30年後の未来社会を考える
未来社会シナリオを作成してTAに生かす
低炭素社会の重要なファクターとされるコンパクトなまちづくりを支える技術について、TA調査を実施しました。市街地への移住を促すための社会的な制度や仕組み(社会技術、詳しくは「コンパクトなまちづくりを支える技術とTA」を参照)に着目し、30年後の未来社会シナリオを作成して、こうした技術が社会にどのようなインパクトをもたらすかを評価しました。ここでは、作成した未来社会シナリオと、それをもとに行った社会技術の評価(TA)について紹介していきます。
今回作成した未来社会シナリオの狙いは、確実に起こる正しいシナリオを予測することではありません。有識者の知見や市民の意見をもとに議論するワークショップを開催し、現在見えている確実性の高い社会的トレンドは何か、不確実だけれどもインパクトの大きな事柄とは何かといったことを通して、コンパクトなまちづくりを進めるうえでの課題を見つけることが狙いです。
また、市民が参加するTAにおいて、作成した未来社会シナリオが対話を促すための道具として使えるのではないかという期待もあります。郊外から市街地への移住に関してはいろいろな意見があるなかで、共通理解を深めてコミュニケーションの舞台を作ることがシナリオの役割と考えられるからです。