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178件の記事があります。

2016年05月18日生物多様性ってなんだろう

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園カエル通信 / 環境保全の取り組み / 皇居外苑ブログ

毎年5月22日は、国連が定めた「国際生物多様性の日」です。

皇居外苑管理事務所では、皇居のお濠の生物多様性を保全するため各種の取り組みを行っており、普及啓発の一環として、楠公レストハウスの展示コーナーに皇居のお濠に元々生息する在来魚と、人の手によって放逐され、在来のいきものに影響を与えている外来魚等を常設展示しています。

"生物多様性(せいぶつたようせい)"って、最近よく耳にするけど、何だかよく分からない、難しいそうなキーワードですよね。国際生物多様性の日の5月22日を中心に、"セイブツタヨウセイ"を感じ・学び・行動するためのさまざまなイベントが全国各地で開催されます。

UNDB-jロゴ

国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)及び関係団体では、自然度の高い場所での参加型保全活動から、公園や動植物園、駅前の商業ビルなど身近な場所での展示や体験型イベントなど、いろいろな施設でその土地ならではのさまざまなイベントを企画しています。

井の頭自然文化園の特設展「カエル学にゅうもん」など、見て楽しく、体験して楽しい企画がいっぱいあります。

ぜひ、お住まいの地域で開催される関連イベントを生物多様性.comのウエッブサイトでチェックして、各地のイベントにご参加ください。

gwsatotayo

生物多様性条約事務局では、国連が定める国際生物多様性の日(5月22日)に、世界各地の子どもたちが学校や地域などで植樹等を行う「グリーンウェイブ」への参加を呼びかけています。

一般参加が可能なものもありますので、ぜひグリーンウェイブ2016のウエッブサイトをチェックして、お近くで行われるグリーンウェーブの行事にもご参加ください。 

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2016年05月09日愛鳥週間2016

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園ブログ / 環境保全の取り組み

北の丸公園の池では、今年もカイツブリが子育てをしています。

カイツブリ親が帰ってきた

東京都心の真ん中にある皇居の周辺でも、この時期になるとさまざまな野鳥が忙しそうにエサ集めをしているようすなどが観察で出来ます。小さな野鳥を見つけるのは大変ですが、牛ヶ渕などの皇居のお濠や北の丸公園の池などではカイツブリが営巣しており、バードウオッチングになれていない方でも、比較的容易にヒナを育てているようすなどを観察できます。

カイツブリ親子の写真

明日(5月10日)から愛鳥週間が始まります。愛鳥週間は、野鳥を保護し愛鳥思想を広く国民に普及するため、昭和22年4月10日に「バードデーの集い」として始まり、昭和25年に毎年5月10日から16日の1週間を「愛鳥週間」と定めて自然保護に関する普及啓発の取り組みが続けられています。環境省では都道府県や野鳥保護団体との共催で「全国野鳥保護のつどい」を開催しており、今年は神奈川県小田原市を会場に記念式典が催される他、全国各地でも自然環境の大切さを広めていくことを目的とた行事が催されています。各地の行事では、野鳥観察のルールやマナー、野生の生きものと人の接し方なども学べる貴重な機会に出会えるかもしれません。

皇居周辺などの大きな緑地以外でも、少し意識して歩いてみると意外なほどさまざまな種類の野鳥が身近なところに生息していることにお気づきになるかもしれません。愛鳥週間には、お住まいの近くで野鳥探索してみてはいかがでしょうか。

☆営巣中の野鳥はとても敏感です。カイツブリ等の観察を行う際は、そこがどんなに身近な場所だとしても、"自然の中で生きる野生のいきもの"と接していることを忘れずに、自然と人が接するためのルールやマナーを守って遠くからそっと見守ってください。

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2016年05月06日立夏(りっか)とともに

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園カエル通信 / 北の丸公園ブログ / 夏の花 / 季節の便り

昨日(5月5日)は、二十四節気のひとつ「立夏(りっか)」でした。暦の上ではこの日を境に夏がはじまるとされ、よく晴れた日には初夏を思わせるような強い日差しが降り注ぎます。

北の丸公園の樹林を訪れたキビタキの写真です

<キビタキ>

強い日差しを遮るように、美しい青葉を茂らせている北の丸公園の雑木林には、夏の訪れを告げるキビタキが今年もやって来ました。キビタキは北海道から九州まで日本各地の低山から山地にかけて渡来する夏鳥のひとつです。

幸せを運ぶ黄色い小鳥としても知られるキビタキは、福島県のシンボルキャラクター"キビタン"として、花の王国ふくしまキビンタンスタンプラリー2016(3月19日から6月30日)などで大活躍しています。

北の丸公園では、初夏の訪れとともに咲く里山や庭先の花々も開き始めています。

エゴノキの花が咲き始めた様子の写真

<エゴノキ>

ヤマボウシの花の写真

<ヤマボウシ(山法師)>

セイヨウシャクナゲの花の写真

<セイヨウシャクナゲ(西洋石楠花)>

カルミアの花の写真

<カルミア>

ガマズミの花の写真

<ガマズミの花>

ピラカンサズの花の写真

<ピラカンサの花>

池で生まれ育った幼生(オタマジャクシ)が、成体(仔ガエル)に変態を果たし、ついに水辺を離れて森を目指しはじめたアズマヒキガエルの写真です

<アズマヒキガエルの成体(上陸したての仔ガエル)>

北の丸公園の池で生まれ育ったアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)たちが、ついに成体(仔ガエル)への変態を果たし、森を目指して一斉に上陸をはじめました。上陸したてのアズマヒキガエルは、小指の先ほどの大きさしかありません。繁殖可能な成熟した大人のカエルになるには三年以上かかるとされており、厳しい生息環境の中でさまざまな試練を経て、産卵に戻ってこられるのはそのうちの僅か3%以下といわれています。

北の丸公園でアズマヒキガエルの卵やオタマジャクシ、成体(仔ガエル、親ガエル)を見つけても、むやみに捕まえてどこかに持ち出したり、どこかに放したりせず、生まれた場所で生きられるよう、みんなでそっと見守ってあげてください。「採らない」こと、「放さない」ことの重要性をみんなが知ることが、野生のいきものを守るはじめの一歩です。

立夏(りっか)とともに水辺を離れ、森の中でひっそりと命を受け継いできたいきものたちを守るために。

北の丸公園の最寄り駅について

 北の丸公園最寄り駅の利用案内は、各駅(九段下駅(都営地下鉄新宿線東京メトロ東西線・半蔵門線)、竹橋駅(東京メトロ東西線)、神保町駅(都営地下鉄三田線都営地下鉄新宿線)、東京メトロ半蔵門線)順不同)へお問い合わせください。

北の丸公園周辺の文化施設の利用案内

 近隣の文化施設等の開館・開園状況等については、各文化施設等(国立公文書館科学技術館、日本武道館、千代田図書館千鳥ヶ淵緑道千鳥ケ淵戦没者墓苑しょうけい館(戦傷病者史料館)昭和館東京国立近代美術館及び工芸館皇居東御苑三の丸尚蔵館千鳥ヶ淵ボート場順不同))へお問い合わせください。

国立公文書館では、4月2日(土)から5月8日(日)まで、平成28年春の特別展徳川家康―将軍家蔵書からみるその生涯―入場料無料会期中無休)が開催されています。詳しくは国立公文書館にお問い合わせください。

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2016年04月22日ノダフジ(野田藤)が見頃です

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園ブログ / 春の花 / 気象観測

北の丸公園でフジの花が見頃をむかえました。

フジ棚の写真

<ノダフジ(野田藤)の藤棚>

北の丸公園に植えられているフジは、ノダフジ(野田藤)です。日本各地の山野にも自生するヤマフジ(山藤)とよく似ていますが、ノダフジの花房が長く垂れ下がり、ツルが右巻きであることに対し、ヤマフジは花房がやや短く、ツルが左巻きなことで区別がつくそうです。日本各地の寺社や庭園、公園などによく植えられ、主に棚作りに仕立てられて古くから親しまれている植物のひとつです。

フジ棚の写真

北の丸公園の藤棚は、東京管区気象台が設けた気象観測施設「東京・北の丸公園露場」に設置されており、生物季節観測の一環として、現在は比較観測用の参考指標木として観測されているそうです。

フジとアオスジアゲハの写真

<アオスジアゲハ(青条揚羽)>

日本の伝統色のひとつとして知られる「藤色(ふじいろ)」は、古くから高貴な色として大切にされています。

北の丸公園露場の藤棚の辺り一面には、フジの花の甘い香りが漂い、香りに誘わていろいろな昆虫が集まっています。初夏を思わせる空と藤色(ふじいろ)を背景に、アオスジアゲハが、ふわりとふわりと舞っていました。

北の丸公園の最寄り駅

運行状況や利用案内は、最寄りの各駅(九段下駅(都営地下鉄新宿線東京メトロ東西線・半蔵門線)、竹橋駅(東京メトロ東西線)、神保町駅(都営地下鉄三田線都営地下鉄新宿線)、東京メトロ半蔵門線)順不同)へお問い合わせください。

北の丸公園近隣の文化施設等のご案内

近隣の文化施設等の開館・開園状況等については、各文化施設等(国立公文書館科学技術館、日本武道館、千代田図書館千鳥ヶ淵緑道千鳥ケ淵戦没者墓苑しょうけい館(戦傷病者史料館)昭和館東京国立近代美術館及び工芸館皇居東御苑三の丸尚蔵館千鳥ヶ淵ボート場順不同))へお問い合わせください。

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2016年03月18日もうすぐ春分(しゅんぶん)、春到来!

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園カエル通信 / 北の丸公園ブログ / 千鳥ヶ淵さんぽみち / 春の花 / 気象観測 / 皇居外苑・北の丸公園の桜

春のお彼岸に入り、東京都心では春らしい暖かい日になりました。あさって(3月20日)は、二十四節気のひとつ「春分(しゅんぶん)」です。春分の日には、昼と夜の長さがほぼ同じ時間になり、この日を境に夏至までの間は昼の時間が長くなっていきます。

<ウグイス(鴬)>

卒業式シーズンを迎え、日本武道館周辺は旅立ちの春を祝う大勢の方々で賑わっています。賑わう一角から少し離れて北の丸公園内の樹林地等を訪れれば、芽吹きはじめた雑木林にキブシなどの木々が花を咲かせ、梢ではウグイスが春の訪れを告げています。

『ケ、キョ、ホケ、キョ』

北の丸公園のウグイスは、どうやらデビューしたての新人さんのようで、一生懸命さえずりの練習中です。

<キブシ(木五倍子)>

ヒュウガミズキ2

<ヒュウガミズキ(日向水木)>

アカバナミツマタ

<アカバナミツマタ(赤花三椏)>

ミツマタの花

<ミツマタ(三椏)>

木瓜の花アップ紅

<ボケ(木瓜)>

清水門コブシ

<コブシ(辛夷)とヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)>

田安門内側サクラ

<北の丸公園内の染井吉野(ソメイヨシノ)>

桜の開花が今か今かと待たれる頃となり、北の丸公園内の染井吉野(ソメイヨシノ)も、堅い花芽の先から蕾が顔を見せはじめていました。

千鳥ヶ淵ボートサクラ

<千鳥ヶ淵の染井吉野(ソメイヨシノ)>

桜の名所として知られる皇居外苑千鳥ヶ淵の染井吉野(ソメイヨシノ)も準備万端です。千鳥ヶ淵さんぽみちの周辺には、いくつか早咲きの桜もありますので、思い思いのコースで街歩きを楽しまれてはいかがでしょうか。

☆近隣の文化施設等の開館・開園状況等については、各文化施設等(千鳥ケ淵戦没者墓苑千鳥ヶ淵緑道及び千鳥ヶ淵ボート場、日本武道館、科学技術館国立公文書館東京国立近代美術館及び工芸館皇居東御苑及び三の丸尚蔵館千代田図書館昭和館しょうけい館(戦傷病者史料館)(順不同))へお問い合わせください。

☆千鳥ヶ淵緑道のライトアップその他、皇居周辺地域におけるお花見等に関する関連情報については、(一社)千代田区観光協会のホームページ「千代田のさくらまつり」をご覧下さい。

<靖国神社の染井吉野(ソメイヨシノ)>

こちらは、気象庁東京管区気象台が東京地方の桜の標本木として選定し、生物季節観測の一環としてサクラの開花日、満開日が観測されている靖国神社の染井吉野(ソメイヨシノ)。花芽の殻をすっかり脱ぎ捨てて、遠目にも蕾がはっきり見えはじめており、今にも咲き出しそうな蕾もありました。

オタマジャクシ

<アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)>

昨日の暖かさに北の丸公園の池も温みはじめ、ようやくオタマジャクシらしい形に育ってきたアズマヒキガエルの小さな幼生たちも、水の中で本格的な春の到来を感じているかもしれません。

☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を捕まえたり、園外に持ち出したり、園外から持ち込んだりせず、水辺でそっと観察してください。

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2016年03月11日♪♪春よ来い♪♪

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園カエル通信 / 北の丸公園ブログ / 春の花

北の丸公園では、トサミズキ(土佐水木)やハクモクレン(白木蓮)などの早春の花木が見ごろをむかえ、寒の戻りで肌寒い北の丸公園の風景に、春色の花々がやさしい差し色を添えています。

トサミズキアップ

<トサミズキ(土佐水木)>

ハクモクレン一輪

<ハクモクレン(白木蓮)>

※北の丸公園のハクモクレンは、今年は花付が少ないです。

アセビ

<アセビ(馬酔木)>

ヒマラヤヒザクラ2

ヒマラヤヒザクラ 花と葉

<ヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)>

清水門の展望広場の片隅で、ヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)が満開をむかえていました。ヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)は、中国南部からネパールにかけて分布するサクラの原種(野生種)で、東京地方では、非常によく似た花を咲かせるカンヒザクラ(寒緋桜)と同じ頃に緋色の花を咲かせます。

2016年に孵化したアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)の写真です。

<アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)(3月11日撮影)>

北の丸公園の池では、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)がたくさん孵化していました。孵化してまだ間もない小さなオタマジャクシたちは、低い水温に負けないように肩を寄せ合いながら、間もなく訪れる暖かな春を静かに待っているかのように浅瀬の水底に集まっています。

♪♪春よ来い、早く来い♪♪

ゆらゆらと浮かんでいる小さな小さなオタマジャクシ(♪)を眺めていると、そんな春待ち歌がそこかしこで奏でられているようです。

☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を捕まえたり、園外に持ち出したり、園外から持ち込んだりせず、水辺でそっと観察してください。

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2016年03月04日啓蟄(けいちつ)から始める

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桃の節句を過ぎ、ようやく春めいて参りました。明日(3月5日)は、二十四節気のひとつ「啓蟄(けいちつ)」です。啓蟄は、冬を越したいきものたちが、春の訪れとともに活動を始める頃とされています。北の丸公園では、早春を彩るサンシュユ(山茱萸)やカンヒザクラ(寒緋桜)の花々が見ごろをむかえています。

サンシュユの花のアップ

<サンシュユ(山茱萸)>

黄色い小さな花々を枝いっぱいに咲かせるようすから「春黄金花(はるこがねばな)」という別名で呼ばれ、浅春(せんしゅん)を彩る代表的な花木のひとつとして親しまれています。

カンヒザクラ

<カンヒザクラ(寒緋桜)>

カンヒザクラ(寒緋桜)は、中国南部や台湾島などに分布するサクラの原種(野生種)で、東京地方では名前の由来の通り、まだ寒さが残る早春に緋色の花を咲かせ始めます。

アセビ

<アセビ(馬酔木)>

本州、四国、九州地方に広く分布し、繁栄をあらわす"お祝いの樹"のひとつとして親しまれている地方もあるそうです。

フキノトウ

<ふきのとう(蕗の薹)>

八百屋さんの店先に山菜が並び始めるのもこの頃からで、さまざまな草木が一斉に芽吹き始めます。山菜に代表されるその季節にしかとれない野菜や果物、お魚などの食材を"旬の恵み"として味わう、日本の家庭で育まれてきた伝統的な食習慣は、和食や食育という形で改めて注目されていますが、毎日の暮らしの中で子供たちに受け継ぎたい大切なことのひとつですね。

アズマヒキガエルの卵塊

<アズマヒキガエルの卵塊>

寒い日が続いて少し心配でしたが、卵塊の中ではオタマジャクシになる準備も進んでいるようです。啓蟄を過ぎると少しづつ池の水も温みだし、都会の森で本格的な春が始まります。

☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。ふきのとうやアズマヒキガエルの卵塊は、興味本位で採ったりせずに、そっと観察してください。

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2016年02月19日雨水(うすい)の頃に

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今日は、二十四節気のひとつ「雨水(うすい)」です。三寒四温という言葉のとおり、この頃になる春めいた日も少しづつ多くなり、春の気配を感じるような暖かな日も増えてきます。雨水の頃は、雪も雨に替わり、草木の芽が出始める頃とされています。北の丸公園でも早春を彩る花木がだいぶ咲き始めてきました。

サンシュユ

<満作(マンサク)>

清水門のシナマンサクとカンヒザクラ

<シナマンサク> 

赤いマンサク

<赤い花を咲かせるマンサクの園芸品種>

梅林の紅白梅

<ウメ> 

北の丸公園では、ウメの花も見頃を迎え、野趣溢れる梅の木々の間を蜜を求めてメジロなどの野鳥が訪れています。

関東随一の梅の名所として名高い茨城県の水戸市では、1842年(天保13年)に水戸藩第九代藩主であった徳川斉昭によって造営され、金沢の兼六園や岡山の後楽園とともに「日本三名園」のひとつに数えられる庭園として知られる『偕楽園』などで、水戸の梅祭りが催されるそうです。

カワヅザクラ満開

<河津桜(カワヅザクラ)>

みごろを向けたやや濃いめのピンク色をしたカワヅザクラの花は、桃源郷に咲く桃の花を連想させます。雨水の日におひな様を飾りつけると良い縁に恵まれると云えられている地方もあるそうです。子供たちを育む伝統的な行事は、大切に受け継ぎたいことのひとつですね。

カエル

<アズマヒキガエル(雄と雌の成体)>

北の丸公園の池では、数日前からカエル合戦が始まりました。日中も、池縁の浅瀬をよく観察すれば、産卵に集まってきたアズマヒキガエルたちに出会えます。

アズマヒキガエルは一昔前までは、東日本ではどこでも見かけるほどたくさんさん生息していたカエルですが、東京23区部では絶滅も危惧されるほど激減しているいきもののひとつです。かつて身近に息づいていた自然を代表するいきもののひとつとして"となりのトトロ"にもちらりと登場したカエルは多分この種類で、個人や学校ビオトープ等での保全活動が行われている例も多くあります。

一方では、東日本のアズマヒキガエルと西日本のニホンヒキガエルが、本来生息していない地域に人為的に持ち込まれ、元々その地域にいた在来種との雑種になってしまっている例も多数報告されています。減っているいきものを守ろうとした善意の放逐も含め、興味本位や無作為の行動による分布域外へのいきものの移入・放逐が、取り返しのつかない生物多様性の低下をもたらしています。

蛙の卵

<アズマヒキガエルの卵塊>

北の丸公園の森や池は、東京都心に残された貴重な緑地となっている皇居周辺に生息しているアズマヒキガエルたちにとっても、命をつなぐために重要な生息地です。繁殖可能な成熟した大人のカエルになるには三年以上かかるため、無数に思える卵から孵ったたくさんのオタマジャクシも、産卵に戻ってこられるのはそのうちの僅か3%以下といわれています。たくさん生まれるオタマジャクシは、トンボの幼虫であるヤゴの食物としても重要で、アズマヒキガエルなどがいないとトンボもいなくなってしまいます。ようやく大きくなることが出来たカエルたちも、普段暮らしていた森から産卵場所の池に向かう途中に、車道でロードキルに遭ってたくさん命を落としています。

「採らない」こと、「放さない」ことの重要性をみんなが知ることが、野生のいきものを守るはじめの一歩です。北の丸公園の池で卵やオタマジャクシを見つけても、むやみに採ったり、どこかに放したりせず、生まれた場所で生きられるよう、みんなでそっと見守ってあげてください。

雨水の頃、奇跡のように受け継がれてきた小さな森のいきものたちを守るために。

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2016年02月12日思いのままに

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園ブログ / 春の花 / 皇居外苑・北の丸公園の梅

立春を過ぎ各地から梅の便りが届いていますが、北の丸公園のウメも少しずつ咲き進んで来ました。

咲き分けの梅 紅

<桃色のウメ>

咲き分け 白

<うっすらと絞り咲きのウメ>

この2枚の写真のお花は、実は一本の木に咲いている梅の花です。

咲き開けの梅の花 紅白

<咲き分けの様子(梅林)>

北の丸公園には、同じ木に紅い花や白い花、紅白混じり合った絞り咲きの花などを、枝によって咲き分ける梅の木が2本あり、花好きのお客様からは「紅い花と白い花が一緒に咲く梅の木はどこですか?」と毎年お尋ねいただくほどで、知る人は知る"隠れた人気者"です。

武道館近く咲き分け梅白

<白い花(武道館近くの木)>

武道館近く咲き分け梅紅

<紅い花(武道館近くの木)>

咲き分けの梅としては"思いのまま"という園芸品種がよく植えられていますが、北の丸公園の咲き分け梅も、"思いのまま"でしょうか。

咲き分け梅林全体

<咲き分けの梅(梅林内の木)>

おもいのまま樹形

<咲き分けの梅(武道館近くの木)>

北の丸公園の咲き枠の梅は2本とも少々元気がなくなっており、現在は支柱を添えられて養生中の姿です。下枝もあまりないため、咲き分ける花々を間近にはご覧いただけないのが残念ですが、みんなで大事にしていけば、また元気を取り戻して枝いっぱいに咲き分ける愛らし花を見せてくれることでしょう。

梅林の梅

梅にメジロ

<梅にメジロ>

梅の木がまとまって植えられていることから"梅林"と呼ばれている一角では、甘い香りを辺りに漂わせながらポツリポツリと先進む早咲きのウメの木々の間をメジロの小さな群れが忙しそうに飛び回り、小枝に留まってはうれしそうに花の蜜をなめていました。

約50年前に森林公園として造営された北の丸公園では、園内に点在するウメやカンザクラ、ツバキなどのそばでしばらく静かに待っていると、どこからともなくメジロやシジュウカラ、ヤマガラ、エナガ、コゲラなどのさまざまな野鳥たちがやってきては、蜜をなめたり幹に隠れた虫をつついてみたり、まるで早春の森でピクニックを思いのままに楽しんでいるような様子を眺める事ができます。

皇居外苑(皇居前広場)の最寄り駅

運行状況や利用案内は、最寄りの各駅(二重橋前駅(東京メトロ千代田線、東京駅(東京メトロ丸ノ内線JR)、日比谷駅(都営地下鉄三田線東京メトロ日比谷線・千代田線)、大手町駅(都営地下鉄三田線東京メトロ丸ノ内線・東西線・千代田線・半蔵門線)、有楽町駅(東京メトロ有楽町線JR)、霞ヶ関駅(東京メトロ丸ノ内線・日比谷線・千代田線)、桜田門駅(東京メトロ有楽町線)(順不同))へお問い合わせください。

北の丸公園の最寄り駅

運行状況や利用案内は、最寄りの各駅(九段下駅(都営地下鉄新宿線東京メトロ東西線・半蔵門線)、竹橋駅(東京メトロ東西線)、神保町駅(都営地下鉄三田線都営地下鉄新宿線)、東京メトロ半蔵門線)順不同)へお問い合わせください。

北の丸公園近隣の文化施設等のご案内

近隣の文化施設等の開館・開園状況等については、各文化施設等(国立公文書館科学技術館、日本武道館、千代田図書館千鳥ヶ淵緑道千鳥ケ淵戦没者墓苑しょうけい館(戦傷病者史料館)昭和館東京国立近代美術館及び工芸館皇居東御苑三の丸尚蔵館千鳥ヶ淵ボート場順不同))へお問い合わせください。

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2016年02月03日節分

皇居外苑いきもの / バックナンバー2016 / 北の丸公園ブログ / 季節の便り / 春の花

今日は節分、暦の上では明日から春の幕開けです。

北の丸公園では、明日の立春を待ちきれないように、春の足音を感じさせる花々が着々と開き始めています。

カワヅザクラ一輪

<河津桜(カワヅザクラ)>

静岡県河津町で発見された自然交雑由来の園芸品種と云われる寒咲きのサクラです。

北の丸公園では、吉田茂像の付近に1本植えられています。

河津町では、原木とされる木も大切に守られており、毎年2月から3月にかけて、河津川沿い約3.5㎞に渡って植えられた河津桜の並木を中心とした地域一帯で催される「河津桜まつり」には、国内外から多くの観光客が訪れ、大変な賑わいを見せることでも知られています。

河津桜が生まれた伊豆半島は、海岸沿いの大半や天城山麓一帯等が富士箱根伊豆国立公園に指定されており、昭和11年2月1日に国立公園地域に指定されてから、今年でちょうど80周年を迎えました。この3月には富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念式典の開催も予定されています。

<シナマンサク>

中国原産のマンサクの仲間で、枯れ葉をすべて落としきらずに花を咲かせ始めることがマンサクと見分ける特徴と云われています。早春に「まんずさく(まず咲く)」ことが、マンサク(満作/万作)という和名の由来の一つと云われています。

北の丸公園では、清水門脇の展望広場や、吉田茂像の付近などに植えられています。

<カンザクラ(寒桜)>

吉田茂像の傍らで見頃を向かえたカンザクラには、ときおり、たくさんのメジロが蜜を求めにやって来ては、賑やかなさえずりを響かせていました。

神田明神で行われた節分祭の様子を写した写真です

<神田明神>

<日枝神社>

地域の鎮守さまでは「豆まき」や「神楽」など、それぞれ特色ある節分祭が執り行われ、国内外から訪れた多くの参拝客でたいへん賑わっていました。

全国的に寒い日が続いています。春の足音を探しのお散歩にお越しの際は、暖かい服装でお出掛けください。

☆環境省では、冬、"寒いときには着る、過度に暖房機器に頼らない"という原点に立ち返り、暖房時の室温が20℃でも快適なスタイル"WARM BIZ"(ウォームビズ)"を呼びかけております。

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