北の丸公園カエル通信
17件の記事があります。
2017年01月30日千鳥ヶ淵のかいぼりで水を戻し始めました。
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2016年12月20日「かいぼり」途中経過報告。
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12月1日(木)から千鳥ヶ淵の水抜きをはじめたかいぼりの途中経過報告です。
<九段坂側からの眺望>
<代官町通り側からの眺望>
<ボート場からの眺望>
千鳥ヶ淵の濠底には傾斜があり、すべての水が排水することは難しいため、最も水深の深い首都高の下は水面が残っています。
<エサを求めるサギ>
水位が低くなったことで、サギ類がエサを狙っている姿がよく見られます。
<濠底の様子>
今後水位が低下した状態で、約1ヶ月半濠の底を空気にさらすことで、水質改善が期待されます。
2016年12月02日「かいぼり」始めました。
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12月1日(木)に、皇居外苑千鳥ヶ淵における「かいぼり」の水抜きが始まりました。
<千鳥ヶ淵の水門>
「かいぼり」とは、池などで一時的に水を抜き、濠底を露出させることをいいます。
水位を下げて底を空気にさらすことで、一定期間(おおむね3年)の水質改善が期待されるとともにゴミの回収、外来生物の駆除などの生態系改善、水生植物の管理など様々な対策を行うことができます。
皇居外苑濠の水環境対策は、今年の3月に策定した「皇居外苑濠水環境改善計画」に基づき濠水浄化施設の改善と運用を中心として進めていますが、かいぼりは、これを補完する対策として位置づけられています。
<田安門と水門>
水抜き作業は、北の丸公園の田安門の外側の広場にある、千鳥ヶ淵の水門で行われます。
皇居外苑では、過去に平成15年、平成21年に牛ヶ淵で実施した実績があり、その後、一時的に絶滅危惧種のツツイトモ等の水草が発生し、水環境の改善が見られました。今回の千鳥ヶ淵のかいぼりの試行は、今後のお濠の水環境改善のための検討材料とする予定です。
<水門を開く>
水門は大きなハンドルを回転して開けます。午後1時30分、水門が開かれました。水門が開くと、シャワシャワと音を上げて、勢いよく水が流れ始めました。
<千鳥ヶ淵の水流>
近くの落ち葉がゆっくり水門に向かって流れます。
<千鳥ヶ淵の様子>
今後、徐々に水位を下げていきますが、今年度は試行であるため、完全な水抜きは行わず、水面が半分程度残るように予定しています。かいぼりは、これから12~1月にかけて行い、2月の上旬には元の水位に戻す予定です。
<牛ヶ淵側の水門>
千鳥ヶ淵から流れ出す水は、田安門を挟んで反対の東側にある牛ヶ淵の水門に流れます。
<牛ヶ淵の水門の様子>
勢いよく水が流れ出しました。これから1週間ほど時間をかけて、千鳥ヶ淵の水を抜いていきます。
2016年07月29日ウォータープロジェクトを始めよう!
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「水の日」をご存じですか?
8月1日は、水循環基本法で定められた「水の日」です。この日は 国民の間に広く健全な水循環の重要性についての理解と関心を深める日とされており、8月1日の「水の日」と「水の週間」を中心に、全国各地で水環境について考える契機としていただくための各種行事が開催されます。
北の丸公園内に位置する科学技術館のサイエンスホールでは、水の週間実行委員会他による『水を考えるつどい「私たちの水、日本の水」』が開催されます。
ぜひ、みなさまもお住まいの地域で開催される地元の水の日イベントをチェックして、お近くで行われる行事にご参加ください。
☆水の日及び水の週間に行われる主な関連行事は、こちら(国土交通省HP)でご確認ください。
環境省では、水環境の保全や水の大切さについて皆さまに知っていただき、お一人お一人が出来ることを考えていただきくきっかけとして、官民連携による「ウォータープロジェクト」を発足し、水環境に関する情報を発信しています。
台所に油を直接捨てないとか、歯磨きの時にちょっと節水する、ゴミをポイ捨てしないなど、日々の暮らしの中で誰もが取り組めるささやかな気配りの積み重ねが、水環境の保全や改善につながります。水の日をきっかけに、皆さんのお家や会社、学校などで、身近な水環境を守るための小さな"ウォータープロジェクト"を始めてみませんか?
北の丸公園の最寄り駅
運行状況や利用案内は、最寄りの各駅(九段下駅(都営地下鉄新宿線、東京メトロ東西線・半蔵門線)、竹橋駅(東京メトロ東西線)、神保町駅(都営地下鉄三田線、都営地下鉄新宿線)、東京メトロ半蔵門線)順不同)へお問い合わせください。
北の丸公園近隣の文化施設等のご案内
近隣の文化施設等の開館・開園状況等については、各文化施設等(国立公文書館、科学技術館、日本武道館、千代田図書館、千鳥ヶ淵緑道、千鳥ケ淵戦没者墓苑、しょうけい館(戦傷病者史料館)、昭和館、東京国立近代美術館及び工芸館、皇居東御苑、三の丸尚蔵館、千鳥ヶ淵ボート場順不同))へお問い合わせください。
☆科学技術館(1階イベントホール)では、明日(7月30日(土))と、明後日(7月31日(日))、「青少年のための科学の祭典(全国大会)」(行事会場は無料・常設展示は有料)が開催されます。詳しくは科学技術館にお問い合わせください。
☆国立公文書館では、7月16日(土)から8月27日(土)まで、平成28年第二回企画展「ようこそ地獄、たのしい地獄」(入場料無料・ただし8月11日(祝/山の日)と8月14日(日)以外の日曜、祝日は展示室は休み)が開催されています。詳しくは国立公文書館にお問い合わせください。
2016年05月18日生物多様性ってなんだろう
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毎年5月22日は、国連が定めた「国際生物多様性の日」です。
皇居外苑管理事務所では、皇居のお濠の生物多様性を保全するため各種の取り組みを行っており、普及啓発の一環として、楠公レストハウスの展示コーナーに皇居のお濠に元々生息する在来魚と、人の手によって放逐され、在来のいきものに影響を与えている外来魚等を常設展示しています。
"生物多様性(せいぶつたようせい)"って、最近よく耳にするけど、何だかよく分からない、難しいそうなキーワードですよね。国際生物多様性の日の5月22日を中心に、"セイブツタヨウセイ"を感じ・学び・行動するためのさまざまなイベントが全国各地で開催されます。
国連生物多様性の10年日本委員会(UNDB-J)及び関係団体では、自然度の高い場所での参加型保全活動から、公園や動植物園、駅前の商業ビルなど身近な場所での展示や体験型イベントなど、いろいろな施設でその土地ならではのさまざまなイベントを企画しています。
井の頭自然文化園の特設展「カエル学にゅうもん」など、見て楽しく、体験して楽しい企画がいっぱいあります。
ぜひ、お住まいの地域で開催される関連イベントを生物多様性.comのウエッブサイトでチェックして、各地のイベントにご参加ください。
生物多様性条約事務局では、国連が定める国際生物多様性の日(5月22日)に、世界各地の子どもたちが学校や地域などで植樹等を行う「グリーンウェイブ」への参加を呼びかけています。
一般参加が可能なものもありますので、ぜひグリーンウェイブ2016のウエッブサイトをチェックして、お近くで行われるグリーンウェーブの行事にもご参加ください。
2016年05月06日立夏(りっか)とともに
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昨日(5月5日)は、二十四節気のひとつ「立夏(りっか)」でした。暦の上ではこの日を境に夏がはじまるとされ、よく晴れた日には初夏を思わせるような強い日差しが降り注ぎます。
<キビタキ>
強い日差しを遮るように、美しい青葉を茂らせている北の丸公園の雑木林には、夏の訪れを告げるキビタキが今年もやって来ました。キビタキは北海道から九州まで日本各地の低山から山地にかけて渡来する夏鳥のひとつです。
幸せを運ぶ黄色い小鳥としても知られるキビタキは、福島県のシンボルキャラクター"キビタン"として、花の王国ふくしまキビンタンスタンプラリー2016(3月19日から6月30日)などで大活躍しています。
北の丸公園では、初夏の訪れとともに咲く里山や庭先の花々も開き始めています。
<エゴノキ>
<ヤマボウシ(山法師)>
<セイヨウシャクナゲ(西洋石楠花)>
<カルミア>
<ガマズミの花>
<ピラカンサの花>
<アズマヒキガエルの成体(上陸したての仔ガエル)>
北の丸公園の池で生まれ育ったアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)たちが、ついに成体(仔ガエル)への変態を果たし、森を目指して一斉に上陸をはじめました。上陸したてのアズマヒキガエルは、小指の先ほどの大きさしかありません。繁殖可能な成熟した大人のカエルになるには三年以上かかるとされており、厳しい生息環境の中でさまざまな試練を経て、産卵に戻ってこられるのはそのうちの僅か3%以下といわれています。
北の丸公園でアズマヒキガエルの卵やオタマジャクシ、成体(仔ガエル、親ガエル)を見つけても、むやみに捕まえてどこかに持ち出したり、どこかに放したりせず、生まれた場所で生きられるよう、みんなでそっと見守ってあげてください。「採らない」こと、「放さない」ことの重要性をみんなが知ることが、野生のいきものを守るはじめの一歩です。
立夏(りっか)とともに水辺を離れ、森の中でひっそりと命を受け継いできたいきものたちを守るために。
北の丸公園の最寄り駅について
北の丸公園最寄り駅の利用案内は、各駅(九段下駅(都営地下鉄新宿線、東京メトロ東西線・半蔵門線)、竹橋駅(東京メトロ東西線)、神保町駅(都営地下鉄三田線、都営地下鉄新宿線)、東京メトロ半蔵門線)順不同)へお問い合わせください。
北の丸公園周辺の文化施設の利用案内
近隣の文化施設等の開館・開園状況等については、各文化施設等(国立公文書館、科学技術館、日本武道館、千代田図書館、千鳥ヶ淵緑道、千鳥ケ淵戦没者墓苑、しょうけい館(戦傷病者史料館)、昭和館、東京国立近代美術館及び工芸館、皇居東御苑、三の丸尚蔵館、千鳥ヶ淵ボート場順不同))へお問い合わせください。
☆国立公文書館では、4月2日(土)から5月8日(日)まで、平成28年春の特別展徳川家康―将軍家蔵書からみるその生涯―(入場料無料・会期中無休)が開催されています。詳しくは国立公文書館にお問い合わせください。
2016年04月20日穀雨(こくう)の恵み
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本日(4月20日)は、二十四節気のひとつ「穀雨(こくう)」です。春は天気が変わりやすい季節ですが、穀雨の頃になると空模様も安定してくると云われ、晴れた日には初夏を思わせるような日差しが降り注ぎます。
<渓流の庭(北の丸公園内)>
北の丸公園の一角では、自然の渓流を模した流れが新緑に包まれ、都心とは思えないような瑞々しい風景が広がっています。この頃に降る春雨は百穀を潤す恵みの雨とされ、各地の田んぼや畑では農家の皆さんが種まきや苗作りに追われます。
<ヤマグワ(山桑)>
蚕の食草として知られる桑の葉が開きはじめることから、山里では絹をつくるための養蚕の準備をはじめる頃ともされています。北の丸公園の樹林地では、新緑の中でヤマグワが花を咲かせていました。
<チャノキ(茶の木)>
穀雨の頃から5月頃に収穫される新芽を摘んだ茶葉は一番茶として喜ばれます。♪夏も近づく八十八夜♪という茶摘み歌でもよく知られていますが、八十八夜に摘み取られた新茶は、不老長寿の縁起物として特に珍重されます。北の丸公園のチャノキも、ずいぶんと新芽を伸ばしていました。
<アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)>
北の丸公園の池に生息するアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)たちも、ついに後肢が出てきた個体が現れました。季節の移り変わりとともに、いよいよ成体(カエル)への劇的な変態がはじまります。
☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。桑やお茶の葉を摘んだり、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を捕まえて園外に持ち出したり、園外から持ち込んだりせず、そっと観察してください。
2016年04月04日清明(せいめい)
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本日(4月4日)は、二十四節気のひとつ「清明(せいめい)」です。春の清らかで生き生きとしたようすを表すことばが語源と云われています。この頃になるとそこかしこが春の息吹に包まれ、小さないきものたちも元気いっぱい活動します。
<満開の染井吉野(ソメイヨシノ)>
満開の桜に目を奪われてしまいますが、その足元では小さな野の草たちが可憐な花を咲かせています。
<カントウタンポポ(関東蒲公英)>
関東地方から中部地方東部に分布する日本在来のタンポポです。
<ナズナ(薺)>
春の七草のひとつ。ぺんぺん草、三味線草の名で親しまれる植物です。麦栽培の伝来とともに渡来した史前帰化植物とされています。
<オオイヌノフグリ(大犬陰嚢)>
明治時代に渡来したとされる、ヨーロッパ原産の帰化植物です。
<ホトケノザ(仏の座)>
東アジアからヨーロッパ、北アフリカまで広く分布し、日本でも本州から九州まで自生する在来種です。
※春の七草の「ほとけのざ」はキク科のコオニタビラコで、本種とは全くの別種。
<キュウリグサ(胡瓜草)>
アジアの温帯に分布し、日本では全国に分布します。葉を揉むときゅうりのような香りがするのが、和名の由来です。
<オランダミミナグサ(和蘭耳菜草)>
ヨーロッパ原産の植物で、現在では世界中に分布を広げている帰化植物のひとつです。
<ムラサキケマン(紫華鬘)>
日本全土に分布する在来種です。
<アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)>
北の丸公園の池に生息するアズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)たち。大きさも形も、前回(春分の日の頃)にご紹介した時とほとんど変化ないように見えますが、体の中では大きな変化(四肢の形成)がはじまっています。
☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を捕まえたり、園外に持ち出したり、園外から持ち込んだりせず、水辺でそっと観察してください。
2016年03月18日もうすぐ春分(しゅんぶん)、春到来!
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春のお彼岸に入り、東京都心では春らしい暖かい日になりました。あさって(3月20日)は、二十四節気のひとつ「春分(しゅんぶん)」です。春分の日には、昼と夜の長さがほぼ同じ時間になり、この日を境に夏至までの間は昼の時間が長くなっていきます。
<ウグイス(鴬)>
卒業式シーズンを迎え、日本武道館周辺は旅立ちの春を祝う大勢の方々で賑わっています。賑わう一角から少し離れて北の丸公園内の樹林地等を訪れれば、芽吹きはじめた雑木林にキブシなどの木々が花を咲かせ、梢ではウグイスが春の訪れを告げています。
『ケ、キョ、ホケ、キョ』
北の丸公園のウグイスは、どうやらデビューしたての新人さんのようで、一生懸命さえずりの練習中です。
<キブシ(木五倍子)>
<ヒュウガミズキ(日向水木)>
<ミツマタ(三椏)>
<ボケ(木瓜)>
<コブシ(辛夷)とヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)>
<北の丸公園内の染井吉野(ソメイヨシノ)>
桜の開花が今か今かと待たれる頃となり、北の丸公園内の染井吉野(ソメイヨシノ)も、堅い花芽の先から蕾が顔を見せはじめていました。
<千鳥ヶ淵の染井吉野(ソメイヨシノ)>
桜の名所として知られる皇居外苑千鳥ヶ淵の染井吉野(ソメイヨシノ)も準備万端です。千鳥ヶ淵さんぽみちの周辺には、いくつか早咲きの桜もありますので、思い思いのコースで街歩きを楽しまれてはいかがでしょうか。
☆近隣の文化施設等の開館・開園状況等については、各文化施設等(千鳥ケ淵戦没者墓苑、千鳥ヶ淵緑道及び千鳥ヶ淵ボート場、日本武道館、科学技術館、国立公文書館、東京国立近代美術館及び工芸館、皇居東御苑及び三の丸尚蔵館、千代田図書館、昭和館、しょうけい館(戦傷病者史料館)(順不同))へお問い合わせください。
☆千鳥ヶ淵緑道のライトアップその他、皇居周辺地域におけるお花見等に関する関連情報については、(一社)千代田区観光協会のホームページ「千代田のさくらまつり」をご覧下さい。
<靖国神社の染井吉野(ソメイヨシノ)>
こちらは、気象庁東京管区気象台が東京地方の桜の標本木として選定し、生物季節観測の一環としてサクラの開花日、満開日が観測されている靖国神社の染井吉野(ソメイヨシノ)。花芽の殻をすっかり脱ぎ捨てて、遠目にも蕾がはっきり見えはじめており、今にも咲き出しそうな蕾もありました。
<アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)>
昨日の暖かさに北の丸公園の池も温みはじめ、ようやくオタマジャクシらしい形に育ってきたアズマヒキガエルの小さな幼生たちも、水の中で本格的な春の到来を感じているかもしれません。
☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を捕まえたり、園外に持ち出したり、園外から持ち込んだりせず、水辺でそっと観察してください。
2016年03月11日♪♪春よ来い♪♪
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北の丸公園では、トサミズキ(土佐水木)やハクモクレン(白木蓮)などの早春の花木が見ごろをむかえ、寒の戻りで肌寒い北の丸公園の風景に、春色の花々がやさしい差し色を添えています。
<トサミズキ(土佐水木)>
<ハクモクレン(白木蓮)>
※北の丸公園のハクモクレンは、今年は花付が少ないです。
<アセビ(馬酔木)>
<ヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)>
清水門の展望広場の片隅で、ヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)が満開をむかえていました。ヒマラヤヒザクラ(ヒマラヤ緋桜)は、中国南部からネパールにかけて分布するサクラの原種(野生種)で、東京地方では、非常によく似た花を咲かせるカンヒザクラ(寒緋桜)と同じ頃に緋色の花を咲かせます。
<アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)(3月11日撮影)>
北の丸公園の池では、アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)がたくさん孵化していました。孵化してまだ間もない小さなオタマジャクシたちは、低い水温に負けないように肩を寄せ合いながら、間もなく訪れる暖かな春を静かに待っているかのように浅瀬の水底に集まっています。
♪♪春よ来い、早く来い♪♪
ゆらゆらと浮かんでいる小さな小さなオタマジャクシ(♪)を眺めていると、そんな春待ち歌がそこかしこで奏でられているようです。
☆北の丸公園では動植物の採取は禁止しております。アズマヒキガエルの幼生(オタマジャクシ)を捕まえたり、園外に持ち出したり、園外から持ち込んだりせず、水辺でそっと観察してください。
昨年12月から千鳥ヶ淵のかいぼりを行っていますが、サクラの季節に向けて復水(水を戻すこと)を開始しています。
復水は濠の水質改善のために設置している濠水浄化施設を利用しています。浄化施設は、濠の最も下流にある日比谷濠から取水した水を浄化して、上流にある桜田濠と半蔵濠まで濠水を送り、そこからは標高差に従って下流に流し、再び日比谷濠に戻る仕組みになっています(下図参照)。
今回の復水は、この仕組みで、下流にある日比谷濠からポンプアップした水を半蔵濠に送り、半蔵濠を通って千鳥ヶ淵に流れます。
<濠水浄化施設>
<濠水浄化施設からの水の流れ>
千鳥ヶ淵の面積は東京ドームの約1.4倍と非常に大きいため、数日では元の水位に戻りません。そのため、サクラの季節に向けて早い時期から復水を開始しています。
下の写真はかいぼり期間中と復水作業から約一週間後のものです。右の写真では水面が広がっているのが見られます。
<九段坂公園側からの眺望 左:平成28年12月19日撮影 右:平成29年1月30日撮影>
千鳥ヶ淵のかいぼりはお濠の水環境改善のために実施していますが、今回は今後の実施に向けての試行であり、その結果は、かいぼり実施中に行った調査とこれから継続的に行う調査の結果を分析することで明らかになっていきます。
今回のかいぼりだけでなく、千鳥ヶ淵をはじめとした皇居外苑濠全体の水環境に長く関心を持って下さい。