屋久島自然保護官事務所の業務紹介
屋久島自然保護官事務所の概要
屋久島世界遺産センター内には「環境省屋久島自然保護官事務所」が併設されています。当事務所にはレンジャー2名、アクティブ・レンジャー2名、生態系保全等専門員1名、利用企画官1名、国立公園管理官1名、事務補佐員2名の計9名の職員が勤務しており、世界遺産地域や国立公園の管理運営、普及啓発、屋久島世界遺産センターの運営などの業務を行っています。
屋久島山岳部の利用動向把握調査(カウンター調査)
世界遺産地域を含む屋久島の山岳部の管理に役立てる基礎情報として、山岳部の利用動向を把握することを目的とした自動観測装置(カウンター)による入下山者数調査を行っています。
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過去の調査結果は「登山者数データ」から
ヤクシカの管理
近年ヤクシカの増加によって植生の減少など生態系被害が起きています。屋久島で現在捕獲が実施されているのは、島の円周部での有害鳥獣捕獲や狩猟に限られており、生息密度が高い西部地域や希少種・固有種が多く生息する保護地域での捕獲はほとんど実施されていないため、生態系などへの被害が懸念されています。生態系管理の一環として、世界自然遺産地域を含む保護地域内での科学的・計画的な個体数管理の体制づくりを進めています。
詳しくはヤクシカのパンフレットをごらんください
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屋久島世界遺産地域ヤクシカ・ワーキンググループを設置し、専門家から科学的知見に基づいた助言を得ながら順応的管理を進めています。
登山道・海岸巡視
国立公園の自然を守り、多くの人に適切で快適に利用頂くため、登山道や海岸を見回り、自然情報の収集やモニタリング調査、施設の点検・補修、違反がないかなどを確認しています。
希少動植物
屋久島国立公園には、多種多様な動植物がいきづいています。そのうち、希少な動植物や絶滅危惧種を中心にモニタリングや保全活動を実施しています。
口永良部島には、国内希少野生動物にも指定されているエラブオオコウモリが生息しており、地域の方々による保全活動や観察会などが実施されています。2020(令和2)年には、口永良部島の小中学生が書いたかわいいイラストがついたエラブオオコウモリの生態や観察時に注意をしてほしい点をまとめたパンフレットを作成し、島を訪れる人に呼びかけています。
屋久島は、植生の垂直分布とヤクスギの原生林が評価されて世界遺産に登録されました。標高帯に応じて様相を変化させる屋久島の森にはさまざまな希少植物が生育しています。 こうした植物環境の多様性と希少植物を紹介するパンフレットを作成しました。 屋久島の森の奥深さを感じていただけるとうれしいです。
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普及啓発
出前授業
屋久島の子ども達に屋久島の自然の素晴らしさや大切さを知ってもらうため、アクティブ・レンジャーが島内の学校に出向き、世界遺産や国立公園、屋久島の自然環境などに関する授業を行っています。
授業実施のご相談は、屋久島自然保護官事務所までご連絡ください。
自然に親しむ集い
環境省では、自然に親しむことを通じ、心身の健康を増進し、自然に対する関心と理解を養うことを目的として、自然に親しむための行事を実施しています。この一環として、屋久島では、屋久島町と公益財団法人屋久島環境文化財団と共催で町民を対象とした自然観察会「自然に親しむ集い」を開催しています。
屋久島国立公園だより
屋久島国立公園だよりは、屋久島自然保護官事務所で作成しており、国立公園の取り組みや最新情報、イベントのお知らせを発信しています。
アクティブ・レンジャー日記〔九州地区〕
アクティブ・レンジャーとは、国立公園や希少野生生物の現地管理業務を行う環境省の自然保護官 (レンジャーといわれる)の補佐役で、パトロールや利用者指導、調査研究、自然解説など、主として 野外の現場業務を担っています。屋久島を含む九州管内に配属されたアクティブレンジャーが日々の 業務から考えたことや国立公園の状況などを日記形式でお伝えします。