液体吸収剤による分離回収技術実証事業

液体吸収剤による分離回収技術実証事業

●事業概要

 CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)は、プラントから排出されるCO2(二酸化炭素)を分離、回収、貯留する技術です。本事業では、CO2を選択的に吸収、放出する特性を持つアミンを主成分とする吸収液での化学吸収法による燃焼後回収技術を用いています。
発電により発生した排ガス中のCO2を、吸収塔で吸収液に取り込み、次にその吸収液を再生塔で加熱しCO2を放出させます。CO2が放出された吸収液を再びCO2の吸収に用いるといった具合に、CO2を連続的に分離、回収していきます。
 燃料後回収技術は、CO2を発生するあらゆるプラント形態に適用可能で、新設のみならず既設プラントに付設することもできます。

事業実施年度:2021年度~2025年度(予定)

事業実施体制:

 

●実施内容

 本事業では、東芝エネルギーシステムズ株式会社のグループ会社であるシグマパワー有明の三川発電所(福岡県大牟田市)隣接地にCO2分離・回収実証設備(以下、実証設備)を建設して実証を行っています。実証設備は、三川発電所の定格運転時に発生する日量約1,100トンのCO2の50%以上(600トン/日以上)を分離・回収できます。
 吸収液からCO2を分離するのに必要となるエネルギー源には、蒸気タービンからの抽気蒸気を用いており、火力発電所と統合した設備となっています。
 また、三川発電所はパームヤシ殻を主燃料としたバイオマス発電を行っており、実証設備は、バイオマス発電所から排出されるCO2を分離回収する世界初の大規模BECCS(Bio-Energy with CCS:CCS付きバイオマス発電)対応設備です。大気中のCO2を吸収したバイオマス燃料を燃焼して発生した排ガスからCO2を分離回収することになるため、大気中のCO2を減らすことができます。