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番外編4 南極観測船しらせの船旅(1)

2月12日、昭和基地を離れたしらせは、南極大陸に沿って東に進み、シドニーに向けて、海洋観測をしながら進みます。シドニーへの入港予定は3月21日。約1ヶ月半もの長い船旅です。今回は、船でどんな生活をしているのか、ご紹介しましょう。

○船室
船室は、隊長室、副隊長室とそれぞれの隊員の部屋があります。隊員の利用する部屋の多くは2人部屋ですが、4人部屋もいくつかあります。ここに、合計60人の観測隊員が生活しています。私は4人部屋におり、3人で利用しています 。
隊員たちは、ゆっくり休んで疲れを癒す、船酔いを耐える、映画を見る、本を読む、観測データをまとめる、報告書を書く、学術論文を書くなど自分たちのペースで生活しています。
船内では、インターネットは利用できませんが、電子メールを使えるので、日本の国内とのやりとりもできます。
○揺れる船
南極地域はそのまわりを暴風圏に取り囲まれています。今は南極大陸添いを通っているので、さほど揺れませんが、低気圧が近づき、天気が悪くなって来たときには、左右に10~15度前後揺れました。船の左右の揺れは、隊員公室についている傾斜計で大まかに知ることができます。
○食事
食事は、朝食が6:00、昼食が11:00、夕食は17:00からです。ちょっと早いと感じるかもしれませんが、その分食後の時間をゆっくりと過ごすことができます。
○風呂と洗濯
しらせにはお風呂もあります。シャワーは真水ですが、お風呂は海水を利用しています。これは、真水は海水をくみ上げて造られるためとても貴重であり、少しでも真水の利用を節約するためです。
洗濯も普段は風呂桶を使って手で行います。船内には洗濯機がありますが、航海中は、真水にどれだけ余裕があるかによって利用できるかが決まります。通常、6日に1回は利用できます。
○運動
昭和基地に滞在中と異なり、船内では、体を動かす機会が少なくなります。天気がよく、船の揺れが小さい時は、甲板で運動、マラソンやウォーキングをする人もいます。なお、船倉にはトレーニングルームもあり、体を鍛えることもできます。
(つづく)