世界遺産 屋久島

世界遺産とは

世界遺産とは?

世界遺産とは過去から引き継がれてきた人類の宝物であり、今日私たちが共に生き、そして未来の世代に引き継いでいくものです。世界遺産の概念を特別なものにしているのは、遺産が「顕著な普遍的価値(outstanding universal value)」を有しているということです。世界遺産には「自然遺産」と「文化遺産」、両方の価値を兼ね備えている「複合遺産」があります。

世界遺産条約について

世界遺産条約は正式には「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」といいます。 世界遺産条約が生まれたのは、地球上に存在するさまざまな文化遺産や自然遺産を、ある特定の国や民族のものとしてだけでなく、世界のすべての人にとってかけがえのない宝物として保護していこうという考えからでした。このため条約は、わたしたち人類が責任をもって保護すべき顕著な普遍的価値をもつ文化遺産、自然遺産を認定し、そのリストを作成することを定めています。これによって、遺産の保護活動に向けた世界中の人びとの国際協力が推進されることになります。
世界中のあらゆる地域に国や民族が誇る文化財や自然環境があります。世界遺産条約はそれらが世界遺産リストに登録されていてもいなくても、世界遺産と同じように保護されるよう奨励しています。
「ユネスコ世界遺産年報1997-1998」/(社)日本ユネスコ協会連盟発行より抜粋

  1. 1. 条約の目的

    世界のすべての人に関係するような、すぐれて普遍的な価値をもつ遺産を保護するために、その重要性を世界に呼びかけるとともに、国際協力を推進することを目的としています。同条約は、1972(昭和47)年ユネスコ総会で採択され、1975(昭和50)年に発効しています。2021(令和3)年8月現在で194ヶ国が批准。日本は1992(平成4)年9月30日に125番目の締約国になりました。

  2. 2. 世界遺産リスト

    締約国にある文化遺産・自然遺産のうち「すぐれて普遍的な価値をもつ遺産」であると世界遺産委員会が認めるものの一覧表のことです。2021(令和3)年8月現在、自然遺産218、複合遺産(自然遺産でもあり文化遺産でもあるもの)39、文化遺産897の合計1,154の遺産が登録されています。国内では自然遺産として1993(平成5)年12月に「屋久島」、「白神山地」、そして2005(平成17)年7月に「知床」、2011(平成23)年6月に「小笠原諸島」、2021(令和3)年7月に「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の登録が認められ、合計5件が登録されています。また、文化遺産としては法隆寺の仏教建造物や姫路城など合計20件が登録されています。

  3. 3. 締約国の義務
    1. 国内的な保護:締約国は、自国内の文化遺産及び自然遺産の保護に最善を尽くす。(努力義務)
    2. 国際的な保護:世界遺産委員会をユネスコに設置し、同委員会が次の業務を行うことにより国際的な保護を図る。
    1. 締約国の提出する候補リストに基づき、世界遺産リストを作成。
    2. リストに記載された物件について、締約国の拠出金等からなる世界遺産基金を活用し、保護のための援助を実施。
  4. 4. 評価基準(自然遺産)

    世界自然遺産条約では『自然遺産』の条件として、以下の評価基準のうち1つ以上に適合することが求められています。

    1. 自然美:最上級の自然現象、又は、類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含すること。
    2. 地形・地質:生命進化の記録や、地形形成における重要な進行中の地質学的過程、あるいは重要な地形学的又は自然地理学的特徴といった、地球の歴史の主要な段階を代表する顕著な見本であること。
    3. 生態系:陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化、発展において、重要な進行中の生態学的過程又は生物学的過程を代表する顕著な見本であること。
    4. 生物多様性:学術上又は保全上顕著な普遍的価値を有する絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の生育域内保全にとって最も重要な自然の生息地を包含すること。

    以上のうち、屋久島は「1.自然美」と「3.生態系」に適合し、樹齢千年を超える巨大なヤクスギ天然林が織りなす景観と、他地域ではほとんど失われてきた暖温帯地域の天然林が海岸線から山頂部まで連続して分布している植生の垂直分布が評価されました。

世界自然遺産 屋久島の概要

屋久島は、1993(平成5)年12月11日に白神山地とともに日本初の世界自然遺産に登録されました。屋久島の全面積の約2割に相当する10,747haが自然遺産地域として登録されています。

屋久島世界遺産地域管理計画

屋久島世界自然遺産地域は、1995(平成7)年に策定、2012(平成24)年に改訂された「屋久島世界遺産地域管理計画」に基づいて保全管理されています。現在、現状に即した適切な計画とするとともに、新たな知見を踏まえた遺産地域の管理を進めるため、新しい屋久島世界遺産地域管理計画の検討を始めています。

世界自然遺産 屋久島の詳細

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