種の保存法とは
うみがめ科の取引規制について
うみがめ科は世界中の海に生息する爬虫類です。生息地の開発や生物資源としての利用等のため多くの種で個体数が減少傾向にあるとされ、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに掲載されています。また、日本国内で産卵がみられるアカウミガメ、アオウミガメ、タイマイは、環境省レッドリスト2020に絶滅危惧種として掲載されています。存続を脅かす要因としては、混獲による溺死のほか、産卵地である砂浜の減少が挙げられています。
うみがめ科は、全6種がワシントン条約の附属書Ⅰに掲載されており、国際的な商業取引が規制されています。また、わが国においても、種の保存法における国際希少野生動植物種として指定され、うみがめの個体や剥製などといった個体等の譲渡し等(あげる、売る、貸す、もらう、買う、借りる)及び販売・頒布目的の陳列・広告が規制されています。また、タイマイをはじめとする甲がべっ甲の原料として需要があることから、全形を保持していない甲を事業規制の対象としています。
うみがめ科一覧
種名(和名) | 種名(学名) | 適用日 |
アカウミガメ | Caretta caretta | 昭和55年11月4日 |
アオウミガメ | Chelonia mydas | 昭和62年10月22日 |
タイマイ | Eretmochelys imbricata | 平成6年7月29日 |
ケンプヒメウミガメ | Lepidochelys kempii | 昭和55年11月4日 |
ヒメウミガメ | Lepidochelys olivacea | 平成4年1月31日 |
ヒラタウミガメ (ヒラタアオウミガメ) |
Chelonia depressa (Natator depressus) |
昭和56年6月6日 |
うみがめ科の個体等は、その区分によって取扱いが異なります。詳しくは以下を御覧ください。
- (1)生きている個体、剥製・甲・皮等(全形を保持したもの)
- (2)全形を保持していない甲(背甲、肚甲、縁甲(ツメ)、端材、半加工品)
- (3)べっ甲製品
(1)生きている個体、個体、剥製・甲・皮等(全形を保持したもの)
取引を原則禁止しています。
取引とは、譲渡し等(あげる、売る、貸す、もらう、買う、借りる)を指します。
また、取引につながる販売・頒布目的の陳列・広告も規制対象です。詳細については、「譲渡し等の規制及び手続きについて」を御覧ください。
上記の表に掲げる規制適用日より前に取得された等の要件を満たす場合には、個体等登録をすることにより、譲渡し等が可能になります。登録個体等の取引には、登録票を添付する必要があります。また、登録個体等を販売・頒布のために陳列する際には登録票を備え付け、広告する際には登録票の記載事項を表示することが義務づけられています。
なお、漁業法※1に基づき適法に採捕された個体等とそこから繁殖等させた個体等については、種の保存法に基づく取引規制の対象外となります。
(2)全形を保持していない甲(背甲、肚甲、縁甲(ツメ)、端材、半加工品)
これらの販売・譲渡を事業※2として行う場合は、あらかじめ特定国際種事業者としての届出が必要です。詳細については、「特定国際種事業について(うみがめ科の甲)」をご覧ください。
(3)べっ甲製品
べっ甲でできた眼鏡やアクセサリーなどの製品の取引は規制の対象外となります。