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第14回 さらば、昭和基地

2006年2月15日


 2月11日。昭和基地を去る日を明日に控え、しらせに積み込む物資を昭和基地のヘリポートへ搬入する作業を行った。ヘリポートから西の浦を見ると、空は鮮やかな夕焼けであった(写真1)。西の浦は、そのほとんどがすでに薄氷に覆われており、南極の夏が終わるのを感じた。一日中明るかった昭和基地も、この時期になると21時半頃には太陽が沈み、夜は暗くなっていた。

写真1

 翌2月12日、私たち夏隊は、昭和基地の広場で、これから越冬する隊員との別れを惜しんだ(写真2)。その後、ヘリコプターで昭和基地の沖に停泊しているしらせに順番に戻った(写真3)。ヘリコプターの強風に煽られながらも、懸命に手を振る越冬隊員たちの姿(写真4)が涙にかすんで見えた。日本に戻るすべての隊員を収容後、しらせは昭和基地を離れた。私たちは甲板に出て、見晴らし岩から手を振る隊員たちと、最後のお別れをした(写真5)。

写真2 写真3
写真4 写真5

 昭和基地に12月18日に着いてから2ヶ月弱、昭和基地での試料採取、野外調査への同行、そして、設営活動や環境保全活動への参加など、多様なことを体験し、いずれも無事終了することができた。これも、ともに過ごした観測隊のみんなの理解と協力があってはじめてできたことである。ありがたく思うとともに、これから昭和基地に残る越冬隊が、来年1月末までの越冬任務を無事に成功させることを祈るばかりである。

(了)