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終わりに
11月16日に串本にいきなり冬が来ました。そしてこの日紀南の冬の名物、タイキンギクが開花しました(写真1)。また、22日には海中公園の駐車場のヤブツバキが開花しました(写真 2)。23日、コースの日だまりでルリタテハがひなたぼっこをしていました(写真 3)。ルリタテハは成虫越冬なので、暖かい日には真冬でも飛翔が見られます。翌24日、同じく駐車場のキンカンの木に実がたくさんなっているのを見つけました(写真 4)。26日、ついに冬になったと見えて、ナンテンの実が真っ赤になりました(写真 5)。この日、コースの山道で、動きの鈍いジムグリに出会いました(写真 6-7)。寒さのために凍えていたのでしょう。月末の29日、山際の1本の柿の木のみに、多くの実が残っています(写真 8)。他の木ではほとんど実が落ちてしまっているこの頃ですが、木によって、葉や実の落ちる状況は大きく異なるようです。
12月1日は定期観察の日です。ウメは枯れ枝状態(写真 9)、クリはまだたくさん葉を付けていますし、その葉も青っぽいものが目立ちます(写真10)。さらにカキは上にも書いたように、木によって状態が著しく異なり、紅葉した葉をいっぱい付けているもの(写真 11)や、全く葉を落とし尽くしたもの(写真12)が見られます。ミカン(=ハッサク)は大きな実をたくさんつけ、実も黄色く色付いています(写真13)。
この時期の花はタイキンギクです(写真 14)。またビワの花もよく咲き、ハナアブが吸蜜に訪れています(写真15)。海岸のダンチクも元気よく北風に花穂をなびかせています(写真16)。またこの時期オシロイバナもいっぱい花を付けています(写真17)。チャの花は冬の長い間、ぽつりぽつりと花を咲かせ続けます(写真18)。一方、ついこの前まで満開だったツワブキは花の時期が終わりました(写真19)。
冬になり、木の実も目立つようになってきました。トベラの実はたくさんのものがはじけて、まるで花が咲いたように見えます(写真20)。一方、シャリンバイとヒメユズリハの実は真っ黒に色付きました(写真21-22)。この時期に一層目立つのは鮮やかな色彩が印象的なクサギの実でしょう(写真23)。
紀南の紅葉にはあまり目立ったものがありません。ハマボウやサンゴジュは汚い色合いです(写真24-25)。そんな中にあって、ハゼの紅とイヌビワの黄色とがアクセントを付けます(写真26-27)。一方、常緑のウバメガシとシイとはいつもと変わらぬみずみずしい葉をたくさん付けています(写真28-29)。それに引き替え、海岸のハマオモトは哀れな姿で、やがて厳冬を迎え、地上部は枯れてしまうのも間近なことでしょう(写真30)。
12月6日に初めてスイセンが咲きました(写真31)。この頃農家の庭先のアセビが見事に紅葉しています(12月7日、写真32)。12日には早くも早春に咲くウメの枝に花芽がふくらむのを見つけました(写真33)。そして、師走も半分過ぎた12月14日、梅林の草地にスミレの開花を見ました(写真34)。やがてお正月を迎えようとしていますが、紀南の生きものたちは、まもなくくる春を迎える準備、すなわち迎春の準備に余念がないようです。