知る04
脱炭素経営に向けた取組の広がり
ESG金融の進展に伴い、グローバル企業を中心に、気候変動に対応した経営戦略の開示(TCFD)や脱炭素に向けた目標設定(SBT, RE100)が国際的に拡大。投資家等への脱炭素経営の見える化を通じ、企業価値向上につながります。
さらに、こうした企業は、取引先(サプライヤー)にも目標設定や再エネ調達等を要請。脱炭素経営が差別化・ビジネスチャンスの獲得に結びつきます。
- TCFD
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- 投資家等に適切な投資判断を促すために、気候関連財務情報開示を企業等へ促進することを目的とした民間主導のタスクフォース
- 主要国の中央銀行、金融監督当局、財務省等の代表からなる金融安定理事会(FSB)の下に設置
- SBT
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- パリ協定の目標達成を目指した削減シナリオと整合した目標の設定、実行を求める国際的なイニシアティブ
- 国際NGO(CDP、WRI、Global Compact、WWF)が運営
- RE100
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- 企業が自らの事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアティブ
- 国際NGO(The Climate Group、CDP)が運営
RE100
RE100は、事業を100%再エネ電力で賄うことを目標とする取組のことです。
(2024年3月1日現在)
- RE100の参加日本企業
- 86社
(1)RE100概要資料(2024年3月1日更新版)
RE100の認定要件や参加企業の状況等を8スライドにまとめたものです。
(2)RE100詳細資料(2024年3月1日更新版)
RE100に関する解説をはじめ、参加要件の詳細、参加事例などを紹介しています。また、RE100の参加要件を満たさない団体向けに組成した日本独自のイニシアチブである再エネ100宣言 RE Actionについても紹介しています(スライド59-62)。
再エネ100宣言 RE Action
再エネ100宣言 RE Actionは、国際イニシアチブであるRE100の参加要件を満たさない団体を対象として発足した日本独自のイニシアチブであり、事業を100%再エネ電力で補うことを目標とする取組のことです。
(2024年6月7日現在)
- 再エネ100宣言 RE Action 参加団体数
- 374団体
参加団体一覧はこちら
エコアクション21
エコアクション21は、環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)です。一般に、「PDCAサイクル」と呼ばれるパフォーマンスを継続的に改善する手法を基礎として、組織や事業者等が環境への取り組みを自主的に行うための方法を定めています。エコアクション21は、中小企業が効果的、効率的、継続的に環境へ取り組んでいただけるよう工夫されています。
WMB
We Mean Businessは、企業や投資家の温暖化対策を推進している国際機関やシンクタンク、NGO等が構成機関となって運営しているプラットフォームです。
WMB関連資料(2023年3月1日更新版)
We Mean Businessの構成機関や取組概要について説明しています。構成機関として、「SBT」の他、「再エネ100%目標(RE100)」、「経済指標2倍化目標(EP100)」、「電気自動車移行目標(EV100)」など、概要や参加企業を掲載しています。
組織・製品のLCA
ISOによる検討
ISO(国際標準化機構)では、ISO/TR14069「温室効果ガス-組織のGHG排出量の定量化及び報告-ISO 14064-1に対する技術的手引」が検討され、2013年4月18日にISO/TR 14069として正式発行されました。このISO/TR14069 は、組織の直接及び間接排出量の定量化、並びに報告方法に関する指針を示すものであり、上記のScope3との整合性を図るべく検討されています。
また、ISO/TS14072「ライフサイクルアセスメント―組織に対する追加要求事項及び指針」が検討され、2014年12月15日にISO/TS14072として正式発行されました。このISO/TS14072は、組織が容易且つ効率的にISO14040及びISO14044 を適用するための追加的要求事項及び指針であり、LCAの組織への適用、LCAの方法論を組織レベルで用いることによるメリット、報告や比較主張に係る限界などを詳述しています。
温室効果ガスの排出量とは直接関連性はありませんが、環境マネジメントシステム規格であるISO14001においても、2015年の改正によってライフサイクルの視点を考慮することが付け加えられました。この改正によって、製品のライフサイクル評価や組織のScope3排出量の算定が求められることはありませんが、組織自らが管理及び影響を及ぼす範囲については、調達する物品・サービスに関連する環境影響に加えて、使用及び使用後の処理に関連する環境影響についても管理することが求められます。
欧州委員会「環境フットプリント」
欧州委員会(EC)の環境総局は2011年3月から、温室効果ガス以外の指標も考慮した「製品の環境フットプリント(PEF)」と「組織の環境フットプリント(OEF)」に関する方法論の開発に着手し、2013年4月にその最終版を発行しました。
- 製品の環境フットプリントに関する方法論
Product Environmental Footprint (PEF) Guide:上記リンク先のANNEXⅡ - 組織の環境フットプリントに関する方法論
Organisation Environmental Footprint (OEF) Guide:上記リンク先のANNEXⅢ
(和訳は下記<参考>をご参照ください。)
このガイダンス文書では、「算定結果の比較」を重視しています。従来の LCAの方法論では、算定条件の選択に際して複数の選択肢を提供するのに対し、本ガイダンス文書では算定結果の比較可能性を担保するため、製品カテゴリ/産業セクターごとの詳細な算定ルール(PEFCR/OEFSR)を作成し、算定条件を揃えることを求めています。
また、評価が必要となる環境影響領域は気候変動だけでなく、オゾン層破壊、毒性、酸性化、資源枯渇等14領域にも及ぶ他、データの品質は一定基準以上であることが求められています。フットプリント情報の表示義務化等が行われた場合には、製品間・組織間比較が可能になるなど、企業活動における影響が非常に大きいガイダンス文書となっています。
2013年11月よりPEFCR/OEFSRの開発へ向けたパイロットが行われています。2016年末にはパイロットの終了が予定されており、2017年からはパイロットの成果を基に政策への適用に関する議論が予定されています。
(和訳)
製品の環境フットプリント(PEF)ガイド:上記文書の付属書Ⅱ
組織の環境フットプリント(OEF)ガイド:上記文書の付属書Ⅲ
「環境フットプリント」のパイロットへの参加募集について(第1次パイロットの募集は2013年7月26日に締め切られております)
(和訳)
- ボランティアの募集(PDF/238KB)
*当資料は、パイロット参加募集資料となっており、取組背景や目的、パイロットスケジュール等が記載されております。 - 実施ガイダンス関連(PEF)(PDF/1,002KB)
- 実施ガイダンス関連(OEF)(PDF/1,995KB)
- 「環境フットプリント」ニュース(英語)(Environmental Footprint News、外部リンク)
サステナビリティ・コンソーシアム
製品ライフサイクルに関する全世界の膨大な持続可能性情報の収集・分析を可能にすることを目指し、サプライヤーや小売、NGO、政府等が共同して2009年7月に立ち上げられた組織です。
当初、ウォルマートによる「サステナビリティ・インデックス」という商品の環境負荷レーティングの導入活動から始まったもので、現在はアリゾナ州立大学、アーカンソー大学を中心に運営されており、現在、約100のグローバル企業・組織が参加、各製品セクターにおけるWG等を通じて、持続可能性の測定などに関する検討を行っています。
Category Sustainable Profile(CSP;製品種別地蔵可能性プロファイル)、Key Performance Indicator(KPI;重要評価指標)、Sustainability Snapshot(持続可能性スナップショット)という製品の持続可能性に関する情報を有料で提供しています。2015年12月現在、CSPなどが整理されている製品群は110種であり、これらについてSustainable Insightsと呼ばれる情報が公開されています。
業界固有の方法論
WBCSD chemicals
WBCSDに加盟するグローバルの化学メーカー10社が集まり、WBCSDと共同でScope3基準の化学セクターガイダンス「Guidance for Accounting & Reporting Corporate GHG Emissions in the Chemical Sector Value Chain」を作成し、2013年2月26日に公開しました。
このガイドは、Scope3基準の付帯資料として、共同取決め、エネルギー再販、バリューチェーン(Scope3)活動の特定、コージェネレーション設備、スワップ協定など、化学業界に関連する領域を含めた、算定・報告のガイドを示しています。また、企業全体の気候変動リスクのより透明かつ一貫した報告のためのフォーマットも提供しています。
ITU-T組織における環境影響評価の方法
国際電気通信連合(ITU)の部門の一つで、電気通信分野の国際標準策定を担当するITU-Tにおいて、組織がエネルギー消費量及び/又はGHG排出量に関係する情報通信テクノロジーの評価を実施する際に従うべき方法論の検討を行いました。検討を通じて、組織における環境影響評価の方法論として、ITU-T L.1420勧告「Methodology for energy consumption and greenhouse gas emissions impact assessment of information and communication technologies in organizations」が2012年2月6日に承認されました。
セミナー・フォーラムなどのイベント
「SBTの策定」、「算定方法の理解」、「サプライチェーン連携」、「算定結果の活用」等のテーマ別にセミナーを開催しております。自社のニーズに合ったテーマの資料をご参照ください。
取組の広がり(全般)
2050年カーボンニュートラルをめざして、すでに取組を進めている企業、自治体、団体の取組事例やメッセージを紹介しています
「気候変動対策」と「地域課題」の同時解決に向けて環境省の脱炭素化事業を活用した自治体・企業の取り組みを紹介しています
気候変動対策推進の一環として、顕著な功績のあった個人・団体をたたえる環境省による「気候変動アクション環境大臣表彰」について紹介しています
環境影響評価法対応に向け環境アセスメント(環境影響評価)に携わる方々が相互に活用できる様々な情報を提供しています
地域循環共生圏
地域循環共生圏づくりに向けた考え方や活動を「しる」・「まなぶ」・「つくる」・「つながる」という4つの観点から紹介しています
地方公共団体における脱炭素化に向けた活動として2050年ゼロカーボンシティの表明状況を紹介しています
国際連携、国際協力
環境省が脱炭素社会の実現に向けて推進する都市間連携事業の概要について紹介しています
JCM(二国間クレジット制度)の基本概念やパートナー国、最新動向について紹介しています