第9回グッドライフアワード 環境大臣賞

受賞者紹介

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞 自治体部門

人口減少先進地の挑戦!
地域を超えて支え合う、
お互いさまが広がるプロジェクト「ヒダスケ!」

岐阜県飛騨市

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞

受賞者紹介

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞 自治体部門

人口減少先進地の挑戦!
地域を超えて支え合う、
お互いさまが広がるプロジェクト「ヒダスケ!」

岐阜県飛騨市

 「ヒダスケ!」は、飛騨市民のさまざまな「困りごと」に、全国の皆さんから「お助け」をいただくことで、地域交流と「お互いさま」の支えあいを創出するプロジェクトです。市民発案のプログラムに地域内外から参加者が関わることで、人口減少によって生じていた課題の解決と、まちの小さな賑わいをつくり、地域の魅力の維持につなげる取組です。地域循環共生圏づくりのための関係人口を増やす取組として全国でも注目を集めています。

*グッドライフアワードは、環境省が提唱する地域循環共生圏の理念を具現化する取組を表彰し認知を広げるためのプロジェクトです。詳しくはこちらをご覧ください。

どんな活動?

飛騨市内の困りごとを全国の「ヒダスケ」が解決! 人と人のつながりを生む!

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞ヒダスケ(参加者)のみなさん

「ヒダスケ!」は、飛騨市内にある様々な困りごとの解決のために、全国の人々の力を借りて、楽しく交流をしながら支えあいを生み出すマッチングサービスです。

「体験ツアー」や「ボランティア」などをリブランディングし、困りごとや地域課題を資源に、人と人とのつながりと支えあいを構築する新しい仕組み。プログラム主催者と参加者、両者にとって対等で心地のいい関係性とメリットを体感できるサービスが提供されています。

プログラムはWEB上で随時掲載。例えば、農作業のお手伝い、新商品のモニター、デザイン、アイデア出しなどがあります。そして、WEB上でマッチングを可能にすることで、地域や年齢の垣根を超えて、幅広く参加者を募集することができます。地域経済循環サービスからのアプローチではなく、地域内外の人の交流から生み出す支えあいにフォーカスし、人口減少下における課題解決に取り組んでいるのです。

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞ヒダスケ!の仕組み

プログラムの主催者は「ヌシ」、参加者は「ヒダスケ」と呼ばれています。 これまでヌシからは、「人手不足の解消に一助になった。」「飛騨を愛する方たちと出会えて楽しい。」、ヒダスケからは、「地元の方々と交流できて嬉しかった。今後も交流や商品を注文したい。」、「市民の方のアツい想いを知ることができて共感できた。今後も関わりたい。」などの声があったといいます。

飛騨市と関わりたい人=「関係人口」を増やすことで、人口減少が進行するまちでも適切な規模で交流が生まれ、まちのハブとして機能しています。また、ヒダスケには、ヌシの創意工夫で用意する野菜等のお礼や電子地域通貨「さるぼぼコイン」を使った「オカエシ」を用意するなどして地域経済の一助にもなっています。

活動のきっかけは?

人口が減少しても「サポーターが増え続ける豊かな地域」の実現へ

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞飛騨市

岐阜県飛騨市は、平成16年2月1日に、古川町、河合村、宮川村、神岡町の2町2村が合併して誕生。岐阜県の最北端に位置し、飛騨山脈などの山々に囲まれ、四季の移り変わりを肌で感じることができ、とても自然に恵まれた地域です。 人口は現在約2万3,000人ですが、2011年から2021年の10年間で約4,000人の人口が減少しており、高齢化率40.05%の「人口減少先進地」です。

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞飛騨市 地図

そこで飛騨市では、このような状況下でも豊かなまちづくりを目指し、地域外の人との交流を目的とした「飛騨市ファンクラブ」を2017年に設立しました。この事業は、市と地域外の人の関わりを新しく生み出すことに成功し、約10,200名のコアなファンとのつながりを創出。飛騨市ファンクラブ会員と交流していく中で、飛騨市や地域のために「お手伝い」をしたいという方と、暮らしの一部のお手伝いを通して体験してもらいたいと希望する市民それぞれのニーズが分かり、そのニーズをつなぐ仕組みを考えました。
さらに、コロナ禍で、地方に関心がある人が増加傾向の中、地域外の方との接点をつくるために、観光や移住とは違う切り口から着想し、「ヒダスケ!-飛騨市の関係案内所」をオープンしたのです。

成功のポイントは?

人とつながりたい!誰かの役に立ちたい!ヒダスケ!による地域の変化

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞ヒダスケ!による地域の変化

2020年4月からスタートした「ヒダスケ!」は、約2年半で100以上のプログラムを開催。1000名を超える参加者が飛騨市と関わりを持ちました。コロナ禍の中、県内や富山県、愛知県など近隣の地域からの参加者が多かったそうです。これは高齢化で困難になった景観保全の活動や農業の担い手不足解消の一助になっています。 また、「ヒダスケ!」をきっかけに、飛騨市への来訪者が増えたり、プログラムを超えた副次的な交流が生まれたりしています。

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞飛騨市 総合政策課 ふるさと応援係 上田博美氏

今回取材をした「ヒダスケ!」のプロジェクトを運営する、飛騨市 総合政策課(ふるさと応援係)の上田博美氏は、「もともと、2017年からの飛騨市ファンクラブがベースにあり、関係人口を増やしていくのは、ヒダスケやヌシ、そして事務局がいかに楽しく面白がって関わっていくのかが大事なんだと思います。」と笑顔で答えてくれました。また、「コロナ禍もあって、人とつながりたい、誰かの為に役立ちたいと思っていた方々に刺さったのはないでしょうか。SNSを中心にして市民と外の人をつなぐ関係人口がどんどん広がってきました。」とも。

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞ヒダスケ!ロゴ

また、「ヒダスケ!」プロジェクトの仕組みや運営に関する設計、ビジュアルデザインや「ヒダスケ(参加者)」や「ヌシ(主催者)」などのネーミングなどが、親しみやすくキャッチ―なのも注目です。実はこれは、前任者で飛騨市ファンクラブやヒダスケ!のプロジェクト立ち上げを担った女性職員上田昌子氏(現総合政策課 広報係 主査)を中心にアイデアを出し合い考えていったそうです。飛騨市の「ヒダスケ!」は、2021年度グッドデザイン賞でも、「コミュニティづくりの取り組み・活動」として受賞しています。

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞グッドライフアワード竹ケ原啓介実行委員

取材に同行した実行委員の株式会社日本政策投資銀行 設備投資研究所 エグゼクティブフェロー竹ケ原啓介氏は、「ヒダスケ!には、プログラムメニューの多様性や参加することの充実度があります。それに若い人にとっては重くない関係性やフィールドの自由さが魅力なのでしょう。ヒダスケ!の企画力の強さがここまで多くの人を惹きつけていると思います。このヒダスケ!のエッセンスが全国の地域に広まっていけばいいと思います。」と語りました。

リポート!

飛騨市ふるさと種蔵村「myみょうが畑プロジェクト」取材

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞myみょうが畑プロジェクト

環境省「かおり風景100選」や岐阜県「ぎふの棚田21選」に選ばれている宮川町種蔵地区の棚田と板倉の美しい風景を守るため、担い手がおらず休耕となっているみょうが畑を復活させるプロジェクトが進行中です。その中で「myみょうが畑」としてオーナー制度を設け、畑や景観保全への協力者も募っています。

この日は、飛騨市ふるさと種蔵村「myみょうが畑プロジェクト」での、みょうが畑の草取りや間引き作業を取材しました。

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞ふるさと種蔵村役場前

「飛騨市ふるさと種蔵村」の副村長を務める岐阜大学の高木朗義教授が受け入れ側の「ヌシ」としてお手伝いを呼びかけ、まちづくりに関心のある岐阜大学の学生有志や職員の皆さん、畑のオーナーさんらを含む(23人)が参加しました。

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞ヌシ(主催者) 岐阜大学 高木朗義教授

強い日差しの中、同地区で40年以上にわたって栽培を続けている中谷節子さんが「師匠=講師」となり、師匠の指導のもと草とりやたくさん生えてきたみょうがの間引き作業をしました。師匠の中谷さんは、「今日はたくさんの方が集まってもらって感謝しています。みょうが畑の間引きは、日当たりをよくして良い色にするのと風通しをよくして倒れないようにするとても大事な作業です。」と挨拶、みょうが畑の間引き、草とりが実施されました。

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞師匠(講師) 中谷節子さん

ヒダスケ(参加者)たちは美しい自然の中、しゃがんで黙々と草抜きするなど作業に汗を流しながら交流していました。ヒダスケのお一人は、「愛知県豊橋市から車で3時間半かけてやってきました。myみょうが畑のオーナーになっての参加です。自然の中でカラダを動かすことでリフレッシュできるんです。」と答えてくれました。

また、高木教授は「活動を通じて10年後も種蔵が種蔵であり続けることを期待します。まずは休耕畑をもとに戻すことを一番に考えたい」と語ってくれました。

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みょうが畑の間引き・草とり

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞現地の活動をサポートする 地域おこし協力隊 永石智貴氏

今後の展望

プロジェクトが目指している事、今後やりたい事

第9回グッドライフアワード 環境大臣賞

飛騨市 総合政策課の上田博美氏は、「ヒダスケ!のモデルは他の地域でも成立するモデルだと思います。全国各地には困り事がたくさんあるはずで、その困りごとを面白がって積極的に発信できるかどうかも大事だと感じています。今後は関係人口の行動や関わり度合いなどの可視化を目指し、さらにヒダスケ!やファンクラブなどのコミュニティの関係性の質を高めるような事業を展開したいと思います。実は、島根県でも関係人口マッチング事業『しまっち!』を展開しているので、何かコラボレーションができればいいなと思っています。」と期待で胸を膨らませていました。

第9回 グッドライフアワード

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