阿蘇の草原は、1000年の昔から野焼き・放牧・採草により維持されてきましたが、農・畜産業の担い手の減少や高齢化が進むとともに、牧野改良の拡大や生活形態等の変化により草原維持が難しくなっています。
なかでも採草作業は機械化が進み平坦地のみの作業が主となり、作業困難な斜面等では採草がされなくなってきており、草原景観の劣化や草原生態系における生物多様性の低下など問題となっています。
このため、地元牧野組合の協力のもと、野草地として重要な斜面等箇所の利用を促進し、昔からの草原景観の点景としての草小積を利用者の多い道路沿いに242個設置し、秋から冬にかけた阿蘇ならではの草原景観を保全しています
この事業は阿蘇を訪れた観光客や正月の帰省客には大好評であるとともに、永年にわたりそれぞれの牧野組合で引き継がれてきた技術の継承にも繋がっています。
阿蘇くじゅう国立公園西側に位置する菊池渓谷は、菊池川の源流部で、阿蘇では珍しい原生林と清流と相まった渓谷美を見せています。「名水百選」にも指定されるとともに、古くから植物の宝庫としても知られ、森林レクリェーションの場としても重要になっています。
当地は比較的熊本市にも近いことから、多くの国民の憩いの場として利用されており、常に美しい環境の維持が求められています。
このため国立公園内の歩道、広場、キャンプ場等の公共の場所を清潔に保持することを目的として清掃事業を行っています。