面に落ちて、中の実は収穫された後です(写真 13-14)。ミカンの実はまだ成長の途中のようです(写真 15)。この日、ツワブキの花が咲き始めました(写真 16)。

 また、ビワの花も咲きました(写真 17)。さらにトベラの実がはじけはじめ、中から真っ赤な実がのぞきました(写真 18)。ハマボウの花はいよいよ最後のようですが、花の様子は真夏の花と変わりなく、外気の気温と花の姿とがアンバランスな感じがします(写真 19)。この時期あちこちで咲いている真っ赤なハイビスカスの花を見るのと同じ感覚です。シイはすっかりドングリを落として、平素の姿に戻っています(写真 20)。海岸で今期2度咲きをしたクサギは、紅色の衣装の中にようやく紺色の実を付けました(写真 21)。

 農家の花卉栽培の畑では生け花で流行の、フウセントウワタが花を咲かせ、大きな実を実らせています(写真22)。フウセントウワタは、南方系の蝶であるカバマダラの食草となるようで、紀伊半島でもあちこちでカバマダラが発生しているという話が聞こえてきます。串本でもあちこちにこの花が植わっていますし、花屋にも入荷しているので、おっつけ串本でもカバマダラが発生してもおかしくない状況にあるように思っていましたが、11月4日にそれが現実となりました。秋になって、夏の猛暑にお休みをしていたチョウがたくさん飛び出しました。紀南を特長付ける南方系の蝶であるサツマシジミはまだ新羽化個体が見られます(写真 23)。上にも書いたように、11月4日、観察コースでカバマダラを捕獲し損ねました。本種に擬態しているので有名なツマグロヒョウモンのメスだと思って、何気なく網に入れたところ、紛れもないカバマダラでした。胸を押さえて、三角紙に包もうとしたとき、証拠の蝶は突然羽ばたいて中天高く舞い上がり、手の届かぬ所へと行ってしまいました。

 翌5日、ホコリタケを見つけました(写真 24)。8日にはホコリタケは色が焦げ茶色に変色していました(写真 25)。この日、ミカンの実は少し黄色く色付いた気がします(写真 26)。海中公園の駐車場のキンカンに青い小さな実がたくさん付いているのを見つけました(写真 27)。また同じ駐車場のツバキにもたくさんのつぼみが付きました(写真 28)。この日は天気がよく、気温も上がったので、多くのチョウが目に付きました。モンシロチョウ・ヤクシマルリシジミ・ヤマトシジミ等です(写真 29-31)。

クリの木とイガ落としの棒
写真1. クリの木とイガ落としの棒
地面のイガとクリの実
写真2. 地面のイガとクリの実
ズボンに付いたヌスビトハギ
写真3. ズボンに付いたヌスビトハギ
キンモクセイ満開
写真4. キンモクセイ満開
ナンテンの実やや赤くなる
写真5. ナンテンの実やや赤くなる
カキの実ひとつ
写真6. カキの実ひとつ
シャリンバイの実黒くなる
写真7. シャリンバイの実黒くなる
ススキとセイタカアワダチソウ
写真8. ススキとセイタカアワダチソウ
チャの花
写真9. チャの花
ノコンギクの群落
写真10. ノコンギクの群落
ウメの木はわずかに葉を残す
写真11. ウメの木はわずかに葉を残す
カキの実熟す
写真12. カキの実熟す
クリの木の枝
写真13. クリの木の枝
地面に散乱するイガ
写真14. 地面に散乱するイガ
ミカンの実
写真15. ミカンの実
ツワブキ咲き始める
写真16. ツワブキ咲き始める
ビワの花咲き始める
写真17. ビワの花咲き始める
トベラの実はじける
写真18. トベラの実はじける
ハマボウの最後の花
写真19 . ハマボウの最後の花
ドングリの落ちたシイ
写真20. ドングリの落ちたシイ
クサギの紺色の実
写真21. クサギの紺色の実
フウセントウワタの花と実
写真22. フウセントウワタの花と実
サツマシジミ♀
写真23. サツマシジミ♀
ホコリタケ
写真24. ホコリタケ
黒くなったホコリタケ
写真25. 黒くなったホコリタケ
ミカン少し色付く
写真26. ミカン少し色付く
キンカンの実
写真27. キンカンの実
つぼみを付けたツバキ
写真28. つぼみを付けたツバキ
モンシロチョウ
写真29. モンシロチョウ
ヤクシマルリシジミ
写真30. ヤクシマルリシジミ
ヤマトシジミ
写真31. ヤマトシジミ
キイイトラッキョウにウラナミシジミ♂
写真32. キイイトラッキョウにウラナミシジミ♂
同じくウラナミシジミ♀
写真33. 同じくウラナミシジミ♀
ムラサキツバメ♂
写真34. ムラサキツバメ♂
ひなたぼっこの同♀
写真35. ひなたぼっこの同♀
柿の落葉が積もった小径
写真36. 柿の落葉が積もった小径

バックナンバー

2012年

陸域
海域

2011年

陸域
海域

2010年

陸域
海域

2009年

海域

2008年

陸域
海域

2007年

陸域
海域

2006年

陸域
海域

2005年

陸域
海域

2004年

陸域
海域

2003年

陸域
海域

2002年

陸域
海域

ページ最上部へ