2007年度エコインターンシッププログラム活動報告

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旭硝子(株)

住友化学(株)

H.J
所属
教育学研究科 認知心理学講座 1年生
氏名
山添 愛さん(右)
体験談を読む
所属
経済学部経済学科 3年
氏名
北 聖吾さん(左)
体験談を読む
派遣先
旭硝子株式会社 本社 社会環境室
鹿島工場
千葉工場 化学品カンパニー環境安全室
日程
11月5日(月)〜 11月16日(金)までの10日間
実施場所
本社(11/5〜11/ 6)、鹿島工場(11/7)、千葉工場(11/8〜11/16)
実施時間
8時30分〜17時00分(うち休憩1時間)
カリキュラム概要
  • 本社(2日間)
    オリエンテーション、AGCグループ概要説明、環境管理概要説明を行い、各社CSRレポートとAGC CSRレポートの比較などの分析を行う。
  • 鹿島工場(1日間)
    工場見学
  • 千葉工場(7日間)
    現場における化学物質管理の説明と見学の後、MSDS作成などの作業を通じて実際の管理作業を学ぶ。
11/5 オリエンテーション、AGCグループ概要説明、CSRと環境環境に関する法律について
11/6 化学物質管理について、CSRレポートの説明
各社のCSRレポート比較
11/7 鹿島工場に移動、鹿島工場概要説明、ビデオ
工場内見学、鹿島工場から千葉への移動
11/8 工場入構教育、千葉工場概要説明、工場内見学
化学品カンパニー環境安全室の取り組み、輸出貿易管理、REACH
11/9 化学品カンパニーの教育について、研修センターの説明
安全体感研修の説明、安全体感研修
11/12 化学物質管理、化審法及び安衛法
GHS、グリーン調達、環境・安全・保安
11/13 フロン破壊と再生技術
11/14 フロン破壊と再生技術
11/15 研修成果取りまとめ
11/16 研修成果取りまとめ、成果報告会

山添 愛さんのエコインターンシップ体験談

インターンシップに参加してよかったと思いますか?

はい。

  • 関心のある環境問題を「企業における化学物質管理」という今まで知らなかった側面から考えることができた。
  • 文系でありながら、理系と考えられる分野の勉強ができた。
  • 企業の中で働いている人たちの様子を間近に見ることができた。

派遣先企業の化学物質対策について何を学びましたか?

  • ゼロエミッションを目標に、製造過程で規制する化学物質の再利用や分別、有効利用先の探索に努めている。
  • 環境保全の適切な管理ができるように日本だけでなく、海外の工場も含めた統合EMSを構築している。
  • 温室効果ガス、PRTR対象物質、VOCの排出量削減に取り組み、実績をあげている
  • 化学物質管理マニュアルを作成。
  • 化管法、化審法などの法律を遵守。
  • 開発の段階でヒトや環境に対する有害性を考慮に入れている。

インターンシップ中、よかったこと、うれしかったことは何ですか?

社員の方が、自分がどういう経緯で今の職業についたか、今までどのような仕事をしてきたか、またどのような考えで仕事に取り組んでいるか、などについて移動時間や食事時間に話してくださった。このような実際に企業の中で長年働いている方の話は学生にとってはなかなか訊くことができない。これからの就職活動や社会人生活をはじめるにあたって参考になる貴重なお話だった。

インターンシップに参加する前と後で、企業の環境対策に対する印象は変わりましたか?

はい。

  • 参加する前は、企業の環境対策は周りからの規制でやむを得ず行なっていると思っていたが、積極的に取り組んでいる企業があると知って安心した。
  • 環境に配慮しながらも一方では利益は出さなければならない立場の難しさや、そのなかでも実績をあげている企業の努力を知った。

インターンシップを通じて感じたこと、気付いたこと

  • 便利な生活の裏で、廃棄物の処理や温室効果ガスの削減のために、多くのエネルギーやコストがかけられていることを知った。
  • ある程度の環境対策は企業にとっても原料のリサイクルやコストの削減につながるが、これ以上の努力が必要となると、余分にコストをかけて収益を減らしてまで取り組まなければならない段階まできており、企業としては苦しい状況にある。
  • しかし、このよう企業の取り組みは一部の人にしか知られていない。各社とも時間とコストをかけて作成しているCSRレポートも大部分が社内や協力会社、同業他社などに送られており、一般の人々の目に触れる機会はほとんどないと伺った。
  • 日々の生活の中で自分の消費する製品がどのように作られ、廃棄されているのか、またその過程でどれだけ環境に負荷をかけているかを実感することは少ない。企業が率先して環境問題に取り組んでいる様子を伝えることで、人々が自分の生活を見直すきっかけにできないものだろうかと思った。
  • 今回、受け入れていただいた企業は積極的に環境対策を行なっていたが、そのような企業ばかりではないと思う。環境対策をしたくてもコストや技術の面でそのような余裕がないという企業もあると思う。今後、そのような企業の環境対策に対する支援も必要になるだろう。

自分の課題として見出したこと

  • 自分の環境問題に対する知識というのは、ほとんどがテレビや新聞などマスコミに依存したもので、その現場で実際にどのような人がどのような取り組みを行なっているかということについてはあまり知らない、ということに気づいた。
  • このような状態では、本当に問題となっていることは見えず、解決にもつながらない。
  • 今回は、ほんの少しでも現場での取り組みに触れることができるよい機会であった。
  • 今後も、できる限り多くの機会を利用して、実際に現場に足を運んだり、直接人に会って話を聞いたり、自分で情報を得ていきたい。

インターンシップを終えての反省点はありますか?

  • 事前の勉強が不足していた。
  • 「こういうことを教えてほしい」「こういうことがしたい」という自分なりの問題意識や目的をもっとしっかりもっていたら、もっと多くのことが学べたのではないかと思う。

今後この経験をどのように活かしていきたいですか?

  • 今回学んだCSRレポートの見方を活かして、環境対策に積極的に取り組んでいる就職先を選びたい。
  • 環境対策は「規制されているから行なう」のではなく、「企業の社会的責任である」という考え方を忘れず、できれば環境に関連のある部門で働きたい。
  • 今回の経験を少しずつでも周りの人に伝えて、環境問題に関心をもってもらいたい。

その他

  • このような貴重な機会を与えてくださった皆様、本当にありがとうございました。
  • 他企業で研修した同期との横のつながりや、次年度以降参加する学生たちとの縦のつながりが続いていって、かつてのエコインターンシップ研修生が就職後、環境部門で新たな研修生を受け入れる、といったエコインターンシップの輪が広がればいいなと思いました。
企業側から

当初、専攻が心理学ということと、期間が2週間ということで、どのようにインターンシップを進めていただくか、正直、我々も悩みました。結論としては、企業の環境への取組みを見ていただき、率直な感想を頂くということにしました。非常に真面目かつ積極的に取り組んでいただき、社外からの視点という点で多々新鮮なご意見を頂きました。特に、環境やCSRに関する取り組みが、社会に伝え切れていないことを実感しました。

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北 聖吾さんのエコインターンシップ体験談

インターンシップに参加してよかったと思いますか?

はい。
実際に環境部などで働いている方々を見て、どのような仕事をしているのか、どのように考えて仕事をしているのかなどを聞くことができ、大変参考になったので。

派遣先企業の化学物質対策について何を学びましたか?

多くの化学品を扱うため環境に対してはもちろん、労働者の安全に対しても細心の注意を払い扱われていた。MSDSを義務付けられていない化学物質にもMSDSを義務付けるなど、化学物質のリスク評価をきちんと行い、生産から廃棄までを管理している。そのために日々働いている方々は自ら学び、そして教育をしていることがわかった。

インターンシップ中、よかったこと、うれしかったことは何ですか?

実際の工場を見学させて頂いたので、とてもわかりやすかった事。また皆さん良い方々ばかりで、そういう面に関して全く不安を感じなかったこと。

インターンシップに参加する前と後で、企業の環境対策に対する印象は変わりましたか?

はい。
企業の環境対策というのはやはりイメージ戦略の一部であると考えていたので、その考えが覆されました。イメージ戦略の範疇には収まらないほどの努力と資金を投じ、対策を行っているのを見て、本当に環境へ配慮しているのだなと感じました。

インターンシップを通じて感じたこと、気付いたこと

企業が環境へ配慮するために行っている努力は、家庭など私たちが行っている努力に比べ、遥かに大きく、進んでいるものだった。何億という投資をし、新たな装置を導入したり、日々変わっている法律へ受身的だけではなく、積極的に対応をするために専門の委員会に参画するなど、積極的に取り組んでいる事を強く感じた。また実際に環境に関して働いている方々は企業の利益と環境への負荷との間で板挟み状態であり、日々葛藤を感じていることもわかった。

自分の課題として見出したこと

企業が環境対策を行えば必ずそこに費用が生じ、利益を減らすことになる。それ故、泣く泣く対策を緩めざるを得ないことがあること。環境対策をすることで企業によりメリットが生まれる様な社会のシステム、または流れが出来なければ進展は難しい。その様な流れを作るために、自分がどのような形で力添えをできるのか、これからの就職活動を通して考え、自分が今後社会で働いていく上での重要なテーマとしていきたい。

インターンシップを終えての反省点はありますか?

はい。
より実際の取り組みを理解するために、もっと事前に勉強しておくべきだった。
報告会の準備がきちんとできていなかったこと。

今後この経験をどのように活かしていきたいですか?

企業においての環境対策の実情を垣間見ることができたので、それを元に消費者として自分達に何が出来るか、また企業の努力を知った上での商品の選び方などを考えて行きたい。また就職する際にあたっても、ただ環境に特化した企業に就職を考えるのではなく、普通のオフィスにて働いている企業などでも環境対策は十分に出来、必要とされていることを感じたので、もっと広く視野を持ち、様々な形で環境に対して接していきたいと思いました。

その他

今回このような機会を与えてくださった旭硝子さん、事務局、環境省には本当に感謝しています。自分の周りでも環境に関して関心がある人が多く、きっとこれからも増えていくと思います。そんな人達がより高い意識で環境を考える事ができるように、このような機会がもっと多くの学生に与えられればと思います。この度はお忙しい中派遣、または受け入れて頂き、本当にありがとうございました。今回の経験を忘れず、これからも環境と向き合っていきたいと思います。

企業側から

礼儀正しく、熱心に取り組んでいただきました。日常の企業活動における環境配慮を実際にご覧になっていただき、その対策とコストについても考えていただきました。今後、就職活動や社会人になっても、環境のことを考えて働くことの意義を理解してもらえたと期待しています。

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