ベトナムにおける活動

ベトナムにおける活動

日本国環境省とベトナム天然資源環境省間でのレターの取り交わしにより、PaSTIがベトナムにおける温室効果ガスの測定・評価・報告システムの改善と民間セクターによる気候変動活動の促進を支援することに合意しました。このパートナーシップがパリ協定の実現に向けて確実な一歩となることが期待されます。

環境金融ワークショップ「ベトナムにおけるネットゼロに向けたグリーンファイナンスの加速」を開催しました。

ベトナム・ハノイ/ 2025年3月

ワークショップの様子

ワークショップの様子

2025年3月25日、ベトナム・ハノイにて、日本国環境省主導のPaSTIの下、ベトナム農業環境省気候変動適応及びカーボンニュートラルセンター(Center for Climate Change Adaptation and Carbon Neutrality :CCC)及びEnergy and Environment Consultancy Joint Stock Company (VNEEC)、と共に、グリーンファイナンスに関するワークショップが開催されました。
本ワークショップは、ベトナムが2050年までにネットゼロ達成を目指す中で、グリーンファイナンスの促進に向けた最新の国際的な動向や法制度について議論することを目的として行われました。

ベトナム側の登壇者からは、ベトナムにおけるグリーンファイナンスの制度や現状に関する報告があり、PaSTI事務局からは、グリーンタクソノミー規制の概要説明、国際的なグリーンファイナンスの最新動向やリスクと機会の共有が行われました。また、3月19日及び24日に開催されたオンラインセミナー1&2での成果発表や、ベトナムの商業銀行によるグリーンファイナンスの取り組み事例も紹介され、参加者同士の活発な議論が行われました。

終盤のディスカッションでは、参加者からグリーンファイナンスに関する具体的な課題や機会についての意見が交わされ、今後の政策や民間企業の取り組みへの示唆が得られました。特に、タクソノミー、グリーンボンド原則基準について展開をする際に、ベトナムの事情に合わせて、一定程度カスタマイズする必要性があり、日本を含めた先進国や他のASEAN諸国の事例も参考にしながら、取組を深めていきたいとの声がありました。今後も国際的な連携を強化しつつ、ベトナムのグリーンファイナンス促進に向けた取り組みが期待されます。

「ベトナムにおける環境金融に関するオンラインセミナーシリーズ1&2」を開催しました。

オンライン開催/ 2025年3月

登壇者らによる発表

登壇者らによる発表

ESG情報開示の主流化への道筋

ESG情報開示の主流化への道筋

ベトナム農業環境省(MAE 旧天然資源環境省)および他の関係機関と連携し、温室効果ガス(GHG)排出量報告やカーボンクレジットに関するオンラインセミナーを開催しました。本セミナーは、アジア地域のGHG排出量報告体制の強化や、カーボンクレジットの活用を通じた脱炭素社会の実現を目的としています。

第1回セミナーでは、GHG排出量報告制度や国際的な情報開示基準に関する最新の取り組みが紹介されました。タイや日本の事例、ESG/グリーンファイナンスとの連携についても議論され、民間企業の実践事例が共有されました。
第2回セミナーでは、カーボンプライシングや排出権取引制度(ETS)の活用について、ASEAN各国での動向や、日本でのGXリーグ、東京都の事例を取り上げ、参加者がGHG排出量報告とインセンティブ活用の橋渡しについて意見を交わしました。

本セミナーでは、ベトナムやアジア諸国の民間セクターから活発な意見が寄せられ、今後の脱炭素化に向けた具体的な方策について有意義な議論が行われました。今後は、セミナーの成果を基に、各国の民間企業がGHG排出削減に向けた取り組みを強化できるよう支援を継続する予定です。

「オンラインシステムを活用した指定報告事業者向けの
温室効果ガス算定報告のトレーニング(化学工業/火力発電セクター)」を開催しました。

ベトナム・ハノイ/ 2025年3月

サンプルデータと電子システムの算定機能を使ったエクササイズ

サンプルデータと電子システムの
算定機能を使ったエクササイズ

ベトナム・ハノイにて化学工業セクターおよび火力発電セクターを対象としたGHG算定報告に関するトレーニングを午前と午後の二部構成で開催しました。ハイブリッド形式にて開催され、両セクターともに会場は満席となり、参加者の間で熱心な議論が展開されました。

今回のトレーニングは、「GHG 排出量軽減とオゾン保護に関する政令(06/2022/NĐ-CP)」の下で導入される事業所レベルのGHG排出量報告制度への対応促進を図るものです。日本を中心としたドナーが協力して開発したオンラインの報告システムを活用し、参加したベトナムの指定報告事業者が、実際に数字を入力することによりGHG算定の仕方を実践的に学ぶ機会となりました。トレーニングでは、日本国環境省による日本のGHG算定制度についての説明後、ベトナム政府から各セクターのGHG排出状況の説明や、オンラインGHG算定システムの解説などがありました。その後のグループワークでは、ベトナム政府が定めたGHG算定方法論を反映した算定ツールを使い、各グループにインストラクターを配置してのハンズオントレーニングを行いました。

今後、新しく導入された法令により報告義務を課された指定事業所の担当者が、報告を行う初めてサイクルに適切に対応する能力を高め、ベトナムにおける制度の開始を確かなものにするための有意義なトレーニングとなりました。

「ベトナム企業によるGHG排出量のMRV制度および排出削減促進のためのグリーンファイナンスワークショップ」の開催結果

ベトナム・ハノイ/2024年4月

PaSTIの取組に関する発表

PaSTIの取組に関する発表

2024年4月11日にベトナム・ハノイにてベトナム企業によるGHG排出量の報告制度の実施に向けたワークショップが開催されました。
ベトナム企業によるGHG排出量のMRVとグリーンファイナンスの事例をテーマとしたセッションでは、ベトナムの制度構築を支援したPaSTIの紹介およびグリーンファイナンスの促進に関する発表に始まり、ベトナム財務省からカーボンニュートラルに関する政策動向やタイの金融専門家からタイにおけるグリーンファイナンス取組事例が共有されました。
続くセッションでは、各企業の担当者や専門家からベトナムおよび日本の金融機関が実施している取り組みや、日本国環境省から持続可能な資金調達支援と環境省が果たす役割などグリーンファイナンスの促進について発表がありました。

ディスカッションでは、各機関や専門家からの発表を受け、官民一体となってグリーンファイナンスを促進する潮流を生み出すことの重要性が述べられました。

ベトナムにおける活動実績を公開しました。

2023年7月

2023年3月27日に開催された「2050年カーボンニュートラルに向けた日ベトナム共同協力計画に基づく第2回合同作業部会」で、ベトナム環境天然資源省(Ministry of Natural Resources and Environment : MONRE)気候変動局長からの提案に基づき、PaSTI事務局がワークプラン案を策定しました。

5月16日に日本国環境省及びベトナムMONREとの間で議論を行うワークショップが開催され、7月28日にワークプラン合意をもって取組内容が確定しました。

具体的な取組としては、民間セクターの施設レベルGHG排出量の算定・報告を促進するための、廃棄物セクターにおける廃棄物組成ガイドラインの調査、港湾セクター及び建設分野/大型施設にかかる方法論策定支援、廃棄物セクターの調査、建設分野でのGHG排出量の算定方法論策定のための技術的支援などが行われました。

ベトナムのグリーンファイナンスに関する分析報告書を公開しました。

制作物/2023年

ベトナムのグリーンファイナンスに関する分析報告書を公開しました(英語のみ)。

Task 1
UPDATING INFORMATION ON GREEN FINANCE IN LINE WITH PRIVATE SECTOR‘S TRANSPARENCY AND CLIMATE ACTION

March 2023(534KB)

Task 2
RESEARCH ON PROGRESS MONITORING OF NDC FOR CONSTRUCTION SECTOR MEASURES

March 2023(1MB)

2つのセミナーを開催しました。

オンライン/ 2022年3月

PaSTI-Vietnamプロジェクトは、2022年3月に2つのセミナーを開催しました。

1回目は「民間企業の気候変動対策とGHGの透明性のためのインセンティブ開発に関する入門セミナー」です。金融機関の関与は、リスク軽減と持続可能な開発のために、環境に配慮した生産への直接投資を可能にする環境づくりの重要な要因のひとつと考えられています。実際、金融機関が事業活動の一環としてグリーン/ESG金融商品を開発し、提供することは顕著な傾向となっています。本セミナーでは、民間企業、金融機関、関係省庁の意識醸成を目的に、日本など他国におけるインセンティブ向上のための実践事例を紹介を行い、関係者で議論をしました。

2回目は、セメントセクターにおける NDC 実施の進捗状況を把握するための方法論を学び、NDC 実施の進捗状況モニタ リングを改善するためのデータギャップを特定するためのセミナーを開催しました。

オンライン研修を実施しました。

ベトナム・ハノイ、日本・東京/ 2021年3月

研修の様子

研修の様子

2021年3月3日、天然資源環境省(MONRE)と日本環境省(MOEJ)が共同で第1回PaSTI-Viet Namオンライントレーニングコース「ベトナムにおける建築分野でのカーボンレポーティングの実証」を開催しました。

2020年に改正されたベトナムの環境保護法では、国家計画であるNDC(国が決定する貢献)で定められた温室効果ガス削減目標を達成するために、事業分野ごとのエネルギー消費量やGHG排出量の報告が義務付けられています。データ収集活動によって可能となる省エネ診断は、ベトナムの温室効果ガス削減目標を達成するために重要な役割を果たすと同時に、民間企業のエネルギーコスト削減や国家レベルのエネルギー需要削減にも役立つと期待されており、今回の半日オンライン研修では、ベトナムの国・都市レベルでの取り組みを支援するために、法令やハノイ市のGHG報告制度の紹介、省エネ診断などのデモンストレーションを行いました。

今回のオンライントレーニングには、市内の関連民間企業、市や国の行政機関、研究機関などから約70名が参加しました。

ベトナム・ハノイで第一回目の政策対話を実施しました。

ベトナム・ハノイ / 2019年10月

政策対話の参加者集合写真

政策対話の参加者集合写真
左から5番目:岡部大介在ベトナム大使館公使
中央:ベトナム資源環境省 Tang The Cuong局長

2019年10月11日にベトナムにおいて、日本国環境省とベトナム天然資源環境省(MONRE)の間で政策対話が実施されました。

政策対話に先立って環境省とMONRE間で交換したレターにてPaSTIプロジェクトを通じた両国の協力について合意しており、今回、具体的なプロジェクトの実施に向けた関係者間の初の意見交換の場となりました。

政策対話は岡部大介在ベトナム大使館公使とMONRE Cuong局長の挨拶で始まり、気候変動対策における透明性の重要性について認識を共有し、PaSTIプロジェクトの実施に向けてお互いに協力を進めていくことを確認しました。

また、透明性に関する日本の取組やベトナム国内で進められている透明性及びMRVに関する取組について、情報共有を行い、具体的なアクションプランについて意見交換を行いました。