2008年度エコインターンシッププログラム活動報告

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住友スリーエム株式会社

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 受入先

住友スリーエム株式会社 本社 

相模原事業所
 日程 平成20年9月29日(月)〜10月10日(金)までの10日間
 実施場所 環境マネジメント部
 実施時間 8時45分〜17時15分(うち休憩45分)
 カリキュラム概要 住友スリーエムの環境活動の理解と、課題(サステナビリティ経営報告書の他社比較と改善提案、新人社員環境教育資料作成)への取組み

スケジュール

9/29
(金)
AM オリエンテーション、人事戦略
PM

環境担当役員との対話、CSRコミュニケーション(社会貢献活動)

企業概要と企業文化の紹介、リスクマネジメント
9/30
(月)
AM カスタマーコミュニケーション(含職場見学)
PM マーケティング概論、企業倫理、環境概論
10/1
(火)
AM 住友スリーエムの環境活動概要、ビジネスと環境活動
PM ISO活動の実際、一般社員教育、環境負荷データの解説
10/2
(水)
AM カスタマーテクニカルセンター見学
PM

工場見学1(相模原工場紹介と製造部門紹介)

工場見学2(環境関連施設の見学)
10/3
(木)
AM 化学物質管理システムの紹介
PM 環境効率(EE)の計算法とLCAの実際
10/6
(月)
AM 環境表現規定の解説と評価実習
PM 3Mと住友3MのEHS(Environment, Health and Safety)活動の実際
10/7
(火)
AM 研究課題の案内
PM 研究課題1(サステナビリティ経営報告書の他者比較と改善提案)
10/8
(水)
AM 研究課題1(サステナビリティ経営報告書の他者比較と改善提案)
PM 研究課題2(新人社員環境教育資料作成)
10/9
(木)
AM 研究課題2(新人社員環境教育資料作成)
PM 発表資料まとめ
10/10
(金)
AM 発表資料まとめ
PM 研究成果の発表、社内報インタビュー

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インターンシップに参加する前と後では、企業の環境対策に対する印象は
変わりましたか?

はい、変わりました。事前に受け取った2007度版のサスティナビリティー報告書が、23ページと割と簡易なものであったため(後に伺ったところ、たくさんの人に読んでもらうため簡略化したとのことでした)、住友スリーエム株式会社は環境対策にはそこまで力を入れていないのだろうと単純に考え、その印象のままエコインターンシップに参加しました。しかし、実際に自分の目で社員の方々が少しでも環境負荷を減らそうと努力している姿や、本来企業にとって一番重要である売り上げと環境負荷のジレンマに悩んでいる姿を見たり、一つ一つの対策の力の入れようを知ったりして、私が最初に抱いていた印象は間違っており、やれることは本気でやっているのだと知りました。

楽しかったこと、良かったこと、嬉しかったことは何ですか?

「環境問題に対して今後自分はどう対処したら良いのか」、「答えが見えない『環境』という問題を本当にこのまま研究し続けるべきなのか」といったことを、実はエコインターンシップに参加した当初考えていました。しかし、講義中や昼食時、環境マネジメント部の方に「環境問題は答えが見えないからこそ面白いのだし、むしろ答えがまだ出ていない問題に興味を持てたというのは幸運なことだ」といった助言をいただいたことが一番嬉しかったです。もやもやとしたものが晴れ、モチベーションが非常に上がったので、大変感謝しています。

特に印象に残ったことは何ですか?

相模原事業所のごみ集積所です。税の関係で、使えるものでも新品のものでも廃棄しなくてはならないものがあるそうなのですが、報告書に廃棄物は年間何トンなどと記されているものの全く想像もつかなかった私にとって、使えるものが廃棄されているところを目の当たりにするのはとても衝撃的でした。しかもたった一日でこれだけの量が廃棄されるのかと思うと本当にもったいない!と思いました。この問題は絶対にどうにかしなければならないものだなと考えていたところ、環境マネジメント部の方が「自分の目の前の仕事に集中して、良い製品を作り、不良品やロスを生み出さないことが一般社員にとって一番の環境対策なのではないか」とおっしゃっていたのですが、まさにその通りだなと思いました。

企業側から
礼儀正しく、時間も厳守するきちんとした学生さんという印象です。最初は質問も少なかったのですが、慣れてきたらどんどん積極的になってきたように思います。基本的に真面目な学生さんで、自分の夢へ近づくための一歩としてこのエコインターンシップに参加しており、好感が持てました。
工場のゴミ問題が非常に印象に残っているようですが、使えそうな製品がなぜゴミになるのか?なぜ廃棄せざるを得ないのか?という背景をもっと現場担当者に突っ込んでくれれば、更に理解が深まったと思います。学生さんからは想像もつかないようないろいろな理由があり、企業活動あるいは環境活動への理解が更に深まるいい機会だったのですが、少し惜しい気がしました。  
また、印象深いこととして、当社のISO14001の取り組み姿勢を説明した時に、大学では認証の更新を中止したという背景があったせいでしょうが、学生さんには珍しく、こちらの意図したことをきちんと理解してくれました。過去に普通のインターンにも同じような話をしてきましたが、ほとんどの学生さんはその本質を理解できませんでした。

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特に印象に残ったことは何ですか?

今回、「原単位」という表現の方法を初めて知りました。製品を一定量生産する際に排出される環境負荷を減らしたとしても、生産量が増えていれば最終的な環境負荷は変わらないもしくは増えているという現実です。正直、はじめは「この表現方法によってごまかされている」と感じました。しかし、インターンを通じて「企業とは顧客のために発展し続けなければならない」という企業としての根底にある考えもまた学びました。最終的には絶対量を減らすべきであると思いますが、そのために企業そのものが衰退しては意味がなく、やはり企業の発展も忘れてはいけないということを理解することができました。

インターンシップを終えての反省点や自分の課題として見出したことは
ありますか?

これまで、一方的な物事の見方をしないよう心がけているつもりでしたが、まだまだ自分の視野が狭く、知識が足りないことを実感しました。今回、インターンシップという形で得た知識や考え方はインターネットや参考書からは決して学ぶことのできないものばかりです。常に多くの考え方があることを認識し、それらをより理解するために、日ごろからアンテナを張り、それを行動につなげてゆきたいと思います。

今後この経験をどのように活かしていきたいですか?

今回の経験によって環境問題に対するリテラシーが向上したと思います。これから就職活動や修士論文など、多くの複雑な情報を利活用しなければならない事柄がますます増えてゆきます。今回、一部の情報に惑わされないよう必要な知識を身に着け、自分の考えをしっかり持つことが最も重要なことの一つであると学びました。これらの知識を今後の研究に具体的に生かしていきたいと思います。

企業側から
 花井さんと同じく、真面目できちんとした学生さんでした。年上という事もあるのでしょうが、お二人の中では最初からリーダーシップをとっていました。理解力もあり、こちらの説明の趣旨を適切に感じ取ってくれたように思います。課題研究でもリーダーシップを発揮していたようで、発表資料作成のスキルも含めてやはり大学院生だな、と素直に思いました。  
3日目の講義の中で原単位と総量の説明をし、問題提起をしたつもりでした。これを課題研究(報告書の他社比較)の中でもっと突っ込んでくれたらな、というのが当方の密かな期待でした。しかし、課題研究はそのようなコンテンツそのものの話よりは、コンテンツの見せ方、という切り口での評価が主流で、そこまでは踏み込めませんでした。限られた時間で、学生さんの知識と経験だけではこの課題(原単位と総量)は重すぎたのかなと、反省しています。

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