
環境省では、東京電力福島第一原子力発電所事故以降、放射線に係る健康影響への不安を抱える住民等に対するリスクコミュニケーションを実施するとともに、放射線の健康影響に関する風評を払拭するため、正確な情報を全国に発信しています。
放射線は、普段の生活では接する機会が少なく、専門的な情報が多いため、理解するのに時間を要します。多様な媒体から様々な情報が発信される今だからこそ、情報を読み解く力と風評にまどわされない判断力を身につける場を創出するため、新たにプロジェクトを立ち上げました。
今後、ぐぐるプロジェクトとして、5つの活動を戦略的に展開していきます。
“ぐぐるプロジェクト”は、「知る」「学ぶ」「決める」「聴く」「調べる」の5つのテーマで取り組んでいきます。
放射線の健康影響に関する差別・偏見につながる風評を払拭し、譲り合って解決する道しるべとなるように、「知る」「学ぶ」「決める」「聴く」「調べる」のカテゴリーから知りたい情報にすぐにアクセスできる「おりあい横丁マップ」を設置しました。
学術論文を題材に、論文の読み方や執筆のノウハウ(お作法)を学ぶ場を提供し、福島第一原発事故に関連する「被ばくによる健康影響」の情報のアップデートを図ります。
ラジエーションカレッジ2022
令和4年度のラジエーションカレッジでは、学生、社会人に向けて放射線に関するセミナーを開催し、セミナーを受講した方を対象に各部門の参加を募集しました。
プレゼン部門、台詞作成部門、漫画作成部門、CM部門、POP部門の各部門の優秀賞が決定しました。
ラジエーションカレッジ2021
ラジエーションカレッジは全国の大学生等を対象に、放射線の健康影響に関する情報のアップデートを図ることを目的に実施する放射線に関する学びの場の創生です。
全国の大学生が“ぐぐるプロジェクトについて、周囲の人につたわる”、“放射線に関する問題を同世代に向けてつたわる”を課題に、セミナーから学んだことを発表したプレゼン部門、放射線の健康影響に関する風評払拭を目的に、予め与えられた場面、登場人物、ストーリー等の設定に基づいて、登場人物の会話を制作した台詞作成部門の各作品を紹介します。
落語家 落語家 桂三四郎氏と福島県立医科大学の坪倉正治教授、五月女康作准教授による公開収録では、放射線の健康影響について私たちができるコトは何か、どうすれば正しく相手に伝わるか、社会に何が伝わっていないのかなどについて対談しました。
関連資料
福島地方環境事務所(環境再生プラザ)による、放射線の基礎知識と福島の放射線の状況などに関する解説動画、坪倉正治氏(福島県立医科大学 医学部 放射線健康管理学講座 主任教授)の「次世代と考える放射線に関する情報発信」、そして梅澤明弘氏(国立成育医療研究センター 研究所長)による「Dr.梅澤のプレゼンテーション講座」の各動画を紹介します。
東京電力福島第一原発事故による放射線の健康影響について、原子放射線の影響に関する国連科学委員会 UNSCEAR(アンスケア)の10年にわたる研究・調査結果をわかりやすくお伝えします。
放射線の健康影響に係る差別・偏見をなくしていくため、リスクコミュニケーションや行動経済学の観点から議論。進行は桂三四郎氏、また4人のパネリストを招いて、人の認識、イメージを変える戦略について考えました。
マンガ「はたらく細胞」とコラボし、甲状腺検査の関連情報を発信するポスターを制作しました。
原発事故から10年経ち、被ばく線量や甲状腺がんの解析が進んで分かることが増えてきましたが、健康影響について不安に感じる方もいると思います。これらの情報も、検査を受けるかどうかを考えるにあたって参考にしてください。
放射線の健康影響に関する風評払拭を目的に、予め与えられた場面、登場人物、ストーリー等の設定に基づいて、全国の大学生等が登場人物の会話を制作しました。
医療現場を陰で支えている「診療放射線技師」「放射線科医」の普段は見ることのできない仕事裏や医療機器の開発・製造を手がける一大企業へ潜入し、放射線を活用したCTの性能や最新の放射線治療について紹介しています。
ぐぐるプロジェクト公開収録会に参加する学生が、福島県の復興の様子を実際に見たり聞いたりすることによって肌で感じ、今後発信していくことができるように意見交換会を実施しました。
葛尾村野行地区の準備宿泊の事前住民説明会において、放射線に関する不安の声が挙がりました。住民向けの勉強会を開催することで、今後の特定復興再生拠点避難指示解除へ向け、放射線について正しい知識を身につけ、放射線について理解を深めました。
相談員支援センターでは、東京電力福島第一原子力発電所の事故により避難指示が出された12市町村を中心に福島県全域において、自治体職員の方々や、住民からの放射線不安等の様々な生活上の問題に対応する相談員等に対して、相談対応へのアドバイスや専門家の現地派遣、研修会の開催等の支援を無料で行っています。
環境省では、福島県の子供たちの気持ちに寄り添うべく、放射線の健康影響に関する差別・偏見の払拭に取り組むとともに、甲状腺検査の対象者やご家族の多様な不安に応えるため、例えば二次検査を受ける方へのこころのサポートの実施体制を強化するなどの事業を行っております。
次年度の福島県外への情報発信方策検討の参考情報とするため、福島県内外における放射線健康影響に関するリスク認知や福島県に対する認識等を尋ねるWEBアンケート調査を実施し、全国の成人男女4200サンプルを回収しました。
よくあるご質問とその回答をまとめました。
該当するご質問内容をご確認ください。
放射線に関する科学的知見や情報等をまとめた「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料」を基にわかりやすく解説します。(英語版)
環境省は6月30日(木)、島耕作氏を招いて令和4年度のぐぐるプロジェクトのキックオフミーティングを開催。今年度も事業の柱はラジエーションカレッジに置き、新たに高校生と職域(企業等)にも学びの場を創出するプログラムとすることを発表しました。
放射線の健康影響に関する情報発信を展開する“ぐぐるプロジェクト”(環境省事業)は、令和4年度の活動の総括にあたるぐぐるプロジェクトフォーラムを令和5年2月22日(水)に開催しました。