第10回グッドライフアワード 環境大臣賞

受賞者紹介

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞 企業部門

地域の自治体や学校と共に100万人のエコな子どもたちを 育み続ける環境・SDGs教育情報紙「エコチル」事業

株式会社アドバコム

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞

受賞者紹介

企業部門

地域の自治体や学校と共に100万人のエコな子どもたちを
育み続ける環境・SDGs教育情報紙「エコチル」事業

株式会社アドバコム

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞環境・SDGs教育情報紙 エコチル

環境・SDGs教育情報紙「エコチル」は、エコな子どもたちを育み、学校や家庭にエコライフが浸透していくことを目的に2006年に札幌市で創刊され、公立小学校を通じて月刊10万部の無料配布を開始しました。その後、年々エリアと部数を拡大し、2022年7月に月間発行部数100万部を突破。現在、北海道・東京・神奈川・長野・静岡・大阪の3,057校の公立小学校を通じて116万人の児童に毎月無料配布されており、環境教育教材や親子の対話ツールとして親しまれています。

*グッドライフアワードは、環境省が提唱する地域循環共生圏の理念を具現化する取組を表彰し認知を広げるためのプロジェクトです。詳しくはこちらをご覧ください。

どんな活動?

環境・SDGs教育情報紙を毎月約3,000の小学校に無料配布!

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞エコチル表紙

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞巻頭特集記事

株式会社アドバコムは、長年にわたって、学校というチャネルを活用し、環境・SDGs教育情報紙「エコチル」を毎月約3,000の公立小学校に無料配布。 116万人以上の子どもたちが読者となっています。

毎月、地球温暖化や生物多様性、省エネ・再エネなど、1つのテーマを定めた巻頭特集をはじめ、食育特集、動物園だより、プレゼントが当たる大人気のエコワードパズルなど、図やイラストをふんだんに使った、子どもたちが親しみやすい紙面が特徴です。 そんなエコチルを子どもたちが家庭に持ち帰ることで、親子一緒に環境を学べるコミュニケーションツールにもなっています。

紙面に掲載されている子ども向け環境・SDGs関連記事は、年間1,080本以上作成されており、エコチル公式Webサイト(ecochil.net)で、全て無料で閲覧することが可能です。 また、2021年4月に創刊15周年プロジェクトとして、全国47都道府県版の「エコチル」を電子化し、毎月インターネットで公開するサービスも開始したところGIGAスクールやコロナ禍でのオンライン学習機会の増加などから、月平均で72,700PV以上閲覧されるWebサイトに成長しています。

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞札幌ドーム開催 「環境広場さっぽろ」

さらに、「環境広場さっぽろ」というビッグイベントも開催。これは世界に誇れる環境都市を目指す札幌市とエコな子どもたちを育むことを目指して、2018年から毎年札幌市とのコラボで開催している北海道最大級の親子向け環境・SDGsイベントです。 2022年7月、3年ぶりに札幌ドームでリアル開催され、217の企業・団体が出展し、21,270人 (うちオンライン参加6,036人)の親子が来場。また、2023年4月には、G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合開催記念イベントとして、環境広場ほっかいどう2023を札幌ドームでリアル開催。バーチャル会場のアクセスも可能で、2日間合計でおよそ5万6千人が来場しました。参加者に環境・SDGsについて楽しみながら学んでいただく機会を提供しました。

アドバコムが2021年7月に大規模な読者アンケート調査を行った結果、1,878世帯の保護者から回答が得られ、エコチルを読むことで「環境意識に良い変化があった(親85.6%/子69.1%)」「環境に配慮する行動に良い変化があった(親79.3%/子 69.5%)」「SDGsに関心を持つようになった(親77%/子74%)」という成果も報告されています。

活動のきっかけは?

未来を担う子どもたちのために「エコチル」を創刊!

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞株式会社アドバコム東京支社にて取材
アドバコム東京支社長 甲州亨氏、実行委員 大葉ナナコ氏、アドバコム代表取締役 臼井純信氏、環境省大臣官房地域政策課 野杁拓担当

今回、子育ての中でエコチルと長年接してきたというグッドライフアワード実行委員で一般社団法人Design of Your Life代表理事の大葉ナナコ氏、環境省の野杁拓担当と共にアドバコムの東京支社を訪れ、代表取締役である臼井純信氏と東京版を発行している東京支社長の甲州亨さんにお話をうかがいました。

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞東京支社長 甲州氏 代表取締役 臼井氏

爽やかな印象の臼井氏は46歳、大きなビジョンをもった社会起業家です。18歳で札幌市の広告会社に就職し、クライアント企業の広告宣伝・販売促進支援に従事していました。様々な広告を発信していく活動を通じて、広告ビジネスの可能性やその影響力に大きなやりがいを感じ、この仕事を一生のものにしていくことを入社3ヵ月で決意したそうです。 その後、20歳でトップセールスマンとなり充実した日々を過ごしていましたが、徐々に自分の創り出す広告を特定の顧客だけではなく、地域や社会の未来をより良くしていくことに活用したいという想いがふくらみ、23歳で独立し24歳でアドバコムを設立しました。

その後、臼井氏は会社が軌道に乗った27歳のとき、長女が誕生したことをきっかけに、「子どもに誇れる仕事がしたい。子どもたちに輝かしい未来を残したい」という想いを強く持ったそうです。そこから、「子ども」「環境」「教育」といったキーワードが浮かび、 「Ecology」&「Children」=「エコチル」を構想し、約2年の準備期間を経て2006年4月に子ども環境情報紙「エコチル」を創刊。札幌市内約200校の公立小学校で毎月10万部の無料配布を開始したのです。

しかし、無料配布ということは印刷代などの経費がかかり、それを会社が負担しなくてはなりません。当時を振り返って臼井氏は、「広告協賛をしてくれる企業を探すのですが、応援してくれる企業は数少なかったです。エコチルの札幌版がスタートして3年ほどは、出せば出すほど赤字を計上するばかりで、多くの社員も辞めていきました。」と苦労を語ってくれました。

転機となったのは、創刊から2年後の2008年、北海道洞爺湖サミットが開催されたことです。この洞爺湖サミットで地球温暖化対策や環境問題への関心が高まり、サミットのお膝元で発行されている、環境・SDGs教育情報紙「エコチル」が注目されるようになりました。それを受け、企業の反応も徐々に変わっていき、昨今のSDGsも大きな追い風となり、エコチルをサポートしてくれる企業も増えていったのです。

成功のポイントは?

他に類を見ない持続可能な環境ビジネスの確立!

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞エコチル表紙

エコチルの成功のポイントを臼井氏に聞くと、「粘り強く継続する力」というお答えをいただきました。そもそも、エコチルは利潤を追求する通常のビジネスではなく、子どもたちや家族、地域社会のエコ意識を広める目的のソーシャルビジネスだと言い切ります。同席した甲州氏は、「社長とは札幌時代からの友人で、その情熱に感動して東京支社長を引き受けることにしたのです。」と明かしてくれました。

エコチルは、現在、北海道・東京・神奈川・長野・静岡・大阪の3,057校の公立小学校を通じて、116万人の子どもたちとその保護者に毎月届いており、環境教育教材や親子のコミュニケーションツールとして親しまれています。 また、各発行地域の自治体やスタッフと連携して、地域密着のオリジナル版を毎月58種類(紙媒体16版・電子42版)、編集・制作して発行しています。

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞甲州氏 臼井氏

それにしても、なぜ毎月、58種類ものバージョンを創ることできるのでしょうか?甲州氏は、「記事づくりの編集作業に携わる方の中には、子育て中の主婦の方が60人くらいいます。元編集者やデザイナー、ライターなどが、子育ての空いた時間にテレワークで全国各地からサポートしてくれています。」とその秘密を明かしてくれました。

臼井氏は、「子育て中の親御さんは、子どもたちが未来を担うわけですから環境意識も当然高いんです。それぞれの関係者の方々とウィンウィンの関係をしっかり構築していくことで、一過性に終わらない持続可能な形で事業を推進しています。」と胸を張ります。

また、エコチルが「紙」の情報紙であることも成功のポイントだと言います。紙だからこそ、小学校での授業で使われ、それを子どもたちがランドセルに入れて持ち帰ることによって、家庭での対話が生まれ、地域社会の環境意識も高まっていくそうなのです。

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞甲州氏 大葉委員 臼井氏

実行委員の大葉ナナコ氏も、エコチルが「紙」であることがとても重要だと指摘します。5児の母として子育てが終わった大葉委員は、子どもたちが読者だったエコチルにはずっとお世話になっていたそうです。表彰式でも「日本の小学校や中学校にとって、環境教育のエコチルのような紙媒体はとても大切だと思います。何度も家庭で見直せますし、世代を超えた情報を繋いでくださる媒体だと思います。」とエールを送っていました。

今後の展望

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞

第10回グッドライフアワード 環境大臣賞エコチル 甲州氏 臼井氏

2006年の創刊以来、約16年以上継続しているだけではなく、発行部数は創刊から11.6倍に拡大しており今後もさらに大きな成長が期待できます。いま、環境・SDGs教育の推進やそのコミュニティづくりは、全国の自治体や企業などから注目されており、エコチル事業は今後さらに広がっていこうとしています。

臼井氏は、「2025年度までに、全国20の政令指定都市(現在4地域116万部)でエコチルを創刊するとともに、総発行部数 月刊200万部突破を目指しています。」と胸を張って大きな展望を語ってくれました。

第10回 グッドライフアワード

懐かしい未来を里山から つくる「里の家」 ~風の子、海の子、 里山体験~

環境大臣賞 最優秀賞

懐かしい未来を里山からつくる「里の家」~風の子、海の子、里山体験~

一般社団法人 里の家

再生可能エネルギーの普及と地域のエネルギーによる収益を地域に還元、SDGs未来都市の創造!

環境大臣賞 優秀賞

再生可能エネルギーの普及と地域のエネルギーによる収益を地域に還元、SDGs未来都市の創造!

一般社団法人 市民エネルギー生駒

消費者の「食べたい!」が「住みたい!」につながった生活クラブと庄内地域のローカルSDGsプロジェクト

環境大臣賞 優秀賞

消費者の「食べたい!」が「住みたい!」につながった 生活クラブと庄内地域のローカルSDGsプロジェクト

生活クラブ事業連合生活協同組合連合会

みぞのくちノクティ「みんなで地球をまもろう!」~一人ひとりができることを考え行動しよう

環境大臣賞 優秀賞

みぞのくちノクティ「みんなで地球をまもろう!」~一人ひとりができることを考え行動しよう

みぞのくち新都市株式会社

地域の自治体や学校と共に100万人のエコな子どもたちを育み続ける 環境・SDGs教育情報紙「エコチル」事業

環境大臣賞 企業部門

地域の自治体や学校と共に100万人のエコな子どもたちを育み続ける環境・SDGs教育情報紙「エコチル」事業

株式会社アドバコム

7ヶ月で200万倍に増殖する侵略的外来水草をバイオエタノールに~燃やすべきか飲むべきか、それが問題だ

環境大臣賞 企業部門

7ヶ月で200万倍に増殖する侵略的外来水草をバイオエタノールに~燃やすべきか飲むべきか、それが問題だ

株式会社サンウエスパ

アマモ場を保全し、水産生物増殖を担う魚礁を活用した、豊かな海づくり

環境大臣賞 企業部門

アマモ場を保全し、水産生物増殖を担う魚礁を活用した、豊かな海づくり

志田内海株式会社

「ゼロカーボンタウン能勢」の実現に向けて~地域の高校生と共に推進するまちづくり~

環境大臣賞 学校部門

「ゼロカーボンタウン能勢」の実現に向けて~地域の高校生と共に推進するまちづくり~

大阪府能勢町

中津川 THE SOLAR BUDOKAN(中津川 ザ ソーラー ブドーカン)

環境大臣賞 NPO・任意団体部門

中津川 THE SOLAR BUDOKAN(中津川 ザ ソーラー ブドーカン)

中津川 THE SOLAR BUDOKAN実行委員会

人生100年時代!! 森・人・地域経済を活性化する「グッドウッドプロジェクト」

環境大臣賞 地域コミュニティ部門

人生100年時代!! 森・人・地域経済を活性化する「グッドウッドプロジェクト」

一般社団法人 ゴジョる 釜石支店

臼杵観光ナビ(青の洞門 禅海和尚のように)

環境大臣賞 個人部門

臼杵観光ナビ(青の洞門 禅海和尚のように)

中野重二

第10回グッドライフアワード 受賞者一覧