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8.地域脱炭素化促進事業計画の変更・認定取消し

本章では、市町村による地域脱炭素化促進事業計画の認定の変更や取消し等について解説します。

 

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8-1.地域脱炭素化促進事業計画の変更

認定地域脱炭素化促進事業者が認定地域脱炭素化促進事業計画を変更しようとする場合は、軽微な変更を除き、協議会が組織されている場合は協議会における協議を経て、計画策定市町村の認定を受ける必要があります(法第22条の3第1項)。また、変更後の事業計画が認定基準に適合する場合は、計画策定市町村は事業計画を認定する必要があります。

事業計画の変更・認定手続フローを図8-1に示します。

 

8-1事業計画の変更・認定手続フロー

図8-1 事業計画の変更・認定手続フロー

 

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8-1-1.地方公共団体実行計画協議会における協議

地域脱炭素化促進事業計画の認定を受けた後に、認定地域脱炭素化促進事業者において計画変更をしようとする際、計画策定市町村に協議会が組織されている場合は変更後の事業計画を協議会にて協議する必要があります(法第22条の3第1項)。これは、計画策定市町村からの指導及び助言に基づき地域脱炭素化促進事業計画の変更を行う場合においても同様です。

 

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8-1-2.地域脱炭素化促進事業計画の変更の認定の申請

認定地域脱炭素化促進事業者が地域脱炭素化促進事業計画の変更の認定の申請を行う場合は、地域脱炭素化促進事業計画の認定に関する省令第8条に基づき、表8-1に示す書類の提出が必要となります。

 

表8-1 地域脱炭素化促進事業計画の変更に係る認定申請書及び添付書類

(地域脱炭素化促進事業計画の認定等に関する省令第8条)

書類

備考

地域脱炭素化促進事業計画の変更に係る認定申請書(別記様式第3)

変更事項の内容を変更前と変更後を対比して記載するとともに、変更理由、添付を省略する書類を記載。

添付書類(地域脱炭素化促進事業計画に従って行われる取組の実施状況を記載した書類)

地域脱炭素化促進施設の整備、同施設の整備と一体的に行う地域の脱炭素化のための取組、同施設の整備と併せて実施する地域の環境の保全のための取組、地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組の実施状況を記載。

認定申請時添付書類(表7-2参照)から内容に変更があったもの

認定申請時に計画策定市町村に提出されている書類の内容に変更がなければ、申請書にその旨を記載し、当該書類の添付を省略可。

 

○地域脱炭素化促進事業計画の認定等に関する省令(抄)

(地域脱炭素化促進事業計画の変更の認定の申請)

第八条 法第二十二条の三第一項の規定により地域脱炭素化促進事業計画の変更の認定を受けようとする認定地域脱炭素化促進事業者は、別記様式第三による申請書を計画策定市町村に提出しなければならない。

2 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。ただし、第二号に掲げる書類については、既に計画策定市町村に提出されている当該書類の内容に変更がないときは、申請書にその旨を記載して当該書類の添付を省略することができる。

一 地域脱炭素化促進事業計画に従って行われる次の取組の実施状況を記載した書類

イ 地域脱炭素化促進施設の整備

ロ イの整備と一体的に行う地域の脱炭素化のための取組

ハ イの整備と併せて実施する次に掲げる取組

(1) 地域の環境の保全のための取組

(2) 地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組

二 第三条第二項各号に掲げる書類

 

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8-1-3.関係行政機関との協議

認定地域脱炭素化促進事業計画について計画変更の申請があった場合、当該変更計画に記載された行為が、ワンストップ化の特例を利用できる行為(法第22条の2第4項各号に規定された行為)に該当する場合は、計画策定市町村は関係法令の許可権者等に対して協議を行い、その同意を得る必要があります。当初の事業計画は各法令の許可基準に適合したとしても、その後の計画変更により施設の規模や立地、関連行為の内容等が変更すれば許可基準に適合しなくなる可能性があり、許可権者等が変更後の内容について確認する必要があるためです。

 

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8-1-4.軽微な変更

認定地域脱炭素化促進事業計画に係る変更のうち、地域脱炭素化促進事業計画の認定等に関する省令で定める軽微な変更については、協議会における協議や地域脱炭素化促進事業計画の変更に係る認定の申請は不要です(法第22条の3第1項)。この場合、認定地域脱炭素化促進事業者は、遅滞なく、その旨を計画策定市町村に届け出なければなりません(法第22条の3第2項)。

 

○地域脱炭素化促進事業計画の認定等に関する省令(抄)

(地域脱炭素化促進事業計画の軽微な変更)

第九条 法第二十二条の三第一項ただし書の環境省令・農林水産省令・経済産業省令・国土交通省令で定める軽微な変更は、次に掲げる変更以外の変更とする。

一 認定地域脱炭素化促進事業者の変更

二 認定地域脱炭素化促進事業計画に記載した地域脱炭素化促進施設等の設置の場所若しくは形態、種類、規模、構造、出力又は色彩の変更(色彩の変更にあっては、認定地域脱炭素化促進事業計画に法第二十二条の二第四項第五号又は第六号に掲げる行為を記載した場合に限る。)

三 前号に掲げるもののほか、認定地域脱炭素化促進事業計画に記載した地域脱炭素化促進施設等に係る主要な変更

四 認定地域脱炭素化促進事業計画に記載した地域脱炭素化促進施設等に係る保守点検及び維持管理を行う体制の変更

五 認定地域脱炭素化促進事業計画に記載した地域脱炭素化促進施設等の撤去及び原状回復に関する事項の変更

六 認定地域脱炭素化促進事業計画に記載した地域の脱炭素化のための取組の内容の変更

七 認定地域脱炭素化促進事業計画に記載した次に掲げる取組に関する事項の内容の変更

イ 地域の環境の保全のための取組

ロ 地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組

八 前各号に掲げるもののほか、地域脱炭素化促進事業計画に記載した内容の実質的な変更

 

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8-1-5.変更認定後の通知・公表

計画策定市町村は、地域脱炭素化促進事業計画の変更を認定したときは、認定地域脱炭素化促進事業者に対して通知します(参考様式第1参照)。また、認定をしない場合においても、その理由を明記した上で、書面等により通知することが望ましいです(参考様式第2参照)。

また、計画策定市町村が地域脱炭素化促進事業計画の変更を認定したときは、関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長に対し、速やかに、その旨を通知します(法第22条の2第17項)(参考様式第5参照)。

変更認定後の地域脱炭素化促進事業計画についても、地域脱炭素化促進事業計画の認定等に関する省令で定める事項について、公表する必要があります(法第22条の2第17項)。

 

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8-2.地域脱炭素化促進事業計画の認定の取消し

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8-2-1.認定取消しの要件

以下の項目のいずれかに該当すると認める場合、計画策定市町村は、地域脱炭素化促進事業計画の認定を取り消すことができます(法第22条の3第3項)。

 

<地域脱炭素化促進事業計画の認定取消しの要件>

① 認定地域脱炭素化促進事業者が、地域脱炭素化促進事業計画に従って地域脱炭素化促進事業を行っていないとき。

② 地域脱炭素化促進事業計画の内容が地方公共団体実行計画に適合しないものとなったとき。

③ 地域脱炭素化促進事業計画に記載された内容が、円滑かつ確実に実施される見込みがなくなったとき。

④ その他の認定基準に適合しないものとなったとき。

 

地域脱炭素化促進事業計画に記載された地域の環境の保全のための取組や地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組が十分に実施していないと認められる場合や、事業計画に故意又は重大な過失により虚偽の記載が行われた場合をはじめ、事業計画の確実な実施が見込まれないなどの場合により認定の根拠が失われたと認められる場合には、計画策定市町村は地域脱炭素化促進事業計画の認定を取り消すことができます。

 

表8-2 事業計画認定の取消しに関わる確認事項と判断のポイント(例)

確認事項

判断のポイント(例)

施設整備の場所

促進区域内又は事業計画に記載の場所で事業が行われていないと確認できた場合

事業資金の金額及びその調達先

当初想定されていた資金調達手法の目途が立たず、円滑な事業の実施が困難と判断された場合

地域の環境の保全のための取組

地域脱炭素化促進事業計画に記載された取組内容を十分実施していない場合

地域の経済及び社会の持続的発展に資する取組

各施設に関係する関係法令の遵守に関する事項

事業者の故意又は重大な過失によって関係法令の違反が認められた場合

 

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8-2-2.認定取消し時の措置

計画策定市町村は、認定地域脱炭素化促進事業者に対し、地域脱炭素化促進事業計画の認定を取り消す不利益処分をしようとする場合には、行政手続法に基づき、原則として、当該事業者の意見陳述の機会として聴聞手続を執らなければなりません。

 

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8-2-3.認定取消し後の通知・公表

計画策定市町村は、地域脱炭素化促進事業計画の認定の取消しを行ったとき、その旨を関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長に通知し、認定取消しを公表する必要があります(法第22条の3第4項)。

なお、認定を取消した事業計画は、協議会等において、地域住民その他の利害関係者との合意形成や情報共有を行った上で認定していることから、計画策定市町村は、地域住民その他の利害関係者及び協議会に参加した構成員に対しても、認定取消しの理由と併せてその旨を通知することが考えられます。

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