番外編3 昭和基地での生活
昭和基地での作業が終わると、隊員は宿舎に戻り、夕食やミーティングの後、それぞれの時間を過ごします。隊員たちは、どんなところで暮らしているのでしょうか。
○夏期隊員宿舎での生活
12月、昭和基地に到着した直後は、第1夏隊宿舎が生活の拠点になります。宿舎の1階には食堂や炊事場があり、2階には2段ベッド、風呂、トイレなどがあります。



1月初旬からは、しらせの乗組員が、夏隊宿舎での食事作りや設営作業を手伝いに来てくれます。これに伴い、多くの隊員は第2夏隊宿舎に移動します。


○昭和基地中心部-管理棟と居住棟での生活
2月1日。第46次越冬隊の越冬が終了し、46次隊員は順次しらせに引き上げます。代わって、第47次越冬隊が来年1月31日まで基地中心部を拠点とし、越冬を開始します。
越冬隊員の生活の場は、居住棟と管理棟です。管理棟には、食堂、サロン、通信室、病院などがあります。居住棟は個室になっています。暖房が効いていて過ごしやすく、各部屋で電子メールやインターネットも利用できます。





その他にも娯楽を企画する係などがあり、生活に彩りを添えています。
37名の越冬隊員は、周辺から孤立した状態で、時にブリザードが吹き荒れ、そして一日中太陽が出ない「極夜」の冬も過ごさなければなりません。その中にあっても、基地を安全に維持し、また、研究観測の成果をあげるためには、隊員それぞれが安心できる快適な生活環境の中で、心身を保つことが大切なのでしょう。
そして、こうした快適な生活環境を維持するために、発電機や暖房機などの機械類に異常がないかを監視して整備したり、上下水設備が凍結しないように気を配り、生活排水が適切に排出されるように浄化槽を清掃したり、時には飲み水を確保するために雪を収集しなければならないなど、隊員たちの苦労も大きなものです。
なお、夏隊宿舎は来年、第48次観測隊を迎えるまで、閉鎖されます。
(了)