ここから本文です。
西表石垣国立公園の写真

公園の特長

原生的な亜熱帯林とサンゴ礁の海
指定:昭和47年5月15日
石垣島地域編入:平成19年8月1日
面積(陸域のみ):40,653ha
沖縄県
西表石垣国立公園は、わが国最南端の国立公園であり、原生状態に近い亜熱帯性常緑広葉樹林やわが国最大規模のマングローブ林、サンゴ礁など、活力に満ちた豊かな自然環境からなる亜熱帯特有の自然景観と、このような自然環境の中での日々の暮らしで育まれてきた伝統的な沖縄らしさが息づく人文景観が特長です。また、大陸との分断、連続を繰り返す中で独自の進化を遂げたイリオモテヤマネコやサキシマカナヘビなどに代表される希少な八重山固有の動植物が多く生息・生育していることも大きな特長です。西表石垣国立公園では、このような亜熱帯の大自然を舞台に、カヤック、スノーケル、スクーバダイビング、マングローブクルーズなどのマリンレジャーのほか、トレッキング、アニマルウォッチング、ドライブなどの陸域のレジャーが盛んに行われており、訪れる公園利用者へ良質な自然とのふれあいの場・機会を提供しています。

地形・景観

成り立ち
西表石垣国立公園のある八重山地域は、弧状に連なる琉球列島の最南端に位置し、新生代の第三紀(約2,300万年から170万年前)以降の激しい地殻変動により、大陸や日本本土と陸続きになったり離れたりを繰り返してきました。
約1,000万年前の地形図
約1,000万年前には大陸と陸続きであったため、この時代にイリオモテヤマネコの祖先を含む多くの動物が大陸から渡ってきたと考えられています。
約200万年前の地形図
約200万年前には琉球列島は九州に続く北琉球、中琉球、南琉球のブロックに分離しました。このうち西表石垣国立公園のある八重山地域は南琉球に含まれます。
約2万~1.5万年前の地形図
約2万~1.5万年前には琉球の島々は大陸と離れ、多くの生物の移動が制限されたため、大陸から移動してきた生物は琉球列島に形成された島々に閉じ込められ、何万年もの長い年月をかけて島ごとに固有な種へと進化していきました。

植物

西表石垣国立公園にはヤエヤマカンアオイやイリオモテガヤなどの西表島のみに生育する固有種に加え、石垣島と西表島のみに生育するヤエヤマヤシ、サキシマツツジなどの固有種のほか、西表島を分布の北限とするサキシマハブカズラ、ナンバンカモメランなどが生育しています。
また、河口や沿岸などの淡水と海水が混じる汽水域には八重山の風景を代表するマングローブ林が広がります。
ナンバンカモメランの写真

ナンバンカモメラン

国の天然記念物に指定されている貴重な植物群落も多く、石垣島では米原のヤエヤマヤシ群落、荒川のカンヒザクラ自生地などが見られ、西表島では船浦のニッパヤシ群落、古見のサキシマスオウノキ群落などが広がります。
マングローブ林の写真

マングローブ林

動物

西表石垣国立公園の生態系の特長は、海・川・山の連続性にあります。イタジイやオキナワウラジロガシなどの照葉樹林からなる森林生態系、オヒルギ、ヤエヤマヒルギなどマングローブ林からなるマングローブ生態系、アダン、オオハマボウなどの海岸林からなる海岸生態系、多種多様な造礁サンゴ類からなるサンゴ礁生態系など、多様な自然環境に応じて形成された多様な生態系が水や物質循環を通じて密接に関連しており、それぞれが連続性をもって非常に生産性の高い自然環境を作りだしています。このことは、西表島がヤマネコの生息する世界最小の島として知られていることからも明らかで、西表石垣国立公園の生物多様性の高さを表しています。
亜熱帯林(ヒナイ川上流)の写真

亜熱帯林(ヒナイ川上流)

マングローブ林(後良川)の写真

マングローブ林(後良川)

西表石垣国立公園には、イリオモテヤマネコやキシノウエトカゲなど八重山諸島のみに生息する固有種に加え、カンムリワシやヤエヤマセマルハコガメなどの八重山諸島を分布北限とする種も多く生息しており、特異かつ希少で生物多様性豊かな動物相が形成されています。
イリオモテヤマネコの写真

イリオモテヤマネコ

また、石垣島と西表島の間には、日本最大のサンゴ礁海域である石西礁湖が広がります。サンゴの分布の北限近くに位置しますが、黒潮の影響を受け豊かなサンゴ群集が発達し、サンゴ礁生物の多様性も国内一です。360種類以上の造礁サンゴ(イシサンゴ目)が確認されており、サンゴ群集の多様性は世界最大のサンゴ礁海域であるグレートバリアリーフを凌ぎます。
石西礁湖のサンゴの海の写真

石西礁湖のサンゴの海

ナンヨウマンタの写真

ナンヨウマンタ

文化

西表島の水田(美原)の写真

西表島の水田(美原)

西表島の集落(祖納)の写真

西表島の集落(祖納)

豊年祭(黒島)の写真

豊年祭(黒島)

種取祭(竹富島)の写真

種取祭(竹富島)

八重山地域の大自然は、生活の基盤として人々の暮らしを支えてきました。人々は自然を暮らしの中に積極的に取入れることで、琉球石灰岩の石垣や魚垣などに代表されるような伝統建築や農林漁業、食文化などを育み、また、その恵みに感謝し崇める自然観は、民謡や祭事といった文化の根源にもなっています。
竹富島をはじめとした伝統的な赤瓦の屋根が続く集落や海に豊穣を祈願する黒島の豊年祭、西表島の節祭 など、現代の人々も魅了する伝統文化が数多く伝承されています。なお、八重山地域の文化は、島々を架け橋として伝搬されたことにより、地域として一体的な共通性を有する一方、島ごとの自然や地域性によってそれぞれの特長を有しており、八重山地域全体としてより魅力的な文化が形成されています。