地球環境・国際環境協力

二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS)に関する取組

 2050年ネットゼロの実現に向けた二酸化炭素排出の削減のためには、再生可能エネルギーの主力電源化や革新的省エネ技術の開発・実装など、あらゆる手段を最大限進めていくことが必要となりますが、それでもなお排出される二酸化炭素を回収し、有効利用や貯留を行うことにより、大気中に放出させない対策が必要です。このための技術がCCUS(Carbon Capture, Utilization, and Storage)です。
 環境省では、CCUSの技術確立等を目的に事業に取り組んでいます。
 ここでは、CCUSについて理解を深めるための情報や環境省が実施する事業の情報、イベント、関連資料等に関する情報を掲載しています。

CCUSについて

CCUSの基本的な概念や必要な技術等について紹介します。

CCUSについて

CCUSに必要な主な技術
 

環境省の取組

環境省で実施しているCCUS事業について紹介します。

●CCS事業

■輸送・貯留等技術実証事業【2020年度~2025年度】

 2030年以降にCCS事業者が洋上の浮体からCO2を圧入・貯留する洋上圧入CCS事業を実施することを想定し、CO2分離回収から圧入、モニタ リングまでの実証を行うための準備とCCSの事業化を円滑に進める上で必要な知見の集積を行うものです。

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■液体吸収剤による分離回収技術実証事業【2021年度~2025年度】

 福岡県大牟田市の三川発電所に大規模なCO2分離回収実証設備を敷設し、アミン系の液体吸収剤を使用したCO2分離回収の実証運転を行うものです。

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■固体吸収剤による分離回収技術実証事業【2021年度~2024年度】

 米国ワイオミング州の研究施設である統合テストセンター(ITC: Integrated Test Center)において、アミン系の固体吸収剤を用いたKCC(Kawasaki CO2 Capture)プロセスによるCO2分離回収テストプラン トを建設、運転し、プラント周辺地域の環境モニタリングを含む環境影響評価を実施するものです。

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■二酸化炭素貯留適地調査事業(経済産業省連携事業)【2014年度~2023年度】

 日本周辺の海域においてCO2の貯留に適していると期待される地点の調査を行うため、弾性波探査や地質モデルの 構築によって、貯留可能量の評価などを行うものです。

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●CCU事業

■人工光合成技術を用いた電解による地域のCO2資源化検討【2021年度~2024年度】

 人工光合成技術を活用し、CO2からCOを電気分解する技術の社会実装を進めるものです。また、CO2の分離回収から、持続可能なジェット燃料の製造までのサプライチェーン構築について検討するものです。

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■廃棄物処理施設からの二酸化炭素を利用した化学品製造に関する技術開発と実証【2019年度~2024年度】

 岩手県久慈市において、廃棄物焼却施設の排ガス中のCO2を原料とし、廃熱・触媒・水素を利用して反応させてエタノールを製造する実証を実施しました。

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■清掃工場から回収した二酸化炭素の資源化による炭素循環モデルの構築実証【2018年度~2023年度】

 神奈川県小田原市において、廃棄物焼却施設の排ガス中のCO2を原料とし、水素と反応させてメタンを製造する実証を実施するものです。

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■多量CO2排出施設における人工光合成技術を用いた地域適合型二酸化炭素資源化モデルの構築実証【2018年度~2022年度】

 排ガス中のCO2を回収し、人工光合成技術を用いてCO2から世界最高レベルの変換速度で多量のCOを生成する実証を実施するものです。

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■低濃度二酸化炭素回収システムによる炭素循環モデル構築実証【2018年度~2021年度】

 60℃程度で再生可能な固体吸収材を用いることにより、直接空気回収(DAC: Direct Air Capture)と呼ばれる、大気中CO2に代表される低濃度CO2を省エネルギーで回収する装置を開発するものです。

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■二酸化炭素と水からsyngas(一酸化炭素+水素)を高効率に常温常圧合成する炭素循環モデルの構築実証【2018年度~2020年度】

 CO2と水を原料とするsyngas(一酸化炭素と水素の混合物)の太陽光変換効率10%での合成を、鉄、マンガン、シリコン等の汎用元素を活用し た触媒と光吸収材でラボスケール実証するものです。

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会議・シンポジウム

環境省では、CCUSの技術の動向や技術実証の現状の到達点・目標を関係者間で適切に共有・議論し、取組の一層の加速化と今後の道筋の検討を行うために、CCUSの早期社会実装会議や国際シンポジウムを開催しています。

ライブラリ

 事業で作成した情報発信コンテンツ等を紹介します。

●動画

【2020年度作成】
脱炭素社会を実現するCCUS―CO2を分離回収・有効利用・貯留する技術―
通常版 https://www.youtube.com/watch?v=hldDmlkLCUw
ダイジェスト版 https://www.youtube.com/watch?v=tYwiF53ZfmY
英語版 https://www.youtube.com/watch?v=ySbJ3xUoEiY