屋久島のエコツーリズム

ウミガメ観察におけるエコツーリズム

ウミガメや浜を守る取組みに参加する

近年、ウミガメ観察のために永田浜や栗生浜を訪れる観光客が増加し、ウミガメのフラッシュ撮影や浜への無秩序な立ち入りによるウミガメの産卵やふ化に与える影響の増大が懸念されています。

このような状況を受けて、2009(平成21)年にはウミガメの保護と永田浜の適正な利用を図ることを目的に地域の自主ルールとして「永田浜ウミガメ観察ルール」が策定されました。また、永田浜に次いで多くのウミガメが上陸・産卵する栗生浜では、2015(平成27)年に「栗生浜ウミガメ保護・観察ルール」が策定されました。これらはウミガメの産卵期及びふ化期における、観察にあたってのルールやマナー事項を取りまとめていますが、地域の自主ルールで強制力はありません。ウミガメの産卵頭数は減少傾向にあり、人為的な産卵ふ化環境の悪化を軽減させるルールの徹底が必要です。

永田浜にいる一匹のアカウミガメの写真。アカウミガメは産卵を終え、海に帰ろうとしています。

これを受け、2019(令和元)年9月にはエコツーリズム推進法を根拠とした屋久島全体でのウミガメの保護と適正な観光利用の仕組みを検討するために、屋久島町エコツーリズム推進協議会において、ウミガメ保護利用専門部会が設置されました。

利用実態

  • 2009(平成21)年に夜の永田浜に訪れたウミガメ見学者は年間1万人以上。世界遺産に登録された1993(平成5)年から約4倍に増加。
  • 永田ウミガメ連絡協議会がウミガメの保護を目的としたウミガメ観察会等を実施。
  • NPO法人屋久島うみがめ館が上陸・産卵個体数やふ化率・脱出率を把握するため調査研究活動を実施。

近年の動き

  • 2008(平成20)年度:ウミガメの保護と永田浜の適正な利用を図ることを目的に地域の自主ルールとして「永田浜ウミガメ観察ルール」を策定。
  • 観察ルールの検討や、ウミガメの保護及びその産卵・ふ化環境の保全に関する事項を検討することを目的に、2009(平成21)年12月「永田浜ウミガメ保全協議会」を設置。
  • 2015(平成27)年度:栗生浜におけるウミガメの保護のためのルールを検討することを目的に、屋久島町が地域の自主ルールとして「栗生浜ウミガメ保護観察ルール」を策定。
  • 2019(令和元)年度:エコツーリズム推進法を根拠とした屋久島全体におけるウミガメの保護と適正な観光利用の仕組みを検討するため「屋久島町エコツーリズム推進協議会ウミガメ保護利用専門部会」を設置。

利用により生じた主な変化・問題

自然環境

  • 近年永田浜や栗生浜に訪れるウミガメ見学者が多く、夜、浜に上陸してくるウミガメの産卵や子ガメのふ化への悪影響が懸念されている。
  • ウミガメの上陸数や産卵頭数は減少傾向にある。
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