排出量算定について

サプライチェーン排出量全般

温室効果ガスは、化石燃料の燃焼、工業プロセスにおける化学反応、あるいは温室効果ガスの使用・漏洩などに伴い、大気中に排出されます。サプライチェーン排出量は、自社内における直接的な排出だけでなく、自社事業に伴う間接的な排出も対象とし、事業活動に関係するあらゆる排出を合計した排出量を指します。
つまり、原材料調達・製造・物流・販売・廃棄など、一連の流れ全体から発生する温室効果ガス排出量のことです。
サプライチェーン排出量=Scope1排出量+Scope2排出量+Scope3排出量
GHGプロトコル(英語)(Greenhouse Gas Protocol、外部リンク)のScope3基準では、Scope3を15のカテゴリに分類します。

サプライチェーン排出量のスコープ図

Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)

Scope2 : 他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

Scope3 : Scope1、Scope2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

(1)サプライチェーン排出量 概要資料 <2023年3月16日リリース>

サプライチェーン排出量の概要や算定のポイントを8スライドにまとめたものです。

(2)サプライチェーン排出量 詳細資料 <2023年3月16日リリース>

サプライチェーン排出量の算定の他、削減対策や事例、CDPなど外部の評価、日本取組事例などを紹介しています。

分割版

(3)サプライチェーン排出量の算定の流れについて

サプライチェーン排出量算定は大まかに分けると4つのステップから成る

STEP0:サプライチェーン排出量算定方法の理解

サプライチェーン排出量の算定ポイントや各カテゴリの考え方、削減対策、企業の取組状況などを確認し、サプライチェーン排出量算定方法を理解

STEP1:算定目標の設定

自社のサプライチェーン排出量の規模を把握し、サプライチェーンにおいて削減すべき対象を特定すること等の算定に係る目的を設定

STEP2:算定対象範囲の確認

サプライチェーン排出量の算定の際には、グループ単位を自社ととらえて算定する必要がある

STEP3:Scope3活動の各カテゴリへの分類

サプライチェーンにおける各活動を、漏れなくカテゴリ1~15に分類

STEP4:各カテゴリの算定

  1. 算定の目的を考慮し、算定方法を決定します
  2. データの収集項目を整理し、データを収集します
  3. 収集したデータをもとに、活動量と排出原単位から排出量を算定します

Scope1,2排出量とは

自社における直接排出がScope1、自社が購入・使用した電力、熱、蒸気などのエネルギー起源の間接排出がScope2です。

区分 該当する排出活動(例)
Scope 1 直接排出 自社での化石燃料の燃焼、セメントの製造(CaCO3→CaO+CO2)、フロンガスの漏洩
Scope 2 エネルギー起源の間接排出 自社が購入・使用した電気・熱・蒸気の生産

(1)GHGプロトコル Corporate Standard、Scope 2 Guidance

温室効果ガス排出量の測定・管理に係るフレームワークを検討・策定するイニシアチヴ「GHGプロトコル」が主体となり、企業における排出量算定や報告の方法を示す「A Corporate Accounting and Reporting Standard」(以下「コーポレート基準」)が策定されています。
また、コーポレート基準の部分的アップデート資料として、「GHG Protocol Scope 2 Guidance」(以下「Scope2ガイダンス」)が発行されています。Scope2ガイダンスには、ロケーション基準とマーケット基準の考え方の違いなど、コーポレート基準には含まれていない情報が含まれています。

【参考URL】

(2)温対法「温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度」(SHK制度)

我が国では、地球温暖化対策の推進に関する法律(以下「温対法」)に基づき、平成18年4月1日から、温室効果ガスを相当程度多く排出する者(特定排出者)に、自らの温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することが義務付けられています。
令和4年より、温室効果ガス排出に関する情報の統合管理を目的とするシステム「省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム(EEGS)」がリリースされています。
Scope1,2排出量は、国内および海外において自社が所有または支配する事業からの排出量ですが、事業者単独の国内事業で見た場合にはSHK制度と概ね同様の算定範囲です。国内の実態を踏まえて策定した我が国のガイドライン「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」では、Scope1,2排出量の算定方法として、SHK制度における算定方法に準じる考え方を示しています。

【参考URL】

Scope3排出量とは

Scope2以外の間接排出(自社事業の活動に関連する他社の排出)がScope3です。

区分 該当する排出活動(例)
1 購入した製品・サービス 原材料の調達、パッケージングの外部委託、消耗品の調達
2 資本財 生産設備の増設(複数年にわたり建設・製造されている場合には、建設・製造が終了した最終年に計上)
3 Scope1,2に含まれない
燃料及びエネルギー活動
調達している燃料の上流工程(採掘、精製等)
調達している電力の上流工程(発電に使用する燃料の採掘、精製等)
4 輸送、配送(上流) 調達物流、横持物流、出荷物流(自社が荷主)
5 事業から出る廃棄物 廃棄物(有価のものは除く)の自社以外での輸送(※1)、処理
6 出張 従業員の出張
7 雇用者の通勤 従業員の通勤
8 リース資産(上流) 自社が賃借しているリース資産の稼働
(算定・報告・公表制度では、Scope1,2 に計上するため、該当なしのケースが大半)
9 輸送、配送(下流) 出荷輸送(自社が荷主の輸送以降)、倉庫での保管、小売店での販売
10 販売した製品の加工 事業者による中間製品の加工
11 販売した製品の使用 使用者による製品の使用
12 販売した製品の廃棄 使用者による製品の廃棄時の輸送(※2)、処理
13 リース資産(下流) 自社が賃貸事業者として所有し、他者に賃貸しているリース資産の稼働
14 フランチャイズ 自社が主宰するフランチャイズの加盟者のScope1,2 に該当する活動
15 投資 株式投資、債券投資、プロジェクトファイナンスなどの運用
その他(任意) 従業員や消費者の日常生活

※1 Scope3基準及び基本ガイドラインでは、輸送を任意算定対象としています。

※2 Scope3基準及び基本ガイドラインでは、輸送を算定対象外としていますが、算定頂いても構いません。

[出所] サプライチェーン排出量算定の考え方 パンフレット 環境省

(1)GHGプロトコル Scope 3 Standard

温室効果ガス排出量の測定・管理に係るフレームワークを検討・策定するイニシアチヴ「GHGプロトコル」が主体となり、企業のバリューチェーンにおける排出量を対象とする「Corporate Value Chain (Scope3) Accounting and Reporting Standard)」(以下「Scope3基準」)が策定されています。
また、Scope3基準の付帯資料として、企業のバリューチェーンにおける排出量の算定に関するガイダンス「Technical Guidance for Calculating Scope3 Emissions」(以下「Scope3算定技術ガイダンス」)が発行されています。Scope3算定技術ガイダンスは、Scope3の15カテゴリそれぞれのGHG排出量算定手法や、データ源、事例など、Scope3基準には含まれていない情報が含まれています。

【参考URL】

排出量算定に関するガイドライン

サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン

サプライチェーン排出量に関する国際的基準であるGHGプロトコル「Scope3基準」等との整合を図るとともに、国内の実態をふまえて環境省と経済産業省が策定した我が国のガイドラインです。サプライチェーン排出量算定の基本的な考え方と算定方法を紹介しています。

業種別解説

基本ガイドライン」の補完文書として、環境省と各業界団体が策定した業界別の解説書です。業種固有の状況を踏まえ、算定すべき範囲、算定方法、留意事項等について具体例を含めて紹介しています。
記載されている排出原単位は作成当時のものとなっているため、現時点のものに差し替えてご利用ください。

排出原単位データベース

排出原単位データベース

サプライチェーン排出量の算定は、取引先から排出量の提供を受ける方法(一次データを利用する方法)と活動量(*1)を自社で収集し、該当する排出原単位(*2)を掛け合わせることにより算定する2種類があります。
以下、排出原単位を一覧にまとめたものが原単位データベースとなります。

*1:事業者の活動の規模に関する量のこと。例えば電気の使用量、貨物の輸送量、廃棄物の処理量、各種取引金額が該当します。
*2:活動量あたりのCO2排出量のこと。例えば電気1kWh使用あたりのCO2排出量、貨物の輸送量1トンキロあたりのCO2排出量、廃棄物の焼却1tあたりのCO2排出量が該当します。

①サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース

サプライチェーン排出量の算定に活用できる排出原単位を取りまとめたデータベースです。国内及び海外の排出原単位データベースも一覧形式で紹介しています。Ver.2.6からExcel版を掲載しています。

最新版のデータベース

Ver.3.0から一部変更がありましたので、最新版をお使いください。
なお、変更の詳細は、データベースをご参照ください。

最新版のデータベースの解説

排出原単位データベースの整備方針、使い方等をScope1、Scope2及びScope3のカテゴリ毎に整理した資料です。排出原単位の適用可否の判断等に活用できます。

過去のデータベース

②IDEAv2(サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用)

環境省はIDEAv2の特殊ライセンスを取得しています。
このライセンスによって、環境省から使用を許可されたエンドユーザーは「自組織のサプライチェーンにおける温室効果ガス排出量算定」を行う目的に限ってIDEAv2を使用することができます。

IDEAv2(サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用)取得申請はこちら
(サステナブル経営推進機構/LCIデータベースIDEAv2(サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用)、外部リンク)

排出量算定に関するQ&A

Q&A サプライチェーン排出量算定におけるよくある質問と回答集

サプライチェーン排出量を算定するにあたって、よくある疑問や判断の難しい箇所などを確認できます。Q&A形式で展開されるため、より理解しやすい内容となっております。

排出量算定に関する問い合わせ先

サプライチェーン排出量算定に関するお問い合わせは2023年3月16日(木)をもちまして受付終了しました。

よくある疑問や判断の難しい箇所などをQ&A形式でご紹介しております。「排出量算定に関するQ&A」をご確認ください。

実務者向けガイド

当資料は、リリース時点でのガイドラインなどのルールや原単位データベースやを利用しております。
実際の算定では、最新の「基本ガイドライン」や「最新版のデータベース」をご確認ください。

算定支援の勉強会資料

カテゴリ毎の算定方法について、企業の実態を想定した現実的な算定方法や算定の際の留意点を詳しく紹介しています。算定方法の理解を深める際にご参照ください。

算定用シート

サプライチェーン排出量の算定に活用できるExcelファイルです。「基本ガイドライン」で紹介されている各算定方法を実現することができます。

10業種の算定事例の紹介に加え、うち1業種について算定ツールを活用した実践的算定例を紹介しています。
記載されている排出原単位は作成当時のものとなっているため、現時点のものに差し替えてご利用ください。

パンフレット

基本ガイドライン」に基づき、サプライチェーン排出量の考え方や算定方法等を分かりやすく説明したパンフレットです。基本的な算定手順や簡易な算定方法、間違いやすい点やわかりにくい点の考え方等を紹介しています。

[掲載内容]

  • 表紙/はじめに
  • 第1章 サプライチェーン排出量とは
  • 第2章 基本的な算定手順
  • 第3章 簡易な算定方法
  • 第4章 Q&A
  • 算定に役立つ各種ツールの紹介(裏表紙)

<2015年3月リリース>

サプライチェーン排出量算定の考え方
全体版 (A4)
(PDF/6.7MB)

参考書

「サプライチェーン排出量算定」の初心者を対象として、「基本ガイドライン」に基づき、サプライチェーン排出量の考え方や算定方法等をわかりやすく記載したものです。 算定の初心者である主人公Aさんとともに、算定ポイントを体験しながら、ひとつひとつ読み進めていくことで「はじめてでもわかる」「基本から算定できる」ことを目標にしています。

[掲載内容]

  • 表紙/当参考書のねらい/目次
  • 第1章 算定目的の設定
  • 第2章 算定対象範囲の確認
  • 第3章 活動の分類
  • 第4章-1 カテゴリ算定例
  • 第4章-2 カテゴリ算定例
  • おわりに
  • 裏表紙/算定に役立つ各種ツールの紹介

取組事例

サプライチェーン排出量の算定や削減の検討、SBT目標の設定に関した取組の目的や課題など、先進的な企業の事例を紹介しています。これからサプライチェーン排出量の算定やSBT目標設定を始められる方は、ぜひ各社の考え方や取組を参考にしてください。

取組事例はこちら

原典

WRI(世界資源研究所)、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)によるパートナーシップ「GHGプロトコル」が運営するサイトには、温室効果ガス排出量算定のための基準やガイダンスなど各種資料が掲載されています。

資料名(外部リンク) Version 概要 仮訳
Corporate Standard - コーポレート基準
企業における温室効果ガス排出量の算定や報告の方法を示した資料です。
Scope1,2,3排出量の概念を示しています。
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Scope 2 Guidance - Scope2ガイダンス

コーポレート基準の改訂資料。
Scope2排出量の算定及び報告に関して、改訂された要求事項やベストプラクティスを示しています。

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Corporate Value Chain (Scope 3) Standard - Scope3基準
コーポレート基準の捕捉資料。
Scope3排出量の算定や、報告の方法を示した資料です。
(PDF/1,153KB)
Scope 3 Calculation Guidance - Scope3基準算定技術ガイダンス
Scope3基準の付帯資料。
企業のバリューチェーンにおける排出量の算定に関する実践的ガイダンスです。
(PDF/1,346KB)
Land Sector and Removals Guidance Draft 土地セクター・炭素除去ガイダンス
Scope3基準の補足資料。
土地利用および技術的なCO₂除去における排出量、および除去量の計算に必要な手順、手法、データを示しています。
【ドラフト版】
(PDF/11.0MB)