20のチャレンジ
栃木県矢板市
■暖房度日地域区分
■パッシブ地域区分
■提案概要
現在整備中の「道の駅やいた」の敷地内に銘木たかはら材をふんだんに活用した木造2階建てのモデルハウスを建設。周囲には本市の中枢を成す市庁舎を始めとする公共施設が集中している。地元産材やパッシブソーラー等の自然エネルギーを徹底活用するほか、電気自動車の充電に利用できる屋外コンセントや家庭菜園の設置、太陽光、太陽熱を利用した省エネの取組みなど、道の駅との連携によるエコなライフスタイルを提案する。
■地域の紹介文
矢板市は、栃木県の北東部に位置し、人口35,996人、13,025世帯、面積170.66km2を擁する。地理上、東京から約140km、県都宇都宮市から約30km、JR東北本線(宇都宮線)でそれぞれ2時間30分、40分の距離にある。夏季は高温多湿、冬季は低温乾燥の内陸性気候で、寒暖の差が比較的大きい。年間を通し日照量は比較的多い。冬季は朝の冷え込みが厳しく、また、高原山から吹き降ろす冷たいからっ風が吹き、氷点下の日も多い。建設予定地の東側には、矢板市の公共施設(文化会館・矢板公民館・生涯学習館・図書館・市庁舎・体育館)が軒を並べ、1級河川の内川(延長36.4km)も流れている。西側には、中川(1級河川、延長13.0km)が流れており水辺に囲まれている。西側一帯は、緑豊かな田園地帯である。また、1.5km圏内には、市民の憩いの場である、「城の湯温泉センター」や、つつじの名所で知られる「長峰公園」(総面積 約11ha)があり、市北部一帯は、緑地や水などの自然資源が豊富な森林地帯となっている。
■コンセプト
○“ 地域ブランド化” につながるモデルハウスの整備
○「道の駅」との協働によるエコハウスの普及促進
栃木県矢板市
道の駅 やいたエコハウス
※ 別ウィンドウで開きます
■予定地の緯度/経度
北緯 36度48分19.271秒(36.805353)
東経 139度55分23.524秒(139.923201)
建設地
建設地周辺
建設地航空写真
■計画提案
- ◇タイトル
- 道の駅 やいたエコハウス
- 設計者
永田英雄(株式会社フケタ設計)
- ◇ここがポイント
- ○地域性
古民家の知恵を生かした土間空間と地場産材の
徹底活用 - ○環境性
自然再生エネルギーの有効活用と屋外環境と屋内
環境の一体感 - ○ライフスタイル
自然と気候風土と一体となったパッシブライフスタイル
◇設計主旨
- ■民家の知恵を生かした計画当地域内には、農家住宅や伝統的な蔵も多く残って おります。これらの地域の特性と知恵を生かして防風林の植栽、また開放して一つながりの空間としての一体的利用や通風などを計画しました。
- ■自然再生エネルギー活用について 持続可能なエネルギーを徹底活用した計画としました。
- ハイブリットソーラーシステムの採用
太陽エネルギーを、光、熱を共に利用できるようにハイブリットソーラーシステムを採用し、2階屋根太陽光発電設備を設置します。また1階屋根には太陽熱集熱器を設置することで床下の蓄熱槽に太陽熱を蓄熱し暖房負荷を軽減します。また給湯用熱交換器とお湯取りエコキュートにより熱交換し給湯負荷を軽減します。 - 雨水利用システムの設置
- バイオマスエネルギーを利用する暖房器具(薪ストーブ)を設置
- 自然の風を有効に取り入れる計画
- ■エコライフスタイルと住まい方について
- 家と庭が一体となった生活空間を創造し、エコライフスタイルが確立できる計画としました。
- 雨水タンク利用と雨落しによる打ち水効果。雨水タンクより雨落しの大谷石の砕石敷き側溝に水を流し、打ち水効果を利用し夏の風をクールダウンし、やさしい風が室内に流れる計画としました。
- 家庭菜園の設置
家庭菜園を設け収穫する喜びや楽しみを感じることが出来ます。また、自家製の野菜を薪ストーブで料理することが出来楽しみがひろがります。 - 電気自動車用スペース
駐車スペースの土間は和室と連続することにより、一体的な利用が可能としました。 - 土間空間の活用
半屋外的な土間空間は多目的に利用することが出来るアクティブな空間です。
野菜等の種分け、乾燥・自転車やスキーのチューンナップ、工作等の作業としての場。
また、菜園での作業の合間の休憩の場、近隣とのお茶のみ話の場となります。
■工事中
屋根瓦葺き完了及び外壁下地組施工状況(3月10日撮影)
ささら板落とし込み工法仕上り及び伝統工法による小屋組状況(3月9日撮影)
太陽集熱器からの蓄熱槽内配管状況(1月15日撮影)