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最新の話題 2010年5月【海域】

5月の錆浦の海  -繁殖シーズン始まる-

 2月の平均水温は17.4°C(平年比+1.0°C、前年比+0.5°C)、3月の平均水温は17.2°C(平年比+0.5°C、前年比-0.5°C)、4月の平均水温は18.8°C(平年比+0.5°C、前年比+0.3°C)でした。2009年より少し暖かな冬が終わって、海の中にも春がやってきました。

 さて、3月下旬のある日、それは突然やってきました。水族館のある錆浦の西に筆島という尖った岩があり、周辺に多くのタイドプールがあります。そこにサバの大群が押し寄せてきたのです。体長10 cmほどの小さなサバは、数千から数万尾のいくつも群れをつくり、浅瀬と言う浅瀬で見ることができました(写真1)。捕まえて調べてみると、ゴマサバであることが分かりました。私にとって初めての光景でしたが、決して珍しいことではないようです。

 5月に入って、水温も20°Cを越えるようになると、様々な生きものが見られるようになります。観光船の港近くにあるテトラポッドの下から大きな尾が見つかりました(写真2)。マダラエイという尾にヒレのあるエイの仲間だと思い、しばらく観察していると尾が隠れて、代わりに少し口が見えました(写真3)。下顎の形から判断するとクロアナゴのようです(写真4)。これがマダラエイだとすると、大きすぎてテトラポッドの隙間に入ることは無理だと思いました。また、少し離れた海底近くで、漂うクラゲを見ることができました(写真5)。傘の直径が20 cmほど、傘の中に四つ葉のクローバーのような模様があることから、多くの水族館でおなじみのミズクラゲとわかりました。串本海中公園の水族館でも最近よく飼育展示されていますが、海で見る機会はあまりなく、私も海中で見るのは5年ぶりくらいだと思います。

 水温が高くなってくると、いろいろな生きものの繁殖が見られるようになってきます。港の中で見つけたのはイトマキボラの産卵です(写真6)。イトマキボラは殻高(殻の長さ15 cmくらいの巻き貝で、浅い海底でよく見られます。たくさんのイトマキボラが岩の隙間に上端に凹みのある筒状の卵嚢を多数生みつけていました。卵嚢の中には数百の卵が入っているはずです。少しずつ水温が上がっていくので、これから夏にかけて色々な生きものの繁殖行動が見られるようになるでしょう。

ゴマサバの群れ
写真1. ゴマサバの群れ
何かの尾ビレ
写真2. 何かの尾ビレ
クロアナゴの下顎
写真3. クロアナゴの下顎

写真4. 水槽のクロアナゴ

写真5. 大きなミズクラゲ

写真6. 集団で産卵するイトマキボラ

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