未来に引き継ぐ大自然 国立公園
日本の国立公園

目的と役割

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国立公園は、次の世代も、私たちと同じ感動を味わい楽しむことができるように、すぐれた自然を守り、後世に伝えていくところです。
そのために、国が指定し、保護し、管理する、役割を担っています。

美しい自然は日本の宝

自然と触れあうことにより、私たちは深い感動や安らぎを得ることができます。特に国立公園内は、自然の景観だけではなく、野生の動植物、歴史文化などの魅力に溢れています。更に日本の国立公園の特徴として、森林、農地、集落などの多様な環境が含まれており、ほとんど手つかずで残された自然を探勝できる一方で、自然と人の暮らしが織りなす景勝地で歴史や文化に触れることもできます。

白谷雲水峡の写真
屋久島国立公園:白谷雲水峡 
出羽三山神社の写真
磐梯朝日国立公園:出羽三山神社

国立公園は、世界にも類のない美しい自然を日本の宝として未来に引き継ぐ役割を担っています。そのため、自然環境を保護・保全する姿勢を忘れずに国立公園を訪れ、四季折々に変化する日本の美しい自然を満喫してください。

日本の国立公園の特徴

狭い国土に大勢の人が住み、昔から土地をさまざまな目的で管理・利用してきた日本では、アメリカやオーストラリアなどのように国立公園の土地すべてを公園専用とすることが難しいです。そのため、日本の国立公園は、土地の所有に関わらず指定を行う「地域制自然公園制度」を採用しており、国立公園内にも多くの私有地が含まれています。国立公園内に住んでいる人も多く、農林業などの産業も行われていることから、国立公園の管理は、人々の暮らしや産業などとの調整をしながら進められています。保護の面でも利用の面でも多くの利害関係者がいることから、多様な主体の連携による「協働型管理運営」が重要となっています。

国立公園区域の9割以上が私有地の伊勢志摩国立公園の写真
国立公園区域の9割以上が私有地の伊勢志摩国立公園
国立公園土地所有者別面積割合の図
国立公園土地所有者別面積割合
平成29年8月8日現在
国有地の大部分は林野庁所轄国有林

風景の保護と生物多様性

自然公園法が主に保護の対象としているものは自然の風景地ですが、人が感じる風景には視覚だけでなく五感で感じるものまで含まれています。自然を包括的に認識することにより自然環境の保全や生物多様性の保全にも大きく寄与しています。

ヤクシカの写真
屋久島国立公園:ヤクシカ
流氷の上のオオワシの写真
知床国立公園:氷の上のオオワシ

そのうえ国立公園は、区域を指定して自然環境を保全する制度としては日本で最も広い面積を有しています。標高の高い奥山の自然植生、大型哺乳類の分布域、山岳部に特有の動植物の分布域を広く含むなど、国土における生物多様性の屋台骨としての役割を担っています。

自然とのふれあい

国立公園は、自然についての知識を深めたり、健康増進やレクリエーションのために自然とふれあうところでもあります。登山、ハイキング、スキー、キャンプ、カヌー、シュノーケリング、バードウォッチング、自然観察など自然とのふれあい方も多様です。こうしたアクティビティを多くの人に楽しんでもらえるよう、ビジターセンターや歩道、案内板等の施設の整備をはじめ、自然観察会なども開催しています。

慶良間諸島国立公園:ダイビングを楽しむ人々
慶良間諸島国立公園:ダイビングを楽しむ人々
中部山岳国立公園:登山者でにぎわう白馬岳
中部山岳国立公園:登山者でにぎわう白馬岳