2007年度エコインターンシッププログラム活動報告

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(株)東芝

(株)東芝

所属
環境・エネルギー研究科 環境・エネルギー専攻 1年生
氏名
高柳 一朗さん(左)
体験談を読む
所属
国際総合科学部 国際総合科学科 2年生
氏名
古山 悠美さん(右)
体験談を読む
派遣先
株式会社東芝 セミコンダクター社 環境企画推進部
日程
平成20年3月10日(月)~3月21日(金)までの9日間
実施場所
東京本社(3/10~3/14)、四日市工場(3/17~19)、東京本社(3/21)
実施時間
8時30分~17時00分(うち休憩45分)
カリキュラム概要
セミコンダクター社環境経営の紹介と実習。製造・製品に関わる化学物質管理、環境影響事前評価(実習)、保全などの仕組みや、各種法規制対応・遵守体制の紹介など。
四日市工場での、一部製造工程/環境設備見学と、実習(環境監査・環境測定等)や演習。
3/10 オリエンテーション、会社組織の説明
半導体、東芝およびセミコンダクター社の環境経営に関する説明
3/11 セミコンダクター社の環境経営、環境調和型製品とLCAに関する説明
環境経営情報システムの概略説明
3/12 半導体製造プロセスにおける環境アセスメントに関する説明
東芝総合環境監査(EASTER)、ISOに関する説明
3/13 環境関連法令に関する説明
半導体製品における環境アセスメントに関する説明および実習
3/14 グリーン調達、半導体の包装技術に関する説明
まとめ
3/17 四日市工場の説明
PRTR法、化学物質管理に関する説明、工場見学
3/18 ISO14001の取り組みに関する説明、環境影響評価の説明および実習
EASTERの実習、環境施設の見学
3/19 環境測定実習、ケミカルセンターの見学
職場環境担当者会議への参加
3/21 まとめ
報告会

高柳一朗さんのエコインターンシップ体験談

インターンシップに参加してよかったと思いますか?

はい。企業の環境対策の最前線を実際に現場で体験できて、大変有意義でした。大学の机上では、なかなか企業の取り組みまでは把握できずにいました。しかし、今回のインターンシップで、東芝の環境対策の取り組みは非常に細部まで、徹底的に行っているということを痛感しました。また、社員一人ひとりの意識も高いということに気付きました。一方で、自分自身で問題意識も気付きました。それは、これからの規制強化において、企業だけでなく、国をあげた政策が必要ではないかということです。東芝のような大企業であっても、EUなどの環境先進国の規制が重くのしかかっているのに、大多数を占める中小企業では経営そのものが困難になってくると思いました。環境経営といわれていますが、環境と経営を上手く両立させていけるような政策や対策を講じていく必要があるのではないかと思いました。

高柳一朗さん

インターンシップ中、よかったこと、うれしかったことは何ですか?

社員の方とのコミュニケーション。皆さん懇切、丁寧に指導してくださり、私も大変やりやすかったです。また、皆さん温かく接してくれました。
四日市工場の見学。クリーンルームなどなかなか入れないところを見学できたこと。化学物質の検査など現場での仕事を直にみることができて良かったです。
環境監査の実習。企業秘密が多い中で、実際に調査票を使って評価を体験できたことは貴重な経験となりました。

インターンシップを通じて感じたこと、気付いたことは何ですか?

思った以上に企業の環境対策は厳しいものでした。化学物質対策にしても、監査体制にしても、東芝全体が一丸となって、徹底的に取り組んでいました。社員の方が言っていたように、「監査は形を変えていく。これで満足という考えはない。できるところからやっていく」というように、環境対策は終わりのないものであり、非常に長いスパンで考えていかなければならない問題だと改めて思いました。

インターンシップに参加する前と後で、企業の環境対策に対する印象は変わりましたか?

はい。正直、ここまで真剣にかつ徹底的に行っていることに驚きました。私は、それまで企業の環境経営や環境対策は企業宣伝の一つに過ぎず、形骸的なものであるという思いがありました。しかし、現場体験を通して、東芝では法規制以外に、独自の自主規制を設け、独自の監査制度を実施していて、将来を見据えた対策を実施していることを実感することができました。また、地域住民との連絡会、小学校への出前授業など、地域貢献にも積極的に取り組んでいることに感心しました。私も研究室で行った小学校での環境教育の授業に携わりましたが、授業の方法など参考になるところがたくさんありました。東芝から地域へ、日本へ、そして世界へとこの環境対策を発信していって欲しいと思います。

インターンシップを終えての反省点はありますか?

はい。日々の活動を通して、もっと問題意識を持って取り組みたかったです。(全体的にもっと質問攻めやいろいろな話ができたのではないかと思う)また、活動記録や講義録をもっと上手くまとめて、最後の発表会の準備をスムーズに進めることができれば良かったと思います。(私がもっと先導して、古山さんとのコミュニケーションを密に取っていれば良かった)

高柳一朗さん

今後この経験をどのように活かしていきたいですか?

今回のこの経験を踏まえて、環境経営、環境対策に対してこれからは表と裏の関係きちんと把握して、自分なりの分析ができればと思います。今までは、新聞報道などのメディアの情報をそのまま鵜呑みにしていましたが、その情報をきちんと分析し、真実、現状というものをしっかりと見据えるためのツールにしていきたいです。また、今後、社会に出てから何らかの環境対策プロジェクトなどに関わることがあれば、あるいは、これから就職した先で企業の環境対策プロジェクトがあれば、そこで今回の経験と今まで蓄積してきた知識を組み合わせて活かせることができればいいと思います。

企業側から
  • 礼儀正しく、謙虚な姿勢で非常に好感を持てました。
  • 環境課題についての関心が高いことから、今回の実習でも積極的な取り組みをいただけたと考えています。
  • 環境の仕事に対しては、着実に積み重ねていく姿勢で取り組まれていたと考えています。

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古山悠美さんのエコインターンシップ体験談

インターンシップに参加してよかったと思いますか?

はい。様々な人が働いていたので、物事に対する何通りもの考え方が聞けました。環境に対する考え方も、同じ会社内で立場によって異なっており、非常に興味深かったです。
また、本社と四日市工場に行くことができたため、統括と現場の双方を体験することができました。これは大変貴重な体験だと思っています。

古山悠美さん

インターンシップ中、よかったこと、うれしかったことは何ですか?

  • 他大学の学生と情報交換ができたこと。
  • 意見を発表できる場を設けていただいたこと。
  • 従業員の方が、毎回昼食をご一緒してくださったこと。

インターンシップを通じて感じたこと、気付いたことは何ですか?

  • 東芝セミコンダクター社が、世間にはあまり知られていない多様な環境保全活動を行っていること(NPOと協力した小学生への環境教育など)。
  • 文系、理系問わず様々な人が環境経営に携わっていること。
  • 広い人脈の構築が、働く上で非常に大切であること。

インターンシップに参加する前と後で、企業の環境対策に対する印象は変わりましたか?

はい。インターンシップに参加する前と後で、企業に対する印象が大きく変化しました。参加する以前は、大企業に対し、マニュアル通り型にはまった仕事をする、というような偏見を抱いていました。しかし、実際に企業の中に入り、様々な人からお話を聞くと、この考えが間違いだと知りました。むしろ、大企業では、柔軟な考え方のできる人間が求められていると感じました。これは、環境対策の場面でも言える事です。複数の地域に工場があれば、規模や周囲の環境などがそれぞれ異なります。すると、当然1つの基準では網羅できず、地域に根ざした対策や規定が必要になってきます。

古山悠美さん

このように、方向や角度を変えた見方をしてみることが、環境問題と関わる上で重要だと思います。今後は、多様な方面から様々なものを吸収し、より積極的に環境対策について学んでいきたいです。

インターンシップを終えての反省点はありますか?

はい。

  • 社会人としての、時事に対する知識が不足していたこと。
  • 報告会の準備において、思っていることをわかりやすく相手に伝えられなかったこと。

自分の課題として見出したこと

  • 環境問題を始め、時事的な情報を仕入れること。
  • 英語を習得すること。
  • 伝えたい内容をわかりやすく相手に話すこと。
  • 適切な場面で、積極的に発言すること。
  • 常にマナーや気配り、言動に注意を払うこと。
  • 視野を広く持つこと。

今後この経験をどのように活かしていきたいですか?

インターンシップに参加したことにより、企業側の視点で、環境問題について考えることができました。今後、ボランティア活動などで企業の方と協力する際には、今回学んだ、企業の環境経営に対する努力や苦労を意識した上で、関係していきたいです。

また今回は、指示を出す場所である本社と、指示を受け実際に製品を製造する四日市工場に行きました。そこで、様々な体験をし、多くの意見を聞くことができました。将来どのような職種に就いたとしても、この経験を活かし、広い視野を持ち自分以外の立場を常に考慮するよう努めたいです。

その他

今回のインターンシップで多くのことを学びました。半導体の製造過程、法規制と独自の化学物質対策、その場にふさわしい対応をすることなど数え切れません。このような様々なことを学べたのも、本社と四日市工場の両方で研修が行われたためだと思います。本社では法規制などを詳細に学び、四日市工場では本社で得た知識を活かし、製品の製造過程における環境対策についての実習を体験しました。1つの企業を異なる角度から見ることができ、非常に面白い経験となったと思います。

また、それぞれの工場が独自の環境対策を行っていることにも環境に対する意識の強さを感じました。四日市工場では小学校での出前授業や地域自治会との環境連絡会を実施しています。これらの次世代を担う人材への教育や、地域社会からの信頼を得るための努力は、企業の環境への取り組みを発信する良い機会だと思います。

さらに、環境経営を行うにあたって、絶妙なバランス感覚が要求される場面が多々見られることを知りました。化学物質削減に対する自主基準をどの程度の値にするか考える際や、費用対効果を踏まえた上で、環境に配慮した設備の導入を決定する際などが、そのような場面の例として挙げられます。現代の社会ではまだ、環境経営を行う上で多くの困難があると思いますが、視野を広く持ち、環境と経済のバランスを考慮することが重要であると感じました。

企業側から
  • 礼儀正しく、謙虚な姿勢で非常に好感を持てました。
  • 環境課題(海洋汚染等)に関心を持たれていることもあり、積極的かつ前向きな取り組み意欲を感じられました。
  • 環境の仕事に関する、問題点や背景などの要所を捉える理解力の素養が感じられました。

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