登山の前に必ず知っておくこと

必要な装備

屋久島の山岳部は「登山用装備」が必要です

急峻な地形の屋久島は、里地は天気がよくても山岳部の天気は急変するため、登山用の雨具は必需品です。また、安全に、かつ屋久島の山を楽しむためには、日帰りでも非常用に防寒衣(冬は−10℃~−15℃に下がります)・食糧(チョコレートやアメなど)・懐中電灯・地形図・コンパス・警笛・携帯電話(無線機)も必需品です。

登山のための装備、服装のイラスト
日帰りでも、山中泊でも、登山用の適切な装備を

夏の装備

夏期の登山者の服装例(女性)帽子、長袖、ザック、登山靴を着用。
  1. Point1

    帽子

    好天時には日除として、雨天時では視界の確保に役立つ

  2. Point2

    長袖、長ズボン

    怪我や虫刺されをふせぐ

  3. Point3

    ザック

    両手を自由にすると、転倒・ケガの防止に

  4. Point4

    登山靴

    滑りにくく、疲れにくい登山靴が最適。革靴やサンダルは転倒しやすく危険

  5. Point5

    雨具

    山の天候は急変しやすく、夏でも雨によって低体温症のおそれが

夏期のザックの中身例。スポーツドリンクが入った水筒、非常食を含む食べ物、雨具(上下別)、手袋、登山地図、ザックカバー、携帯トイレ、防寒着、ヘッドライト

ザックの中身例

携帯トイレ、飲み物や食べ物、ヘッドライトなどのほか、夏でも防寒着があると安心です

冬の装備

冬季、屋久島の山岳部では、積雪は2メートルを超え、気温は氷点下まで下がります。十分な体力、技術、経験を備え、余裕のある登山計画をしてください。
初心者の方は必ず経験者やガイドに同行してください。

冬期の登山者の服装例(女性)
帽子・顔を守るもの、ザック、グローブ、防寒着、ピッケル・ストック、スパッツ(ゲーター)、登山靴、アイゼンなどを着用。
  1. Point1

    帽子・顔を守るもの

    耳まで隠れるニット帽、雪焼けや吹雪対策を忘れずに

  2. Point2

    防寒着、スパッツ

    雪山に適したインナーやアウターを着用

  3. Point3

    ピッケル・ストック

    岩場等の凍りついて滑りやすい場所で必要

  4. Point4

    冬用登山靴、アイゼン

    保温性と防水性の高い冬用登山靴が必要。
    場所によってはチェーン・アイゼン、ワカンなども

  5. Point5

    グローブ

    防水性、防風性の高いオーバーグローブと、ウール等の手袋を着用。予備も忘れずに

冬期のザックの中身例。飲み物や食べ物、屋久島マナーガイド、携帯トイレ、防寒着、ヘッドライト

ザックの中身例

コンパス、地図、カイロのほか、非常用装備も必ず持参しましょう。

たとえ日帰りでも、観光の装備では不十分です

2004年度の屋久島自然保護官事務所による調査では、縄文杉登山に訪れる人の58%が普段は登山をしない人でした。登山としての装備や心構えが不十分な利用者が増加すると、事故の発生につながり危険だけではなく、屋久島の山岳部で得られる利用体験の質の低下につながります。
日帰りでも非常用に防寒衣・食糧(チョコレートやアメなど)・懐中電灯・地形図・コンパス・警笛・携帯電話(無線機)も必需品です。服装は、長袖・長ズボン(半ズボンはケガのもと)・登山靴(スニーカーは滑りやすい。ただし、スパイク付は木の根を傷めます。)を用意してください。

登山には向かない軽装姿の例を示した写真5枚。一番左は、タンクトップ姿の女性と、Tシャツ・短パン姿の女性たちの後ろ姿の写真。左から2番目は、Tシャツ・スニーカー、手に荷物を持つなどした数名の人たちの写真。左から3番目は、汗を発散しにくい木綿のズボン・スニーカー姿の人の写真。左から4番目は、足が露出したサンダルに、ビニール袋を肩から下げている人の写真。左から5番目(一番右)は、Tシャツ・短パンやスニーカー・手提げ袋を手にもつ人の写真です。

短パンやスニーカー、手提げ袋など軽装で訪れる観光客が増えていますが、事故の発生につながります

屋久島山岳部における遭難・怪我等の集計件数の推移のグラフ。屋久島山岳部で発生している遭難・怪我等の状況は、過去10年間(平成22年度~令和2年度)では、毎年20件程度が集計されている状況である。主要な3地域(縄文杉ルート、宮之浦岳ルート、白谷雲水峡)での発生が全体の大半を占めている。

屋久島山岳部における遭難・怪我等の集計件数の推移(単位:件)

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