国民公園及び千鳥ケ淵戦没者墓苑

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北の丸公園ブログ

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2015年07月15日ニイニイゼミ

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北の丸公園では、夏本番を告げる鳴き声名人「ニイニイゼミ」が賑やかに鳴いています。

『閑かさや岩にしみ入る蟬の声』

誰もが知る松尾芭蕉の有名な俳句に登場するセミの種類は、文学者などの間で長いこと議論されていて、諸説ありますがニイニイゼミではないかという説もあるとか・・・。ニイニイゼミが日本の夏を代表する名演奏者として、古来から広く親しまれてきたことを示す逸話ですね。

木に止まるニイニイゼミの姿の写真

その姿は他のセミに比べてとても小さく、巧みな保護色で守られているため、樹にじっととまっているニイニイゼミを見つけだすのは至難の業です。

抜け殻も、やはり他のセミより小さめですが、泥にまみれた質感が特徴で、他の蟬たちの透明でピカピカしている抜け殻とは一線を画す見た目なので、小さな子供たちでも一目で区別がつきます。

ニイニイゼミの抜け殻がたくさんある写真

この木の幹の下の方にはたくさんの抜け殻が残っていました。東京都心の気象観測点が設置されている北の丸公園でも、連日35℃に迫る厳しい暑さが続いており、地面の下で暮らすセミの幼虫たちも、夏休みを目前に一気に気分が高鳴っているのかもしれません。

樹の低い位置で孵化するのも、ニイニイゼミの特徴の一つです。子供たちと夏の公園を散策する時は、いっしょに抜け殻を探して、セミの種類の見分け方を教えてあげられるといいですね。

夏の公園へお出かけの際は、熱中症対策と虫除けをしっかりと準備してお出掛けください。

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2015年07月14日タマアジサイの咲く場所へ

皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 千鳥ヶ淵さんぽみち / 夏の花

千鳥ヶ淵や北の丸公園をぐるっと巡る「千鳥ヶ淵さんぽみち」のコース沿いで、タマアジサイが咲いていました。

タマアジサイは、他のアジサイが終わりを迎えようとする7月から一つ一つ咲き続け、秋までその花を楽しむ事ができ、名前は「玉」のような蕾の形に由来します。

タマアジサイの葉の中から見え始めてきた小さな蕾の様子の写真

蕾がやっと形になり始めた頃の様子

タマアジサイのできたての蕾の写真

名前の由来の「タマ」のような愛らしさの蕾

タマアジサイ開きかけた蕾の写真

蕾が割れて中から花が顔を出してきました!

タマアジサイ割れてきた蕾の写真

外側から花が伸び、真ん中のタマの中にはまだ更に花が隠れています。


タマアジサイと蜂の写真

花が少なくなるこの時期、タマアジサイの花粉は虫たちにとっては大変なごちそうです。次々と訪れる虫たちは美しい装飾花には目もくれず、花粉をたっぷり蓄えた小さな小さな'"本当の花"に夢中です。

タマアジサイ開花の様子の写真

東京では気候が暑すぎるため、残念ながら株全体の花が一斉に咲くことはなかなかありませんが・・・、あじさいが美しいことでよく知られる箱根地域などでは、タマアジサイもたくさん自生しており、夏の間中、まん丸い蕾や清楚な花を株いっぱいに咲かせた避暑地ならではの涼しげな風景をそこかしこでご覧いただくことができます。この夏、涼を求めてタマアジサイが咲く場所を訪ねては如何でしょうか。

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2015年07月08日ヤブカンゾウがお出迎え

皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 夏の花

重要文化財に指定されている旧江戸城清水門をくぐり、北の丸公園内に入った斜面で、ヤブカンゾウの花が出迎えてくれました。

ヤブカンゾウの写真

原産の中国では「ワスレグサ」とも呼ばれ、花が憂さを忘れるほど美しいという説と、その味が心配事を全て忘れるほど美味しいという説が有ります。

ヤブカンゾウアップの写真

これは別の場所で撮った写真ですが・・・、間近でみると野の花とはとても思えない、目を見張る程の豪華さです。

遠くにぽつりぽつりとヤブカンゾウが咲いている風景は、皇居のお濠をぐるりと囲む堤塘や、中央線の車窓から見える外堀沿いなどでも目にすることが出来ますが、北の丸公園周辺では近くでみられる場所がごく限られるため、間近に観察できる群落は野の花好きにとって貴重な存在ですね。

ヤブカンゾウのあでやか姿は日本最古の和歌集である万葉集にも詠われ、古来から人々を癒やしてくれる花として親しまれており、この時期に各地の人里を訪れると、日々の暮らしの中で大事に守り継がれてきた花に彩られた何気ない日本の風景を目にすることが出来ます。

「わが紐に付く香具山の 故りにし里を忘れむがため」(わがひもにつくかぐやまの ふりにしさとをわすれむがため)

大意:この花を着物のひもにつけておくと嫌な事を忘れさせてくれるそうだ (大伴旅人 万葉集)

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2015年07月06日天敵から身を守る工夫

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北の丸公園にある池の上流部に架かる橋の欄干の上で、キラキラと輝くタマムシを見つけました。

橋の上の玉虫の写真

金属を思わせるつややかな光沢のタマムシは、自然界でもひときわ注目を浴びる目立つ存在のように思いますが・・・、彼らが暮らす森の中では、木漏れ日や木々の緑が光沢のある体に映り込み、周囲の景色とすっかり同化してしまうため、天敵である鳥たちからは発見されにくい存在なんだそうです。

きらきら光るタマムシのアップの写真


タマムシの美しい羽は、日本古来の工芸の名宝の一つである「玉虫厨子」の装飾材料に使用されたことでも知られていますが、身に纏った美しい輝きは、身を守るための方法なのですね。

点滴から実を守るナナフシの写真


天敵から身を守る手段として、体のつくりを枝そっくりに変化させることを選択した昆虫としてナナフシの仲間がよく知られていますが、皇居に残された豊かな森のおかげで、都心の真ん中にある北の丸公園でも時折出会える貴重ないきものの一つです。

今回ご紹介したタマムシやナナフシは、たまたま白く塗られた人工物にとまっていたため、遠目からでもかなり目立っていましたが、身を守るためのスゴ技によほど自信があるためか、間近で観察したり、写真を撮ったりしていても、じっとして逃げ出すこともしませんでした。

これらの昆虫は、今や郊外でも殆ど目にすることが少なくなった貴重ないきものです。園内で見つけたときは、むやみに捕まえたりせず、そっと見守ってあげて下さい。

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2015年06月23日珊瑚のような赤い花

皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 夏の花

北の丸公園の外周部、竹橋駅から工芸館に向かう代官町通りの歩道沿いの植え込みで、サンゴシトウの花が咲いていました。

サンゴシトウの花風景の写真

沖縄県の木としてよく知られる「デイゴ」の仲間で、耐寒性の強いアメリカデイゴとエリスリナ・ヘルバケアの交配種としてオーストラリアのシドニー植物園で作出されたと伝えられる、ダイヤ形の葉と、赤い珊瑚のような色鮮やかな花が特徴のマメ科の花木です。

サンゴシトウのアップの写真

一番花のみごろは過ぎましたが、しばらくすると2番目、3番目の花穂が伸びはじめ、休み休みですが、夏の間中、特徴的な花を楽しめます。

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2015年06月16日彼と彼女の見分け方

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皇居外苑や北の丸公園など、都会の公園でもよく見かける野鳥のひとつにハクセキレイがいます。

名前はわからなくても、芝生の上などでピピピッと鳴き声をあげながら、尾羽を上下にふりふり、早足で歩いている愛らしい小鳥を見かけたことは、きっとあるはず。

他の野鳥と同様、ほとんどの季節を単独で過ごすハクセキレイも、繁殖期を迎えたこの時期、一定の距離を保ちながら雌雄2羽で一緒に行動している様子を観察できます。

ハクセキレイの雄の写真

雄のハクセキレイが歩いている様子の写真

喉元のエプロンと背中がクッキリと黒く、しっかりした足取り。

上の2枚は、雄のハクセキレイです。

雌のハクセキレイの写真

雌のハクセキレイの写真

こちらの2枚は雌のハクセキレイ。雄よりも全体的に薄いグレーの羽毛で、優しい印象。

歩く姿もどことなく物腰の柔らかさを感じませんか?

ハクセキレイの雌雄の見分け方はとても難しいと言われますが・・・、まるで初恋みたいに、つかずはなれずお散歩する、ちょっともどかしい2羽のようすをのんびり眺めていれば、自然と彼と彼女を見分けられるようになるかもしれませんね。

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2015年06月15日シジュウカラも大忙し

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北の丸公園では、いろいろな野鳥が子育てシーズンを迎えています。

モミジ林や花木園などの樹林地で「ツツピーツツピー」という鳴き声が聴こえて来ます。

静かに観察していると、シジュウカラが巣立ち直後の幼鳥に樹上で餌を与えている姿に出会いました。

シジュウカラの巣箱の写真

シジュウカラは、年間を通じて大量の昆虫を食べることから森林性の有益鳥類とさせ、一説では、体重16gの鳥が1年に食べる虫の量は約85000匹にも及ぶとされています。

育ち盛りのヒナたちのおなかを満たすため、この時期の親鳥たちはエサ集めに大忙しです。

シジュウカラのアップの写真

シジュウカラの雄雌は、おなかにある黒いネクタイのような模様の太さで見分けがつきます。

お散歩の途中で、シジュウカラの雄雌の見分け方をさりげなく子供たちに教えられたら、ちょっと自慢できるかもしれませんね。

(この写真は太く立派な模様なので雄)

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2015年06月12日「千鳥ヶ淵さんぽみち」のご案内

皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 千鳥ヶ淵さんぽみち / 環境保全の取り組み / 皇居外苑ブログ

皇居のお濠の一つで、桜の名所としてもよく知られる千鳥ヶ淵の周りには、千鳥ヶ淵緑道(千代田区立公園)や代官町通り沿いの堤塘(皇居外苑濠地区の一部)、北の丸公園などの公園緑地や、みどり豊かな街路樹に彩られた道路が整えられており、沿道にはさまざま文化施設も点在します。

千鳥ヶ淵さんぽ道の地図の写真

皇居外苑管理事務所では、千鳥ヶ淵環境再生プランの一環として、これらの歩道を巡って千鳥ヶ淵をぐるっと周回するモデルコース「千鳥ヶ淵さんぽみち」を設け、多くの皆様に千鳥ヶ淵の歴史的な景観や貴重な自然を知っていただき、楽しみながら将来に受け継いでいけるよう取り組みを行っています。

のんびり散策して、一周するのには約1時間半ほど。

今回は、「千鳥ヶ淵さんぽみち」沿道に点在する、江戸時代から明治、大正、昭和、現代まで続く歴史と皇居一体の自然を感じていただけるポイントをいくつかご紹介します。

北白川宮能久親王銅像と工芸館の写真

北白川宮能久親王銅像(1903年)

※背景の建物は、東京国立近代美術館工芸館(国指定重要文化財「旧近衛師団司令部庁舎」)

高射機関砲台跡の写真

代官町通り沿い堤塘に残る「高射機関砲台跡」

千鳥ヶ淵ボート場の写真

千鳥ヶ淵緑道(千代田区立公園)と千鳥ヶ淵ボート場

写真:九段坂公園(千代田区立公園)の「高燈籠(たかとうろう)」

九段坂公園(千代田区立公園)の「高燈籠(たかとうろう)」

田安門の写真

田安門(国指定重要文化財「旧江戸城田安門」)

千鳥ヶ淵さんぽ道看板の写真

北の丸公園内の休憩所(「フォレスト北の丸」)前の「千鳥が淵さんぽみち」案内標識

標識に表示しているQRコードを読み込むと、このブログ(皇居外苑ニュース)を携帯やスマートフォンでご覧いただけます。

※背景の建物は日本武道館(1964年に開催された東京オリンピックを象徴する建物の一つ)

シジュウカラの写真

シジュウカラ(ツツピー、ツツピーという鳴き声♪)

北の丸公園内では、水のせせらぎや軽やかな小鳥のさえずりもお楽しみいただけます。

☆千鳥ヶ淵さんぽみちに沿ったバリアフリールートをご紹介しています。 

  1. 1 北の丸公園(田安門口)から千鳥ケ淵戦没者墓苑(東門)までは、こちらをご覧ください。
  2. 2 千鳥ケ淵戦没者墓苑(西門)から北の丸公園(乾門口)までは、こちらをご覧ください。
  3. 3 北の丸公園乾門口から田安門口までは、こちらをご覧下さい。

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2015年06月10日シナノキが咲いています

皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 夏の花

北の丸公園では、管理事務所東隣の園地(通称見本園)で、シナノキの花が咲いています。

シナノキno

1センチほどの小さな淡黄色の花が集まって咲いています。

シナノキの様子の写真

名前は枝がよくしなう(曲がる)ので「しなう木」からきていると言われます。

花房に、葉っぱとよく似た苞が一枚あるのが特徴です。

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2015年06月09日カイツブリの子育て@北の丸公園

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中ノ池では、カイツブリの子育ての様子をよく見かけるようになりました。

静かな池に、餌をほしがる赤ちゃんの鳴き声が響きます。

カイツブリ親子の写真

何度も潜水して魚をとり、口移しで与えるお母さん。

2羽の赤ちゃん

お母さんと一緒にいた2羽のうち、1羽がいつも先に近寄り餌をもらいます。

カイツブリは足指にひれ状の弁があり巧みに潜水するため、水面に出てくるのはかなり離れた場所になることも。泳ぐのが遅い小さい子は追いかけてもなかなか近づけません。お母さんはつい近寄る子にばかりあげてしまいます。

一番小さいカイツブリ

ひとりぼっちの小さい赤ちゃん。鳴き声もか弱くて羽根もふわふわです。

しっかり大きくなりますように!

お兄ちゃん達

4羽生まれたうちの他の2羽の大きい赤ちゃんは揃って別の場所にいました。

お父さんと一緒

お父さんの姿を見つけるとすぐに後を追いかける2羽。食べるより遊びたい様子。お父さんは意外とクールです。

若いお母さん

まだ若い様子のお母さん。魚をとるのにくたびれたのか急接近してきて何かもらえるかと期待している様子でした。何もせず見守っていると、また潜って魚をとり始めました。

※北の丸公園では自然の生態を大切にしています。生き物が近寄ってきても餌をあげないで下さいね。

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