バックナンバー2015
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2015年07月24日「北の丸公園グリーンアドベンチャー」のご案内
皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園グリーンアドベンチャー / 北の丸公園ブログ
北の丸公園内で、こんなカンバンを見かけたことはありませんか?
普通の樹名板のようにも見えますが、これは、北の丸公園内に設けられたグリーンアドベンチャーコースの設問パネルです。
- ※緑色のパネルは子供向けの初級コース用。
※黒色のパネルは大人向けの上級コース用。
グリーンアドベンチャーは、全国各地の公園にコースが設けられており、設問パネルが点在するコースを巡りながら、パネルに書かれたヒントと目前にある実物の木を見て樹種名を当てる、セルフガイド式の自然学習ツールです。
事前に解答用紙をダウンロードしてラリー形式で樹名当てクイズを楽しんだり、パタンパタンとパネルをめくって答えを確認しながら散策したりと、楽しみ方はさまざま。自然の中で実際に五感を使って植物とふれあいながら、自然を理解していこうという楽しい仕掛けです。
北の丸公園には、お子さん向けに10ヶ所、大人向けに30ヶ所の設問パネルを配置した2つのコースを設定しています。北の丸公園にお越しの際は、グリーンアドベンチャーコースを活用して、気軽に出来る自然観察をお楽しみ下さい。
・解答用紙 子供用 [PDF 833KB]・解答用紙 大人用[PDF 1,851KB]..pdf
- ※現在、印刷した解答用紙はご用意しておりませんので、解答用紙をご使用になりたい場合は、こちらからダウンロードしてお持ちください。
2015年07月23日ムクゲの花が見頃です
皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 夏の花
北の丸公園で、ムクゲの花が見頃を迎えています。
ムクゲは、暑さで花が少なくなる夏の間も次々と美しい花を咲かせ続けるため、お家の庭木やベランダに飾る鉢花として一般の家庭でも親しまれている花です。公園や高速道路などの公共空間の緑化材料としても広く使われており、夏の風景を彩る代表的な花の一つです。
朝顔やツユクサなどと同じで、一輪の花は朝開いて夕方にはしぼんでしまう"一日花"ですが、暑さに負けず夏の間中、次々と花を咲かせ続けます。
いろいろな園芸種が普及していますが、代表的な一重咲きの品種に比べ、八重咲きの品種は一段と華やかな印象。きびしい真夏の日差しの中で、元気いっぱいにほほえみかけてくれているみたいです。
夏の公園へお出かけの際は、熱中症対策と虫除けをしっかりと準備してお出掛けください。
2015年07月15日ニイニイゼミ
皇居外苑いきもの / バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ
北の丸公園では、夏本番を告げる鳴き声名人「ニイニイゼミ」が賑やかに鳴いています。
『閑かさや岩にしみ入る蟬の声』
誰もが知る松尾芭蕉の有名な俳句に登場するセミの種類は、文学者などの間で長いこと議論されていて、諸説ありますがニイニイゼミではないかという説もあるとか・・・。ニイニイゼミが日本の夏を代表する名演奏者として、古来から広く親しまれてきたことを示す逸話ですね。
その姿は他のセミに比べてとても小さく、巧みな保護色で守られているため、樹にじっととまっているニイニイゼミを見つけだすのは至難の業です。
抜け殻も、やはり他のセミより小さめですが、泥にまみれた質感が特徴で、他の蟬たちの透明でピカピカしている抜け殻とは一線を画す見た目なので、小さな子供たちでも一目で区別がつきます。
この木の幹の下の方にはたくさんの抜け殻が残っていました。東京都心の気象観測点が設置されている北の丸公園でも、連日35℃に迫る厳しい暑さが続いており、地面の下で暮らすセミの幼虫たちも、夏休みを目前に一気に気分が高鳴っているのかもしれません。
樹の低い位置で孵化するのも、ニイニイゼミの特徴の一つです。子供たちと夏の公園を散策する時は、いっしょに抜け殻を探して、セミの種類の見分け方を教えてあげられるといいですね。
夏の公園へお出かけの際は、熱中症対策と虫除けをしっかりと準備してお出掛けください。
2015年07月14日タマアジサイの咲く場所へ
皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 千鳥ヶ淵さんぽみち / 夏の花
千鳥ヶ淵や北の丸公園をぐるっと巡る「千鳥ヶ淵さんぽみち」のコース沿いで、タマアジサイが咲いていました。
タマアジサイは、他のアジサイが終わりを迎えようとする7月から一つ一つ咲き続け、秋までその花を楽しむ事ができ、名前は「玉」のような蕾の形に由来します。
名前の由来の「タマ」のような愛らしさの蕾
蕾が割れて中から花が顔を出してきました!
外側から花が伸び、真ん中のタマの中にはまだ更に花が隠れています。
花が少なくなるこの時期、タマアジサイの花粉は虫たちにとっては大変なごちそうです。次々と訪れる虫たちは美しい装飾花には目もくれず、花粉をたっぷり蓄えた小さな小さな'"本当の花"に夢中です。
東京では気候が暑すぎるため、残念ながら株全体の花が一斉に咲くことはなかなかありませんが・・・、あじさいが美しいことでよく知られる箱根地域などでは、タマアジサイもたくさん自生しており、夏の間中、まん丸い蕾や清楚な花を株いっぱいに咲かせた避暑地ならではの涼しげな風景をそこかしこでご覧いただくことができます。この夏、涼を求めてタマアジサイが咲く場所を訪ねては如何でしょうか。
2015年07月08日ヤブカンゾウがお出迎え
皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 夏の花
重要文化財に指定されている旧江戸城清水門をくぐり、北の丸公園内に入った斜面で、ヤブカンゾウの花が出迎えてくれました。
原産の中国では「ワスレグサ」とも呼ばれ、花が憂さを忘れるほど美しいという説と、その味が心配事を全て忘れるほど美味しいという説が有ります。
これは別の場所で撮った写真ですが・・・、間近でみると野の花とはとても思えない、目を見張る程の豪華さです。
遠くにぽつりぽつりとヤブカンゾウが咲いている風景は、皇居のお濠をぐるりと囲む堤塘や、中央線の車窓から見える外堀沿いなどでも目にすることが出来ますが、北の丸公園周辺では近くでみられる場所がごく限られるため、間近に観察できる群落は野の花好きにとって貴重な存在ですね。
ヤブカンゾウのあでやか姿は日本最古の和歌集である万葉集にも詠われ、古来から人々を癒やしてくれる花として親しまれており、この時期に各地の人里を訪れると、日々の暮らしの中で大事に守り継がれてきた花に彩られた何気ない日本の風景を目にすることが出来ます。
「わが紐に付く香具山の 故りにし里を忘れむがため」(わがひもにつくかぐやまの ふりにしさとをわすれむがため)
大意:この花を着物のひもにつけておくと嫌な事を忘れさせてくれるそうだ (大伴旅人 万葉集)
2015年07月06日天敵から身を守る工夫
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北の丸公園にある池の上流部に架かる橋の欄干の上で、キラキラと輝くタマムシを見つけました。
金属を思わせるつややかな光沢のタマムシは、自然界でもひときわ注目を浴びる目立つ存在のように思いますが・・・、彼らが暮らす森の中では、木漏れ日や木々の緑が光沢のある体に映り込み、周囲の景色とすっかり同化してしまうため、天敵である鳥たちからは発見されにくい存在なんだそうです。
タマムシの美しい羽は、日本古来の工芸の名宝の一つである「玉虫厨子」の装飾材料に使用されたことでも知られていますが、身に纏った美しい輝きは、身を守るための方法なのですね。
天敵から身を守る手段として、体のつくりを枝そっくりに変化させることを選択した昆虫としてナナフシの仲間がよく知られていますが、皇居に残された豊かな森のおかげで、都心の真ん中にある北の丸公園でも時折出会える貴重ないきものの一つです。
今回ご紹介したタマムシやナナフシは、たまたま白く塗られた人工物にとまっていたため、遠目からでもかなり目立っていましたが、身を守るためのスゴ技によほど自信があるためか、間近で観察したり、写真を撮ったりしていても、じっとして逃げ出すこともしませんでした。
これらの昆虫は、今や郊外でも殆ど目にすることが少なくなった貴重ないきものです。園内で見つけたときは、むやみに捕まえたりせず、そっと見守ってあげて下さい。
2015年06月24日職人たちが支えます
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皇居のお濠や石垣をはじめとする江戸城跡は、文化財保護法により「史跡のうち学術上の価値が特に高く、わが国文化の象徴たるもの」として、国の特別史跡に指定されています。
皇居外苑管理事務所では、特別史跡江戸城跡に指定されているこれらの文化遺産や、歴史的風景を保全するため、さまざまな取り組みを行っており、お濠の周りで行っている石垣や堤塘の草刈りや低木の刈り込み作業などといった日常的な管理作業もその一つです。
石垣の低い位置等、手の届く範囲はボートの上から草刈りを行います。
切り立った石垣の草刈り作業は、ロープで石垣を伝わり歩きながら作業します。遠くからみている以上に高くそびえ立つ石垣の管理作業は、高所で安全に作業を行うため訓練された特別な技能が必要です。
水面に落ちた刈草は、きれいにすくいあげて、ボートで運び出します。
現在では、これらの定期管理は民間造園会社との請負契約で行っていますが、特別史跡江戸城跡の歴史的・象徴的風景は、大切な史跡をキズ付けることなく後世に伝えようとする思いや、隅々まできれいに保つための繊細さをあわせもつ職人たちの技が支えています。
2015年06月23日珊瑚のような赤い花
皇居外苑バックナンバー2015 / 北の丸公園ブログ / 夏の花
北の丸公園の外周部、竹橋駅から工芸館に向かう代官町通りの歩道沿いの植え込みで、サンゴシトウの花が咲いていました。
沖縄県の木としてよく知られる「デイゴ」の仲間で、耐寒性の強いアメリカデイゴとエリスリナ・ヘルバケアの交配種としてオーストラリアのシドニー植物園で作出されたと伝えられる、ダイヤ形の葉と、赤い珊瑚のような色鮮やかな花が特徴のマメ科の花木です。
一番花のみごろは過ぎましたが、しばらくすると2番目、3番目の花穂が伸びはじめ、休み休みですが、夏の間中、特徴的な花を楽しめます。
2015年06月19日蓮の花咲く水辺(皇居牛ヶ淵)
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皇居のお濠の一つ、「牛ヶ淵」でハスの花が咲きはじめました。
多くの方々が行き交う九段下駅から北の丸公園の入り口方面に向かう上り坂(靖国通り)からは、四季折々に変化する牛ヶ渕の眺望がお楽しみいただけます。
蓮の葉などの水草が覆い被さるように茂る牛ヶ渕の眺望はこの季節の風物の一つですが、これらの水草もかつて放されたソウギョなどの外来魚の影響で一時ほとんど失われたとされ、お濠の保全対策の一環として行われている様々な取り組みにより、濠の底に貯まっていた泥の中に埋まっていた昔の種(埋土種子)が発芽し、長い時間をかけて徐々に復活したものと伝えられています。
残念ながら、ハスの花が間近に眺められる場所は牛ヶ淵にはありませんが、ちょっと立ち止まって、小さなデジタルカメラで拡大してみると、葉の間にはまん丸い蕾がたくさん控えている様子がみえました。
一輪のハスの花は、午前中に開き午後には閉じるをくり返し、咲きはじめて4日ほどで散ってしまいますが、たくさんのつぼみをつけ、夏の間ぽつりぽつりと咲き続けます。
皇居牛ヶ渕の「蓮の花咲く水辺」は、ホタルに代表される都会に残された貴重ないきものたちを育む大切なゆりかごの一つです。みんなでそっと見守ってくださいますよう、お願いします。
北の丸公園や近隣の文化施設等の住所は、「東京都千代田区北の丸公園」です。
現在、北の丸公園として一般公開されている一帯の土地は、徳川家康が江戸幕府を開いた後に拡張した江戸城の一部で、北の丸公園という町名は、この地が江戸城本丸の北側に位置する「北の丸」と呼ばれる場所だったことに由来します。
※清水濠と石垣(国指定特別史跡「江戸城跡」の一部)。北の丸公園を囲む皇居のお濠の一つ。千代田区役所庁舎から撮影。
江戸時代のはじめ頃、この辺り一帯は、関東総奉行を命じられた内藤清成をはじめとする徳川側近の大名家の屋敷地となったことから「代官町」という町名で呼ばれるようになります。
その後、御三卿と呼ばれる徳川宗家に近い血筋の3つ武家のうち、田安氏と清水氏の屋敷が置かれ、明治維新後はその名残から「東代官町」と「西代官町」の2つの町名に住居表示が分けられた時期もあったそうです。
※旧江戸城田安門(国指定重要文化財)。
※旧江戸城清水門(国指定重要文化財)。千代田区役所庁舎から撮影。
戦後、国民公園皇居外苑(北の丸地区として編入)の一部として一般公開されることが決まり、公園として生まれ変わるための造営工事が進められる中、昭和42年(1967)に行われた住居表示の改訂によって、「北の丸公園」という町名が生まれました。
※写真は、千代田区が設置した町名由来板(竹橋駅から代官町通りを北の丸公園に向かって紀伊国坂を少し上がった歩道の脇に設置されています。)
北の丸公園では、休憩所(ザ・フォレスト北の丸)の一角にインフォメーションコーナーを設け、この地域の歴史についても常設展示でご紹介しています。
夏休みに北の丸公園や近隣の文化施設等へお越しの際は、散歩の途中でインフォメーションコーナーに立ち寄って、歴史など学びながらちょっと休憩(クールシェア)されてはいかがでしょうか。