環境省水・土壌・地盤環境の保全農薬対策関係

(参考)旧作物残留に係る登録保留基準試験法

注意:以下の基準は平成18年5月29日付けで廃止されています。しかしながら、本基準の試験法を参照したいという要望があったことから、試験法のみを ウェブサイト上に公開しているものですので誤解しないようお願いします。

○農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件第1号イの環境大臣の定める基準

[昭和四八・七・二四 環告四六]

改正 昭四八・一一・二六環告一四六 昭四九・三・一九環告二五 昭四九・四・二四環告三八 昭四九・九・九環告五五 昭四九・九・二六環告六一 昭四九・一二・二三環告一六一 昭五○・五・一○環告二八 昭五○・八・四環告四七 昭五一・三・四環告六 昭五一・六・一一環告四○ 昭五一・一二・一○環告九八 昭五二・五・二○環告二二 昭五二・一二・二八環告一二二 昭五三・五・一二環告二八 昭五三・九・二二環告五五 昭五四・三・二○環告四 昭五四・八・二○環告三三 昭五四・九・二六環告三五 昭五四・一一・一五環告六○ 昭五五・三・二七環告二六 昭五五・八・二五環告四○ 昭五六・二・二三環告五 昭五六・八・五環告七二 昭五六・一二・一○環告一一一 昭五七・四・二一環告五六 昭五九・六・二○環告三七 昭五九・一○・三一環告七八 昭五九・一二・二○環告八○ 昭六○・二・一六環告一六 昭六○・三・二七環告二一 昭六○・九・二一環告四八 昭六一・四・一四環告二○ 昭六一・一○・二八環告四五 昭六二・四・一一環告二六 昭六二・一○・二一環告四三 昭六三・三・二四環告七 昭六三・一○・二四環告四一 平元・三・二三環告九 平元・一一・一六環告八八 平二・四・一○環告三五 平二・一一・七環告九三 平三・四・一環告二一 平三・一一・一環告七一 平四・四・一環告三四 平四・一一・四環告八五 平五・四・二八環告三二 平五・四・二八環告三三 平五・四・二八環告三四 平五・一○・二九環告九二 平五・一○・二九環告九三 平六・四・六環告三七 平六・六・一○環告五○ 平六・一一・二一環告一○二 平七・四・二六環告二七 平七・八・一五環告三九 平七・一一・二八環告七三 平八・四・二五環告二四 平八・一○・二九環告七五 平八・一○・二九環告七六 平九・一・三一環告一 平九・四・三○環告二○ 平九・八・二九環告二九 平九・一二・二二環告九九 平九・一二・二二環告一○○ 平一○・四・二四環告一三 平一○・八・三一環告六二 平一○・一二・二二環告九○ 平一○・一二・二二環告九一 平一一・四・一九環告二四 平一一・八・二四環告三八 平一一・一二・二七環告六五 平一一・一二・二七環告六六 平一二・四・二八環告三二〔改正文〕 平一二・八・一七環告五三〔改正文〕 平一二・一二・二一環告八○〔改正文〕 平一三・三・六環告一○〔改正文〕 平一三・四・二六環告三一〔改正文〕 平一三・八・二二環告四八〔改正文〕 平一三・一二・二○環告七九〔改正文〕 平一四・三・二二環告二三〔改正文〕 平一四・四・二四環告三五〔改正文〕 平一四・八・二九環告五七〔改正文〕 平一四・一二・二四環告八三〔改正文〕 平一五・四・一○環告六○〔改正文〕 平一五・六・三○環告七一〔改正文〕 平一六・四・三○環告三四〔改正文〕 平一六・一二・二○環告七八〔改正文

廃止 平一八・五・二九環告九二

 農薬取締法第3条第2項の規定により定められた同条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件(昭和46年農林省告示第346号)第1号イの環境庁長官の定める基準を次のように定める。

〔目次〕

1 農薬の農作物等における残留基準

 試験法

(1) 検体

(2) 試料の調製

(3) 削除

(4) ジメトエート試験法

(5) キャプタン試験法

(6) ターバシル試験法

(7) チラム及びジラムの試験法

(8)~(11) 削除

(12) アニラジン試験法

(13)及び(14) 削除

(15) ジベレリン試験法

(16)~(20) 削除

(21) 4―クロルフェノキシ酢酸試験法

(22) ミルネブ試験法

(23) プロポキスル試験法

(24) 削除

(25)~(27) 削除

(28) BPPS試験法

(29) フェントエート試験法

(30)及び(31) 削除

(32) エンドスルファン試験法

(33) テトラジホン試験法

(34) ナレド試験法

(35) シマジン試験法

(36)及び(37) 削除

(38) ジスルホトン試験法

(39) 削除

(40) プロパニル試験法

(41) プロメトリン試験法

(42) 削除

(43) ベノミル試験法

(44) ジウロン試験法

(45) 削除

(46) メチダチオン試験法

(47) メソミル試験法

(48) 削除

(49) 削除

(50) ホサロン試験法

(51) 削除

(52) アメトリン試験法

(53) パラクアトジクロリド試験法

(54) チオファネートメチル試験法

(55) シアン化水素試験法

(56) エチオン試験法

(57)及び(58) 削除

(59) アトラジン試験法

(60) 削除

(61) ジクアトジブロミド試験法

(62) イソキサチオン試験法

(63) マンコゼブ、ポリカーバメート及びプロピネブの試験法

(64) 削除

(65) フサライド試験法

(66) アイオキシニル試験法

(67) ジチアノン試験法

(68) IBP試験法

(69)及び(70) 削除

(71) ジクロフェンチオン試験法

(72) ヒメキサゾール試験法

(73) ピリダフェンチオン試験法

(74) ブロモプロピラート試験法

(75) 削除

(76) プロパホス試験法

(77) エクロメゾール試験法

(78) MCPBエチル試験法

(79) XMC試験法

(80) リン化アルミニウム試験法

(81)~(83) 削除

(84) カルタップ試験法

(85) 削除

(86) ジクロベニル試験法

(87) クロルピリホスメチル試験法

(88) 削除

(89) アラクロール試験法

(90) イソプロチオラン試験法

(91) 削除

(92) オキシン銅試験法

(93) 削除

(94) 削除

(95) プロピザミド試験法

(96) 削除

(97) ピラゾン試験法

(98) ピラゾレート試験法

(99) 削除

(100) 削除

(101) チアベンダゾール試験法

(102)~(108) 削除

(109) プロシミドン試験法

(110) チオシクラム試験法

(111) エチクロゼート試験法

(112)~(114) 削除

(115) ベンスリド試験法

(116) リニュロン試験法

(117) 削除

(118) ジネブ及びマンネブの試験法

(119) フェンメディファム試験法

(120)及び(121) 削除

(122) ACN試験法

(123) ベンジルアミノプリン試験法

(124) 削除

(125) トリアジメホン試験法

(126) 削除

(127) ホセチル試験法

(128) 削除

(129) カルボスルファン試験法

(130) 削除

(131) 削除

(132) ダイアジノン試験法

(133) イミノクタジン酢酸塩及びイミノクタジンアルベシル酸塩試験法

(134) トリホリン試験法

(135) 削除

(136) ブプロフェジン試験法

(137) 削除

(138) ノニルフェノールスルホン酸銅試験法

(139)~(142) 削除

(143) プロベナゾール試験法

(144) DBEDC試験法

(145) 削除

(146) スルプロホス試験法

(147) イソウロン試験法

(148) ピロキロン試験法

(149)~(153) 削除

(154) メチルイソチオシアネート試験法

(155)及び(156) 削除

(157) ヘキシチアゾクス試験法

(158) ペンシクロン試験法

(159) 削除

(160) ベンスルタップ試験法

(161) 削除

(162) フェノチオカルブ試験法

(163) 削除

(164) 削除

(165) 削除

(166) エテホン試験法

(167) 削除

(168) 削除

(169) ブロモブチド試験法

(170) プロフェノホス試験法

(171) 削除

(172) ベンフラカルブ試験法

(173)及び(174) 削除

(175) メタラキシル試験法

(176) オキサジキシル試験法

(177) 削除

(178) フルアジホップ又はフルアジホップP試験法

(179)及び(180) 削除

(181) アシュラム試験法

(182)及び(183) 削除

(184) エトフェンプロックス試験法

(185) シクロプロトリン試験法

(186)~(189) 削除

(190) ブロマシル試験法

(191) ベンゾフェナップ試験法

(192) 削除

(193) ジクロルプロップ試験法

(194)~(198) 削除

(199) メトラクロール試験法

(200) ブタミホス試験法

(201)及び(202) 削除

(203) クロメプロップ試験法

(204) 削除

(205)及び(206) 削除

(207) チオジカルブ試験法

(208) 削除

(209) フェンプロパトリン試験法

(210) 削除

(211) ピラクロホス試験法

(212) ホルクロルフェニュロン試験法

(213) パクロブトラゾール試験法

(214)及び(215) 削除

(216) ピラゾスルフロンエチル試験法

(217) 削除

(218) キザロホップエチル試験法

(219) 削除

(220) フルアジナム試験法

(221) ジメタメトリン試験法

(222) シノスルフロン試験法

(223) 削除

(224) テフルベンズロン試験法

(225)~(227) 削除

(228) ヘキサコナゾール試験法

(229) ダゾメット試験法

(230)~(234) 削除

(235) メピコートクロリド試験法

(236) ウニコナゾールP試験法

(237) ジチオピル試験法

(238) オキソリニック酸試験法

(239) シアナジン試験法

(240) シアノホス試験法

(241) フルオルイミド試験法

(242) 削除

(243) 削除

(244) フェリムゾン試験法

(245) ホスチアゼート試験法

(246) ビフェントリン試験法

(247) 削除

(248) チフェンスルフロンメチル試験法

(249) イミダクロプリド試験法

(250) フルスルファミド試験法

(251) 削除

(252) 削除

(253) ジフェノコナゾール試験法

(254) 削除

(255) ミルベメクチン試験法

(256) テフルトリン試験法

(257) テブフェンピラド試験法

(258) ペンディメタリン試験法

(259) アラニカルブ試験法

(260) フルフェノクスロン試験法

(261) 削除

(262) 削除

(263) イミベンコナゾール試験法

(264) 削除

(265) テブフェノジド試験法

(266)及び(267) 削除

(268) ハルフェンプロックス試験法

(269) シラフルオフェン試験法

(270) ピリミジフェン試験法

(271) シプロコナゾール試験法

(272) アクリナトリン試験法

(273) フルトラニル試験法

(274) ニテンピラム試験法

(275) アセタミプリド試験法

(276)及び(277) 削除

(278) ヘキサフルムロン試験法

(279) カーバムナトリウム塩試験法

(280) ピリプロキシフェン試験法

(281) フラチオカルブ試験法

(282) メパニピリム試験法

(283) 削除

(284) ジメテナミド試験法

(285) ジフルベンズロン試験法

(286) 削除

(287) 削除

(288) シモキサニル試験法

(289) グリホサートナトリウム塩試験法

(290) 削除

(291) クロルフェナピル試験法

(292)及び(293) 削除

(294) フルジオキソニル試験法

(295) 削除

(296) ジメトモルフ試験法

(297) 削除

(298) セトキシジム試験法

(299) クロルフルアズロン試験法

(300) ジフルフェニカン試験法

(301) 削除

(302) ジアフェンチウロン試験法

(303) 削除

(304) フラザスルフロン試験法

(305) 削除

(306)~(308) 削除

(309) エマメクチン安息香酸塩試験法

(310) クレソキシムメチル試験法

(311) 削除

(312) エトキシスルフロン試験法

(313) エトキサゾール試験法

(314) 削除

(315) アゾキシストロビン試験法

(316) イマザモックスアンモニウム塩試験法

(317) シプロジニル試験法

(318) テトラコナゾール試験法

(319) 削除

(320) メトミノストロビン試験法

(321) 削除

(322) ピメトロジン試験法

(323) 削除

(324) 削除

(325) ピラフルフェンエチル試験法

(326) MCPAエチル、フェノチオール(MCPAチオエチル)又はMCPAナトリウム塩試験法

(327) スピノサド試験法

(328) アセキノシル試験法

(329) 削除

(330) フェンヘキサミド試験法

(331) 削除

(332) プロヘキサジオンカルシウム塩試験法

(333) ピリメタニル試験法

(334) クロマフェノジド試験法

(335) ファモキサドン試験法

(336) カーバムアンモニウム塩試験法

(337) 削除

(338) テプラロキシジム試験法

(339) 削除

(340) オキスポコナゾールフマル酸塩試験法

(341) フルミオキサジン試験法

(342) ビフェナゼート試験法

(343) 削除

(344) 削除

(345) テブコナゾール試験法

(346) 削除

(347) カズサホス試験法

(348) 削除

(349) シアゾファミド試験法

(350) チアクロプリド試験法

(351) フェンブコナゾール試験法

(352) ベンゾビシクロン試験法

(353) インドキサカルブMP試験法

(354) トリフロキシストロビン試験法

(355) アニロホス試験法

(356) チアメトキサム試験法

(357) 削除

(358) メトキシフェノジド試験法

(359) 削除

(360) フルアクリピリム試験法

(361) カルフェントラゾンエチル試験法

(362) トルフェンピラド試験法

(363) クロチアニジン試験法

(364) ジノテフラン試験法

(365) フルチアセットメチル試験法

(366) メタミトロン試験法

(367) シフルフェナミド試験法

(368) ピリフタリド試験法

(369) シメコナゾール試験法

(370) チアジニル試験法

(371) プロヒドロジャスモン試験法

(372) オキサジアゾン試験法

(373) グルホシネート試験法

(374) スピロジクロフェン試験法

2 試験法

 (1) 検体

ア 米

 1kgを収穫時に採取し、玄米としたもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでないものに限る。)を検体とする。

イ 麦・雑穀

 次の表の第1欄に掲げる農作物等の種類に応じ、それぞれ、第3欄に掲げる量をその農作物等の収穫時に採取し、第2欄に掲げるもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでいないものに限る。)を検体とする。

第1欄 第2欄 第3欄
小麦 玄麦 1kg
小麦以外の麦・雑穀 大麦及びそば 脱穀した種子 1kg
ライ麦 玄麦 1kg
とうもろこし(未成熟とうもろこしを含む。) 外皮、ひげ及びしんを除いた種子 1kg
上記以外の麦・雑穀 脱穀した種子 1kg

ウ 果実

 次の表の第1欄に掲げる農作物等の種類に応じ、それぞれ、第3欄に掲げる量(同欄に掲げる量に達するに要する個数が5個未満の農作物等にあっては、それぞれ大きさがそろった5個)をその農作物等の収穫時に採取し、第2欄に掲げるもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでいないものに限る。)を検体とする。

第1欄 第2欄 第3欄
みかん 外果皮を除去したもの

2kg

みかん以外のかんきつ類 あまなつ、いよかん、オレンジ(ネーブルオレンジを含む。)、かぼす、グレープフルーツ、すだち、なつみかん、はっさく、ゆず、ライム及びレモン 果実全体 2kg
なつみかんの果肉 中果皮を含む 1kg
なつみかんの外果皮 へたを除去したもの 1kg
上記以外のかんきつ類 果実全体 2kg
第一大粒果実類 もも 果皮及び種子を除去したもの 2kg
びわ 果梗、果皮及び種子を除去したもの 1kg
キウィー 果皮を除去したもの 1kg
すいか、まくわうり及びメロン類 果皮を除去したもの 5kg
第二大粒果実類 ネクタリン 果梗及び種子を除去したもの 2kg
西洋なし、日本なし、マルメロ及びりんご 花おち、しん及び果梗の基部を除去したもの 2kg
パイナップル 冠芽を除去したもの 5kg
バナナ 果柄部を除去したもの 2kg
かき へた及び種子を除去したもの 2kg
上記以外の第二大粒果実類 可食部 2kg
小粒果実類 あんず(アプリコットを含む。)、うめ、おうとう(チェリーを含む。)及びすもも(プルーンを含む。) 果梗及び種子を除去したもの 1kg
いちご及びきいちご類(ブラックベリー及びラズベリーを含む。) へたを除去したもの 1kg
ぶどう 果梗を除去したもの 1kg
上記以外の小粒果実類 可食部 1kg
オイルシード ごまの種子、なたね、ひまわりの種子、べにばなの種子及び綿実 種子 1kg
上記以外のオイルシード 種子 1kg
ナッツ類 ぎんなん、くり及びくるみ 外果皮を除去したもの 1kg
上記以外のナッツ類 外果皮を除去したもの 1kg

エ 野菜

 次の表の第1欄に掲げる農作物等の種類に応じ、それぞれ、第3欄に掲げる量(同欄に掲げる量に達するに要する個数が5個未満の農作物等にあっては、それぞれ大きさがそろった5個)をその農作物等の収穫時に採取し、第2欄に掲げるもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでいないものに限る。)を検体とする。

第1欄 第2欄 第3欄
第一果菜類 おくら、ししとう、とうがらし及びピーマン へたを除去したもの 1kg
第二果菜類 かぼちゃ、きゅうり、しろうり、とうがん、にがうり及びゆうがお つるを除去したもの 2kg
トマト及びなす へたを除去したもの 2kg
上記以外の第二果菜類 可食部 2kg
さや付未成熟豆類 えだまめ、未成熟いんげん及び未成熟えんどう 花梗を除去したもの 1kg
上記以外のさや付未成熟豆類 可食部 1kg
第一葉菜類 キャベツ(芽キャベツを除く。)及びはくさい 外側変質葉及びしんを除去したもの 5kg
第二葉菜類 かぶ類の葉、クレソン、だいこん類(ラディッシュを含む。)の葉及び芽キャベツ 変質葉を除去したもの 1kg
カリフラワー及びブロッコリー 葉を除去したもの 2kg
からしな、きょうな、たかな及びのざわな 根及び変質葉を除去したもの 5kg
こまつな、しゅんぎく、セロリ、チンゲンサイ、パセリ及びみつば 根及び変質葉を除去したもの 1kg
レタス(サラダ菜及びちしゃを含む。) 外側変質葉及びしんを除去したもの 5kg
アスパラガス 1kg
ねぎ(リーキを含む。)及びわけぎ 外皮及びひげ根を除去したもの 1kg
ほうれんそう 赤色根部を含み、ひげ根及び変質葉を除去したもの 1kg
上記以外の第二葉菜類 可食部 1kg
根・茎類 かぶ類の根及びだいこん類(ラディッシュを含む。)の根 泥を水で軽く洗い落としたもの 5kg
西洋わさび 泥を水で軽く洗い落とした根 1kg
ごぼう 葉部を除去し、泥を水で軽く洗い落とし、細切した後、肉挽き器を用いて擦り砕いたもの 2kg
にんじん、れんこん及びくわい 泥を水で軽く洗い落としたもの 2kg
しょうが 葉を除去し、泥を水で軽く洗い落としたもの 1kg
たけのこ 外皮を除去したもの 2kg
上記以外の根・茎類 可食部 1kg
鱗茎類 たまねぎ 外皮及びひげ根を除去したもの 2kg
食用ゆりの根、にんにく及びらっきょう 外皮及びひげ根を除去したもの 1kg
上記以外の鱗茎類 可食部 1kg
きのこ類 えのきたけ、しいたけ、なめこ、ひらたけ、まいたけ及びマッシュルーム 可食部 1kg
上記以外のきのこ類 可食部 1kg

オ いも類

 次の表の第1欄に掲げる農作物等の種類に応じ、それぞれ、第3欄に掲げる量(同欄に掲げる量に達するに要する個数が5個未満の農作物等にあっては、それぞれ大きさがそろった5個)をその農作物等の収穫時に採取し、第2欄に掲げるもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでいないものに限る。)を検体とする。

第1欄 第2欄 第3欄
かんしょ、こんにゃくいも、さといも類(やつがしらを含む。)、ばれいしょ及びやまいも 泥を水で軽く洗い落としたもの 2kg
上記以外のいも類 泥を水で軽く洗い落としたもの 2kg

カ 豆類

 次の表の第1欄に掲げる農作物等の種類に応じ、それぞれ、第3欄に掲げる量をその農作物等の収穫時に採取し、第2欄に掲げるもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでいないものに限る。)を検体とする。

第1欄 第2欄 第3欄
大豆 1kg
大豆以外の豆類 えんどう、小豆類(いんげん、ささげを含む。)及びそら豆(未成熟そら豆を含む。) 1kg
らっかせい 殻を除去したもの 1kg
上記以外の豆類 1kg

キ てんさい

 大きさがそろい、かつ、その合計量が5kgに達するもの5個を収穫時に採取し、泥を水で軽く洗い落としたもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでいないものに限る。)を検体とする。

ク さとうきび

 5kgを収穫時に採取し、皮を除去したもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでいないものに限る。)を検体とする。

ケ 茶

 収穫時に採取し、茶としたもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでいないものに限る。)500gを検体とする。

コ ホップ

 収穫時に採取し、乾花としたもの(試験をしようとする農薬の成分に対して定量障害となる農薬の成分を含んでいないものに限る。)500gを検体とする。

(2) 試料の調製

 試料は、別に規定するもののほか、検体が米、麦・雑穀、豆類及び茶の場合は、よく混合し、420μmの標準網フルイを全部通過するように粉砕してこれを試料とする。検体が果実、野菜又はいも類であって(1)の第3欄に掲げる量に達するに要する個数が5個未満の農作物等及びてんさいの場合は、検体5個のうち大きさのそろったもの4個を選び、そのおのおのから4等分したものの1ずつを集め、そのまま、あるいは必要に応じて適量の蒸留水を加え、細切均一化してこれを試料とする。
 検体が上記以外のものの場合は、そのまま、あるいは必要に応じて適量の蒸留水を加え、細切均一化してこれを試料とする。

 (3) 削除

 (4) ジメトエート試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

アセトニトリル アセトニトリル(特級)

アセトン アセトン(特級)

エチルエーテル エチルエーテル(特級)

ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

ジメトエート標準品 本品は、ジメトエート99%以上を含み融点は51~52℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米及び豆類の場合)

1) 試料20gに等量の水を加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でアセトンを留去し、この溶液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) その残留物をアセトニトリル飽和n―ヘキサン30ml及びn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたn―ヘキサン層についても、n―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和n―ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、アセトン及びn―ヘキサンの混液(15:85)10mlに溶かす。

3) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル10gをアセトン及びn―ヘキサンの混液(15:85)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びn―ヘキサンの混液(15:85)100ml並びにアセトン及びn―ヘキサンの混液(3:7)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜及びさとうきびの場合)

 検体50g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、この試料についてA法の1)と同様の操作を行い、この残留物にアセトン及びn―ヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。この溶液についてA法の3)と同様の操作を行う。

C法(まつ茶の場合)

 試料20gに水50mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、この試料についてA法の1)と同様の操作を行い、この残留物にアセトン20mlを加えて溶かす。この溶液に蒸留水80ml及び飽和酢酸鉛溶液4mlを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び蒸留水の混液(2:8)100mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、塩化ナトリウム50g及びエチルエーテル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。残つた水層についても、エチルエーテル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全エチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル30mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、アセトン及びn―ヘキサンの混液(15:85)10mlに溶かす。
 以下、A法の3)と同様の操作を行う。

D法(茶(まつ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その360mlを500mlの三角フラスコに移し、飽和酢酸鉛溶液4mlを加え、軽く約10秒間振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコをアセトン50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、塩化ナトリウム100g及びエチルエーテル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。残つた水層についても、エチルエーテル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全エチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル30mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、アセトン及びn―ヘキサンの混液(15:85)10mlに溶かす。
 以下、A法の3)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 180~200℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、ジメトエートが3~4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ジメトエートの0.5ngが十分に確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジメトエート標準品の0.125~2.5mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてジメトエートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジメトエートの重量を求め、これに基づき、検体中のジメトエートの濃度を算出する。

(5) キャプタン試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン、ジエチルエーテル及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 キャプタン標準品 本品は、キャプタン98.6%以上を含み、融点は172~173℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米及び豆類の場合)

1) 検体に対してその100g当たり10%リン酸200gを加えて、磨砕均一化したものを試料とする。磨砕均一化した後、速やかに検体10g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2) この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、15分間放置する。ヘキサン70mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに分取し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)20ml、次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)40mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液40mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。

B法(果実及び野菜の場合)

 検体に対してその500g当たりリン酸50gを加えて磨砕均一化したものを試料とする。磨砕均一化した後、速やかに検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。以下、この濃縮液についてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)20mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液の5mlを分取して流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)20ml、次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)40mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液40mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.5~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。 分離管温度 200~250℃

 試料導入部温度 280℃

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、キャプタンが3~4分で流出するように流量を調整する。

 感度 キャプタンの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 キャプタン標準品の0.01~0.2mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってキャプタンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりキャプタンの重量を求め、これに基づき、検体中のキャプタンの濃度を算出する。

(6) ターバシル試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するターバシルの試験法による。

(7) チラム及びジラムの試験法

ア 装置 炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフ及び分解吸収装置(別図)を用いる。

イ 試薬試液

 エタノール エタノール(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 塩化第一スズ 塩化第一スズ(特級)

 二硫化炭素 二硫化炭素(特級)

 ポーラスポリマー 気体測定用ポーラスポリマー(標準網フルイ149~177μm)

 二硫化炭素標準溶液 あらかじめ、エタノールを標線付近まで入れた50mlのメスフラスコにマイクロシリンジを用いて二硫化炭素0.05gを正確にはかりとり、標線までエタノールを加えたもの

ウ 試験溶液の調製

 検体100g相当の試料を分解吸収装置の分解フラスコにはかりとり、塩化第一スズ5gを加える。別に第一吸収管に6.5%水酸化ナトリウム溶液15mlを、第二吸収管に硫酸15mlを、第三吸収管にエタノール10mlを入れておく。次いで流速毎分30~60mlで吸引しながら、沸騰させた直後の1.5mol/L塩酸200mlを吸気孔から注入し、分解フラスコを加熱して、その内容物を緩やかに沸騰させながら45分間反応させ、発生した二硫化炭素を第三吸収管のエタノールに吸収させる。
 第三吸収管を分解吸収装置からはずし、直ちに栓をして室温に戻し、その中の溶液を試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 充てん剤 ポーラスポリマーを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ150~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 120~140℃

 試料気化室温度 220~260℃

 検出器温度 220~260℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、二硫化炭素が約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 二硫化炭素の0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 二硫化炭素標準溶液をエタノールで希釈し0.1~0.4mg/Lのエタノール溶液を数点メスフラスコに調製し、このメスフラスコにガスクロマトグラフ注入口用シリコンゴム栓をしてそれぞれ4μlずつガスクロマトグラフに注入し、両対数方眼紙の縦軸にピーク高、横軸に重量をとつて二硫化炭素の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線により二硫化炭素の重量を求め、これにチラムの場合には係数1.58、ジラムの場合には係数2.01を乗じて重量に換算し、これに基づき、検体中のチラム又はジラムの濃度を算出する。

別図 吸収装置の一例

 (8) 削除

 (9)及び(10) 削除

 (11) 削除

 (12) アニラジン試験法

ア 装置 分光光度計を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ピリジン ピリジン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 石油エーテル 石油エーテル(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 アニラジン標準品 本品はアニラジン99%以上を含み、融点は159~160℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体100g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、さらにろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加えて振り混ぜ、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を1Lの分液漏斗に移し、無水硫酸ナトリウム1g、ベンゼン50mlおよび蒸留水500mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、ベンゼン層を分取する。さらに分液漏斗中の水層にベンゼン50mlを加えて上記と同様の操作を繰り返し、全ベンゼン層を1Lの三角フラスコに合わせる。これに無水硫酸ナトリウム10gを加えてときどき振り混ぜながら1時間放置した後、1Lのナス型フラスコにろ過する。ついでベンゼン30mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。
 あらかじめ110℃で2時間加熱して活性化しておいたシリカゲル7gを乾式法で充てんしたクロマト管(内径2cm、長さ30cmのガラス管)に上記の濃縮液を流し入れ、展開用溶媒としてベンゼン100mlを用いて展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でベンゼンを大部分留去し、さらに室温で空気を通じて乾固する。これにピリジン2mlおよび2%塩化ナトリウム液10mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうする。ついで250mlの分液漏斗に移し、石油エーテル10mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうし、水層を分取し、そのうちから正確に5mlをとつて試験溶液とする。

エ 検量線の作成

 アニラジン標準品の10mg/Lアセトン溶液の0.5~5mlを数点調製し、それぞれを30mlの共栓試験管にとり、アセトンを除去した後、ピリジン2mlおよび2%塩化ナトリウム液10mlを加え、密栓した後、振とう機を用いて30分間激しく振とうする。さらに石油エーテル10mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうし、水層を分取し、そのうちから正確に5mlをとる。これに3mol/L水酸化ナトリウム溶液3mlを加え、振り混ぜて発色させ、2分後、空試験溶液を対照として分光光度計により波長440nmにおける吸光度を測定し、縦軸に吸光度、横軸に重量をとつて検量線を作成する。

オ 定量試験

 ウの試験溶液に3mol/L水酸化ナトリウム溶液3mlを加え、振り混ぜて発色させ、2分後、空試験溶液を対照として分光光度計により波長440nmにおける吸光度を測定し、エの検量線によりアニラジンの重量を求め、これに基づき検体中のアニラジンの濃度を算出する。

 (13) 削除(14) 削除

(15) ジベレリン試験法

ア 装置 蛍光分光光度計を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 クロロホルム クロロホルム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸一カリウム リン酸一カリウム(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 リン酸緩衝液0.2mol/Lリン酸一カリウム溶液50ml及び0.2mol/L水酸化ナトリウム溶液29.54mlを混ぜ、蒸留水を加えて200mlとした後、pH7.0に調整したもの

 硫酸 硫酸(特級)

 塩化第一スズ 塩化第一スズ(特級)

 塩化第一スズ試液 塩化第一スズ1.0gを蒸留水235mlに溶かし、更に硫酸を加えて1Lとしたもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ジベレリンA標準品 本品はジベレリンA91.5%以上を含み、融点は215~216℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体10g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン300mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物をアセトン50mlずつで2回洗う。洗液とろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。この濃縮液に9mol/L硫酸を加えてpH2.5に調整し、酢酸エチル80mlを用いて500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。更に水層に酢酸エチル80mlを加え、上記と同様の操作を2回繰り返す。全酢酸エチル層を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。この濃縮液をリン酸緩衝液80mlを用いて500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、水層を分取する。更に酢酸エチル層にリン酸緩衝液80mlを加え、上記と同様の操作を2回繰り返す。全水層を500mlの分液漏斗に合わせ、9mol/L硫酸を加えてpH2.5に調整した後、酢酸エチル80mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。更に水層に酢酸エチル80mlを加え、上記と同様の操作を2回繰り返す。全酢酸エチル層を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。

 あらかじめ130℃で4時間加熱して活性化しておいたケイ酸マグネシウム5gをクロロホルムを用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これに上記の濃縮液を流し入れ、展開溶媒としてクロロホルム及びメタノールの混液(1:1)200mlを用いて展開し、溶出液を500mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でクロロホルム及びメタノールを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これに蒸留水を加えて溶かし、正確に2mlとし、氷冷した後、塩化第一スズ試液を加え、正確に10mlとして試験溶液とする。

エ 検量線の作成

 ジベレリンA標準品の1~10mg/Lの水溶液を数点調製し、それぞれから1mlを10mlのメスフラスコにとり、蒸留水1mlを加え、氷冷した後、塩化第一スズ試液を加えて10mlとする。室温で1時間放置した後、蒸留水2mlに塩化第一スズ試液を加えて10mlとした液を対照として、蛍光分光光度計により波長460nmにおける蛍光強度を測定し、縦軸に蛍光強度、横軸に重量をとつて検量線を作成する。

オ 定量試験

 ウの試験溶液を室温で1時間放置した後、蒸留水2mlに塩化第一スズ試液を加えて10mlとした液を対照として、蛍光分光光度計により波長460nmにおける蛍光強度を測定し、エの検量線によりジベレリンの重量を求め、これに基づき検体中のジベレリンの濃度を算出する。

 (16) 削除

 (17) 削除

 (18) 削除

 (19) 削除

 (20) 削除

(21) 4─クロルフェノキシ酢酸試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル 三フッ化ホウ素ジエチルエーテル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)

 n─ブタノール n─ブタノール(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 4─クロルフェノキシ酢酸標準品 本品は、4─クロルフェノキシ酢酸99%以上を含み、融点は161~162℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いでジエチルエーテル50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取する。残った水層についても、ジエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジエチルエーテル層を300mlの分液漏斗に合わせ、4%炭酸水素ナトリウム溶液40mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、水層を分取し、残ったジエチルエーテル層についても同溶液40mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全水層を300mlの分液漏斗に合わせ、2mol/L塩酸20ml及びジエチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取し、残った水層についてもジエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジエチルエーテル層を 300 mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlまで濃縮する。この濃縮液を少量のメタノールを用いて100mlのナス型フラスコに移し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にn─ブタノール及び三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体の混液(5:2)1mlを加え、空冷管を付して90℃で30分間加熱する。冷後、この溶液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いでヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、ヘキサン層を分取し、残った水層についてもヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(24:1)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフ質量分析計の操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は80~100℃

 分離管槽昇温プログラム 80℃で2分保ち、80~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度が毎秒20~40cmとなるよう流量を調整する。

 インターフェイス部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 242、186、141

 感度 4─クロルフェノキシ酢酸の0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 4─クロルフェノキシ酢酸標準品の100mg/Lメタノール溶液を調製し、この1mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてウの2)と同様の操作を行い、その残留物にヘキサンを加えて溶かし、50mlとする。この溶液を希釈して0.025~0.5mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取って4─クロルフェノキシ酢酸の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線により4─クロルフェノキシ酢酸の重量を求め、これに基づき、検体中の4─クロルフェノキシ酢酸の濃度を算出する。

 (22) ミルネブ試験法

ア 装置 分光光度計及び分解吸収装置((7) チラム、ジラム混合物試験法のア 装置の分解吸収装置(別図)と同じ。)を用いる。

イ 試薬試液

 二硫化炭素 二硫化炭素(特級)を蒸留したもの

 酢酸銅 酢酸銅(特級)

 ジエタノールアミン ジエタノールアミン(特級)

 エタノール エタノール(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 塩化第一スズ 塩化第一スズ(特級)

 吸収(発色)液 酢酸銅4mgとジエタノールアミン25gにエタノールを加えて250mlにしたもの

ウ 試験溶液の調製

 検体100g相当の試料を分解吸収装置の分解フラスコにはかりとり、塩化第一スズ10gを加える。別に同装置の第一吸収管に6.5%水酸化ナトリウム液15mlを、第二吸収管に吸収(発色)液15mlを入れておく。ついで静かに吸引しながら、沸騰させた直後の9mol/L硫酸100mlを吸気孔から注入し、分解フラスコを加熱してその内容物をゆるやかに沸騰させながら50分間反応させ、発生した二硫化炭素を第二吸収管の吸収(発色)液に吸収させる。この液を25mlのメスフラスコに移し、エタノールで第二吸収管を洗い、その洗液をメスフラスコの標線まで加え、1時間放置した後、これを試験溶液とする。

エ 検量線の作成

 二硫化炭素50μlをはかりとり、エタノールで5mlに希釈する。その0.5mlをはかりとり、更にエタノールで10mlに希釈して標準溶液とする。標準溶液から10、20、30及び40μlをとり、それぞれに吸収(発色)液5mlずつを加え、未反応の吸収(発色)液を対照として分光光度計により波長435nmにおけるそれぞれの吸光度を測定し、縦軸に吸光度、横軸に二硫化炭素の重量をとつて検量線を作成する。

オ 定量試験

 ウの試験溶液について未反応の吸収(発色)液を対照として分光光度計により波長435nmにおける吸光度を測定し、エの検量線により二硫化炭素の重量を求め、これに係数2.30を乗じてミルネブの重量に換算し、これに基づき検体中のミルネブの濃度を算出する。

 (23) プロポキスル試験法

ア 装置 高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 プロポキスル標準品 本品は、プロポキスル99%以上を含み、融点は84~87℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(米及び麦・雑穀の場合は、試料20gに40mlの水を加えて2時間放置したもの)を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン10mlを加えて溶かす。
 この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:5)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合せ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)50ml並びにアセトン及びヘキサンの混液(15:85)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 160~180℃

 試料気化室温度 200~250℃

 検出器温度 250~280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、プロポキスルが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 プロポキスルの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロポキスル標準品の0.1~1mg/Lのヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってプロポキスルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロポキスルの重量を求め、これに基づき、検体中のプロポキスルの濃度を算出する。

 (24) 削除

 (25) 削除

 (26) 削除

 (27) 削除

 (28) BPPS試験法

ア 装置 炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 BPPS標準品 本品はBPPS93%以上を含み、沸点は90℃(40Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実及びまっ茶の場合)

1) 果実の場合は検体100g相当の試料、まっ茶の場合は試料25gを500mlの分液漏斗にはかりとり、ベンゼン200mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてベンゼン150mlを加えて振り混ぜ、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を別の500mlの分液漏斗に合わせた後、ベンゼン層を500mlの三角フラスコに分取する。これに無水硫酸ナトリウム30gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコにろ過する。次いでベンゼン50mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いてベンゼンを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、n―ヘキサン15mlに溶かす。

2) あらかじめ130℃で4時間加熱して活性化しておいたケイ酸マグネシウム15gをn―ヘキサンを用いてクロマト管(内径2cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これに上記の溶液を流し入れ、展開溶媒としてベンゼン100mlを用いて展開し、この溶出液は捨て、更にベンゼン及びエチルエーテルの混液(4:1)100mlを用いて展開し、この溶出液を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でベンゼン及びエチルエーテルを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにn―ヘキサンを加えて溶かし、正確に10mlとして試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後にろ過し、冷後その360mlを1Lの分液漏斗に移す。これにn―ヘキサン200mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する(必要な場合には遠心分離を行う。)。更に水層にn―ヘキサン150mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを3%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 フィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 220℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、BPPSが約6分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 BPPSの10ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 BPPS標準品の2~10mg/Lのn―ヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつて検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりBPPSの重量を求め、これに基づき検体中のBPPSの濃度を算出する。

 (29) フェントエート試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 クロロホルム クロロホルム(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 活性アルミナ カラムクロマトグラフィー用活性アルミナ

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 フェントエート標準品 本品はフェントエート98%以上を含み、分解点は202~204℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜、いも類及びまっ茶の場合)

1) 検体50g相当の試料(まっ茶の場合は、試料25g)を500mlの分液漏斗にはかりとり、メタノール100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどして蒸留水30ml及びメタノール120mlを加えて上記と同様の操作を繰り返す。次いでメタノール及び蒸留水の混液(4:1)40mlを用いて分液漏斗を洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、洗液とろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、蒸留水250ml、飽和塩化ナトリウム液40ml及びクロロホルム100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、クロロホルム層を分取する。

2) 更に水層にクロロホルム100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全クロロホルム層を500mlの三角フラスコに合わせ、これに無水硫酸ナトリウム20gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコにろ過する。次いでクロロホルム50mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でクロロホルムを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、ベンゼン及びn―ヘキサンの混液(1:1)1mlに溶かす。

3) あらかじめ130℃で4時間加熱した後水分を8%含ませた活性アルミナ10gをベンゼン及びn―ヘキサンの混液(1:1)を用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これに上記の溶液を流し入れ、展開溶媒としてベンゼン及びn―ヘキサンの混液(1:1)50mlを用いて展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でベンゼン及びn―ヘキサンを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにアセトンを加えて溶かし、正確に1mlとして試験溶液とする。

B法(麦・雑穀及び豆類の場合)

 試料25gを500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて1時間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物をアセトン50mlずつで2回洗う。洗液とろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でアセトンを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにアセトニトリル飽和n―ヘキサン40mlを加えて溶かし、250mlの分液漏斗に移した後、n―ヘキサン飽和アセトニトリル40mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。更にn―ヘキサン層にn―ヘキサン飽和アセトニトリル40mlを加え、上記と同様の操作を2回繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でアセトニトリルを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、ベンゼン及びn―ヘキサンの混液(1:1)1mlに溶かす。
 以下、A法の3)と同様の操作を行う。

C法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後にろ過し、冷後その360mlを1Lの分液漏斗に移す。これに飽和塩化ナトリウム液40ml及びクロロホルム100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、クロロホルム層を分取する。
 以下、A法の2)及び3)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを15%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 205℃

 試料気化室温度 215℃

 検出器温度 220℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、フェントエートが約5分で流出するように流速を調整する。

 感度 フェントエートの1ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フェントエート標準品の0.5~5mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつて検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフェントエートの重量を求め、これに基づき検体中のフェントエートの濃度を算出する。

 (30)及び(31) 削除

 (32) エンドスルファン試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のアセトンが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなアセトンを用いる。

 n―ヘキサン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のn―ヘキサンが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなn―ヘキサンを用いる。

 ベンゼン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のベンゼンが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなベンゼンを用いる。

 エチルエーテル 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のエチルエーテルが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなエチルエーテルを用いる。

 蒸留水 1Lにベンゼン100mlを加えて十分洗い、このベンゼン洗液を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上にベンゼンが示すピーク以外のピークが示されないような蒸留水を用いる。

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 α―エンドスルファン標準品 本品はα―エンドスルファン98%以上を含み、融点は107~109℃である。

 β―エンドスルファン標準品 本品はβ―エンドスルファン98%以上を含み、融点は210~212℃である。

 エンドスルファンスルファート標準品 本品はエンドスルファンスルファート98%以上を含み、融点は179~181℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜、いも類、豆類、てんさい及びまっ茶の場合)

1) 検体50g相当の試料(まっ茶の場合は、試料25g)を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて5分間(豆類の場合は1時間)激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてアセトン100ml及び蒸留水50mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、2%塩化ナトリウム液300ml及びn―ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。

2) 更に水層にn―ヘキサン50mlを加え、上記と同様の操作を繰り返し、全n―ヘキサン層を500mlの分液漏斗に合わせる。これに蒸留水100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を300mlの三角フラスコに分取する。これに無水硫酸ナトリウム10gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコにろ過する。次いでn―ヘキサン20mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で3mlに濃縮する。
 あらかじめ130℃で4時間加熱して活性化しておいたケイ酸マグネシウム5gをn―ヘキサンを用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これに上記の濃縮液を流し入れ、展開溶媒としてn―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(7:3)150mlを用いて展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でn―ヘキサン及びエチルエーテルを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにn―ヘキサンを加えて溶かし、正確に5mlとして試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後にろ過し、冷後その360mlを1Lの分液漏斗に移す。これにn―ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを2~5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 215~230℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器 至適加電圧を与え、線源がニッケルの場合は250~280℃、線源がトリチウムの場合は190~200℃で操作する。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガスを用い、α―エンドスルファンが約5分で流出するように流速を調整する。

 感度 α―エンドスルファンの0.05ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 α―エンドスルファン標準品及びβ―エンドスルファン標準品のそれぞれの0.01~0.1mg/Lのn―ヘキサン溶液及びエンドスルファンスルファート標準品の0.1~1mg/Lのn―ヘキサン溶液をそれぞれ数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてα―エンドスルファン、β―エンドスルファン及びエンドスルファンスルファートの検量線をそれぞれ作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりα―エンドスルファン、β―エンドスルファン及びエンドスルファンスルファートのそれぞれの重量を求め、これに基づき検体中のα―エンドスルファン、β―エンドスルファン及びエンドスルファンスルファートの濃度の和を算出する。

 (33) テトラジホン試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のアセトンが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなアセトンを用いる。

 ベンゼン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のベンゼンが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなベンゼンを用いる。

 n―ヘキサン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のn―ヘキサンが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなn―ヘキサンを用いる。

 エチルエーテル 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のエチルエーテルが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなエチルエーテルを用いる。

 蒸留水 1Lにベンゼン100mlを加えて十分洗い、このベンゼン洗液を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上にベンゼンが示すピーク以外のピークが示されないような蒸留水を用いる。

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 テトラジホン標準品 本品はテトラジホン99%以上を含み、融点は145~146℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜及びまっ茶の場合)

1) 検体50g相当の試料(まっ茶の場合は、試料25g)を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物をアセトン50mlで洗う。洗液とろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、これに5%塩化ナトリウム液400ml及びベンゼン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ベンゼン層を分取する。更に水層にベンゼン100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ベンゼン層を500mlの三角フラスコに合わせ、これに無水硫酸ナトリウム20gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコにろ過する。次いでベンゼン50mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でベンゼンを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、n―ヘキサン5mlに溶かす。

2) あらかじめ130℃で4時間加熱して活性化しておいたケイ酸マグネシウム5gをn―ヘキサンを用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これに上記の溶液を流し入れ、展開溶媒としてn―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(19:1)40mlを用いて展開し、この溶出液は捨て、更にn―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(17:3)40mlを用いて展開し、この溶出液を300mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でn―ヘキサン及びエチルエーテルを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにベンゼンを加えて溶かし、正確に1mlとして試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後にろ過し、冷後その360mlを1Lの分液漏斗に移す。これに塩化ナトリウム6g及びn―ヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。更に水層にn―ヘキサン50mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、これに無水硫酸ナトリウム20gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコにろ過する。次いでn―ヘキサン50mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 225℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器 至適加電圧を与え、線源がニッケルの場合は250~280℃、線源がトリチウムの場合は190~200℃で操作する。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガスを用い、テトラジホンが約25分で流出するように流速を調整する。

 感度 テトラジホンの0.5ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 テトラジホン標準品の0.1~1mg/Lのベンゼン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつて検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりテトラジホンの重量を求め、これに基づき検体中のテトラジホンの濃度を算出する。

 (34) ナレド試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 リン酸一ナトリウム リン酸一ナトリウム(特級)

 リン酸二ナトリウム(12水塩) リン酸二ナトリウム(12水塩)(特級)

 リン酸緩衝液 0.1mol/Lリン酸一ナトリウム溶液460ml及び0.1mol/Lリン酸二ナトリウム(12水塩)溶液1Lを混合した後、pH7.2に調整したもの

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 システィン塩酸塩 L―システィン一塩酸塩(1水化物)(特級)

 システィン試液 システィン塩酸塩2gを蒸留水50mlに溶かし、2mol/L水酸化ナトリウム溶液でpH7.0に調整したもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸 カラムクロマトグラフィー用ケイ酸

 遊離脂肪酸ポリエステル ガスクロマトグラフィー用遊離脂肪酸ポリエステル

 ジクロルボス標準品 本品はジクロルボス99%以上を含み、沸点は84℃(133Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米及びまっ茶の場合)

1) 米の場合は試料50g、まっ茶の場合は試料25gを500mlの分液漏斗にはかりとり、塩酸4ml及びn―ヘキサン200mlを加え、振とう機を用いて米の場合は1時間、まっ茶の場合は5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてn―ヘキサン200mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、これに5%塩化ナトリウム液300mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を1Lの三角フラスコに分取する。これに無水硫酸ナトリウム30gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、1Lのナス型フラスコにろ過する。次いで少量のn―ヘキサンで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。

2) あらかじめケイ酸20gをn―ヘキサンを用いてクロマト管(内径2cm、長さ60cmのガラス管)に充てんしておく。これに上記の濃縮液を流し入れ、展開溶媒としてn―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(3:2)100mlを用いて展開し、この溶出液は捨て、更にエチルエーテル及びn―ヘキサンの混液(3:1)200mlを用いて展開し、この溶出液を500mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。次いでこれを100mlの分液漏斗にリン酸緩衝液30mlを用いて洗い入れ、システィン試液4ml及びn―ヘキサン25mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。更に水層にn―ヘキサン25mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を100mlの三角フラスコに合わせ、これに無水硫酸ナトリウム5gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコにろ過する。次いでn―ヘキサン20mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でn―ヘキサンを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにn―ヘキサンを加えて溶かし、正確に5mlとして試験溶液とする。

B法(果実及び野菜の場合)

 検体100g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、塩酸4ml及びn―ヘキサン200mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどして蒸留水50ml及びn―ヘキサン100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。更に水層にn―ヘキサン100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を別の1Lの分液漏斗に合わせ、5%塩化ナトリウム液300mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を1Lの三角フラスコに分取する。これに無水硫酸ナトリウム30gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、1Lのナス型フラスコにろ過する。次いでn―ヘキサン20mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

C法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後にろ過し、冷後その360mlを1Lの分液漏斗に移す。これに塩酸1ml及びn―ヘキサン200mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。更に水層にn―ヘキサン200mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を別の1Lの分液漏斗に合わせ、5%塩化ナトリウム液300mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を1Lの三角フラスコに分取する。これに無水硫酸ナトリウム30gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、1Lのナス型フラスコにろ過する。次いでn―ヘキサン20mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対して遊離脂肪酸ポリエステルを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 140℃

 試料気化室温度 220℃

 検出器温度 220℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、ジクロルボスが約5分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ジクロルボスの0.2ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジクロルボス標準品の0.05~0.5mg/Lのn―ヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつて検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジクロルボスの重量を求め、これに係数1.72を乗じてナレドの重量に換算し、これに基づき検体中のナレドの濃度を算出する。

 (35) シマジン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 クロロホルム クロロホルム(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 活性アルミナ カラムクロマトグラフィー用活性アルミナ

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 シマジン標準品 本品はシマジン99%以上を含み、融点は225~227℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀、果実、野菜、いも類、豆類及びまっ茶の場合)

1) 米、麦・雑穀及び豆類の場合は、試料50g、果実、野菜及びいも類の場合は、検体50g相当の試料、まっ茶の場合は、試料25gを500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて米、麦・雑穀及び豆類の場合は1時間、果実、野菜、いも類及びまっ茶の場合は5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてアセトニトリル50mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせる。

2) これにクロロホルム150ml及び7%塩化ナトリウム液300mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、クロロホルム層を分取する。更に水層にクロロホルム100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全クロロホルム層を500mlの三角フラスコに合わせ、これに無水硫酸ナトリウム10gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコにろ過する。次いでクロロホルム30mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でクロロホルムを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、n―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(3:1)5mlに溶かす。
 あらかじめ130℃で4時間加熱した後水分を8%含ませた活性アルミナ10gをn―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(3:1)を用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これにn―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(3:1)30mlを流し入れて洗い、次いで上記の溶液を流し入れ、展開溶媒としてn―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(3:1)130mlを用いて展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でn―ヘキサン及びエチルエーテルを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにアセトンを加えて溶かし、正確に1mlとして試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後にろ過し、冷後その360mlを1Lの分液漏斗に移す。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを2%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 200℃

 試料気化室温度 220℃

 検出器温度 220℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、シマジンが約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 シマジンの5ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 シマジン標準品の0.5~5mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつて検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりシマジンの重量を求め、これに基づき検体中のシマジンの濃度を算出する。

 (36)及び(37) 削除

 (38) ジスルホトン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 塩化メチレン 塩化メチレン(特級)

 クロロホルム クロロホルム(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 硫酸マグネシウム 硫酸マグネシウム(特級)

 過マンガン酸カリウム 過マンガン酸カリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 O,O―ジエチル S―2―(エチルスルホニル)エチル ホスホロジチオエート(以下、「ジスルホトンスルホン」という。)標準品 本品はジスルホトンスルホン98%以上を含み、沸点は170℃(13.3Pa)である。

 O,O―ジエチル S―2―(エチルスルホニル)エチル ホスホロチオレート(以下、「ジメトンチオルスルホン」という。)標準品 本品はジメトンチオルスルホン98%以上を含み、沸点は115℃(1.33Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜及びいも類の場合)

1) 検体50g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、ろ紙上の残留物をアセトン50mlずつで2回洗う。洗液とろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、これに1%ジエチレングリコール溶液2滴を加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でアセトンを大部分留去する。次いでナス型フラスコ中の残留液を飽和塩化ナトリウム液100mlを用いて500mlの分液漏斗に洗い入れ、これに塩化メチレン50mlを加える。

2) この分液漏斗を振とう機を用いて1分間激しく振とうし、暫時放置した後、塩化メチレン層を分取する。更に水層に塩化メチレン50mlを加えて上記と同様の操作を2回繰り返す。全塩化メチレン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム30gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコにろ過する。次いで塩化メチレン50mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で2mlに濃縮する。この濃縮液をn―ヘキサン50mlを用いて250mlの分液漏斗に洗い入れ、アセトニトリル25mlを加え、振とう機を用いて1分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。更にn―ヘキサン層にアセトニトリル25mlを加え、上記と同様の操作を2回繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、これに1%ジエチレングリコール溶液2滴を加えた後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlに濃縮する。これに20%硫酸マグネシウム液5ml及び1.6%過マンガン酸カリウム液20mlを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、100mlの分液漏斗に移してクロロホルム20mlを加え、振とう機を用いて1分間激しく振とうし、暫時放置した後、クロロホルム層を分取する。更に水層にクロロホルム20mlを加えて上記と同様の操作を2回繰り返す。全クロロホルム層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム10gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコにろ過する。次いでクロロホルム20mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でクロロホルムを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにアセトンを加えて溶かし、正確に5mlとして試験溶液とする。

B法(米及び豆類の場合)

 試料50gを500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて1時間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、これに1%ジエチレングリコール溶液2滴を加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でアセトンを大部分留去する。次いでナス型フラスコ中の残留物を、あらかじめ飽和塩化ナトリウム液100mlを入れてある500mlの分液漏斗に塩化メチレン50mlを用いて洗い入れる。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 210℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、ジメトンチオルスルホンが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ジメトンチオルスルホンの0.5ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジスルホトンスルホン標準品及びジメトンチオルスルホン標準品のそれぞれについて0.1~1mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてジスルホトンスルホン及びジメトンチオルスルホンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジスルホトンスルホン及びジメトンチオルスルホンのそれぞれの重量を求め、前者に係数0.84を、後者に係数0.89を乗じてそれぞれをO,O―ジエチル S―2―(エチルチオ)エチル ホスホロチオレートの重量に換算してその和を求め、これに基づき検体中のO,O―ジエチル S―2―(エチルチオ)エチル ホスホロチオレートの濃度を算出する。

 (39) 削除

 (40) プロパニル試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン、ヘキサン及びメタノール それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 クロロホルム クロロホルム(特級)を蒸留したもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリカゲル 薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(けい光体入り)

 ポリエチレングリコール20M ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール20M

 プロパニル標準品 本品は、プロパニル99%以上を含み、融点は91~92℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gに水40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。

2) その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。

4) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)100ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(15:85)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮した後、25mlのナシ型フラスコに移す。使用したナス型フラスコをアセトン5mlで洗い、その洗液をナシ型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン0.5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルを0.5mmの厚さに伸ばし、130℃で1時間加熱して20×20cmのガラス製薄層板を作製しておく。これにナシ型フラスコ中の溶液を帯状に塗布した上、その両端に対照としてプロパニル標準品の1000mg/Lアセトン溶液50μlを塗布し、メタノール及びクロロホルムの混液(1:50)で上昇法により展開し、約15cm上昇したときに薄層板をとり出し、風乾する。これに紫外線(波長253.7nm)を照射し、両端のプロパニル標準品が上昇し、吸着している位置(Rf0.5)にはさまれた部分のシリカゲルをかき取り、100mlの共栓付き三角フラスコに入れ、アセトン30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ガラスろ過器を用いて吸引ろ過する。ガラスろ過器上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン30mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。次いで少量のアセトンで三角フラスコを洗い、その洗液で残留物を洗い、洗液と全ろ液を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜及びいも類の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この溶液についてA法の2)と同様の操作を行い、この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の4)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してポリエチレングリコール20Mを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 200~220℃

 試料気化室温度 240~280℃

 検出器 至適電圧を与え、250~280℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、プロパニルが約6分で流出するように流速を調整する。

 感度 プロパニルの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロパニル標準品の0.05~0.5mg/Lのヘキサン溶液を数点調製し、それぞれ4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてプロパニルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロパニルの重量を求め、これに基づき、検体中のプロパニルの濃度を算出する。

 (41) プロメトリン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 プロメトリン標準品 本品は、プロメトリン99%以上を含み、融点は118~120℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀及び豆類の場合)

1) 試料20gを300mlの三角フラスコに量り取り、水40mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとする。これの100mlを300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2) この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いでヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

4) この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)25mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(野菜及びいも類の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとする。これの100mlを300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。以下、この濃縮液についてA法の2)及び4)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 プロメトリンの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロメトリン標準品の0.02~0.4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプロメトリンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロメトリンの重量を求め、これに基づき、検体中のプロメトリンの濃度を算出する。

 (42) 削除

 (43) ベノミル試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム液 リン酸二水素カリウム1.36gを蒸留水に溶かし1Lとし、0.45μのフィルターでろ過したもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマート標準品 本品は、メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマート99%以上を含み、融点は312℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、果実、野菜、豆類、てんさい及びまっ茶の場合)

1) 検体50g相当の試料(米及び豆類の場合は試料50gに等量の水を加えて2時間放置したもの、まっ茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を500mlの分液漏斗にはかりとり、酢酸エチル150mlを加え、振とう機を用いて5分間(米、豆類及びまっ茶の場合は、30分間)激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどして酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50ml(まっ茶の場合は、20ml)に濃縮し、その濃縮液を0.1mol/L塩酸25ml及び少量の蒸留水で200mlの分液漏斗に洗い入れ、n―ヘキサン50mlを加え、1分間軽く振り混ぜ、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取して捨てる。残った水層にn―ヘキサン50mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を200mlの分液漏斗に分取する。
 その水層に1mol/L水酸化ナトリウム溶液及び0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを6~7に調整した後、酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。

2) この濃縮液を200mlの分液漏斗に移し、0.1mol/L塩酸25mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、塩酸層を分取する。残った酢酸エチル層についても、0.1mol/L塩酸25mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全塩酸層を200mlの分液漏斗に合わせ、1mol/L水酸化ナトリウム溶液及び0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを6~7に調整する。次に酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにメタノールを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その360mlを500mlの三角フラスコに移し、飽和酢酸鉛液2mlを加え、軽く約10秒間振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの三角フラスコに合わせ、1mol/L硫酸3mlを加え、過剰の鉛を硫酸鉛として沈でんさせた後、ろ紙を用いてろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗いろ過する。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、n―ヘキサン100mlを加え、1分間軽く振り混ぜ、暫時放置した後、水層を別の1Lの分液漏斗に分取し、n―ヘキサン層は捨てる。更に水層にn―ヘキサン100mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、同様の操作を繰り返す。次に水層に1mol/L水酸化ナトリウム溶液及び0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを6~7に調整した後、酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。
 以下、この溶液について、A法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~5mm、長さ20~50cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 室温

 溶離液 リン酸二水素カリウム液及びメタノールの混液(2:8)を用い、メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートが4~5分で流出するように流速を調整する。

 検出器 けい光光度型検出器を用い、励起波長285nm、けい光波長315nmで測定する。

 感度 メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートの4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマート標準品の0.4~8mg/Lのメタノール溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってメチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から10μlをとり、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線より、メチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートの重量を求め、これに係数1.52を乗じてベノミルの重量に換算し、これに基づき、検体中のベノミルの濃度を算出する。

 (44) ジウロン試験法

ア 装置 高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ジメチルスルホキシド 水分0.1%以下のもの

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 ヨウ化メチル ヨウ化メチル(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 水素化ナトリウム ヘキサンで洗浄したものを同溶媒中に保存したもの

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ジウロン標準品 本品は、ジウロン99%以上を含み、融点は158~159℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀及び豆類の場合)

1) 試料20gに40mlの水を加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。

2) その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する、残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン10mlを加えて溶かす。

4) その溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:5)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。

5) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)100ml並びにアセトン及びヘキサンの混液(15:85)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にベンゼン0.5mlを加えて溶かす。

6) その溶液にジメチルスルホキシド0.5ml、水素化ナトリウムのミクロスパーテル一杯(約0.2g)及びヨウ化メチル0.5mlを加え、栓をしてときどき振り混ぜながら25℃で30分間放置した後、ヘキサン3mlを加えて約1分間振り混ぜる。これに蒸留水10mlを徐々に滴下して加え、水素ガスの発生が止んだ後、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、上層の4mlの有機溶媒層を試験溶液とする。

B法(果実、野菜、いも類、さとうきび及びまっ茶の場合)

 検体20g相当の試料(まっ茶の場合は、試料4gに8mlの水を加えて2時間放置したもの)を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この溶液についてA法の2)と同様の操作を行い、この残留物にアセトン10mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の4)、5)及び6)と同様の操作を行う。ただし、まっ茶の場合にあっては、A法の4)の操作においては、ジクロロメタンの代わりにエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)を用いる。

C法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その360mlを500mlの三角フラスコに移し、飽和酢酸鉛溶液2mlを加え、約10秒間軽く振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水及びアセトンの混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、同混液100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の5)及び6)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 180~200℃

 試料気化室温度 200~220℃

 検出器温度 250~270℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、3―(3,4―ジクロロフェニル)―3―メチル―1,1―ジメチル尿素が約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ジウロン0.2ngから誘導される3―(3,4―ジクロロフェニル)―3―メチル―1,1―ジメチル尿素の相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジウロン標準品の0.2~2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれについてその1mlを20mlの共栓付試験管にとり、室温で空気を通じて乾固する。その残留物をベンゼン0.5mlに溶かし、以下、ウA法の6)と同様の操作を行った後、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってジウロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジウロンの重量を求め、これに基づき、検体中のジウロンの濃度を算出する。

 (45) 削除

 (46) メチダチオン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 メチダチオン標準品 本品は、メチダチオン99%以上を含み、融点は39~40℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実及び野菜の場合)

1) 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2) この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、15分間放置する。ヘキサン70mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン20ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(抹茶の場合)

 試料5gを300mlの分液漏斗に量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この濃縮液についてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にアセトン20mlを加えて溶かす。
 この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液及びアセトンの混液(5:2)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の3)と同様の操作を行う。

C法(茶(抹茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコに量り取り、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その300mlを500mlの三角フラスコに移し、アセトン100ml及び飽和酢酸鉛水溶液2mlを加え、約10秒間軽く振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、ヘキサン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン150mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら、30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の3)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 200~250℃

 試料導入部温度 250~280℃

 検出器温度 280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして、アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器の場合は高純度窒素ガス又はヘリウムガスを、炎光光度型検出器の場合は窒素ガスを用い、メチダチオンが約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メチダチオンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メチダチオン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取って、メチダチオンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメチダチオンの重量を求め、これに基づき、検体中のメチダチオンの濃度を算出する。

 (47) メソミル試験法

ア 装置 炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 エタノール エタノール(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 トルエン トルエン(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 遊離脂肪酸ポリエステル ガスクロマトグラフィー用遊離脂肪酸ポリエステル

 メソミル標準品 本品は、メソミル99%以上を含み、融点は79℃である。

 メチル チオアセトヒドロキシマート標準品 本品は、以下の操作により調製したもの(その5mg/L酢酸エチル溶液4μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上にメチル チオアセトヒドロキシマートが示すピーク以外のピークが示されないようなものに限る。)であり、融点は93~94℃である。

 メソミル標準品1gを500mlの三角フラスコにはかりとり、0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液300mlを加え、約85℃で30分間かき混ぜながら加温する。冷後0.5mol/L硫酸30mlを加え、これを500mlの分液漏斗に移す。これに酢酸エチル20mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。更に水層に酢酸エチル20mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を100mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム10gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。次いで少量の酢酸エチルで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、ろ過する操作を2回繰り返す。全ろ液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で酢酸エチルを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、残留物をエタノール及びトルエンの混液(1:19)を用いて再結晶させる。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、果実、野菜、いも類、豆類及びてんさいの場合)

1) 検体50g相当の試料(米及び豆類の場合は、試料50gに等量の水を加えて2時間放置したもの)を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間(米及び豆類の場合は、30分間)激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を蒸留水50mlで200mlの分液漏斗に洗い入れる。これに0.5mol/L硫酸5ml及びn―ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取して捨てる。更に水層にn―ヘキサン50mlを加え、同様の操作を繰り返す。

2) 次いで水層にジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlのナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。その残留物に0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液30mlを加え、80~90℃の湯浴中で30分間加温し、冷後0.5mol/L硫酸5mlを加え、酢酸エチル50mlで200mlの分液漏斗に洗い入れる。これを振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残つた水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを少量の酢酸エチルで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗いろ過する操作を2回繰り返す。全ろ液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(まっ茶の場合)

 試料10gに水40mlを加えて2時間放置したものを500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、蒸留水50ml及び飽和酢酸鉛液2mlを加え、軽く約10秒間振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの三角フラスコに合わせ、1mol/L硫酸3mlを加え、過剰の鉛を硫酸鉛として沈でんさせた後、ろ紙を用いてろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗いろ過し、全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせる。
 以下、この溶液について、A法の2)と同様の操作を行う。

C法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その360mlを500mlの三角フラスコに移し、飽和酢酸鉛液2mlを加え、軽く約10秒間振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの三角フラスコに合わせ、1mol/L硫酸3mlを加え、過剰の鉛を硫酸鉛として沈でんさせた後、ろ紙を用いてろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗いろ過し、全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせる。
 以下、この溶液について、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対して遊離脂肪酸ポリエステルを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 160~190℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、メチル チオアセトヒドロキシマートが3~4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メチル チオアセトヒドロキシマートの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メチル チオアセトヒドロキシマート標準品の0.2~2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、ガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてメチル チオアセトヒドロキシマートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメチル チオアセトヒドロキシマートの重量を求め、これに係数1.54を乗じてメソミルの重量に換算し、これに基づき、検体中のメソミルの濃度を算出する。

 (48) 削除

 (49) 削除

 (50) ホサロン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 クロロホルム クロロホルム(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 リン酸一水素ナトリウム リン酸一水素ナトリウム(特級)

 リン酸緩衝液 リン酸二水素カリウム3.40g及びリン酸一水素ナトリウム3.55gを蒸留水に溶かし1Lとしたもの。

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ホサロン標準品 本品はホサロン95%以上を含み、融点は45~48℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜、いも類及びまっ茶の場合)

1) 検体50g相当の試料(まっ茶の場合は、試料25g)を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてアセトン150mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、リン酸緩衝液50mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でアセトンを大部分留去した後、残留液をリン酸緩衝液10mlを用いて300mlの分液漏斗に洗い入れる。これにジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。更に水層にジクロロメタン50mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム30gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコにろ過する。次いでジクロロメタン30mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でジクロロメタンを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、ベンゼン5mlに溶かす。

2) あらかじめケイ酸マグネシウム8gをベンゼンを用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、更にその上から無水硫酸ナトリウム5gをベンゼンを用いて充てんしておく。これに、上記の溶液を流し入れ、展開溶媒としてベンゼン200mlを用いて展開し、溶出液を500mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でベンゼンを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにアセトンを加えて溶かし、正確に5mlとして試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後にろ過し、冷後その360mlを1Lの分液漏斗に移す。これに塩化ナトリウム5g、アセトン100ml及びクロロホルム100mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、クロロホルム層を分取する。更に水層にアセトン100ml及びクロロホルム100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全クロロホルム層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコにろ過する。次いでクロロホルム20mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でクロロホルムを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、ベンゼン5mlに溶かす。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを1%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 230℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、ホサロンが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ホサロンの1.0ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ホサロン標準品の0.2~2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれ4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてホサロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりホサロンの重量を求め、これに基づき検体中のホサロンの濃度を算出する。

 (51) 削除

 (52) アメトリン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 活性アルミナ カラムクロマトグラフィー用活性アルミナ(中性)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 アメトリン標準品 本品はアメトリン97%以上を含み、融点は84~86℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体100g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にアセトン約50mlでろ紙上の残留物を洗う。洗液とろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で約100mlに濃縮する。次いでナス型フラスコ中の残留物をn―ヘキサン150mlを用いて500mlの分液漏斗に洗い入れ、飽和塩化ナトリウム液50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。更にn―ヘキサン100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム30gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコにろ過する。次いでn―ヘキサン50mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。
 あらかじめ130℃で4時間加熱した後水分を15%含ませた活性アルミナ20gをn―ヘキサンを用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これに上記の濃縮液を流し入れ、展開溶媒としてn―ヘキサン50mlを用いて展開し、この溶出液は捨て、更にn―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(9:1)100mlを用いて展開する。この溶出液を300mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でn―ヘキサン及びエチルエーテルを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにアセトンを加えて正確に3mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを3%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 200℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、アメトリンが約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 アメトリンの6ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 アメトリン標準品の2~20mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてアメトリンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりアメトリンの重量を求め、これに基づき検体中のアメトリンの濃度を算出する。

 (53)パラクアトジクロリド試験法

ア 装置 分光光度計を用いる。

イ 試薬試液

 塩酸 塩酸(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 亜ジチオン酸ナトリウム ハイドロサルファイトナトリウム(1級)

 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 硝酸アンモニウム 硝酸アンモニウム(特級)

 発色試液 亜ジチオン液ナトリウム1gに1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えて100mlとしたもの(この試液は使用の都度調製する。)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 陽イオン交換樹脂 スルホン酸型陽イオン交換樹脂(粒径74~297μm、水分含有率50~57%)

 パラクアトジクロリド標準品 本品はパラクアトジクロリド99%以上を含み、分解点は約300℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体100g相当の試料(米及び麦・雑穀の場合は、試料100g)を1Lのナス型フラスコにはかりとり、蒸留水400ml及び9mol/L硫酸60mlを加え、冷却管を付け、5時間煮沸する。冷後、更に蒸留水300mlを加えた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。次いで少量の蒸留水でナス型フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返し、洗液とろ液を2Lの三角フラスコに合わせる。次いで氷で冷却しながら10mol/L水酸化ナトリウム溶液を用いて三角フラスコ中の溶液を中和した後、直ちに5%エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液25mlを加え、よくかき混ぜ、暫時放置した後、更に10mol/L水酸化ナトリウム溶液を用いて溶液をpH9.0に調整する。
 あらかじめ10%塩化ナトリウム液でNa形にした陽イオン交換樹脂10mlを蒸留水を用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておき、これに上記の溶液を流速10ml/分で流し入れる。次いで蒸留水100ml、2mol/L塩酸50ml、蒸留水100ml、5%塩化アンモニウム液50ml及び蒸留水100mlを順次クロマト管に流し入れて陽イオン交換樹脂を洗う。次いで、50%硝酸アンモニウム液を流速1ml/分で流し入れ、最初の50mlをメスフラスコに正確にとり試験溶液とする。

エ 検量線の作成

 パラクアトジクロリド標準品の1~10mg/L液を数点調製する。次いで、それぞれの液につき、その5mlを50mlのメスフラスコにはかりとり、発色試液5mlを加え、更に50%硝酸アンモニウム液を加えて正確に50mlとし、直ちに発色試液1mlに50%硝酸アンモニウム液9mlを加えた液を対照として分光光度計により波長396nmにおける吸光度を測定し、縦軸に吸光度、横軸に重量をとつてパラクアトジクロリドの検量線を作成する。

オ 定量試験

 ウの試験溶液から9mlを10mlのメスフラスコにとり、発色試液1mlを加えて発色させた後、直ちに発色試液1mlに50%硝酸アンモニウム液9mlを加えた液を対照として分光光度計により波長396nmにおける吸光度を測定し、エの検量線によりパラクアトジクロリドの重量を求め、これに基づき検体中のパラクアトジクロリドの濃度を算出する。

 (54) チオファネートメチル試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸銅 酢酸銅(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム液 リン酸二水素カリウム1.36gを蒸留水に溶かし1Lとし、0.45μmのフィルターでろ過したもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 チオファネートメチル標準品 本品は、チオファネートメチル99%以上を含み、融点は177~178℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀、果実、野菜、いも類、豆類、てんさい及びまっ茶の場合)

1) 検体50g相当の試料(米、麦・雑穀及び豆類の場合は試料50gに等量の水を加えて2時間放置したもの、まっ茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を500mlの分液漏斗にはかりとり、メタノール150mlを加え、振とう機を用いて5分間(米、麦・雑穀、豆類及びまっ茶の場合は、30分間)激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてメタノール100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50ml(まっ茶の場合は、20ml)に濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム液200mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、n―ヘキサン100mlを加え、1分間軽く振り混ぜ、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取して捨てる。更に水層にn―ヘキサン100mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を500mlの分液漏斗に分取する。

2) この水層に1mol/L水酸化ナトリウム溶液及び0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを6~7に調整した後、ジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン30mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、酢酸3mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でジクロロメタンを大部分留去する。

3) これに50%酢酸10ml及び酢酸銅0.2g並びに沸石を加え、還流冷却器を付け、30分間激しく沸騰させ、冷後還流冷却器の内壁を1mol/L塩酸20mlで洗う。ナス型フラスコ中の溶液を1mol/L塩酸30mlで200mlの分液漏斗に洗い入れ、ジクロロメタン20mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取して捨てる。更に水層にジクロロメタン20mlを加え、同様の操作を繰り返す。残つた水層に5mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを2~3に調整し、更に0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを6~7に調整する。これにジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにメタノールを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その360mlを1Lの分液漏斗に移す。これに塩化ナトリウム20g、メタノール50ml及びn―ヘキサン100mlを加え、1分間軽く振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取して捨てる。更に水層にn―ヘキサン100mlを加え、1分間軽く振とうし、暫時放置した後、水層を1Lの分液漏斗に分取する。
 以下、この溶液について、A法の2)及び3)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ20~50cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 室温

 溶離液 リン酸二水素カリウム液及びメタノールの混液(2:8)を用い、チオファネートメチルから誘導されるメチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートが4~5分で流出するように流速を調整する。

 検出器 けい光光度型検出器を用い、励起波長285nm、けい光波長315nmで測定する。

 感度 チオファネートメチルの10ngから誘導されるメチル 2―ベンゾイミダゾールカルバマートが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 チオファネートメチル標準品の5mg/Lメタノール溶液の1~10mlを数点調製し、それぞれメタノールを除去する。以下、ウ A法の3)と同様の操作を行い、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてチオファネートメチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から10μlをとり、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線により、チオファネートメチルの重量を求め、これに基づき、検体中のチオファネートメチルの濃度を算出する。

 (55) シアン化水素試験法

ア 装置 シアン化水素水蒸気蒸留装置を用いる。

イ 試薬試液

 酒石酸 酒石酸(特級)

 アンモニア水 アンモニア水(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(容量分析用標準試薬)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 硝酸銀 硝酸銀(特級)

 炭酸ナトリウム 炭酸ナトリウム(特級)

 ヨウ化カリウム ヨウ化カリウム(特級)

 0.02mol/L硝酸銀標準液 硝酸銀16.99gを蒸留水に溶かして1Lとし、0.1mol/L塩化ナトリウム溶液を用いて標定し、これを希釈したもの

 炭酸ナトリウム・酢酸鉛試液 炭酸ナトリウム200gと酢酸鉛20gを別々に蒸留水に溶かし、混合して1Lとしたもの

ウ 試験溶液の調製

 検体100g相当の試料をシアン化水素水蒸気蒸留装置の蒸留フラスコ(容量1L)にはかりとり、蒸留水を加えて約250mlとし、10%酒石酸液50mlを加える。冷却器の下端を2.5%水酸化ナトリウム液250mlを入れた受器の液中に浸し、水蒸気を送り込み、留出液が400~500mlになるまで蒸留する。受器中の溶液を2Lの分液漏斗に移し、n―ヘキサン20mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。更にn―ヘキサン層に蒸留水50mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全水層を2Lのビーカーに合わせ、これによく振り混ぜた炭酸ナトリウム・酢酸鉛試液を加え、沈殿が生じない場合はそのままこれを試験溶液とする。
 沈殿が生じた場合は、ろ紙を用いて吸引ろ過し、必要があれば更に毎分3,000回転で約30分間遠心分離し、上澄み液をろ紙を用いて吸引ろ過し、遠心管内の残留物を蒸留水30mlで洗う。その洗液で、ろ紙上の残留物を洗い、洗液とろ液を2Lのビーカーに合わせてこれを試験溶液とする。

エ 定量試験

 ウの試験溶液にアンモニア水10mlと2%ヨウ化カリウム液10mlを加えて、0.02mol/L硝酸銀標準液で滴定し、かすかながら消えない濁りが生ずるまでに要した0.02mol/L硝酸銀標準液の量をAmlとする。別に空試験を行い、滴定に要した0.02mol/L硝酸銀標準液の量をBmlとする。シアン化水素の濃度(ppm)を次式により算出する。

検体中のシアン化水素の濃度(ppm)=(A-B)(ml)×1.08×10/検体の重量(g)

 (56) エチオン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリカゲル 薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光体入り)

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 エチオン標準品 本品はエチオン98%以上を含み、沸点は164~165℃(40Pa)である。

 エチオン標準溶液 エチオン標準品の1,000mg/Lアセトン溶液

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜及びまっ茶の場合)

1) 検体100g相当の試料(まっ茶の場合は、試料25g)を500mlの分液漏斗にはかりとり、メタノール150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてメタノール150mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、蒸留水400ml及び塩化ナトリウム10gを加える。これにジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。更に水層にジクロロメタン50mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でジクロロメタンを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、アセトン2mlに溶かす。

2) 次いで、シリカゲルを500μmの厚さに伸ばし130℃で1時間加熱して作成しておいた20×20cmのガラス製薄層板に、上記の溶液を帯状に塗布し、その両端にエチオン標準溶液を塗布する。展開溶媒としてn―ヘキサン及びアセトン混液(9:1)を用い、上昇法により約10cm上昇したときに薄層板を取り出し、風乾する。これに紫外線(波長253.7nm)を照射した後、両端のエチオンが上昇し、吸着している位置(Rf約0.5)にはさまれた部分のシリカゲルをかきとり、100mlのビーカーに入れ、アセトン30mlを加え、ときどき振り混ぜながら5分間放置した後、ガラスろ過器を用いて吸引ろ過する。更に残留物をビーカーにもどしてアセトン10mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。次いで少量のアセトンでビーカーを洗い、その洗液で残留物を洗い、洗液と全ろ液を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でアセトンの大部分を留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにアセトンを加えて溶かし、正確に1mlとして試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後にろ過し、冷後その360mlを1Lの分液漏斗に移す。これに蒸留水200ml及び塩化ナトリウム5gを加え、更にベンゼン100mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、ベンゼン層を分取する。更に水層にベンゼン100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ベンゼン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコにろ過する。次いでベンゼン30mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でベンゼンを大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、アセトン2mlに溶かす。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 200℃

 試料気化室温度 240℃

 検出器温度 240℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、エチオンが約5分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 エチオンの0.3ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 エチオン標準品の0.1~1mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってエチオンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりエチオンの重量を求め、これに基づき検体中のエチオンの濃度を算出する。

 (57) 削除

 (58) 削除

 (59) アトラジン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 クロロホルム クロロホルム(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 アトラジン標準品 本品はアトラジン99%以上を含み、融点は173~175℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体50g相当の試料(麦・雑穀の場合は、試料50g)を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて5分間(麦・雑穀の場合は、1時間)激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてアセトン及び水の混液(7:3)50mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、水300ml、飽和塩化ナトリウム液25ml及びエチルエーテル100mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。更に水層にエチルエーテル100mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全エチルエーテル層を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で約50mlに濃縮した後、クロロホルム100mlを加えて軽く振り混ぜ、更に無水硫酸ナトリウム30gを加えて、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコにろ過する。次いでクロロホルム30mlで500mlのナス型フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固した後、n―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(3:1)5mlに溶かす。
 あらかじめ130℃で4時間加熱して活性化しておいたケイ酸マグネシウム3gをベンゼンを用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、更にその上から無水硫酸ナトリウム5gをベンゼンを用いて充てんしておく。これに、上記の溶液を流し入れ、展開溶媒としてn―ヘキサン及びエチルエーテルの混液(3:1)50mlを用いて展開し、この溶出液を100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を大部分留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。これにアセトンを加えて溶かし、正確に1mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 190℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、アトラジンが約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 アトラジンの3ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 アトラジン標準品の1~10mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてアトラジンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりアトラジンの重量を求め、これに基づき検体中のアトラジンの濃度を算出する。

 (60) 削除

 (61) ジクアトジブロミド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 過塩素酸 過塩素酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 陽イオン交換樹脂 強酸性陽イオン交換樹脂(粒径74~149μm)

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 ジクアトジブロミド標準品 本品は、ジクアトジブロミド99%以上を含み、融点は335~340℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀、果実、野菜及びまっ茶の場合)

1) 試料200gに水200mlを加えたもの(果実及び野菜の場合は検体200g相当の試料、まっ茶の場合は試料20gに水200mlを加えたもの)を2Lの丸底フラスコにはかりとり、1.5mol/L硫酸500mlを加え、5時間加熱還流する。

2) 冷後丸底フラスコの内容物をガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した丸底フラスコを蒸留水200mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様にろ過する。全ろ液を2Lの三角フラスコに合わせ、蒸留水を加えて2Lとする。
 あらかじめ、ナトリウム型にした陽イオン交換樹脂10mlを蒸留水でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これに三角フラスコ中の溶液を流速10ml/分で流し入れる。次いで蒸留水200ml、2mol/L塩酸50ml、蒸留水100ml及び1mol/L塩化アンモニウム溶液50mlを順次流速10ml/分で流し入れて樹脂を洗う。次いで5mol/L塩化アンモニウム溶液50mlを流速1ml/分で流し入れ、溶出液を別の2Lの三角フラスコにとる。この溶液に2mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを9に調整し、蒸留水を加えて1Lとする。
 あらかじめ、ナトリウム型にした陽イオン交換樹脂5mlを蒸留水でクロマト管に充てんしておく。これに三角フラスコ中の溶液を流速5ml/分で流し入れる。次いで蒸留水100ml、2mol/L塩酸30ml、蒸留水100ml及び1mol/L塩化アンモニウム溶液50mlを順次流速5ml/分で流し入れて樹脂を洗う。次いで5mol/L塩化アンモニウム溶液20mlを流速0.3ml/分で流し入れ、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液15mlを20mlの共栓付き試験管にとり、試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料25gを2Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水1,500mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その1,200mlを2Lの丸底フラスコに分取する。この溶液に硫酸70mlを徐々に加え、5時間加熱還流する。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~5mm、長さ20~50cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 45℃

 溶離液 アセトニトリル及び0.1mol/L過塩素酸の混液(2:98)を用い、ジクアトジブロミドが3~4分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長313nmで測定する。

 感度 ジクアトジブロミドの2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジクアトジブロミド標準品の0.08~1.6mg/L5mol/L塩化アンモニウム溶液を数点調製し、それぞれを25μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてジクアトジブロミドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から25μlをとり、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりジクアトジブロミドの重量を求め、これに基づき、検体中のジクアトジブロミドの濃度を算出する。

 (62) イソキサチオン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、炎光光度型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 イソキサチオン標準品 本品は、イソキサチオン99%以上を含み、沸点は160℃(20Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀及び豆類の場合)

1) 試料50gに水100mlを加えて2時間放置したものを500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で100mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)100ml次いでエチルエーテル及びヘキサンの混液(30:70)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜、いも類、まっ茶及びさとうきびの場合)

 検体50g相当の試料(まっ茶の場合は、試料5gに水10mlを加えて2時間放置したもの)を500mlの分液漏斗(まっ茶の場合は300mlの分液漏斗)にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の2)と同様の操作を行う。

C法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その360mlを500mlの三角フラスコに移し、飽和酢酸鉛溶液2mlを加え、約10秒間軽く振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水及びアセトンの混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、ヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 210~230℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして、アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器の場合は高純度窒素ガス、炎光光度型検出器の場合は窒素ガスを用い、イソキサチオンが3~4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 イソキサチオンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 イソキサチオン標準品の0.1~2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてイソキサチオンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイソキサチオンの重量を求め、これに基づき、検体中のイソキサチオンの濃度を算出する。

 (63) マンコゼブ、ポリカーバメート及びプロピネブの試験法

ア 装置 分光光度計及び分解吸収装置((7) チラム、ジラム混合物試験法の別図(ただし、分解フラスコは1Lとする。))を用いる。

イ 試薬試液

 エタノール エタノール(特級)

 ジエタノールアミン ジエタノールアミン(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 塩化第一スズ 塩化第一スズ(特級)

 酢酸銅 酢酸銅(特級)

 吸収(発色)液 酢酸銅12gとジエタノールアミン25gにエタノールを加えて250mlにしたもの

 二硫化炭素 二硫化炭素(特級)を蒸留したもの

 二硫化炭素標準溶液 あらかじめエタノール約25mlを入れた50mlのメスフラスコに二硫化炭素0.5gを正確にはかりとり、標線までエタノールを加え、その0.5mlをはかりとり、更にエタノールで10mlに希釈したもの

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜、いも類、豆類、まっ茶、てんさい及びホップの場合)

1) 検体100g相当の試料(豆類の場合は試料100g、まっ茶の場合は試料25g)を分解吸収装置の分解フラスコにはかりとる。

2) これに塩化第一スズ4g及び蒸留水200mlを加え、別に同装置の第一吸収管に6.5%水酸化ナトリウム液15mlを、同装置の第二吸収管に吸収(発色)液15mlを入れておく。次いで静かに吸引しながら、沸騰させた直後の1.5mol/L塩酸200mlを吸気孔から注入し、分解フラスコを加熱して、その内容物をゆるやかに沸騰させながら45分間反応させ、発生した二硫化炭素を第二吸収管の吸収(発色)液に吸収させる。
 この液を25mlのメスフラスコに移し、エタノールで第二吸収管を洗い、その洗液をメスフラスコの標線まで加え、これを試験溶液とする。

B法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後にろ過し、冷後その360mlを分解吸収装置の分解フラスコにはかりとる。
 以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ 検量線の作成

 吸収(発色)液15mlを入れた25mlのメスフラスコ8個に、それぞれ二硫化炭素標準溶液の5、10、15、20、30、40、50及び60μlを加え、更にエタノールを標線まで加える。次いでそれぞれの溶液につき、5cmのセルを用い、エタノール及び吸収(発色)液の混液(2:3)を対照として分光光度計により波長435nmにおけるそれぞれの吸光度を測定し、縦軸に吸光度、横軸に二硫化炭素の重量をとつて二硫化炭素の検量線を作成する。

オ 定量試験

 ウの試験溶液について、エタノール及び吸収(発色)液の混液(2:3)を対照として分光光度計により波長435nmにおける吸光度を測定し、エの検量線により二硫化炭素の重量を求める。これに、マンコゼブの場合には係数1.77、ポリカーバメートの場合には係数1.91、プロピネブの場合には係数1.90を乗じて重量に換算し、これに基づき検体中のマンコゼブ、ポリカーバメート又はプロピネブの濃度を算出する。

 (64) 削除

 (65) フサライド試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のアセトンが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなアセトンを用いる。

 ニトロメタン ニトロメタンを蒸留したもの

 n―ヘキサン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上のn―ヘキサンが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるようなn―ヘキサンを用いる。

 蒸留水 1Lにn―ヘキサン100mlを加えて十分洗い、このn―ヘキサン洗液を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上にn―ヘキサンが示すピーク以外のピークが示されないような蒸留水を用いる。

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリカゲル 化学分析用シリカゲル

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 フサライド標準品 本品はフサライド99%以上を含み、融点は209~210℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料20gを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて1時間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、更にろ紙上の残留物を分液漏斗にもどしてアセトン80mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全ろ液を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮した後、アセトン10mlを用いて300mlの分液漏斗に洗い入れ、飽和塩化ナトリウム液150ml及びn―ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。更に水層にn―ヘキサン50mlを加え、上記と同様の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム10gを加えてときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコにろ過する。次いでn―ヘキサン30mlで三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。洗液を上記のナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で3mlに濃縮する。
 シリカゲル及びケイソウ土の混合担体(2:1)6gにn―ヘキサン飽和ニトロメタン5mlを加えてすばやく混合し、ニトロメタン飽和n―ヘキサン20~30mlを加えてかゆ状にし、あらかじめクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これに上記の溶液を流し入れ、展開溶媒としてニトロメタン飽和n―ヘキサン165mlを用いて展開し、初めの溶出液65mlは捨て、次の溶出液100mlを300mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を大部分留去する。これにn―ヘキサンを加えて正確に10mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 185℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器 至適加電圧を与え、線源がニッケルの場合は230~250℃、線源がトリチウムの場合は190~200℃で操作する。

 キャリヤーガス 高純度窒素ガスを用い、フサライドが約3分で流出するように流速を調整する。

 感度 フサライドの0.2ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フサライド標準品の0.005~0.05mg/Lのn―ヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ、エのガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてフサライドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 ウの試験溶液から4μlをとり、エのガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフサライドの重量を求め、これに基づき検体中のフサライドの濃度を算出する。

 (66) アイオキシニル試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ及びメチル化装置((別図)に掲げる構成のもの)を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン、ジエチルエーテル、ヘキサン及びメタノール それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 ジクロロメタン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて濃縮、乾固し、残留物をヘキサン5mlに溶かし、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 アンモニア水 アンモニア水(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 ジエチレングリコールモノエチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル(純度98%以上のもの)

 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)

 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド(純度98%以上のもの)

 ジアゾメタンジエチルエーテル溶液 本品は、以下の操作により用時調製したものであり、黄色を呈する。

 メチル化装置のジエチルエーテル管(別図の(I))にジエチルエーテル5mlを、ジアゾメタン発生管(別図の(II))にジエチレングリコールモノエチルエーテル4ml及び10mol/L水酸化カリウム溶液2mlを、反応管(別図の(Ⅲ))にジエチルエーテル50mlをそれぞれ入れる。N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド2gをジエチルエーテル5mlに溶かしてジアゾメタン発生管に入れ、窒素ガスを5分間穏やかに通じて反応させた後の反応管の内容液を取ったもの。

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 4―シアノ―2,6―ジョードフェニル メチル エーテル(以下「イオキシニルメチル」という。)標準品 本品は、イオキシニルメチル99%以上を含み、融点は、145~147℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(麦・雑穀及び豆類の場合は試料20gに水40mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの分液漏斗に量り取り、メタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml及びジエチルエーテル50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取する。残った水層についてもジエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジエチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。
 この濃縮液にメタノール50ml及びアンモニア水10mlを加え、時々振り混ぜながら1時間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。
 この濃縮液を200mlの分液漏斗に移し、1mol/L塩酸を加えてpHを2に調整した後、ジエチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジエチルエーテル層を分取する。これに2%炭酸水素ナトリウム溶液50mlを加え、2分間ゆるやかに振り混ぜる。暫時放置した後、水層を分取する。この水層に4mol/L塩酸を加えてpHを2に調整した後、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についてもジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にジアゾメタンジエチルエーテル溶液10mlを加え、栓をして30分間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化した後、水分を5w/w%含ませたケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン50ml次いでジエチルエーテル及びヘキサンの混液(5:95)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、8mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 200~250℃

 試料気化室温度 280℃

 検出器 至適電圧を与え、280℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、イオキシニルメチルが約3分で流出するように流量を調整する。

 感度 イオキシニルメチルの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 イオキシニルメチル標準品の0.01~0.2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってイオキシニルメチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイオキシニルメチルの重量を求め、これに係数1.29を乗じてアイオキシニルの重量に換算し、これに基づき、検体中のアイオキシニルの濃度を算出する。

別図 メチル化装置の一例

 (67) ジチアノン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 凝固液 塩化アンモニウム2gを蒸留水400mlに溶解した後、リン酸4mlを加えたもの

 ジチアノン標準品 本品は、ジチアノン99.4%以上を含み、融点は216℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実及び野菜(だいこんの葉を除く。)の場合)

1) 検体に対し、その500g当たり4mol/L塩酸50mlを加え磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとする。

2) その50mlを300mlの分液漏斗に取り、これに5%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についてもヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、酢酸0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

3) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15ml次いでヘキサン及びアセトンの混液(49:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。続いてヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、酢酸0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

4) この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化した後、4mol/L塩酸を5%含ませたシリカゲル5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム2gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)40mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)80mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、酢酸0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

5) この残留物に5%酢酸含有メタノールを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(だいこんの葉の場合)

 A法の1)と同様の操作を行った後、その50mlを300mlの三角フラスコに取り、これに凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、5%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についてもヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、酢酸0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の3)及び5)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 メタノール、蒸留水及び酢酸の混液(65:35:1)を用い、ジチアノンが7~12分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長255nmで測定する。

 感度 ジチアノンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジチアノン標準品の200mg/Lジクロロメタン溶液を調製する。この溶液を5%酢酸含有メタノールで希釈して0.1~2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってジチアノンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から10μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりジチアノンの重量を求め、これに基づき、検体中のジチアノンの濃度を算出する。

 (68) IBP試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 IBP標準品 本品は、IBP99%以上を含み、沸点は120℃(6.67Pa)である。

ウ 試料溶液の調製

 試料20gを200mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、その残留物をアセトニトリル飽和n―ヘキサン50ml及びn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlで200mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったn―ヘキサン層についても、n―ヘキサン飽和アセトニトリルを30ml加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 180~210℃

 試料気化室温度 230~250℃

 検出器温度 230~250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、IBPが約2分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 IBPの0.8ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 IBP標準品の0.1~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってIBPの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりIBPの重量を求め、これに基づき、検体中のIBPの濃度を算出する。

 (69) 削除

 (70) 削除

 (71) ジクロフェンチオン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ジクロフェンチオン標準品 本品は、ジクロフェンチオン99%以上を含み、沸点は120~123℃(26.7Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

 検体50g相当の試料(豆類の場合は、試料50gに等量の水を加えて2時間放置したもの)を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン200mlを加え、振とう機を用いて5分間(豆類の場合は、30分間)激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮し、その濃縮液を20%塩化ナトリウム液100ml及びn―ヘキサン100mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、n―ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム15gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをn―ヘキサン10mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをn―ヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム2gをn―ヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の濃縮液を流し入れ、n―ヘキサン50ml並びにエチルエーテル及びn―ヘキサンの混液(2:98)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにn―ヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 190℃

 試料気化室温度 220℃

 検出器温度 240℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ジクロフェンチオンが約5分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ジクロフェンチオン0.4ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジクロフェンチオン標準品の0.1~1mg/Lのn―ヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてジクロフェンチオンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジクロフェンチオンの重量を求め、これに基づき、検体中のジクロフェンチオンの濃度を算出する。

 (72) ヒメキサゾール試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 炭酸カリウム 炭酸カリウム(特級)

 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ヒメキサゾール標準品 本品は、ヒメキサゾール99%以上を含み、融点は86~87℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(米及び豆類の場合は試料20gに水40mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、25%炭酸カリウム溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で40mlに濃縮する。この濃縮液を蒸留水30ml及びジクロロメタン50mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、塩化ナトリウム5g及び炭酸水素ナトリウム1gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。この水層にエチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。この水層に2mol/L塩酸を加えてpHを2~3に調整した後、エチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。残った水層についてもエチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全エチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で2mlに濃縮し、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ5~10mの溶融シリカ製の管の内面にポリエチレングリコール20Mを0.5~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 分離管槽温度 130~150℃

 試料導入部温度 150℃

 検出器温度 250~280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、ヒメキサゾールが約3分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ヒメキサゾールの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ヒメキサゾール標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってヒメキサゾールの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりヒメキサゾールの重量を求め、これに基づき、検体中のヒメキサゾールの濃度を算出する。

 (73) ピリダフェンチオン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 カラムクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 活性炭 カラムクロマトグラフィー用活性炭

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ピリダフェンチオン標準品 本品は、ピリダフェンチオン99%以上を含み、融点は56℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米及び豆類の場合)

 試料50gを300mlの分液漏斗にはかりとり、ジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、その残留物をアセトニトリル飽和n―ヘキサン30ml及びn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったn―ヘキサン層についても、n―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全アセトニトリル層を500mlの分液漏斗に合わせ、n―ヘキサン50ml及び5%塩化ナトリウム液300mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。残った水層についても、n―ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全n―ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、これに無水硫酸ナトリウム15gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをn―ヘキサン15mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル5gをn―ヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム1gをn―ヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の濃縮液を流し入れ、エチルエーテル及びn―ヘキサンの混液(2:8)50ml並びにエチルエーテル及びn―ヘキサンの混液(8:2)170mlで展開し、初めの溶出液70mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(果実及び野菜(たまねぎを除く。)の場合)

 検体50g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、その残留物をn―ヘキサン50ml及び5%塩化ナトリウム液300mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。残った水層についても、n―ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全n―ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、これに無水硫酸ナトリウム15gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをn―ヘキサン15mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

C法(たまねぎの場合)

 検体50g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、この試料についてB法と同様の操作(アセトンを加えて溶かし、2mlとする操作を除く。)を行った後、ジクロロメタン10mlに溶かす。
 あらかじめ、活性炭及びケイソウ土の混合物(1:6)3gをジクロロメタンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ジクロロメタン120mlで展開し、この溶出液を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを3%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 220~240℃

 試料気化室温度 250~280℃

 検出器温度 180~230℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ピリダフェンチオンが約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ピリダフェンチオンの0.5ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ピリダフェンチオン標準品の0.2~2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってピリダフェンチオンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピリダフェンチオンの重量を求め、これに基づき、検体中のピリダフェンチオンの濃度を算出する。

 (74) ブロモプロピラート試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン、アセトニトリル、n―ヘキサン、ベンゼン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外の高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ブロモプロピラート標準品 本品は、ブロモプロピラート99%以上を含み、融点は77℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実(なつみかんの外果皮を除く。)及び野菜の場合)

1) 検体50g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、その残留物をn―ヘキサン100ml及び4%塩化ナトリウム液250mlで500ml分液漏斗に洗い入れる。

2) これを振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。残った水層についても、n―ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをn―ヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。

3) あらかじめ、130℃で4時間加熱した後水分を8%含ませたケイ酸マグネシウム8gをn―ヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム4gをn―ヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、n―ヘキサン100ml並びにベンゼン及びn―ヘキサンの混液(1:1)200mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液200mlを300mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにn―ヘキサンを加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。

B法(なつみかんの外果皮及びホップの場合)

 なつみかんの外果皮にあっては検体10g、ホップにあっては検体5g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、その残留物をアセトニトリル飽和n―ヘキサン30ml及びn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100ml分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったn―ヘキサン層についても、n―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全アセトニトリル層を500mlの分液漏斗に合わせ、n―ヘキサン100ml及び4%塩化ナトリウム液250mlを加える。
 以下、この溶液について、A法の2)及び3)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを3%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 190~230℃

 試料気化室温度 220~280℃

 検出器 至適加電圧を与え、線源がニッケルの場合は250~280℃、線源がトリチウムの場合は190~200℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ブロモプロピラートが約7分で流出するように流速を調整する。

 感度 ブロモプロピラートの0.04ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ブロモプロピラート標準品の0.01~0.2mg/Lのn―ヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってブロモプロピラートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブロモプロピラートの重量を求め、これに基づき、検体中のブロモプロピラートの濃度を算出する。

 (75) 削除

 (76) プロパホス試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 硫酸マグネシウム 硫酸マグネシウム(特級)

 過マンガン酸カリウム 過マンガン酸カリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 プロパホス標準品 本品は、プロパホス99%以上を含み、沸点は176℃(113Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

1) 試料50gに等量の水を加えて2時間放置したものを500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物をアセトニトリル飽和n―ヘキサン30ml及びn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったn―ヘキサン層についても、n―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和n―ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、アセトン2mlに溶かす。

2) この溶液に20%硫酸マグネシウム液5ml及び1.6%過マンガン酸カリウム液20mlを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、水20mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、ジクロロメタン20mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン20mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム12gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン6mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 210~230℃

 試料気化室温度 240~260℃

 検出器温度 240~260℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、プロパホススルホンが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 プロパホスの1ngから誘導されるプロパホススルホンの相当量がピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロパホス標準品の0.5~5mg/Lのアセトン溶液を数点調整し、それぞれについて、その2mlを200mlのナス型フラスコにとり、この溶液について、ウ 2)と同様の操作を行つた後、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてプロパホスの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロパホスの重量を求め、これに基づき、検体中のプロパホスの濃度を算出する。

 (77) エクロメゾール試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン、エチルエーテル、n―ヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラフ上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 エクロメゾール標準品 本品は、エクロメゾール99%以上を含み、沸点は95℃(133Pa)である。

ウ 試料溶液の調製

 検体50g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム液200ml及びn―ヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、n―ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをn―ヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをn―ヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをn―ヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の濃縮液を流し入れ、n―ヘキサン100ml並びにエチルエーテル及びn―ヘキサンの混液(5:95)50mlで展開し、初めの溶出液100mlを捨て、次の溶出液50mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにn―ヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを2~10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 160~170℃

 試料気化室温度 200~220℃

 検出器 至適加電圧を与え、線源がニッケルの場合は200~250℃、線源がトリチウムの場合は190~200℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、エクロメゾールが約4分で流出するように流速を調整する。

 感度 エクロメゾールの0.05ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 エクロメゾール標準品の0.01~0.1mg/Lのn―ヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてエクロメゾールの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりエクロメゾールの重量を求め、これに基づき、検体中のエクロメゾールの濃度を算出する。

 (78) MCPBエチル試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン、エタノール、エチルエーテル、ヘキサン及びベンゼン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラフ上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩酸 塩酸(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 炭酸カリウム 炭酸カリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ペンタフルオロベンジルブロミド ペンタフルオロベンジルブロミド(純度98%以上のもの)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 4―(4―クロロ―o―トリルオキシ)酪酸(以下「MCPB」という。)標準品 本品は、MCPB99%以上を含み、融点は100℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gに水40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100ml及び6mol/L塩酸10mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。

2) その濃縮液を蒸留水200ml及びエチルエーテル100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、塩化ナトリウム20gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。残つた水層についても、エチルエーテル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全エチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエタノール5mlを加えて溶かす。

4) その溶液に1mol/L水酸化ナトリウム溶液20mlを加え、還流冷却器を付けて80~90℃の湯浴上で30分間加熱する。冷後この溶液を蒸留水100ml及び飽和塩化ナトリウム溶液50mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、エチルエーテル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を別の分液漏斗に分取する。この水層に6mol/L塩酸10mlを加え、pHを1~2に調整した後、エチルエーテル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。残つた水層についても、エチルエーテル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全エチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。この溶液を4mlのエチルエーテルで50mlの共栓付き試験管に移し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン10mlを加えて溶かす。

5) その溶液に20%炭酸カリウム溶液0.2ml及び1%ペンタフルオロベンジルブロミドアセトン溶液2mlを加え、還流冷却器を付けて80℃で1時間加熱還流する。冷後この溶液を蒸留水100ml、飽和塩化ナトリウム溶液50ml及びヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を300mlの三角フラスコに分取する。このヘキサン層に無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)5mlを加えて溶かす。

6) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)100ml次いでエチルエーテル及びヘキサンの混液(7:3)70mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液70mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10ml次いでヘキサン及びベンゼンの混液(1:1)50mlで展開し、初めの溶出液10mlは捨て、次の溶出液50mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、20mlとして試験溶液とする。

B法(果実の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100ml及び6mol/L塩酸10mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。この溶液についてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にエタノール5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の4)、5)及び6)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 220~230℃

 試料気化室温度 250~280℃

 検出器 至適電圧を与え、280~300℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ペンタフルオロベンジル 4―(4―クロロ―o―トリルオキシ)ブチラートが約4分で流出するように流速を調整する。

 感度 MCPBの0.02ngから誘導されるペンタフルオロベンジル 4―(4―クロロ―o―トリルオキシ)ブチラートの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 MCPB標準品の10mg/Lアセトン溶液を調製し、その1mlを50mlの共栓付き試験管にとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて溶媒を留去する。この残留物にアセトン10mlを加えて溶かす。この溶液についてウA法の5)と同様の操作(「この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)5mlを加えて溶かす。」とある操作を除く。)を行う。その残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。この溶液を希釈して0.005~0.1mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてMCPBの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりMCPBの重量を求め、この重量の値に係数1.12を乗じてMCPBエチルの重量に換算し、これに基づき、検体中のMCPBエチルの濃度を算出する。

 (79) XMC試験法

ア 装置 高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 XMC標準品 本品は、XMC98%以上を含み、融点は99~100℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀及び果実の場合)

1) 検体20g相当の試料(米及び麦・雑穀の場合は、試料20gに40mlの水を加えて2時間放置したもの)を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン10mlを加えて溶かす。

2) この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:5)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。

3) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)50ml並びにアセトン及びヘキサンの混液(15:85)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(まっ茶の場合)

 試料5gに水10mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、この試料についてA法の1)、2)及び3)と同様の操作を行う。ただし、A法の1)及び2)の操作においては、ジクロロメタンの代わりにエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)を用いる。

C法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その360mlを500mlの三角フラスコに移し、飽和酢酸鉛溶液2mlを加え、約10秒間軽く振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水及びアセトンの混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残つた水層についても、同混液100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の3)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 160~180℃

 試料気化室温度 200~250℃

 検出器温度 250~280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、XMCが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 XMCの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 XMC標準品の0.1~1mg/Lのヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてXMCの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりXMCの重量を求め、これに基づき、検体中のXMCの濃度を算出する。

 (80) リン化アルミニウム試験法

ア 装置 分光光度計及び分解吸収装置(別図)を用いる。

イ 試薬試液

 臭素 臭素(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 硫酸ヒドラジン 硫酸ヒドラジン(特級)

 モリブデン酸アンモニウム モリブデン酸アンモニウム(特級)

 リン酸一カリウム リン酸一カリウム(特級)

 吸収液 水で冷却しながら飽和するまで水に臭素を溶かしたもの

ウ 試験溶液の調製

 試料500gを分解吸収装置のフラスコにはかりとり、水2Lを加える。別に同装置の第一吸収管及び第二吸収管に、それぞれ、吸収液100mlを入れ、外部を氷水で冷却しておく。送気孔から窒素を200ml/分の流速で30分間通した後、フラスコを加熱しながら同様の通気の操作を2時間行う。第一吸収管及び第二吸収管の吸収液を少量の水で500mlのビーカーに洗い入れ、ホットプレートを用いて10mlに濃縮し、これをガラスフィルターを用いて50mlのメスフラスコ中にろ過する。使用したビーカーを少量の水で洗い、その洗液でガラスフィルター上の残留物を洗い、その洗液をメスフラスコに合わせ、試験溶液とする。

エ 検量線の作成

1) 110℃で4時間加熱したリン酸一カリウム0.4394gを水に溶かして1Lとし、その10mlをはかりとり、更に1Lに希釈した上、その1、2、3、4及び5mlを、それぞれ、50mlのメスフラスコにとる。

2) メスフラスコ中の溶液に5mol/L硫酸5ml、2.5%モリブデン酸アンモニウム液5ml及び0.15%硫酸ヒドラジン液2mlを加えた上、水を標線まで加え、これを100mlの三角フラスコに移し、密栓して沸騰水で10分間加熱する。冷後それぞれの溶液につき、1cmのセルを用い、5mol/L硫酸、2.5%モリブデン酸アンモニウム液、0.15%硫酸ヒドラジン液及び水の混液(5:5:2:28)を対照として分光光度計により波長820nmにおけるそれぞれの吸光度を測定し、縦軸に吸光度、横軸にリンの重量をとつてリンの検量線を作成する。

オ 定量試験

 試験溶液について、エ 2)と同様の操作を行つて吸光度を測定し、エの検量線により、リンの重量を求める。別に分解吸収装置を用い、試料をフラスコ中に加えないでウと同様の操作を行つて得た溶液について、試験溶液と同様の操作を行つてリンの重量を求め、この値を試験溶液について得られたリンの重量の値から減じて補正重量を求める。これに係数1.097を乗じてホスフィンの重量に換算し、これに基づき、検体中のホスフィンの濃度を算出する。

別図 分解吸収装置の一例

 (81) 削除

 (82) 削除

 (83) 削除

 (84) カルタップ試験法

ア 装置 炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 アンモニア水 アンモニア水(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩化ニッケル 塩化ニッケル(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)

 ポリエチレングリコール ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール

 ネライストキシンシュウ酸塩 本品は、ネライストキシンシュウ酸塩99%以上を含み、融点は168~170℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀、果実、野菜、いも類及びホップの場合)

 検体50g相当の試料(ホップの場合は試料5g)を500mlの分液漏斗にはかりとり、0.02mol/L塩酸150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどして0.02mol/L塩酸100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返し、全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせる。
 この溶液に2%塩化ニッケル溶液10ml及びアンモニア水15mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうし、ジクロロメタン100mlを加え、1分間ゆるやかに振り混ぜ、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振り混ぜ及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で50mlに濃縮する。この溶液を100mlのナス型フラスコに移し、300mlのナス型フラスコをジクロロメタン10mlで洗い、その洗液を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で10mlに濃縮する。この溶液を30mlの目盛付すり合わせ試験管に移し、ナス型フラスコをメタノール4mlで洗い、その洗液を試験管に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で濃縮し、4mlとして試験溶液とする。

B法(抹茶の場合)

1) 試料5gを200mlの分液漏斗にはかりとり、0.02mol/L塩酸100mlを加え、振とう機を用いて、30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどして0.02mol/L塩酸50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返し、全ろ液を300mlの三角フラスコに合わせる。

2) この溶液に飽和酢酸鉛溶液4mlを加え、軽く約10秒間振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を300mlの三角フラスコに合わせ、2mol/L硫酸3mlを加え、過剰の鉛を硫酸鉛として沈でんさせた後、ろ紙を用いてろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗いろ過し、全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせる。この溶液に2%塩化ニッケル溶液10ml及びアンモニア水15mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうする。この溶液に塩化ナトリウム50g及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についてもヘキサン100mlを加えて同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で50mlに濃縮する。この溶液を100mlのナス型フラスコに移し、300mlのナス型フラスコをヘキサン10mlで洗い、その洗液を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で10mlに濃縮する。この溶液を30mlの目盛付すり合わせ試験管に移し、ナス型フラスコをメタノール4mlで洗い、その洗液を試験管に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で濃縮し、4mlとして試験溶液とする。

C法(茶(抹茶を除く。)の場合)

 試料9gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水540mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その360mlを500mlの三角フラスコに移す。
 以下、B法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してポリエチレングリコールを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 140~170℃

 試料気化室温度 200~220℃

 検出器温度 200~220℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、ネライストキシンが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ネライストキシンシュウ酸塩1ngから誘導されるネライストキシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ネライストキシンシュウ酸塩標準品の0.25~2.5mg/Lのメタノール溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてネライストキシンシュウ酸塩の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりネライストキシンシュウ酸塩の重量を求め、これに係数1.14を乗じてカルタップ塩酸塩の重量に換算し、これに基づき、検体中のカルタップ塩酸塩の濃度を算出する。

 (85) 削除

 (86) ジクロベニル試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン、エチルエーテル、酢酸エチル、n―ヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ジクロベニル標準品 本品は、ジクロベニル97%以上を含み、融点は143~146℃である。

 2,6―ジクロロベンズアミド標準品 本品は、2,6―ジクロロベンズアミド97%以上を含み、融点は190~199℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 検体50g相当の試料(米及び麦・雑穀の場合は、試料20gに等量の水を加えて2時間放置したもの)を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間(米及び麦・雑穀の場合は、30分間)激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム液200ml及びn―ヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、n―ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、n―ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全n―ヘキサン層を500mlの三角フラスコに合わせ、残つた水層を500mlの分液漏斗にとる。

2) 三角フラスコ中のn―ヘキサン層に無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをn―ヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で30mlに濃縮する。この濃縮液をn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたn―ヘキサン層についても、n―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和n―ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、n―ヘキサン5mlに溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをn―ヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをn―ヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びn―ヘキサンの混液(5:95)並びにエチルエーテル及びn―ヘキサンの混液(1:4)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにn―ヘキサンを加えて溶かし、4mlとしてジクロベニルの試験溶液とする。

3) 1)において分液漏斗中にとつた水層に酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分散する。残つた水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム30gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル30mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、n―ヘキサン5mlに溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをn―ヘキサンを用いてクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをn―ヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の濃縮液を流し入れ、アセトン及びn―ヘキサンの混液(1:9)200mlで展開し、初めの溶出液100mlを捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、4mlとして2,6―ジクロロベンズアミドの試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを2~10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 ジクロベニルにあつては130~150℃、2,6―ジクロロベンズアミドにあつては180~200℃

 試料気化室温度 200~250℃

 検出器 至適加電圧を与え、線源がニッケルの場合は200~250℃、線源がトリチウムの場合は190~200℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ジクロベニル又は2,6―ジクロロベンズアミドが3~5分で流出するように流速を調整する。

 感度 ジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの0.1ngがピーク高1cm以上になるように、それぞれ、感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの標準品の0.02~0.2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 ジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの試験溶液から、それぞれ、4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジクロベニル及び2,6―ジクロロベンズアミドの重量を求める。このジクロベニルの重量の値と2,6―ジクロロベンズアミドの重量の値に係数0.90を乗じてジクロベニルの重量に換算したものとを和し、これに基づき、検体中のジクロベニルの濃度を算出する。

 (87) クロルピリホスメチル試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 クロルピリホスメチル標準品 本品は、クロルピリホスメチル99%以上を含み、融点は46℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体50g相当の試料(米の場合は、試料50gに等量の水を加えて2時間放置したもの)を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間(米の場合は、30分間)激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。その残留物をアセトニトリル飽和n―ヘキサン30ml及びn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたn―ヘキサン層についても、n―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和n―ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、n―ヘキサン5mlに溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをn―ヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをn―ヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、n―ヘキサン100ml並びにエチルエーテル及びn―ヘキサンの混液(1:9)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 200~220℃

 試料気化室温度 230~250℃

 検出器温度 230~250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、クロルピリホスメチルが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 クロルピリホスメチルの1ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 クロルピリホスメチル標準品の0.1~2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてクロルピリホスメチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりクロルピリホスメチルの重量を求め、これに基づき、検体中のクロルピリホスメチルの濃度を算出する。

 (88) 削除

 (89) アラクロール試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するアラクロールの試験法による。

 (90) イソプロチオラン試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、ジクロロメタン及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 イソプロチオラン標準品 本品は、イソプロチオラン99%以上を含み、融点は50~51℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gに水40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。

2) その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

4) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)100ml次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(2:8)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(果実の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。この溶液について、A法の2)と同様の操作を行い、この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の4)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 230~250℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器 至適加電圧を与え、250~280℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、イソプロチオランが約4分で流出するように流速を調整する。

 感度 イソプロチオランの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 イソプロチオラン標準品の0.02~0.2mg/Lのヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてイソプロチオランの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイソプロチオランの重量を求め、これに基づき、検体中のイソプロチオランの濃度を算出する。

 (91) 削除

 (92) オキシン銅試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ及び水蒸気蒸留装置(別図)を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(特級)

 硫酸銅 硫酸銅(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 硝酸アルミニウム 硝酸アルミニウム(特級)

 無水炭酸ナトリウム 無水炭酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 多孔性スチレン―ジビニルベンゼン共重合体 平均粒径10μmの高速液体クロマトグラフィー用多孔性スチレン―ジビニルベンゼン共重合体

 硝酸アルミニウム・メタノール溶液 硝酸アルミニウム10gをメタノール1Lに溶かし、0.45μmのフィルターでろ過したもの

 オキシン銅標準品 本品は、オキシン銅99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 検体50g相当の試料(麦・雑穀の場合は、試料50gに水100mlを加えて2時間放置したもの、ホップの場合は、試料5gに水50mlを加えて2時間放置したもの)を500mlの分液漏斗にはかりとり、1mol/L塩酸5ml及びアセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、1%硫酸銅溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下でアセトンを留去し、その濃縮液を蒸留水100mlで1Lの蒸留フラスコに洗い入れ、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム50g及び無水炭酸ナトリウム6gを加える。これを水蒸気蒸留装置にとりつけて加熱し、水蒸気蒸留を行う。受器に1mol/L塩酸20ml及び1%硫酸銅溶液0.5mlを入れ、冷却管の先端を受器の液中に浸し、留出液200mlをとる。冷却管を少量の蒸留水で洗い、留出液に合わせ、500mlの分液漏斗に移す。これに塩化ナトリウム60g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を捨て、水層に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを7~8に調整する。これにジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノールを加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 多孔性スチレン―ジビニルベンゼン共重合体を用いる。

 分離管 内径2~5mm、長さ20~50cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 室温

 溶離液 硝酸アルミニウム・メタノール溶液を用い、8―キノリノールのアルミニウムキレートが約3~4分で流出するように流速を調整する。

 検出器 けい光光度型検出器を用い、励起波長380nm、けい光波長520nmで測定する。

 感度 オキシン銅10ngから誘導される8―キノリノールのアルミニウムキレートの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 オキシン銅標準品の0.5~10mg/Lのメタノール溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてオキシン銅の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlをとり、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキシン銅の重量を求め、これに基づき、検体中のオキシン銅の濃度を算出する。

別図 水蒸気蒸留装置の一例

 (93) 削除

 (94) 削除

 (95) プロピザミド試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン、エチルエーテル、ジクロロメタン、n―ヘキサン、ベンゼン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 プロピザミド標準品 本品は、プロピザミド99%以上を含み、融点は155~156℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体50g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、エチルエーテル及びベンゼンの混液(1:49)10mlに溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをn―ヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをn―ヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びベンゼンの混液(1:49)100ml並びにエチルエーテル及びベンゼンの混液(1:9)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにn―ヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してシリコン5%を含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 170~190℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器 至適加電圧を与え、線源がニッケルの場合は250~280℃、線源がトリチウムの場合は190~200℃で操作する。

 感度 プロピザミドの0.1ngがピーク高1cm以上になるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロピザミド標準品の0.02~0.2mg/Lのn―ヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてプロピザミドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロピザミドの重量を求め、これに基づき、検体中のプロピザミドの濃度を算出する。

 (96) 削除

 (97) ピラゾン試験法

ア 装置 分光光度計を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 エタノール エタノール(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 n―ヘキサン n―ヘキサン(特級)

 スルファミン酸アンモニウム スルファミン酸アンモニウム(特級)

 N―1―ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩 N―1―ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(特級)

 亜硝酸ナトリウム 亜硝酸ナトリウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ピラゾン標準品 本品は、ピラゾン99%以上を含み、融点は205~206℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 検体100g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム液200ml及びn―ヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を別の500mlの分液漏斗に分取し、n―ヘキサン層は捨てる。この水層にジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの分液漏斗に合わせ、6mol/L塩酸100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を500mlの三角フラスコにとり、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物に10%水酸化カリウムジエチレングリコール溶液10mlを加え、30分間加熱還流を行う。冷後、蒸留水50ml及びエチルエーテル50mlで200mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。これに1mol/L塩酸50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、塩酸層を別の200mlの分液漏斗に分取し、エチルエーテル層は捨てる。この塩酸層に10mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを11以上に調整した後、エチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を100mlの三角フラスコに分取する。これに無水硫酸ナトリウム10gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、100mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、酢酸を2~3滴加えた後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて溶媒を留去する。これにエタノール、酢酸及び2.4mol/L塩酸の混液(1:2:3)を加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。

エ 検量線の作成

1) ピラゾン標準品の4~50mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを1mlずつ300mlのナス型フラスコにとり、空気を通じアセトンを揮散させる。以下、この残留物について、ウ 2)と同様の操作を行う。

2) これに0.2%亜硝酸ナトリウム液0.5mlを加え、5分間放置し、更に5%スルファミン酸アンモニウム液1mlを加え、10分間放置した後、1%N―1―ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩液0.5mlを加えて振り混ぜ、エタノール、酢酸及び2.4mol/L塩酸の混液(1:2:3)10mlに同様に0.2%亜硝酸ナトリウム液、5%スルファミン酸アンモニウム液、1%N―1―ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩液を加えた液を対照として分光光度計で吸収スペクトルを測定する。

3) 吸収スペクトルの660nmと460nmを結ぶ直線を引き、最大吸収波長555nmから垂線を下し、この垂線の長さを縦軸に、重量を横軸にとつてピラゾンの検量線を作成する。

オ 定量試験

 ウの試験溶液にエ 2)と同様の操作を行い、吸収スペクトルの660nmと460nmを結ぶ直線を引き、最大吸収波長555nmからの垂線の長さを測定し、エの検量線によりピラゾンの重量を求め、これに基づき、検体中のピラゾンの濃度を算出する。

 (98) ピラゾレート試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン、エタノール、ジクロロメタン、n―ヘキサン、ベンゼン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリカゲル 薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(螢光体入り)

 トリフルオロプロピルメチルシリコン ガスクロマトグラフィー用トリフルオロプロピルメチルシリコン

 ピラゾレート標準品 本品は、ピラゾレート99%以上を含み、融点は117~118℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料50gに等量の水を加えて2時間放置したものを500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどしてアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。その残留物をアセトニトリル飽和n―ヘキサン30ml及びn―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたn―ヘキサン層についても、n―ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和n―ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、n―ヘキサン5mlに溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイソウ土とシリカゲルの混合担体(1:3)5gをアセトン及びn―ヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム1gをアセトン及びn―ヘキサンの混液(5:95)で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びn―ヘキサンの混液(5:95)100ml並びにアセトン及びn―ヘキサンの混液(1:9)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、アセトン1mlに溶かす。
 この溶液を、あらかじめシリカゲルを0.5mmの厚さに伸ばし130℃で1時間加熱して作成しておいた20cm×20cmのガラス製薄層板に帯状に塗布し、その両端にピラゾレート標準品の1000mg/Lアセトン溶液を塗布する。展開溶媒としてエタノール及びベンゼンの混液(2:98)を用い、上昇法により約10cm上昇したときに薄層板をとり出し、風乾する。これに紫外線(波長253.7nm)を照射し、両端のピラゾレート標準品が上昇し、吸着している位置(Rf0.45)にはさまれた部分のシリカゲルをかきとり、100mlの共栓付き三角フラスコに入れ、アセトン30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ガラスろ過器を用いて吸引ろ過する。ガラスろ過器上の残留物についても、三角フラスコにもどしてアセトン30mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。次いで少量のアセトンで三角フラスコを洗い、その洗液で残留物を洗い、洗液と全ろ液を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにn―ヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 カラム担体 ケイソウ土(標準網フルイ177~250μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 カラム充てん剤 カラム担体に対してトリフルオロプロピルメチルシリコンを2~5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ50cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 200~230℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器 至適加電圧を与え、線源がニッケルの場合は250~280℃、線源がトリチウムの場合は190~200℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ピラゾレートが約3分で流出するように流速を調整する。

 感度 ピラゾレートの1ngがピーク高約0.5cmになるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ピラゾレート標準品の0.25~2.5mg/Lのn―ヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってピラゾレートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピラゾレートの重量を求め、これに基づき、検体中のピラゾレートの濃度を算出する。

 (99) 削除

 (100) 削除

 (101) チアベンダゾール試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸ナトリウム緩衝液無水酢酸ナトリウム33gを蒸留水に溶かし1Lとし、塩酸でpHを4.5に調製し、塩化ナトリウム150gを溶かしたもの

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 無水酢酸ナトリウム 無水酢酸ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム液 リン酸二水素カリウム1.36gを蒸留水に溶かし1Lとし、0.45μmのフィルターでろ過したもの

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 チアベンダゾール標準品 本品は、チアベンダゾール99%以上を含み、融点は304~305℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料50gを500mlの分液漏斗にはかりとり、酢酸エチル100ml及び酢酸ナトリウム緩衝液50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗にもどして酢酸エチル100ml及び酢酸ナトリウム緩衝液50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、5mol/L水酸化ナトリウム溶液10mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層は捨てる。残った酢酸エチル層に蒸留水100mlを加え、軽く振とうし、暫時放置した後、水層は捨てる。更に酢酸エチル層に0.1mol/L塩酸50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、塩酸層を分取する。残った酢酸エチル層についても、0.1mol/L塩酸50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全塩酸層を200mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層は捨てる。次に塩酸層に5mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを8以上に調整した後、酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにメタノールを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~5mm、長さ20~50cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 室温

 溶離液 リン酸二水素カリウム液及びメタノールの混液(2:8)を用い、チアベンダゾールが4~5分で流出するように流速を調整する。

 検出器 けい光光度型検出器を用い、励起波長310nm、けい光波長350nmで測定する。

 感度 チアベンダゾールの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 チアベンダゾール標準品の0.25~2.5mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってチアベンダゾールの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりチアベンダゾールの重量を求め、これに基づき、検体中のチアベンダゾールの濃度を算出する。

 (102) 削除

 (103) 削除

 (104) 削除

 (105)及び(106) 削除

 (107) 削除

 (108) 削除

 (109) プロシミドン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するプロシミドンの試験法による。

 (110) チオシクラム試験法

ア 装置 炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 アンモニア水 アンモニア水(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩化ニッケル 塩化ニッケル六水和物(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 システイン L―システイン塩酸塩(特級)

 シュウ酸 シュウ酸(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 アルミナ カラムクロマトグラフィー用アルミナ(中性)

 ポリエチレングリコール20M ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール20M

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ネライストキシンシュウ酸塩標準品 本品は、ネライストキシンシュウ酸塩98%以上を含み、融点は168~170℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gを300mlの分液漏斗にはかりとり、1%システイン含有0.02mol/L塩酸150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻して同混液100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返し、全ろ液を500mlの三角フラスコに合わせる。
 この溶液を少量の蒸留水で500mlの分液漏斗に移し、2%塩化ニッケル溶液5ml及びアンモニア水5mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうする。

2) この溶液にジクロロメタン100mlを加え、1分間緩やかに振り混ぜ、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振り混ぜ及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、1%シュウ酸含有メタノール0.2mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で50mlに濃縮する。この溶液を100mlのナス型フラスコに移し、300mlのナス型フラスコをジクロロメタン10mlで洗い、その洗液を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で1mlに濃縮する。

3) この溶液を20mlの目盛付きすり合わせ試験管に移し、ナス型フラスコをメタノール4mlで洗い、その溶液を試験管に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で濃縮し、2mlとして試験溶液とする。

B法(果実及び野菜の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、以下、これについてA法の1)及び2)と同様の操作を行つた後、室温で穏やかに窒素ガスを通じ、溶媒を留去する。この残留物に凝固液50mlを加えて溶かし、ケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にアンモニア水を加えてpHを10に調整し、ジクロロメタン100mlを加え、1分間緩やかに振り混ぜ、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振り混ぜ及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、1%シュウ酸含有メタノール0.2mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で1mlに濃縮した後、室温で穏やかに窒素ガスを通じ、溶媒を留去する。この残留物に直ちにジクロロメタン及びヘキサンの混液(2:8)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化した後、水分を6w/w%含ませたアルミナ5gをジクロロメタン及びヘキサンの混液(2:8)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ジクロロメタン及びヘキサンの混液(2:8)20ml次いでジクロロメタン及びヘキサンの混液(1:1)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコにとり、1%シュウ酸含有メタノール0.2mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で1mlに濃縮する。以下、この溶液についてA法の3)と同様の操作を行う。

C法(抹茶の場合)

1) 試料5gを300mlの分液漏斗にはかりとり、以下、これについてA法の1)と同様の操作を行う。

2) この溶液に塩化ナトリウム100g及びヘキサン100mlを加え、1分間緩やかに振り混ぜ、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振り混ぜ及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、1%シュウ酸含有メタノール0.2mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で50mlに濃縮する。この溶液を100mlのナス型フラスコに移し、300mlのナス型フラスコをヘキサン10mlで洗い、その洗液を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で1mlに濃縮する。以下、この溶液についてA法の3)と同様の操作を行う。

D法(茶(抹茶を除く。)の場合)

 試料10gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水600mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過する。冷後その300mlを500mlの分液漏斗に移し、システイン3g及び2mol/L塩酸3mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。この溶液に2%塩化ニッケル溶液5ml及びアンモニア水5mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうする。以下、この溶液についてC法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してポリエチレングリコール20Mを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 140~170℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、ネライストキシンが約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ネライストキシンシュウ酸塩1ngから誘導されるネライストキシンが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ネライストキシンシュウ酸塩標準品の0.1~1.0mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてネライストキシンシュウ酸塩の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から10μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりネライストキシンシュウ酸塩の重量を求め、これに係数1.13を乗じてチオシクラムの重量に換算し、これに基づき、検体中のチオシクラムの濃度を算出する。

 (111) エチクロゼート試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 n―ブタノール n―ブタノール(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 エチルエーテル―三フッ化ホウ素 エチルエーテル―三フッ化ホウ素(1:1)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ブチル化試薬 エチルエーテル―三フッ化ホウ素10gとn―ブタノール25gを混合したもの

 5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸標準品 本品は、5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸99%以上を含み、分解点は210~212℃である。

 5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸ブチル標準溶液 本品は、以下の操作により調製したもの(この5μlをガスクロマトグラフに注入するとき、ガスクロマトグラム上に5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸ブチルが示すピーク以外のピークが示されないようなものに限る。)である。

 5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸標準品1mgを20mlの共栓付試験管にはかりとり、ブチル化試薬1mlを加え、還流冷却器を付けて150℃で15分間加熱した後放冷し、次いでこれを飽和塩化ナトリウム溶液50ml並びにエチルエーテル及びヘキサンの混液(2:1)50mlを用いて200mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残つた水層についても、同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒の大部分を留去し、更に室温で空気を通じて乾固する。この残留物にアセトン10mlを加えて溶かす。

ウ 試験溶液の調製

 検体50g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100ml及び6mol/L塩酸2mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻して、アセトン100ml及び6mol/L塩酸2mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml並びにエチルエーテル及びヘキサンの混液(2:1)100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、6mol/L塩酸1mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残つた水層についても、同混液100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 これに2mol/L水酸化ナトリウム溶液5ml及びメタノール5mlを加え、還流冷却器を付けて80℃で30分間加熱する。冷後、これを飽和塩化ナトリウム溶液50mlで200mlの分液漏斗に洗い入れ、2mol/L塩酸10ml及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。これにエチルエーテル及びヘキサンの混液(2:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残つた水層についても、同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で1mlに濃縮し、20mlの共栓付試験管に移し、室温で乾燥空気又は窒素ガスを通じて乾固する。
 これにブチル化試薬1mlを加え、還流冷却器を付けて150℃で30分間加熱する。冷後、これを飽和塩化ナトリウム溶液50ml並びにエチルエーテル及びヘキサンの混液(2:1)50mlを用いて200mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残つた水層についても、同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)50ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(15:85)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 240~260℃

 試料気化室温度 280~300℃

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸ブチルが約6分で流出するように流速を調整する。

 感度 5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸5ngから誘導される5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸ブチルの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸ブチル標準溶液の、5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸として1.25~25mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつて、5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線により5―クロロ―3(1H)―インダゾール酢酸の重量を求め、これに係数1.13を乗じてエチクロゼートの重量に換算し、これに基づき、検体中のエチクロゼートの濃度を算出する。

 (112) 削除

 (113)及び(114) 削除

 (115) ベンスリド試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ベンスリド標準品 本品は、ベンスリド99%以上を含み、融点は34℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米及び豆類の場合)

1) 試料20gに等量の水を加えて2時間放置したものを500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlに溶かす。

3) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)50ml並びにアセトン及びヘキサンの混液(15:85)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(野菜及びいも類の場合)

 検体50g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、この試料についてA法の1)と同様の操作を行い、この残留物にアセトン20mlを加えて溶かす。この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(2:5)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。
 以下A法の3)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを2%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 210~230℃

 試料気化室温度 250~270℃

 検出器温度 250~270℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、ベンスリドが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ベンスリドの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ベンスリド標準品の0.25~5mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつて、ベンスリドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンスリドの重量を求め、これに基づき、検体中のベンスリドの濃度を算出する。

 (116) リニュロン試験法

ア 装置 高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ジメチルスルホキシド 水分0.1%以下のもの

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 ヨウ化メチル ヨウ化メチル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 水素化ナトリウム ヘキサンで洗浄したものを同溶媒中に保存したもの

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 リニュロン標準品 本品は、リニュロン99%以上を含み、融点は93~94℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀及び豆類の場合)

1) 試料20gに等量の水を加えて2時間放置したものを500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlに溶かす。

3) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)100ml並びにアセトン及びヘキサンの混液(15:85)50mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液50mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去し、ベンゼン0.5mlに溶かす。

4) この溶液にジメチルスルホキシド0.5ml、水素化ナトリウムのミクロスパーテル一杯(約0.2g)及びヨウ化メチル0.5mlを加え、栓をしてときどき振り混ぜながら25℃で30分間放置した後、ヘキサン3mlを加えて約1分間振り混ぜる。これに蒸留水10mlを徐々に滴下して加え、水素ガスの発生が止んだ後、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、上層の4mlの有機溶媒層を試験溶液とする。

B法(果実、野菜及びいも類の場合)

 検体20g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、この試料についてA法の1)と同様の操作を行い、この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。この溶液についてA法の3)及び4)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 180~200℃

 試料気化室温度 200~220℃

 検出器温度 250~270℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、3―(3,4―ジクロロフェニル)―3―メチル―1―メトキシ―1―メチル尿素が約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 リニュロン0.2ngから誘導される3―(3,4―ジクロロフェニル)―3―メチル―1―メトキシ―1―メチル尿素の相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 リニュロン標準品の0.2~2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれについて、その1mlを20mlの共栓付試験管にとり、室温で空気を通じて乾固する。その残留物をベンゼン0.5mlに溶かし、以下、ウA法の4)と同様の操作を行つた後、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてリニュロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりリニュロンの重量を求め、これに基づき、検体中のリニュロンの濃度を算出する。

 (117) 削除

 (118) ジネブ及びマンネブの試験法

ア 装置 炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフ及び分解吸収装置(別図)を用いる。

イ 試薬試液

 エタノール エタノール(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 塩化第一スズ 塩化第一スズ(特級)

 二硫化炭素 二硫化炭素(特級)

 ポーラスポリマー 気体測定用ポーラスポリマー

 二硫化炭素標準溶液 あらかじめエタノールを標線付近まで入れた50mlのメスフラスコにマイクロシリンジを用いて二硫化炭素0.05gを正確にはかりとり、標線までエタノールを加えたもの

ウ 試験溶液の調製

 検体100g相当の試料(豆類の場合は試料50gに水100mlを加えたもの、なつみかんの外果皮の場合は検体10g相当の試料)を分解吸収装置の分解フラスコにはかりとり、塩化第一スズ5gを加える。別に第一吸収管に6.5%水酸化ナトリウム溶液15mlを、第二吸収管に硫酸15mlを、第三吸収管にエタノール10mlを入れておく。次いで流速毎分30~60mlで吸引しながら、沸騰させた直後の1.5mol/L塩酸200mlを吸気孔から注入し、分解フラスコを加熱して、その内容物をゆるやかに沸騰させながら45分間反応させ、発生した二硫化炭素を第三吸収管のエタノールに吸収させる。
 第三吸収管を分解吸収装置からはずし、直ちに栓をして室温に戻し、その中の溶液を試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 充てん剤 ポーラスポリマー(標準網フルイ149~177μm)を用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ150~200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 120~140℃

 試料気化室温度 220~260℃

 検出器温度 220~260℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、二硫化炭素が約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 二硫化炭素の0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 二硫化炭素標準溶液をエタノールで希釈し0.1~0.4mg/Lのエタノール溶液を数点メスフラスコに調製し、このメスフラスコにガスクロマトグラフ注入口用シリコンゴム栓をしてそれぞれ4μlずつガスクロマトグラフに注入し、両対数方眼紙の縦軸にピーク高、横軸に重量をとつて二硫化炭素の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線により二硫化炭素の重量を求め、これにジネブの場合には係数1.81、マンネブの場合には係数1.74を乗じて重量に換算し、これに基づき、検体中のジネブ又はマンネブの濃度を算出する。

別図 分解吸収装置の一例

 (119) フェンメディファム試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ及び水蒸気蒸留装置((92)オキシン銅試験法の別図)を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン、ベンゼン、ヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)を蒸留したもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 シリコン 消泡用シリコン

 クロロアセチルクロリド クロロアセチルクロリド(純度95%以上のもの)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 m―トルイジン標準品 本品は、m―トルイジン99%以上を含み、沸点は203~204℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体50g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの分液漏斗に合わせ、1mol/L塩酸100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに分取し、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、1Lの蒸留フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液を蒸留フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に2mol/L水酸化カリウム溶液200mlを加えて溶かし消泡シリコン1mlを加える。これを水蒸気蒸留装置にとりつけて加熱し、水蒸気蒸留を行う。受器に0.5mol/L硫酸25mlを入れ、冷却管の先端を受器の液中に浸し、留出液100mlをとる。冷却管を少量の蒸留水で洗い、留出液に合わせ、300mlの分液漏斗に移す。これにジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層に4mol/L水酸化ナトリウム溶液10ml及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%クロロアセチルクロリドベンゼン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒及びクロロアセチルクロリドを留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、40mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5~10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ150~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 180~200℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250~280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、2―クロロ―3′―メチルアセトアニリドが4~5分で流出するように流速を調整する。

 感度 m―トルイジン0.04ngから誘導される2―クロロ―3′―メチルアセトアニリドの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 m―トルイジン標準品の100mg/Lアセトン溶液を1ml調製し、200mlのナス型フラスコにとり、ジクロロメタン100ml及び2%クロロアセチルクロリドベンゼン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒及びクロロアセチルクロリドを留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、50mlとし、これを希釈して0.01~0.2mg/Lのヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてm―トルイジンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりm―トルイジンの重量を求め、これに係数2.81を乗じてフェンメディファムの重量に換算し、これに基づき、検体中のフェンメディファムの濃度を算出する。

 (120) 削除

 (121) 削除

 (122) ACN試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラフ上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)を蒸留したもの

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ACN標準品 本品は、ACN99%以上を含み、融点は197~200℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gに水40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。

2) その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。

4) その溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:10)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)50ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(15:85)50mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液50mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。

B法(野菜の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この溶液について、A法の2)と同様の操作を行い、この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の4)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 180~200℃

 試料気化室温度 240~280℃

 検出器 至適電圧を与え、250~280℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ACNが約4分で流出するように流速を調整する。

 感度 ACNの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ACN標準品の0.01~0.2mg/Lのヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてACNの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりACNの重量を求め、これに基づき、検体中のACNの濃度を算出する。

 (123) ベンジルアミノプリン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ベンジルアミノプリン標準品 本品は、ベンジルアミノプリン99%以上を含み、融点は235℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(米の場合は試料20gに水40mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。
 この濃縮液に1mol/L塩酸5mlを加え、飽和塩化ナトリウム溶液100ml、次いでヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。この水層に1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを6~7に調整し、酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。
 この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液及びアセトンの混液(10:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層に塩化ナトリウム30gを加え、1mol/L水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを6~7に調整し、酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ベンジルアミノプリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ベンジルアミノプリン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンジルアミノプリンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンジルアミノプリンの重量を求め、これに基づき、検体中のベンジルアミノプリンの濃度を算出する。

 (124) 削除

 (125) トリアジメホン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 トリアジメホン標準品 本品は、トリアジメホン99%以上を含み、融点は82~83℃である。

 1―(4―クロロフェノキシ)―3,3―ジメチル―1―(1H―1,2,4―トリアゾール―1―イル)ブタン―2―オール(以下「トリアジメノール」という。)標準品 本品は、トリアジメノール99%以上を含み、融点は115~117℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(麦・雑穀の場合)

1) 試料20gに水40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。

2) その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。

4) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gを酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)100ml、酢酸エチル及びヘキサンの混液(15:85)150ml次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(30:70)150mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の150ml及び150mlをそれぞれ300mlのナス型フラスコにとり、それぞれ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、初めの溶出液は8mlとしてトリアジメホンの試験溶液とし、後の溶出液は4mlとしてトリアジメノールの試験溶液とする。

B法(果実、野菜、いも類及びさとうきびの場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この溶液についてA法の2)と同様の操作を行い、この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:10)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の4)と同様の操作を行う。

C法(抹茶の場合)

 試料5gを300mlの分液漏斗にはかりとり、水10mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液に蒸留水を加え200ml定容とする。
 その溶液の40mlを300mlの分液漏斗に分取し、5%塩化ナトリウム溶液100ml並びにエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、エチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。
 その溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:10)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の4)と同様の操作を行う。

D法(茶(抹茶を除く。)の場合)

 試料10gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水600mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その60mlを300mlの三角フラスコに移し、アセトン20ml及び飽和酢酸鉛溶液2mlを加え、約10秒間軽く振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水及びアセトンの混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、エチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコ中に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の4)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 180~220℃

 試料気化室温度 240~260℃

 検出器温度 250~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、トリアジメホンが2~3分、トリアジメノールが3~4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 トリアジメホンの0.2ng及び1―(4―クロロフェノキシ)―3,3―ジメチル―1―(1,2,4―トリアゾール―1―イル)―2―ブタノールの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 トリアジメホン標準品の0.05~1mg/L及びトリアジメノール標準品の0.1~2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってトリアジメホン及びトリアジメノールの検量線を作成する。

カ 定量試験

 トリアジメホン及びトリアジメノールの試験溶液からそれぞれ4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりトリアジメホン及びトリアジメノールの重量を求める。このトリアジメホンの重量の値と、トリアジメノールの重量の値に係数0.99を乗じてトリアジメホンに換算したものとを和し、これに基づき、検体中のトリアジメホンの濃度を算出する。

 (126) 削除

 (127) ホセチル試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するホセチルの試験法による。

 (128) 削除

 (129) カルボスルファン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム・十二水塩(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリカゲル ガスクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 1/15mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液 リン酸水素二ナトリウム23.9gを蒸留水に溶かして1Lとしたもの

 1/15mol/Lリン酸二水素カリウム溶液 リン酸二水素カリウム9.08gを蒸留水に溶かして1Lとしたもの

 緩衝液 1/15mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液に1/15mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpH8に調整したもの

 カルボスルファン標準品 本品は、カルボスルファン89.5%以上を含む。

 2,3―ジヒドロ―2,2―ジメチル―7―ベンゾフラニル N―メチルカルバマート(以下「カルボフラン」という。)標準品 本品は、カルボフラン97.5%以上を含み、融点は153~154℃である。

 2,3―ジヒドロ―2,2―ジメチル―3―ヒドロキシ―7―ベンゾフラニル N―メチルカルバマート(以下「3―ヒドロキシカルボフラン」という。)標準品 本品は、3―ヒドロキシカルボフラン99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 I カルボスルファン又はカルボフランの試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gに緩衝液40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、軽く振り混ぜた後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、130℃で4時間加熱した後、水分を5w/w%含ませたケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン50ml次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:7)70mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液70mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜、いも類及びさとうきびの場合)

 検体に対し等重量の緩衝液を加えて磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、軽く振り混ぜた後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

 II 3―ヒドロキシカルボフランの試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料10gを300mlのナス型フラスコにはかりとり、0.25mol/L塩酸150mlを加え、還流冷却器を付けて1時間加熱する。終了後、冷却器を少量の蒸留水で洗い、洗液をナス型フラスコに合わせて放冷する。

2) これをガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、0.25mol/L塩酸50mlで洗う。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、塩化ナトリウム50g及びジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物をジクロロメタン20mlで洗い、吸引ろ過する。全ろ液をその分液漏斗に戻し、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、軽く振り混ぜた後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:7)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲル10gを酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:7)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:7)200ml次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(4:6)150mlで展開し、初めの溶出液250mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜、いも類及びさとうきびの場合)

 検体に対し等重量の緩衝液を加えて磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlのナス型フラスコにはかりとり、0.3mol/L塩酸100mlを加える。これに還流冷却器を付けて1時間加熱する。終了後、冷却器を少量の蒸留水で洗い、洗液をナス型フラスコに合わせて放冷する。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 カルボスルファン及び3―ヒドロキシカルボフランの場合は、担体に対してシリコンを2%含ませたものを用いる。カルボフランの場合は、担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 カルボスルファンの場合は、220~240℃、カルボフランの場合は、200~220℃、3―ヒドロキシカルボフランの場合は、180~200℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、カルボスルファン、カルボフラン又は3―ヒドロキシカルボフランが各々約4分で流出するようにそれぞれ流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 カルボスルファン又はカルボフランの場合には、それぞれの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。3―ヒドロキシカルボフランの場合には、その0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 カルボスルファン又はカルボフランの場合には、それぞれ標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、3―ヒドロキシカルボフランの場合には、標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってカルボスルファン、カルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりカルボスルファン、カルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランの重量を求める。このカルボスルファンの重量の値と、カルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランの重量の値にそれぞれ係数1.72及び1.60を乗じてカルボスルファンに換算したものとを和し、これに基づき、検体中のカルボスルファンの濃度を算出する。

 (130) 削除

 (131) 削除

 (132) ダイアジノン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ダイアジノン標準品 本品は、ダイアジノン99%以上を含み、沸点は83~84℃(0.0267Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

A法(麦・雑穀及び豆類の場合)

1) 試料20gに水40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル50mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜及びさとうきびの場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 200~220℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして、アルカリ熱イオン型検出器の場合は高純度窒素ガス、炎光光度型検出器の場合は窒素ガスを用い、ダイアジノンが3~4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ダイアジノンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ダイアジノン標準品の0.05~1mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてダイアジノンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりダイアジノンの重量を求め、これに基づき、検体中のダイアジノンの濃度を算出する。

 (133) イミノクタジン酢酸塩及びイミノクタジンアルベシル酸塩試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するイミノクタジンの試験法による。

 (134) トリホリン試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン、酢酸エチル、ヘキサン、ベンゼン及びメタノール それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 活性炭 化学分析用活性炭

 セルロース 化学分析用微結晶粉末セルロース

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 トリホリン標準品 本品は、トリホリン99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮し、その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びベンゼン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ベンゼン層を分取する。残つた水層についても、ベンゼン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ベンゼン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをベンゼン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、活性炭及びセルロースの混合物(1:9)2gをアセトンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをアセトンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(1:9)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲル10gをアセトン及びヘキサンの混液(1:9)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(1:9)150ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(3:7)100mlで展開し、初めの溶出液150mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びメタノールの混液(1:1)を加えて溶かし、20mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 170~190℃

 試料気化室温度 240~280℃

 検出器 至適電圧を与え、280~300℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、トリホリンが約3分で流出するように流速を調整する。

 感度 トリホリンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 トリホリン標準品の100mg/Lメタノール溶液を調製し、これを使用時にメタノール及び酢酸エチルの混液(1:1)で希釈し、0.025~0.5mg/Lの溶液を数点調製し、それぞれ4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてトリホリンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりトリホリンの重量を求め、これに基づき、検体中のトリホリンの濃度を算出する。

 (135) 削除

 (136) ブプロフェジン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ブプロフェジン標準品 本品は、ブプロフェジン99%以上を含み、融点は104~105.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米及び麦・雑穀の場合)

1) 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2) この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いでヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに分取し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとする。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液の5mlを分取して流し入れ、ヘキサン15ml、次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を捨てる。続いてヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)30mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(果実及び野菜の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。以下、この濃縮液についてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとする。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液の1ml(ナッツ類の場合は2ml)を分取して流し入れ、ヘキサン15ml、次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を捨てる。続いてヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)30mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

C法(茶の場合)

 試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとする。
 これの40mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で4mlに濃縮する。この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いでヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトン50mlを加えて溶かし、凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、塩化ナトリウム5g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15ml、次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を捨てる。続いてヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)30mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 試料導入部温度 250℃

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、ブプロフェジンが約4分で流出するように流量を調製するとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ブプロフェジンの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ブプロフェジン標準品の0.02~0.4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってブプロフェジンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブプロフェジンの重量を求め、これに基づき、検体中のブプロフェジンの濃度を算出する。

 (137) 削除

 (138) ノニルフェノールスルホン酸銅試験法

ア 装置 分光光度計を用いる。

イ 試薬試液

 エタノール エタノール(特級)

 クロロホルム クロロホルム(特級)

 テトラヒドロフラン テトラヒドロフラン(純度99%以上のもの)

 メタノール メタノール(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 四ホウ酸ナトリウム 四ホウ酸ナトリウム十水塩(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メチレンブルー メチレンブルー二水塩、三水塩又は四水塩(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 アルカリ性四ホウ酸ナトリウム溶液 四ホウ酸ナトリウム9.54gを蒸留水に溶かした後、蒸留水で500mlとし、これに4w/v%水酸化ナトリウム溶液50mlを加え、蒸留水で全量を1Lとしたもの

 メチレンブルー溶液 メチレンブルー無水物0.25g相当のメチレンブルーを蒸留水に溶かして1Lとしたもの

 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム標準品 本品は、n―ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム99%以上を含む。

ウ 準備操作

1) 分液漏斗A、分液漏斗B、分液漏斗C及び分液漏斗Dの前処理

 200mlの分液漏斗Aに蒸留水5ml、アルカリ性四ホウ酸ナトリウム溶液10ml及びメチレンブルー溶液50mlを入れる。200mlの分液漏斗Bに蒸留水100ml、アルカリ性四ホウ酸ナトリウム溶液10ml及びメチレンブルー溶液5mlを入れる。200mlの分液漏斗Cに蒸留水50ml、アルカリ性四ホウ酸ナトリウム溶液10ml及びメチレンブルー溶液5mlを入れる。200mlの分液漏斗Dに蒸留水100ml、アルカリ性四ホウ酸ナトリウム溶液10ml及びメチレンブルー溶液5mlを入れる。
 それぞれの分液漏斗にクロロホルム10mlを加え、30秒間激しく振とうし、暫時放置した後、クロロホルム層を分取して捨てる。この操作をクロロホルム層が無色になるまで繰り返した後、分液漏斗B及び分液漏斗Dに0.5mol/L硫酸3mlを加える。
 なお、分液漏斗のコック部分に水層が入らないようにするとともに、脚部がぬれている場合にはろ紙でふきとる。

2) シリカゲルの前処理

 シリカゲルの適当量をはかりとり、その10倍量(重量比)の0.01mol/L塩酸を加え、10分間撹拌した後、蒸留水で洗液が中性になるまで洗浄する。その後、130℃で4時間加熱して乾燥する。

エ 試験溶液の調製

1) 検体50g相当の試料を500mlの分液漏斗にはかりとり、メタノール150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、10%水酸化ナトリウム溶液5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この濃縮液に0.5mol/L硫酸を加えて中和し、さらに蒸留水を加えて100mlとする。この溶液の20mlを分取し、ウ1)の準備操作を行つた分液漏斗Aに入れる。

2) これにクロロホルム10mlを加え、約1分間ゆるやかに振り混ぜ、暫時放置した後、クロロホルム層を分取し、ウ1)の準備操作を行つた分液漏斗Bに移し入れる。これを約1分間ゆるやかに振り混ぜ、暫時放置した後、クロロホルム層を分取し、脱脂綿をつめた漏斗を用いて200mlのナス型フラスコ中にろ過する。

3) 使用した分液漏斗A及び分液漏斗Bを用いて2)と同様の操作を6回繰り返し、全ろ液を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にクロロホルム10mlを加えて溶かす。

4) あらかじめ、ウ2)の準備操作を行つた後、水分を10w/w%含ませたシリカゲル10gをクロロホルムでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをクロロホルムで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、クロロホルム500ml、テトラヒドロフラン400ml次いでエタノール200mlで展開し、初めの溶出液900mlは捨て、次の溶出液200mlを300mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水30mlを加えて溶かし、ウ1)の準備操作を行つた分液漏斗Cに移し入れる。

5) これにクロロホルム10mlを加え、約1分間ゆるやかに振り混ぜ、暫時放置した後、クロロホルム層を分取し、ウ1)の準備操作を行つた分液漏斗Dに移し入れる。これを約1分間ゆるやかに振り混ぜ、暫時放置した後、クロロホルム層を分取し、脱脂綿をつめた漏斗を用いて50mlのメスフラスコ中にろ過する。

6) 使用した分液漏斗C及び分液漏斗Dを用いて5)と同様の操作を繰り返し、全ろ液を50mlのメスフラスコに合わせ、クロロホルムを加えて50mlとして試験溶液とする。

オ 検量線の作成

 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム標準品の10~100mg/Lの溶液を数点調製し、それぞれを1mlずつウ1)の準備操作を行つた分液漏斗Cに入れ、エ5)及び6)と同様の操作を行う。
 それぞれの溶液について、速やかにクロロホルムを対照として分光光度計により波長620nm、650nm及び690nmにおける吸光度を測定し、それぞれA、B及びCとする。次式により補正吸光度を求め、縦軸に補正吸光度、横軸に重量をとつてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの検量線を作成する。

補正吸光度=B-(4A+3C)/7

カ 定量試験

 試験溶液について、クロロホルムを対照として分光光度計により波長620nm、650nm及び690nmにおける吸光度を測定し、オに規定する検量線の作成方法と同様に波長650nmにおける補正吸光度を求め、オの検量線によりドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの重量を求める。これに係数0.95を乗じてノニルフェノールスルホン酸銅の重量に換算し、これに基づき、検体中のノニルフェノールスルホン酸銅の濃度を算出する。

 (139) 削除

 (140) 削除

 (141) 削除

 (142) 削除

 (143) プロベナゾール試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 プロベナゾール標準品 本品は、プロベナゾール98%以上を含み、融点は138~139℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gに水40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いた紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。

2) この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。

4) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)100ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(15:85)100mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(野菜の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cm厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この溶液についてA法の2)と同様の操作を行い、この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の4)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 180~200℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純窒素ガスを用い、プロベナゾールが約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 プロベナゾールの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロベナゾール標準品の0.1~2mg/Lのヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてプロベナゾールの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロベナゾールの重量を求め、これに基づき、検体中のプロベナゾールの濃度を算出する。

 (144) DBEDC試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 アンモニア水 アンモニア水(28%)

 エタノール エタノール(特級)

 クロロホルム クロロホルム(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 メチレンブルー メチレンブルー二水塩、メチレンブルー三水塩又はメチレンブルー四水塩(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 リン酸一ナトリウム リン酸一ナトリウム(特級)

 メチレンブルー溶液 メチレンブルー無水物0.25g相当のメチレンブルー及びリン酸一ナトリウム50gを蒸留水に溶かし、硫酸6.8mlを加え、蒸留水で全量を1Lとし、200mlのクロロホルムで3回分配洗浄した後、使用に供する。

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム DEAシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用DEAシリカゲル(シリカゲルにジエチルアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 DBEDC標準品 本品は、DBEDC99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(麦類の場合は試料10g)を300mlの三角フラスコに量り取り、これに2mol/L水酸化ナトリウム溶液6ml(麦類の場合は0.6mol/L水酸化ナトリウム溶液20ml)及びメタノール150mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液に0.5mol/L硫酸を加えてpHを7に調整した後、少量の蒸留水で100mlのメスシリンダーに移し入れ、水を加えて80mlとし、その20ml(懸濁する場合は、懸濁状態で採取)を200mlの分液漏斗に取る。これにメチレンブルー溶液40ml、次いでクロロホルム50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、クロロホルム層を分取する。残った水層についても、クロロホルム50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全クロロホルム層を、あらかじめ少量のクロロホルムで洗浄した脱脂綿をつめた漏斗を用いて200mlのナス型フラスコ中にろ過する。クロロホルム20mlで漏斗を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にクロロホルム10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で16時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをクロロホルムでクロマト管(内径1.5~2cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、クロロホルム100ml、次いでアセトン及びクロロホルムの混液(1:1)200mlで展開し、これらの流出液を捨てる。次いでアセトン及びメタノールの混液(1:1)70mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、DEAシリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、メタノール1mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール及びアンモニア水の混液(49:1)10mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン、エタノール及び硫酸の混液(80:20:0.01)を加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 ヘキサン、エタノール及び硫酸の混液(80:20:0.01)を用い、DBEDCが5~10分で流出するように流速を調整する。

 検出器 励起波長225nm、けい光波長295nmで測定する。

 感度 DBEDCの8ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 DBEDC標準品をエタノールに溶解し、ヘキサン、エタノール及び硫酸の混液(80:20:0.01)で希釈し、0.2~4mg/L溶液を数点調製し、それぞれ40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってDBEDCの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりDBEDCの重量を求め、これに基づき、検体中のDBEDCの濃度を算出する。

 (145) 削除

 (146) スルプロホス試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、炎光光度型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 過マンガン酸カリウム 過マンガン酸カリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 硫酸マグネシウム 硫酸マグネシウム七水塩(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフイー用シリコン

 スルプロホス標準品 本品は、スルプロホス99%以上を含み、沸点は155~158℃(13.3Pa)である。

 O―エチル O―4―メチルチオフェニル S―プロピル ホスホロチオラート(以下、「スルプロホスオキソン」という。)標準品 本品は、スルプロホスオキソン98%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

1) 試料20gを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びベンゼンの混液(1:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びベンゼンの混液(1:1)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びベンゼンの混液(1:1)100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。

2) この溶液に20%硫酸マグネシウム溶液5ml及び1.6%過マンガン酸カリウム溶液20mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、少量の蒸留水及びジクロロメタン50mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 210~230℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして、アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器の場合は高純度窒素ガス、炎光光度型検出器の場合は窒素ガスを用い、スルプロホスオキソンのスルホンが2~3分、スルプロホスのスルホンが4~5分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 スルプロホス及びスルプロホスオキソンのそれぞれ0.8ngから誘導されるスルプロホスのスルホン及びスルプロホスオキソンのスルホンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 スルプロホス標準品及びスルプロホスオキソン標準品の0.4~8mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれについて、その2mlを100mlのナス型フラスコにとり、この溶液について、ウの2)と同様の操作を行つた後、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてスルプロホス及びスルプロホスオキソンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりスルプロホス及びスルプロホスオキソンの重量を求める。このスルプロホスの重量の値と、スルプロホスオキソンの重量の値に係数1.05を乗じてスルプロホスに換算したものとを和し、これに基づき、検体中のスルプロホスの濃度を算出する。

 (147) イソウロン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ジメチルスルホキシド ジメチルスルホキシド(水分0.1%以下のもの)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 ヨウ化エチル ヨウ化エチル(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 カリウムtert―ブチラート カリウムtert―ブチラート(純度97%以上のもの)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 アルミナ カラムクロマトグラフィー用アルミナ(塩基性)

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 イソウロン標準品 本品は、イソウロン99%以上を含み、融点は119~120℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 試料20gを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン50mlを加えて溶かす。
 この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したアルミナ5gを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)でクロマト管(内径1cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50ml次いで酢酸エチル50mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液50mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヨウ化エチル及びベンゼンの混液(1:1)0.2mlを加えて溶かす。

2) この溶液にカリウムtert―ブチラート50mgを懸濁させたジメチルスルホキシド1mlを加え、栓をしてクランプを付し、ときどき振り混ぜながら55℃で2時間放置する。冷後、この溶液を蒸留水30ml及びヘキサン30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 160~180℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、3―(5―tert―ブチル―3―イソオキサゾリル)―3―エチル―1,1―ジメチル尿素(以下、「イソウロンエチル化物」という。)が約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 イソウロンの0.1ngから誘導されるイソウロンエチル化物の相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 イソウロン標準品の0.1~2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれについて、その1mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヨウ化エチル及びベンゼンの混液(1:1)0.2mlを加えて溶かし、以下、この溶液についてウの2)と同様の操作を行つた後、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてイソウロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりイソウロンの重量を求め、これに基づき、検体中のイソウロンの濃度を算出する。

 (148) ピロキロン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ポリエチレングリコール20M ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール20M

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ピロキロン標準品 本品は、ピロキロン99%以上を含み、融点は112℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料20gに水40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン10mlを加えて溶かす。
 この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:5)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(15:85)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(15:85)150mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してポリエチレングリコール20Mを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 200~210℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250~280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ピロキロンが約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ピロキロンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ピロキロン標準品の0.05~1mg/Lのヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってピロキロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピロキロンの重量を求め、これに基づき、検体中のピロキロンの濃度を算出する。
 (149) 削除

 (150) 削除

 (151) 削除

 (152) 削除

 (153) 削除

 (154) メチルイソチオシアネート試験法

ア 装置 炎光光度型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ及び蒸留装置(別図に掲げる構成のもの)を用いる。

イ 試薬試液

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 シリコン 消泡用シリコン

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 液相分離ろ紙 化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ポリエチレングリコール ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール

 メチルイソチオシアネート標準品 本品は、メチルイソチオシアネート99%以上を含み、融点は35~36℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜、いも類及び抹茶の場合)

1) 検体100g相当の試料(いも類の場合は検体50g相当の試料、抹茶の場合は試料25g)を蒸留装置の丸底フラスコにはかりとり、蒸留水500ml、シリコン約1ml及び酢酸エチル10mlを加え、40分間加熱還流する。

2) 終了後、トラップ(別図の[1])の部分の水及び酢酸エチルを100mlの分液漏斗にとり、塩化ナトリウム15gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取し、液相分離ろ紙を用いてろ過し試験溶液とする。

B法(茶(抹茶を除く。)の場合)

 試料12gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水720mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その600mlを蒸留装置の丸底フラスコにはかりとり、酢酸エチル5mlを加え、40分間加熱還流する。以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してポリエチレングリコールを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 130~140℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして、炎光光度型検出器の場合は窒素ガス、高感度窒素・リン検出器の場合は高純度窒素ガスを用い、メチルイソチオシアネートが3~4分で流出するように流速を調整するとともに水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メチルイソチオシアネートの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メチルイソチオシアネート標準品の0.1~1mg/Lの酢酸エチル溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってメチルイソチオシアネートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメチルイソチオシアネートの重量を求め、これに基づき検体中のメチルイソチオシアネートの濃度を算出する。

(別図)蒸留装置の一例

 (155) 削除

 (156) 削除

 (157) ヘキシチアゾクス試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するヘキシチアゾクスの試験法による。

 (158) ペンシクロン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するペンシクロンの試験法による。

 (159) 削除

 (160) ベンスルタップ試験法

ア 装置 炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 アンモニア水 アンモニア水(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩化ニッケル 塩化ニッケル(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 L―システイン L―システイン一塩酸塩(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 アルミナ カラムクロマトグラフィー用アルミナ(中性)

 ポリエチレングリコール ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ネライストキシンシュウ酸塩標準品 本品は、ネライストキシンシュウ酸塩99%以上を含み、融点は168~170℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gを300mlの分液漏斗にはかりとり、L―システインを1%含む0.02mol/L塩酸100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してL―システインを1%含む0.02mol/L塩酸100mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返し、全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせる。この溶液に2%塩化ニッケル溶液5ml及びアンモニア水5mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうする。

2) その溶液にジクロロメタン100mlを加え、1分間ゆるやかに振り混ぜ、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振り混ぜ及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で50mlに濃縮する。この溶液を100mlのナス型フラスコに移し、使用した300mlのナス型フラスコをジクロロメタン10mlで洗い、その洗液を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で1mlに濃縮する。

3) その溶液を20mlの目盛付きすり合わせ試験管に移し、使用したナス型フラスコをメタノール4mlで洗い、その洗液を試験管に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で濃縮し、2mlとして試験溶液とする。

B法(麦・雑穀及び野菜の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、A法の1)及び2)と同様の操作を行つた後、室温で穏やかに窒素ガスを通じて溶媒を留去する。この残留物に凝固液50mlを加えて溶かし、ケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にアンモニア水5mlを加えてpHを10に調整し、ジクロロメタン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で1mlに濃縮した後、室温で穏やかに窒素ガスを通じて溶媒を留去する。この残留物にジクロロメタン及びヘキサンの混液(2:8)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化した後水分を6w/w%含ませたアルミナ5gをジクロロメタン及びヘキサンの混液(2:8)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ジクロロメタン及びヘキサンの混液(2:8)20ml次いでジクロロメタン及びヘキサンの混液(1:1)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で1mlに濃縮する。以下、この溶液についてA法の3)と同様の操作を行う。

C法(まっ茶の場合)

1) 試料5gを300mlの分液漏斗にはかりとり、A法の1)と同様の操作を行う。

2) その溶液に塩化ナトリウム100g及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で50mlに濃縮する。この溶液を100mlのナス型フラスコに移し、使用した300mlのナス型フラスコをヘキサン10mlで洗い、その洗液を100mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて30℃以下で1mlに濃縮する。以下、この溶液についてA法の3)と同様の操作を行う。

D法(茶(まっ茶を除く。)の場合)

 試料10gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水600mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その300mlを500mlの分液漏斗に移し、L―システイン3g及び2mol/L塩酸3mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。この溶液に2%塩化ニッケル溶液5ml及びアンモニア水5mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうする。以下、この溶液についてC法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してポリエチレングリコールを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ50~100cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 140~170℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして窒素ガスを用い、ネライストキシンが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ネライストキシンシュウ酸塩1ngから誘導されるネライストキシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ネライストキシンシュウ酸塩標準品の0.1~1mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてネライストキシンシュウ酸塩の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から10μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりネライストキシンシュウ酸塩の重量を求め、この重量の値に係数1.8を乗じてベンスルタップの重量に換算し、これに基づき、検体中のベンスルタップの濃度を算出する。

 (161) 削除

 (162) フェノチオカルブ試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、炎光光度型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 フェノチオカルブ標準品 本品は、フェノチオカルブ99%以上を含み、融点は44~45℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体50g相当の試料(なつみかんの外果皮の場合は検体20g相当の試料)を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。
 その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)150mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 190~220℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとしてアルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器の場合は高純度窒素ガス、炎光光度型検出器の場合は窒素ガスを用い、フェノチオカルブが約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 フェノチオカルブの2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フェノチオカルブ標準品の0.5~5mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてフェノチオカルブの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフェノチオカルブの重量を求め、これに基づき、検体中のフェノチオカルブの濃度を算出する。

 (163) 削除

 (164) 削除

 (165) 削除

 (166) エテホン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 トリメチルシリルジアゾメタン溶液 トリメチルシリルジアゾメタンを約10%含むヘキサン溶液

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 硫酸マグネシウム 硫酸マグネシウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 エテホン標準品 本品は、エテホン99%以上を含み、融点は74~75℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(麦・雑穀の場合)

1) 試料20gを300mlの三角フラスコに量り取り、塩酸1ml、酢酸エチル100ml、硫酸マグネシウム20g及び無水硫酸ナトリウム10gを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。

2) ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻して酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を合わせ、酢酸エチルを加えて200mlとする。この溶液の20mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及び酢酸の混液(99:1)1mlを加えて溶かす。

3) この溶液にトリメチルシリルジアゾメタン溶液1mlを加え、室温で30分間放置した後、アセトン及びジエチレングリコールの混液(99:1)1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

4) この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムに酢酸エチル5ml及びヘキサン5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(4:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、アセトン及びジエチレングリコールの混液(99:1)1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(果実及び野菜の場合)

 検体に対してその20g当たり塩酸1mlを加えて磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、酢酸エチル100ml、硫酸マグネシウム20g及び無水硫酸ナトリウム60gを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とう後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。以下、この残留物についてA法の2)、3)及び4)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 エテホンの0.02ngから誘導されるO,O―ジメチル―2―クロロエチル ホスホナートの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 エテホン標準品の100mg/Lアセトン溶液を調製し、その1mlを100mlの三角フラスコに取り、酢酸0.01mlを加える。この溶液についてウのA法の3)と同様の操作を行い、その残留物にアセトンを加えて溶かし、50mlとする。この溶液をアセトンで希釈して0.01~0.2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエテホンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりエテホンの重量を求め、これに基づき、検体中のエテホンの濃度を算出する。

 (167) 削除

 (168) 削除

 (169) ブロモブチド試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ポリエチレングリコール20M ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール20M

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ブロモブチド標準品 本品は、ブロモブチド99%以上を含み、融点は182.5~183.5℃である。

 (RS)―N―(α,α―ジメチルベンジル)―3,3―ジメチルブチルアミド(以下「ブロモブチド脱臭素体」という。)標準品 本品は、ブロモブチド脱臭素体99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 試料20gに水40mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。
 その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。
 その溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:3)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、10%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、ときどき振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(3:97)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(3:97)110ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(17:83)40mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液60ml及び40mlをそれぞれ200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、初めの溶出液は4mlとしてブロモブチドの試験溶液とし、後の溶出液は4mlとしてブロモブチド脱臭素体の試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してポリエチレングリコール20Mを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 ブロモブチドの場合は170℃、ブロモブチド脱臭素体の場合は155℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ブロモブチド又はブロモブチド脱臭素体が約4分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体のそれぞれ0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ブロモブチド標準品及びブロモブチド脱臭素体標準品のそれぞれについて0.05~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 ブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体の試験溶液からそれぞれ4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブロモブチド及びブロモブチド脱臭素体の重量を求める。このブロモブチドの重量の値とブロモブチド脱臭素体の重量の値に係数1.34を乗じてブロモブチドに換算したものとを和し、これに基づき、検体中のブロモブチドの濃度を算出する。

 (170) プロフェノホス試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、炎光光度型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 プロフェノホス標準品 本品は、プロフェノホス99%以上を含み、沸点は110℃(0.133Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

A法(いも類及びてんさいの場合)

1) 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。

2) その濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。

3) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル5gをエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)50ml次いでエチルエーテル及びヘキサンの混液(3:7)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(抹茶の場合)

 試料10gに水20mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。
 その溶液にアセトン50ml、凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えてゆるやかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様のろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の3)と同様の操作を行う。

C法(茶(抹茶を除く。)の場合)

 試料10gを1Lの三角フラスコに量り取り、100℃の水600mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その300mlを1Lの分液漏斗に移し、塩化ナトリウム5g、アセトン100ml及びヘキサン100mlを加え、5分間ゆるやかに振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の3)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理をしたものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 240~260℃

 試料気化室温度 270℃

 検出器温度 300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとしてアルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器の場合は高純度窒素ガス、炎光光度型検出器の場合は窒素ガスを用い、プロフェノホスが約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 プロフェノホスの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロフェノホス標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプロフェノホスの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロフェノホスの重量を求め、これに基づき、検体中のプロフェノホスの濃度を算出する。

 (171) 削除

 (172) ベンフラカルブ試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム・十二水塩(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 1/15mol/Lリン酸緩衝液 1/15mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液に1/15mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpH8に調整したもの

 ベンフラカルブ標準品 本品は、ベンフラカルブ98%以上を含む。

 2,3―ジヒドロ―2,2―ジメチル―7―ベンゾフラニル N―メチルカルバマート(以下、「カルボフラン」という。)標準品 本品は、カルボフラン97.5%以上を含み、融点は153~154℃である。

 2,3―ジヒドロ―2,2―ジメチル―3―ヒドロキシ―7―ベンゾフラニル N―メチルカルバマート(以下、「3―ヒドロキシカルボフラン」という。)標準品 本品は、3―ヒドロキシカルボフラン99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 I ベンフラカルブ及びカルボフランの試験溶液の調製

A法(米及び豆類の場合)

1) 試料20gを300mlの分液漏斗に量り取り、1/15mol/Lリン酸緩衝液40mlを加えて2時間放置する。これにメタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。

2) あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の濃縮液を流し入れ、蒸留水10ml、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)5mlを流し、流出液を捨てた後、約10分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)10ml、次いでアセトニトリル7mlで展開し、初めの溶出液10mlを100mlのナス型フラスコに取り、カルボフラン溶出液とする。さらに、次の溶出液7mlを100mlのナス型フラスコに取り、ベンフラカルブ溶出液とする。それぞれ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 ベンフラカルブ溶出液の残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとしてベンフラカルブの試験溶液とする。
 カルボフラン溶出液の残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)7mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)5ml、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)15mlで展開し、初めの溶出液5mlは捨て、次の溶出液15mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとしてカルボフランの試験溶液とする。

B法(果実、野菜、いも類及びさとうきびの場合)

 検体に対し等重量の1/15mol/Lリン酸緩衝液を加えて磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、メタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。以下、この濃縮液についてA法の2)と同様の操作を行う。

 II 3―ヒドロキシカルボフランの試験溶液の調製

A法(米及び豆類の場合)

1) 試料20gを300mlの丸底フラスコに量り取り、0.37mol/L塩酸100ml及び蒸留水20mlを加え、還流冷却器を付けて1時間加熱する。終了後、冷却器を少量の蒸留水で洗い、洗液を丸底フラスコに合わせて冷却する。これをガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、0.25mol/L塩酸50mlで洗う。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせる。

2) これに塩化ナトリウム50g及び酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物を酢酸エチル20mlで洗い、吸引ろ過する。全ろ液をもとの分液漏斗に戻し、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲル10gをヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)100ml、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)50ml、次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)100mlで展開し、初めの溶出液150mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜、いも類及びさとうきびの場合)

 検体に対し等重量の1/15mol/Lリン酸緩衝液を加えて磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlの丸底フラスコに量り取り、0.37mol/L塩酸100ml及び蒸留水20mlを加え、還流冷却器を付けて1時間加熱する。終了後、冷却器を少量の蒸留水で洗い、洗液を丸底フラスコに合わせて冷却する。これをガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、0.25mol/L塩酸50mlで洗う。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせる。以下、このろ液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ベンフラカルブ、カルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランのそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ベンフラカルブ標準品、カルボフラン標準品及び3―ヒドロキシカルボフラン標準品のそれぞれ0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンフラカルブ、カルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液からそれぞれ2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンフラカルブ、カルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランの重量を求める。このベンフラカルブの重量の値とカルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランの重量の値にそれぞれ係数1.85及び1.73を乗じてベンフラカルブの重量に換算したものとを和し、これに基づき、検体中のベンフラカルブの濃度を算出する。

 (173)及び(174) 削除

 (175) メタラキシル試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 硝酸銀 硝酸銀(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 アルミナ カラムクロマトグラフィー用アルミナ(中性)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 硝酸銀アルミナ あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化した後、水分を15W/W%含ませたアルミナに粉砕した硝酸銀を10W/W%となるように加えて十分混ぜ合わせたもの。使用時に調製する。

 メタラキシル標準品 本品は、メタラキシル99%以上含み、融点は71~72℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、豆類及びさとうきびの場合)

1) 検体20g相当の試料(米及び豆類の場合は試料20gに水40mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。

2) この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にアセトン20mlを加えて溶かし、凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液及びアセトンの混液(5:2)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にジクロロメタン及びアセトン混液(17:3)10mlを加えて溶かす。

4) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをジクロロメタン及びアセトンの混液(17:3)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ジクロロメタン及びアセトンの混液(17:3)40ml、次いでジクロロメタン及びアセトンの混液(7:3)80mlで展開し、初めの溶出液40mlは捨て、次の溶出液80mlを200mlナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

5) この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜及びいも類の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この濃縮液についてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にジクロロメタン及びアセトンの混液(17:3)10mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の4)及び5)と同様の操作を行う。

C法(ホップの場合)

 試料5gを300mlの分液漏斗に量り取り、A法の1)、2)、3)及び4)と同様の操作を行い、その残留物にヘキサン及びエチルエーテルの混液(17:3)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、硝酸銀アルミナ5gをヘキサン及びエチルエーテルの混液(17:3)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びエチルエーテルの混液(17:3)50ml、次いでヘキサン及びエチルエーテルの混液(7:3)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、20mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 180~200℃

 試料導入部温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、メタラキシルが約3分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メタラキシルの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メタラキシル標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメタラキシルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメタラキシルの重量を求め、これに基づき、検体中のメタラキシルの濃度を算出する。

 (176) オキサジキシル試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 オキサジキシル標準品 本品は、オキサジキシル99%以上を含み、融点は104~105℃である。

ウ 試験溶液の調製

 果実、野菜及びいも類の場合は、検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとる。豆類の場合は、試料20gを300mlの分液漏斗にはかりとり、水40mlを加えて2時間放置する。これに、アセトン200mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。この水層にジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についてもジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(3:7)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをアセトン及びヘキサンの混液(3:7)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(3:7)30ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(1:1)50mlで展開し、初めの溶出液30mlは捨て、次の溶出液50mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、8mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~4mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 220~240℃

 試料気化室温度 250~280℃

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、オキサジキシルが約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 オキサジキシルの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 オキサジキシル標準品の0.025~0.5mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてオキサジキシルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキサジキシルの重量を求め、これに基づき、検体中のオキサジキシルの濃度を算出する。

 (177) 削除

 (178) フルアジホップ又はフルアジホップP試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するフルアジホップの試験法による。

 (179) 削除

 (180) 削除

 (181) アシュラム試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ及びメチル化装置((66)アイオキシニル試験法の別図に掲げる構成のもの)を用いる。

イ 試薬試液

 エタノール エタノール(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド(純度98%以上のもの)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム5g及びリン酸10mlを蒸留水に溶かし100mlとしたもの

 メチル化試薬 水酸化カリウム6gに水及びエタノールの混液(2:7)45mlを加えたもの10mlをジアゾメタン発生管にとった上、使用の直前にN―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミドの2%ジエチルエーテル溶液を加えたもの

 メチル 4―アミノフェニルスルホニルカルバマート(以下「アシュラム酸」という。)標準品 本品は、アシュラム酸99%以上を含み、融点は143~144℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、メタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この溶液に1mol/L塩酸を加えてpHを2~3に調整し、凝固液5ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを蒸留水で10倍に希釈した凝固液25mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、酢酸エチル30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全酢酸エチル層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、メチル化装置の反応管にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液を同反応管に合わせる。
 この反応管をジアゾメタン発生管に接続した上、窒素ガスを穏やかに通じて反応させる。ジアゾメタンが過剰になり微黄色を呈するまで通気した反応液を25~30℃で15分間放置した後、300mlのナス型フラスコに移し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)80mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液60mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノールを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ30~50cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 200~230℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、N―メチル―N―メトキシカルボニルスルファニルアミドが約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 アシュラム酸の0.4ngから誘導されるN―メチル―N―メトキシカルボニルスルファニルアミドの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 アシュラム酸標準品の100mg/Lメタノール溶液を調製し、その1mlをメチル化装置の反応管に移し、酢酸エチル100mlを加えてジアゾメタン発生管に接続した上、窒素ガスを穏やかに通じて反応させる。ジアゾメタンが過剰になり微黄色を呈するまで通気した反応液を25~30℃で15分間放置した後、300mlのナス型フラスコに移し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール10mlを加えて溶かす。この溶液をメタノールで希釈し0.1~3mg/Lの溶液を数点調製し、それぞれ4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってアシュラム酸の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりアシュラム酸の重量を求め、これに基づき、検体中のアシュラム酸の濃度を算出する。

 (182) 削除

 (183) 削除

 (184) エトフェンプロックス試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するエトフェンプロックスの試験法による。

 (185) シクロプロトリン試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン、エチルエーテル及びヘキサン それぞれ300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 シクロプロトリン標準品 本品は、シクロプロトリン99%以上を含み、沸点は140~145℃(0.133Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、果実及び豆類の場合)

1) 米及び豆類の場合は、試料20gを300mlの分液漏斗にはかりとり、水40mlを加えて2時間放置する。果実の場合は、検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとる。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分収する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これに、ナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)50ml、次いでエチルエーテル及びヘキサンの混液(30:70)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、20mlとして試験溶液とする。

B法(抹茶の場合)

 試料5gを300mlの分液漏斗にはかりとり、水10mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。
 この溶液にアセトン30ml、凝固液20ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコ中をヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かし、以下、この溶液について、A法の2)と同様の操作を行う。

C法(茶(抹茶を除く。)の場合)

 試料6gを500mlの三角フラスコにはかりとり、100℃の水360mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その300mlを500mlの三角フラスコに移し、飽和酢酸鉛溶液2mlを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコをアセトン50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を1Lの分液漏斗に合わせ、塩化ナトリウム20g及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうした後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かし、以下、この溶液について、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ30~50cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 230~250℃

 試料気化室温度 250~270℃

 検出器 至適電圧を与え、250~270℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、シクロプロトリンが約3分で流出するように流速を調整する。

 感度 シクロプロトリンの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 シクロプロトリン標準品の0.01~0.2mg/Lのアセトン溶液を数点調製し、それぞれ4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってシクロプロトリンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりシクロプロトリンの重量を求め、これに基づき、検体中のシクロプロトリンの濃度を算出する。

 (186)から(188)まで 削除

 (189) 削除

 (190) ブロマシル試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ブロマシル標準品 本品は、ブロマシル98%以上を含み、融点は158~159℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100ml及び2%水酸化ナトリウム溶液50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及び酢酸エチル100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、6mol/L塩酸10mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残つた水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム40gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物を2%水酸化ナトリウム溶液50mlに溶かし、200mlの分液漏斗に移し、ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。
 この水層に6mol/L塩酸10ml及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残つた水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの分液漏斗に合わせ、1%炭酸水素ナトリウム溶液50mlを加え、約10秒間軽く振り混ぜる。分液後直ちに酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに分取し、無水硫酸ナトリウム40gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gをアセトン及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(5:95)100ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(15:85)150mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液150mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3~4mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 200~220℃

 試料気化室温度 280~300℃

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、ブロマシルが約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ブロマシルの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ブロマシル標準品の0.05~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてブロマシルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりブロマシルの重量を求め、これに基づき、検体中のブロマシルの濃度を算出する。

 (191) ベンゾフェナップ試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 ベンゾフェナップ標準品 本品は、ベンゾフェナップ99%以上を含み、融点は133℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体10gに水20mlを加えて2時間放置したものを300mlの分液漏斗にはかりとり、メタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液を3%塩化ナトリウム溶液150ml及びジクロロメタン50mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの分液漏斗に合わせ、塩化ナトリウムを3%含む0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液150mlを加え、10秒間緩やかに振り混ぜ、暫時放置した後、ジクロロメタン層を別の500mlの分液漏斗に分取する。このジクロロメタン層に3%塩化ナトリウム溶液150mlを加え、3分間緩やかに振り混ぜ、暫時放置する。ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに分取し、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についてもヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせアセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(1:9)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをアセトン及びヘキサンの混液(1:9)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(1:9)70mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液50mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノールを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(65:35)を用い、ベンゾフェナップが12~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 液長260nmで測定する。

 感度 ベンゾフェナップの0.5ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ベンゾフェナップ標準品の0.05~2mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてベンゾフェナップの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から10μlをとり、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンゾフェナップの重量を求め、これに基づき、検体中のベンゾフェナップの濃度を算出する。

 (192) 削除

 (193) ジクロルプロップ試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン、エチルエーテル及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該ピークが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 ジクロロメタン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて濃縮、乾固し、残留物をヘキサン5mlに溶かし、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該ピークが示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 ピリジン ピリジン(特級)

 N,N′―ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下、「DCC」という)

 2,2,2―トリクロロエタノール 2,2,2―トリクロロエタノール(純度99%以上のもの)

 塩酸 塩酸(特級)

 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ジクロルプロップ標準品 本品は、ジクロルプロップ99%以上を含み、融点は118~119℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、アセトン100ml及び6mol/L塩酸5mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返し、全ろ液にアセトンを加え200ml定容とする。この溶液の10mlを200mlの分液漏斗に分取し、0.5mol/L塩酸50ml及びエチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。残つた水層についても、エチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。
 全エチルエーテル層を300mlの分液漏斗に合わせ、2%炭酸水素ナトリウム溶液50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。残つたエチルエーテル層についても、2%炭酸水素ナトリウム溶液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全水層を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を捨てる。残つた水層に6mol/L塩酸を加え、pHを1に調整した後、エチルエーテル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、エチルエーテル層を分取する。残つた水層についても、エチルエーテル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全エチルエーテル層を300mlの三角フラスコに合わせ、ヘキサン50ml及び無水硫酸ナトリウム50gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをエチルエーテル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物に2%DCCピリジン溶液0.2ml及び2,2,2―トリクロロエタノール0.5mlを加え、密栓をして60℃で1時間加熱した後、放冷する。この溶液をヘキサン30mlで200mlの分液漏斗に移し入れ、2%炭酸水素ナトリウム溶液30mlを加え、1分間緩やかに振り混ぜ、分液後直ちに水層を捨てる。残つたヘキサン層に0.2mol/L塩酸30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を捨てる。残つたヘキサン層に蒸留水30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を100mlの三角フラスコに移し、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(2:98)5mlを加えて溶かす。

3) あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(2:98)70ml次いでエチルエーテル及びヘキサンの混液(15:85)70mlで展開し、初めの溶出液70mlは捨て、次の溶出液70mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにヘキサンを加えて溶かし、40mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 190~220℃

 試料気化室温度 250~280℃

 検出器 至適電圧を与え、280~300℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、2,2,2―トリクロロエチル 2―(2,4―ジクロロフェノキシ)プロピオナートが約5分で流出するように流量を調整する。

 感度 ジクロルプロップ0.004ngから誘導される2,2,2―トリクロロエチル 2―(2,4―ジクロロフェノキシ)プロピオナートの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジクロルプロップ標準品の10mg/Lアセトン溶液を調製し、その1mlを20mlの共栓付試験管にとり、室温で窒素ガスを通じて溶媒を留去する。この残留物についてウの2)と同様の操作を行い、残留物をヘキサン50mlに溶かす。この溶液をヘキサンで希釈し、0.001~0.01mg/Lの溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてジクロルプロップの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジクロルプロップの重量を求め、これに基づき、検体中のジクロルプロップの濃度を算出する。

 (194)及び(195) 削除

 (196)及び(197) 削除

 (198) 削除

 (199) メトラクロール試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するメトラクロールの試験法による。

 (200) ブタミホス試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するブタミホスの試験法による。

 (201) 削除

 (202) 削除

 (203) クロメプロップ試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ及びメチル化装置((66)アイオキシニル試験法の別図(以下(203)において「別図」という。)に掲げる構成のもの)を用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、ジエチルエーテル及びヘキサン それぞれ、300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 ジクロロメタン 300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて濃縮、乾固し、残留物をヘキサン5mlに溶かし、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩酸 塩酸(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ジエチレングリコールモノエチルエーテル ジエチレングリコールモノエチルエーテル(純度98%以上のもの)

 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)

 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 塩化ナトリウム・炭酸水素ナトリウム溶液 塩化ナトリウム50g及び炭酸水素ナトリウム10gを蒸留水に溶かして1Lとしたもの

 N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド(純度98%以上のもの)

 ジアゾメタンジエチルエーテル溶液 本品は、以下の操作により用時調製したものであり、黄色を呈する。

 メチル化装置のジエチルエーテル管(別図の(I))にジエチルエーテル5mlを、ジアゾメタン発生管(別図の(II))にジエチレングリコールモノエチルエーテル4ml及び10mol/L水酸化カリウム溶液2mlを、反応管(別図の(Ⅲ))にジエチルエーテル50mlをそれぞれ入れる。N―メチル―N―ニトロソ―4―トルエンスルホン酸アミド2gをジエチルエーテル5mlに溶かしてジアゾメタン発生管に入れ、窒素ガスを5分間穏やかに通じて反応させた後の反応管の内容液をとつたもの。

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 クロメプロップ標準品 本品は、クロメプロップ99%以上を含み、融点は146~147℃である。

 2―(2,4―ジクロロ―m―トリルオキシ)プロピオン酸(以下「クロメプロップ酸」という。)標準品 本品は、クロメプロップ酸99%以上を含み、融点は142~144℃である。

ウ 試験溶液の調製

 I クロメプロップの試験溶液の調製

 試料10gを300mlの分液漏斗にはかりとり、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。その濃縮液を10%塩化ナトリウム溶液50ml及びヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残つた水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gを酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(5:95)50ml次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:9)50mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液50mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

 II クロメプロップ酸の試験溶液の調製

 試料10gを300mlの分液漏斗にはかりとり、水20mlを加えて2時間放置する。これに1mol/L塩酸4ml及びアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。その濃縮液を10%塩化ナトリウム溶液50ml及びジクロロメタン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残つたヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせの減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物をジクロロメタン50ml及び塩化ナトリウム・炭酸水素ナトリウム溶液50mlを用いて200mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。残つたジクロロメタン層についても、塩化ナトリウム・炭酸水素ナトリウム溶液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全水層を200mlの分液漏斗に合わせ、6mol/L塩酸3ml及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残つた水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にジアゾメタンジエチルエーテル溶液を黄色が残るまで加え、栓をして1時間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:99)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム10gを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:99)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これに反応管中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:99)50ml次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:97)80mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液80mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:99)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル5gを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:99)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:99)50ml次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:97)80mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液80mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗つた後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを3~5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度   180~200℃

 試料気化室温度 250~270℃

 検出器 至適電圧を与え、250~270℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、クロメプロップ又は2―(2,3―ジクロロ―m―トリルオキシ)プロピオン酸メチル(以下「クロメプロップ酸メチル」という。)が約3分で流出するように流量を調整する。

 感度 クロメプロップの定量に当たつては、クロメプロップの0.04ng、クロメプロップ酸の定量に当たつては、クロメプロップ酸の0.04ngから誘導されるクロメプロップ酸メチルの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 クロメプロップ標準品の0.01~0.2mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてクロメプロップの検量線を作成する。
 クロメプロップ酸標準品の100mg/Lアセトン溶液を調製し、その1mlを100mlのナス型フラスコにとり、室温で窒素ガスを穏やかに通じて溶媒を留去する。この残留物にジアゾメタンジエチルエーテル溶液を黄色が残るまで加え、栓をして1時間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし10mlとする。この溶液をヘキサンで希釈して0.01~0.2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとつてクロメプロップ酸の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりそれぞれクロメプロップ及びクロメプロップ酸の重量を求める。このクロメプロップの重量の値と、クロメプロップ酸の重量の値に係数1.30を乗じてクロメプロップに換算したものとを和し、これに基づき、検体中のクロメプロップの濃度を算出する。

 (204) 削除

 (205) 削除

 (206) 削除

 (207) チオジカルブ試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 酢酸鉛 酢酸鉛(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 メチル チオアセトヒドロキサマート標準品 本品は、メチル チオアセトヒドロキサマート98%以上を含み、融点は93.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、果実、野菜、いも類、豆類及びてんさいの場合)

1) 検体20g相当の試料(米及び豆類の場合は、試料20gに水40mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。
 この濃縮液を蒸留水50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れる。これに0.5mol/L硫酸5ml、塩化ナトリウム20g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。

2) この水層に酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全酢酸エチル層を500mlのナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物に4mol/L水酸化ナトリウム溶液20mlを加えて溶かし、空冷管を付して85℃の湯浴上で30分間加熱する。冷後、0.5mol/L硫酸100mlを加え、酢酸エチル100mlで300mlの分液漏斗に移す。これを振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(茶の場合)

 試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で30mlに濃縮する。
 この濃縮液に蒸留水50ml及び飽和酢酸鉛溶液2mlを加え、軽く10秒間振り混ぜた後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、0.5mol/L硫酸5ml、塩化ナトリウム30g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。以下、これについてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にアセトンを加えて溶かし、20mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にポリエチレングリコールを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃。

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メチル チオアセトヒドロキサマートの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メチル チオアセトヒドロキサマート標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメチル チオアセトヒドロキサマートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメチル チオアセトヒドロキサマートの重量を求め、これに係数1.69を乗じてチオジカルブの重量に換算し、これに基づき、検体中のチオジカルブの濃度を算出する。

 (208) 削除

 (209) フェンプロパトリン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するフェンプロパトリンの試験法による。

 (210) 削除

 (211) ピラクロホス試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するピラクロホスの試験法による。

 (212) ホルクロルフェニュロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 ホルクロルフェニュロン標準品 本品は、ホルクロルフェニュロン99.5%以上を含み、融点は171℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml及び酢酸エチル50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残つた水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。
 この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び凝固液の混液(1:10)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(15:85)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(15:85)50ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(3:7)50mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液50mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、ホルクロルフェニュロンが約4分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長265nmで測定する。

 感度 ホルクロルフェニュロンの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ホルクロルフェニュロン標準品の500mg/Lのアセトン溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.02~0.4mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってホルクロルフェニュロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlをとり、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりホルクロルフェニュロンの重量を求め、これに基づき、検体中のホルクロルフェニュロンの濃度を算出する。

 (213) パクロブトラゾール試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するパクロブトラゾールの試験法による。

 (214) 削除

 (215) 削除

 (216) ピラゾスルフロンエチル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸亜鉛 酢酸亜鉛(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 ピラゾスルフロンエチル標準品 本品はピラゾスルフロンエチル99.7%以上を含み、融点は181~182℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料10gを300mlの分液漏斗にはかりとり、水50mlを加えて2時間放置する。これに1mol/Lリン酸2ml及びアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で50mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン40mlを加えて溶かす。
 この溶液に蒸留水50ml及び酢酸亜鉛0.5gを加えて緩やかに振り混ぜ、20分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコをアセトン及び蒸留水の混液(4:5)90mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、ジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、軽く振り混ぜた後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にエチルエーテル10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル10gをエチルエーテルでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをエチルエーテルで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル40ml次いでエチルエーテル及びメタノールの混液(1:1)100mlで展開し、初めの溶出液40mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール及びベンゼンの混液(2:98)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化した後、水分を5w/w%含ませたシリカゲル10gをベンゼンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをベンゼンで充てんしておく。これに、ナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、メタノール及びベンゼンの混液(2:98)150mlで展開し、初めの溶出液100mlは捨て、次の溶出液50mlを100mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ20~50cmのステンレス管を用いる。

 分離管温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及び酢酸の混液(50:50:0.02)を用い、ピラゾスルフロンエチルが約14分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長254nmで測定する。

 感度 ピラゾスルフロンエチルの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ピラゾスルフロンエチル標準品の0.05~2mg/L水溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってピラゾスルフロンエチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlをとり、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりピラゾスルフロンエチルの重量を求め、これに基づき、検体中のピラゾスルフロンエチルの濃度を算出する。

 (217) 削除

 (218) キザロホップエチル試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するキザロホップエチルの試験法による。

 (219) 削除

 (220) フルアジナム試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン、ジエチルエーテル及びヘキサン それぞれ300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 フルアジナム標準品 本品は、フルアジナム99.8%以上を含み、融点は115.5~117.0℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(豆類の場合は試料20gに水40mlを加えて2時間放置したもの。)を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとする。
 これの80mlを300mlの分液漏斗に取り、5%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)50mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ10~20mの溶融シリカ製の管の内壁に14%シアノプロピルフェニルメチルポリシロキサンを0.5~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 250℃

 分離管槽温度 180~200℃

 検出器温度 280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、フルアジナムが4分で流出するように流量を調整する。

 感度 フルアジナムの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フルアジナム標準品の0.01~0.2mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフルアジナムの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフルアジナムの重量を求め、これに基づき、検体中のフルアジナムの濃度を算出する。

 (221) ジメタメトリン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 ジメタメトリン標準品 本品は、ジメタメトリン99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 試料20gを300mlの分液漏斗にはかりとり、水40mlを加えて2時間放置する。これにメタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml及びジクロロメタン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 その残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(2:98)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(2:98)50ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(15:85)50mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液50mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 180~220℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、ジメタメトリンが約3分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ジメタメトリンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジメタメトリン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってジメタメトリンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジメタメトリンの重量を求め、これに基づき、検体中のジメタメトリンの濃度を算出する。

 (222) シノスルフロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)

 炭酸ナトリウム 炭酸ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 液相分離ろ紙 化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 0.1mol/L炭酸塩緩衝液(pH10) 炭酸ナトリウム10.6g及び炭酸水素ナトリウム8.4gを蒸留水に溶かし1Lとしたもの

 シノスルフロン標準品 本品は、シノスルフロン99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 試料20gを300mlの分液漏斗にはかりとり、水40mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。
 この濃縮液にリン酸を加えてpHを2に調整した後、5%塩化ナトリウム溶液50ml及びヘキサン50mlで200mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にジクロロメタン及びヘキサンの混液(8:2)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を液相分離ろ紙を用いて200mlのナス型フラスコ中にろ過し、同混液20mlでろ紙を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 その残留物をジクロロメタン30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、0.1mol/L炭酸塩緩衝液30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。残ったジクロロメタン層についても、0.1mol/L炭酸塩緩衝液30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。
 全水層を200mlの分液漏斗に合わせ、リン酸を加えてpHを2に調整した後、ジクロロメタン30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を液相分離ろ紙を用いて200mlのナス型フラスコ中にろ過し、ジクロロメタン20mlでろ紙を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(3:7)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル5gをアセトン及びヘキサンの混液(3:7)でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(3:7)50ml次いでアセトン及びヘキサンの混液(1:1)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:7)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 45℃

 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(27:73:0.5)を用い、シノスルフロンが15~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長230nmで測定する。

 感度 シノスルフロンの2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 シノスルフロン標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:7)で希釈して0.1~2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってシノスルフロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlをとり、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりシノスルフロンの重量を求め、これに基づき、検体中のシノスルフロンの濃度を算出する。

 (223) 削除

 (224) テフルベンズロン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するテフルベンズロンの試験法による。

 (225) 削除

 (226) 削除

 (227) 削除

 (228) ヘキサコナゾール試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するヘキサコナゾールの試験法による。

 (229) ダゾメット試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ及び蒸留装置((154)メチルイソチオシアネート試験法の別図(以下(229)において「別図」という。))を用いる。

イ 試薬試液

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 液相分離ろ紙 化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)

 シリコン 消泡用シリコン

 ポリエチレングリコール ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール

 メチルイソチオシアネート標準品 本品は、メチルイソチオシアネート99%以上を含み、融点は35~36℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜、いも類及び抹茶の場合)

1) 検体100g相当の試料(いも類の場合は検体50g相当の試料、抹茶の場合は試料25g)を蒸留装置の丸底フラスコにはかりとり、蒸留水500ml、シリコン約1ml及び酢酸エチル10mlを加え、40分間加熱還流する。

2) 終了後、トラップ(別図の[1])の部分の水及び酢酸エチルを100mlの分液漏斗にとり、塩化ナトリウム15gを加え、振とう機を用いて5分間振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取し、液相分離ろ紙を用いてろ過し試験溶液とする。

B法(茶(抹茶を除く。)の場合)

 試料12gを1Lの三角フラスコにはかりとり、100℃の水720mlを加え、室内で5分間放置した後ろ過し、冷後その600mlを蒸留装置の丸底フラスコにはかりとり、酢酸エチル5mlを加え、40分間加熱還流する。以下、A法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してポリエチレングリコールを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 130~140℃

 試料気化室温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして、炎光光度型検出器の場合は窒素ガス、高感度窒素・リン検出器の場合は高純度窒素ガスを用い、メチルイソチオシアネートが3~4分で流出するように流速を調整するとともに水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メチルイソチオシアネートの0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メチルイソチオシアネート標準品の0.1~1mg/Lの酢酸エチル溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってメチルイソチオシアネートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメチルイソチオシアネートの重量を求め、これに係数2.22を乗じてダゾメットの重量に換算し、これに基づき、検体中のダゾメットの濃度を算出する。

 (230) 削除

 (231)及び(232) 削除

 (233) 削除

 (234) 削除

 (235) メピコートクロリド試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ及び脱メチル化反応装置(別図)を用いる。

イ 試薬試液

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 ジエタノールアミン ジエタノールアミン(特級)

 ジピクリルアミン ジピクリルアミン(特級)

 ヘキサメチルホスホリックトリアミド ヘキサメチルホスホリックトリアミド(特級)

 ホスホロ亜塩素酸o―フェニレン ホスホロ亜塩素酸o―フェニレン(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 グラファイト ガスクロマトグラフィー用グラファイト

 ポリエチレングリコール20M ガスクロマトグラフィー用ポリエチレングリコール20M

 陽イオン交換樹脂 強酸性陽イオン交換樹脂(粒径149~297μm)

 1―メチルピペリジン標準品 本品は、1―メチルピペリジン99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗にはかりとり、0.5mol/L塩酸及びメタノールの混液(1:3)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻して同混液50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの三角フラスコに合わせる。
 あらかじめ、水素型にした陽イオン交換樹脂16mlをメタノールでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、メタノール50mlで樹脂を洗っておく。これに三角フラスコ中の溶液を流速5ml/分で流し入れる。メタノール100mlを同流速で流し入れ樹脂を洗った後、1.5mol/L塩酸200mlを同流速で流し入れ、溶出液を300mlのナス型フラスコにとり、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で塩酸を留去する。
 その残留物を蒸留水20mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、10%水酸化ナトリウム溶液を加え、pHを11~13にした後、200mg/Lジピクリルアミンジクロロメタン溶液30mlを加え、振とう機を用いて1分間緩やかに振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、同溶液30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全有機溶媒層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 その残留物を2mol/L塩酸50mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、ジクロロメタン10mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にジクロロメタン10mlを加え、同様の振とうの操作を繰り返し、暫時放置した後、水層を100mlのナス型フラスコに分取し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で20mlに濃縮する。50mlのナシ型フラスコを脱メチル化反応装置からはずし、ナス型フラスコ中の溶液をナシ型フラスコに移す。次いで、使用したナス型フラスコを蒸留水10mlで洗い、その洗液をナシ型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で塩酸を留去する。
 残留物にジエタノールアミン3mlを加えて溶かし、ヘキサメチルホスホリックトリアミド2mlを加え、ナシ型フラスコを脱メチル化反応装置に取り付ける。別に脱メチル化反応装置のトラップ用試験管にヘキサン4mlを入れておく。ナシ型フラスコに窒素ガスを毎秒1気泡が発生する流量で通じ、ナシ型フラスコを200℃で90分間加熱して、発生した1―メチルピペリジンをトラップ用試験管中のヘキサンに吸収させる。
 トラップ用試験管を脱メチル化反応装置からはずし、トラップ用試験管導入管をヘキサン1mlで洗い、その洗液をトラップ用試験管に合わせる。これに10%水酸化ナトリウム溶液1mlを加え、30秒間激しく振とうする。暫時放置した後、ヘキサン層を10mlの試験管に分取し、ホスホロ亜塩素酸o―フェニレン50μlを加え、30秒間激しく振とうする。次いで、10%水酸化ナトリウム溶液1mlを加え、30秒間激しく振とうする。暫時放置した後、ヘキサン層を分取し試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 充てん剤 グラファイトに対してポリエチレングリコール20Mを4%及び水酸化カリウムを0.8%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ70~120cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 80~100℃

 試料気化室温度 140℃

 検出器温度 300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、1―メチルピペリジンが約3分で流出するように流速を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 1―メチルピペリジンの2ngが十分に確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 1―メチルピペリジン標準品の0.5~10mg/Lのヘキサン溶液を数点調製する。それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとって1―メチルピペリジンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線により1―メチルピペリジンの重量を求め、この重量の値に係数1.51を乗じてメピコートクロリドの重量に換算し、これに基づき、検体中のメピコートクロリドの濃度を算出する。

(別図)脱メチル化反応装置の一例

 (236) ウニコナゾールP試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するウニコナゾールPの試験法による。

 (237) ジチオピル試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ及び蒸留装置((154)メチルイソチオシアネート試験法の別図(以下(237)において「別図」という。))を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン、エチルエーテル及びヘキサン それぞれ300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 シリコン 消泡用シリコン

 ジチオピル標準品 本品は、ジチオピル99%以上を含み、融点は65~67℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料5gを蒸留装置の丸底フラスコにはかりとり、水350ml、塩酸2ml、シリコン1ml及びヘキサン20mlを加え、120分間加熱還流する。終了後、トラップ(別図の[1])の部分の水及びヘキサンを100mlの分液漏斗にとる。蒸留装置の丸底フラスコにヘキサン20mlを加え、再び60分間加熱還流する。終了後、トラップ(別図の[1])の部分の水及びヘキサンを分取して100mlの分液漏斗に合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液10mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうする。暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン20mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlとする。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上から無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン50ml、次いでエチルエーテル及びヘキサンの混液(5:95)100mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液100mlを200mlのナス型フラスコにとり、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて、40℃以下で溶媒を留去する。これにヘキサンを加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ150~200cmのガラス管を用いる。

 分離管槽温度 180~240℃

 試料気化室温度 280℃

 検出器 至適電圧を与え、280~300℃で操作する。

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、ジチオピルが約4分で流出するように流量を調整する。

 感度 ジチオピルの0.02ngが十分に確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジチオピル標準品の0.005~0.1mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量をとってジチオピルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlをとり、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりジチオピルの重量を求め、これに基づき、検体中のジチオピルの濃度を算出する。

 (238) オキソリニック酸試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 クエン酸 クエン酸(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)

 テトラヒドロフラン テトラヒドロフラン(特級)

 トリ―n―オクチルアミン トリ―n―オクチルアミン(純度97%以上のもの)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 オキソリニック酸標準品 本品は、オキソリニック酸99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(米の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、メタノール及び12mol/L塩酸の混液(9:1)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール及び12mol/L塩酸の混液(9:1)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、5%塩化ナトリウム溶液200ml及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール及び4mol/L水酸化カリウム溶液の混液(3:1)5mlを加えて溶かす。
 この溶液を10%塩化ナトリウム溶液50ml、次いでジクロロメタン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層に1.2mol/L塩酸30ml及びジクロロメタン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にジクロロメタン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにジクロロメタン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン8ml、次いで8.5%リン酸0.8mlで展開し、流出液を捨てる。続いてジクロロメタン15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール及び4mol/L水酸化カリウム溶液の混液(3:1)を加えて溶かし、8mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 0.5%クエン酸溶液、アセトニトリル及び0.3%トリ―n―オクチルアミンテトラヒドロフラン溶液の混液(8:1:1)を用い、オキソリニック酸が約6分で流出するように流速を調整する。

 検出器 励起波長270nm、けい光波長370nmで測定する。

 感度 オキソリニック酸の0.5ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 オキソリニック酸標準品の0.025~0.5mg/Lメタノール及び4mol/L水酸化カリウム溶液の混液(3:1)溶液を数点調製し、それぞれ20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってオキソリニック酸の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキソリニック酸の重量を求め、これに基づき、検体中のオキソリニック酸の濃度を算出する。

 (239) シアナジン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するシアナジンの試験法による。

 (240) シアノホス試験法

ア 装置 炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 エチルエーテル エチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイソウ土 ガスクロマトグラフィー用ケイソウ土(標準網フルイ149~177μm)

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリコン ガスクロマトグラフィー用シリコン

 シアノホス標準品 本品は、シアノホス98%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実及び野菜の場合)

1) 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2) この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にエチルエーテル及びヘキサンの混液(3:7)10mlを加えて溶かす。あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、エチルエーテル及びヘキサンの混液(3:7)50ml、次いでアセトン及びヘキサンの混液(15:85)50mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液50mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。これにアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(豆類の場合)

 試料20gを300mlの分液漏斗に量り取り、水40mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この濃縮液についてA法の2)と同様の操作を行った後、残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の3)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してシリコンを5%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ100~150cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽温度 190~220℃

 試料気化室温度 280℃

 検出器温度 280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガスを用い、シアノホスが約4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 シアノホスの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 シアノホス標準品の0.025~0.5mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシアノホスの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりシアノホスの重量を求め、これに基づき、検体中のシアノホスの濃度を算出する。

 (241) フルオルイミド試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するフルオルイミドの試験法による。

 (242) 削除

 (243) 削除

 (244) フェリムゾン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 テトラヒドロフラン テトラヒドロフラン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸アンモニウム 酢酸アンモニウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 フェリムゾン標準品 本品は、フェリムゾン99%以上を含み、融点は176~177℃である。

 (E)―2pH―メチルアセトフェノン 4,6―ジメチルピリミジン―2―イルヒドラゾン(以下「フェリムゾン(E体)」という。)標準品 本品は、フェリムゾン(E体)99%以上を含み、融点は111~112℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料10gを300mlの分液漏斗に量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにメタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液50ml及びヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去した後、残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール及びジクロロメタンの混液(1:99)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したケイ酸マグネシウム5gをジクロロメタンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、メタノール及びジクロロメタンの混液(1:99)50ml、次いでメタノール及びジクロロメタンの混液(3:97)50mlで展開し、初めの溶出液50mlは捨て、次の溶出液50mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に0.05mol/L酢酸アンモニウム溶液及びテトラヒドロフランの混液(1:1)を加えて溶かし、10mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 45℃

 溶離液 0.05mol/L酢酸アンモニウム溶液及びテトラヒドロフランの混液(1:1)を用い、フェリムゾンが約5分、フェリムゾン(E体)が約6分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長273nmで測定する。

 感度 フェリムゾン及びフェリムゾン(E体)のそれぞれ0.4ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フェリムゾン標準品及びフェリムゾン(E体)標準品のそれぞれ0.02~0.4mg/Lの0.05mol/L酢酸アンモニウム溶液及びテトラヒドロフランの混液(1:1)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフェリムゾン及びフェリムゾン(E体)の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりフェリムゾン及びフェリムゾン(E体)の重量を求める。このフェリムゾンの重量の値及びフェリムゾン(E体)の重量の値を和し、これに基づき、検体中のフェリムゾンの濃度を算出する。

 (245) ホスチアゼート試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ホスチアゼート標準品 本品は、ホスチアゼート98%を含み、沸点は198℃(66.7Pa)である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(豆類の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(17:3)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(17:3)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)10mlで展開し、溶出液を50mlの三角フラスコに取る。
 あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これに三角フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(4:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4ml(豆類の場合は2ml)として試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。

 分離管槽昇温プログラム 60℃で1分保ち、60~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、ホスチアゼートが10~15分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ホスチアゼートの0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ホスチアゼート標準品の0.01~0.2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってホスチアゼートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりホスチアゼートの重量を求め、これに基づき、検体中のホスチアゼートの濃度を算出する。

 (246) ビフェントリン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するビフェントリンの試験法による。

 (247) 削除

 (248) チフェンスルフロンメチル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 炭酸アンモニウム 炭酸アンモニウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 チフェンスルフロンメチル標準品 本品は、チフェンスルフロンメチル99%以上を含み、融点は176~178℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、水30mlを加えて2時間放置する。これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で30mlに濃縮する。
 この濃縮液に1mol/L塩酸を徐々に滴下してpHを3~3.5に調整した後、直ちに蒸留水50ml、次いでヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層に酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの分液漏斗に合わせ、0.1mol/L炭酸アンモニウム溶液50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。残った酢酸エチル層についても、0.1mol/L炭酸アンモニウム溶液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全水層を300mlの分液漏斗に合わせ、6mol/L塩酸を徐々に滴下してpHを3~3.5に調整した後、直ちに酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、アルミナミニカラムにアセトニトリル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル15mlで展開し溶出液を捨てる。次いでアセトニトリル及び蒸留水の混液(9:1)30mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水、アセトニトリル及びリン酸の混液(70:30:0.1)を用い、チフェンスルフロンメチルが20~30分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長230nmで測定する。

 感度 チフェンスルフロンメチルの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 チフェンスルフロンメチル標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってチフェンスルフロンメチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりチフェンスルフロンメチルの重量を求め、これに基づき、検体中のチフェンスルフロンメチルの濃度を算出する。

 (249) イミダクロプリド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 炭酸カリウム 炭酸カリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 イミダクロプリド標準品 本品は、イミダクロプリド98%以上を含み、融点は144℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、麦・雑穀、果実、野菜、いも類、豆類及びてんさいの場合)

1) 検体20g相当の試料(米、麦・雑穀及び豆類の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン50mlで展開し流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。
2) あらかじめ、130℃で16時間加熱して活性化した後、水分を10W/W%含ませたシリカゲル10gを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)でクロマト管(内径1.5~2cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム2gを同混液で充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)45ml、次いで酢酸エチル40mlで展開し、これらの流出液を捨てる。次いで酢酸エチル80mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:1)を加えて溶かし、4ml(米、麦・雑穀及び豆類の場合は2ml)として試験溶液とする。

B法(茶の場合)

 試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。
 これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトニトリルを加えて200mlとする。これの100mlを300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。この濃縮液に蒸留水10mlを加える。
 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン50mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlの分液漏斗に取る。
 これに0.05mol/L炭酸カリウム溶液30mlを加え、振とう機を用いて3分間緩やかに振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。この酢酸エチル層に0.05mol/L炭酸カリウム溶液30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに取り、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 45℃

 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:1)を用い、イミダクロプリドが8~12分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長270nmで測定する。

 感度 イミダクロプリドの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 イミダクロプリド標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれ20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってイミダクロプリドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μ1を取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりイミダクロプリドの重量を求め、これに基づき、検体中のイミダクロプリドの濃度を算出する。

 (250) フルスルファミド試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するフルスルファミドの試験法による。

 (251) 削除

 (252) 削除

 (253) ジフェノコナゾール試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するジフェノコナゾールの試験法による。

 (254) 削除

 (255) ミルベメクチン試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ベンゼン ベンゼン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 トリエチルアミン トリエチルアミン(純度99%以上のもの)

 無水トリフルオロ酢酸 無水トリフルオロ酢酸(純度99%以上のもの)

 オクタデシルシラン 高速液体クロマトグラフィー用オクタデシルシラン

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル 高速液体クロマトグラフィー用多孔性シリカゲル

 ミルベメクチンA標準品 本品は、ミルベメクチンA98%以上を含み、融点は210~215℃である。

 ミルベメクチンA標準品 本品は、ミルベメクチンA98%以上を含み、融点は210~215℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜、いも類及び豆類の場合)

1) 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、メタノール及び水の混液(7:3)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール及び水の混液(7:3)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液に蒸留水を加え、200mlとする。この溶液の20mlを200mlのナス型フラスコに分取し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。

2) この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液30ml及びヘキサン30mlで200mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を100mlの三角フラスコに合わせ、脱脂綿で栓をした漏斗を用いて200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、この洗液で脱脂綿で栓をした漏斗上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物に0.5mol/Lトリエチルアミン・ベンゼン溶液1ml及び無水トリフルオロ酢酸0.1mlを加え、栓をして40℃で30分間加熱する。冷後、この溶液にトリエチルアミン0.05mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で0.1mlに濃縮する。

4) この残留物にメタノールを加えて溶かし、10ml(いも類の場合は5ml)として試験溶液とする。なお、試験溶液を調製した後は速やかに定量試験を行うこと。

B法(茶の場合)

 試料5gを300mlの分液漏斗に量り取り、メタノール及び水の混液(7:3)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してメタノール及び水の混液(7:3)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液に蒸留水を加え、200ml定容とする。この溶液の40mlを200mlのナス型フラスコに分取し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。以下、この濃縮液についてA法の2)、3)及び4)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 45℃

 溶離液 メタノール及び蒸留水の混液(49:1)を用い、ミルベメクチンAが約5分、ミルベメクチンAが約6分で流出するように流速を調整する。

 検出器 励起波長360nm、けい光波長460nmで測定する。

 感度 ミルベメクチンA標準品及びミルベメクチンA標準品のそれぞれ0.02ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ミルベメクチンA標準品及びミルベメクチンA標準品のそれぞれ1mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この1mlを50mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。この残留物についてウのA法の3)と同様の操作を行い、残留物にメタノールを加えて溶かし10mlとする。この溶液をメタノールで希釈し、ミルベメクチンA及びミルベメクチンA0.002~0.04mg/L相当の溶液を数点調製し、それぞれを10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってミルベメクチンA及びミルベメクチンAの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から10μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりミルベメクチンA及びミルベメクチンAの重量を求める。このミルベメクチンAの重量の値とミルベメクチンAの重量の値を和し、これに基づき、検体中のミルベメクチンの濃度を算出する。

 (256) テフルトリン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するテフルトリンの試験法による。

 (257) テブフェンピラド試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するテブフェンピラドの試験法による。

 (258) ペンディメタリン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀物、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するペンディメタリンの試験法による。

 (259) アラニカルブ試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 0.1mol/Lリン酸緩衝液 0.1mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液に0.1mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpHを8に調整したもの

 メチル チオアセトヒドロキサマート標準品 本品は、メチル チオアセトヒドロキサマート98%以上を含み、融点は93.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実、野菜、いも類及びてんさいの場合)

1) 検体に対し、その250g当たり0.1mol/Lリン酸緩衝液250gを加えて磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2) この濃縮液を蒸留水20ml、次いで酢酸エチル100mlで300mlの分液漏斗に洗い入れる。これに塩化ナトリウム20gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱活性化した後、水分を20w/w%含ませたシリカゲル10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム2gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)150mlで展開し、初めの溶出液30mlは捨て、次の溶出液50mlを300mlのナス型フラスコに取り、アラニカルブ溶出液とする。さらに、次の溶出液70mlを300mlのナス型フラスコに取り、メソミル溶出液とする。それぞれ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

4) アラニカルブ溶出液の残留物にアセトン1mlを加えて溶かし、0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液30mlを加え、密栓して85℃の湯浴上で40分間加熱する。冷後、0.5mol/L硫酸3~4mlを加えてpHを2~3に調整した後、酢酸エチル50mlで300mlの分液漏斗に移す。これを振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとしてアラニカルブの試験溶液とする。

5) 3)のメソミル溶出液の残留物についても、以下、4)と同様の操作を行い、メソミルの試験溶液とする。

B法(抹茶の場合)

 試料5gを300mlの分液漏斗に量り取り、水10mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加え、200mlとする。この溶液80mlを300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で約8mlに濃縮する。以下、この濃縮液についてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にアセトン及びヘキサンの混液(1:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間活性化した後、水分を20w/w%含ませたシリカゲル5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム2gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(1:1)50mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の3)、4)及び5)と同様の操作を行う。

C法(茶(抹茶を除く。)の場合)

 試料5gを500mlの三角フラスコに量り取り、100℃の水300mlを加え、室温で5分間放置した後ろ過し、冷後その120mlを500mlの分液漏斗に移し、塩化ナトリウム40g及び酢酸エチル150mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル150mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の3)、4)及び5)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.5~0.6mm、長さ5~10mの溶融シリカ製の管の内面にポリエチレングリコール20Mを0.5~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 分離管槽温度  120~150℃

 試料導入部温度  250℃

 検出器温度  280℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、メチル チオアセトヒドロキサマートが3~4分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メチル チオアセトヒドロキサマートの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メチル チオアセトヒドロキサマート標準品の0.025~0.5mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメチル チオアセトヒドロキサマートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 アラニカルブ及びメソミルの試験溶液からそれぞれ2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりアラニカルブから誘導されるメチル チオアセトヒドロキサマートの重量及びメソミルから誘導されるメチル チオアセトヒドロキサマートの重量を求める。これらの重量の値を和し、これに係数3.80を乗じてアラニカルブの重量に換算し、これに基づき、検体中のアラニカルブの濃度を算出する。

 (260) フルフェノクスロン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するフルフェノクスロンの試験法による。

 (261) 削除

 (262) 削除

 (263) イミベンコナゾール試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するイミベンコナゾールの試験法による。

 (264) 削除

 (265) テブフェノジド試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するテブフェノジドの試験法を準用する。この場合において、4.試験溶液の調製中「穀類、種実類、果実及び野菜」とあるのは「穀類、豆類、種実類、果実及び野菜」と、「穀類及び種実類」とあるのは「穀類、豆類及び種実類」と読み替えるものとする。

 (266) 削除

 (267) 削除

 (268) ハルフェンプロックス試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するハルフェンプロックスの試験法による。

 (269) シラフルオフェン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するシラフルオフェンの試験法による。

 (270) ピリミジフェン試験法

第1 果実及び野菜の場合

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するピリミジフェンの試験法による。

第2 茶の場合

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ピリミジフェン標準品 本品は、ピリミジフェン99%以上を含み、融点は69.4~70.9℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにメタノール及び蒸留水の混液(9:1)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にメタノールを加えて250mlとする。これの100mlを500mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で30mlに濃縮する。
 この濃縮液を10%塩化ナトリウム溶液50ml、次いでヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)25mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 45℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を用い、ピリミジフェンが約16分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長245nmで測定する。

 感度 ピリミジフェンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ピリミジフェン標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピリミジフェンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりピリミジフェンの重量を求め、これに基づき、検体中のピリミジフェンの濃度を算出する。

 (271) シプロコナゾール試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するシプロコナゾールの試験法による。

 (272) アクリナトリン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するアクリナトリンの試験法による。

 (273) フルトラニル試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するフルトラニルの試験法による。

 (274) ニテンピラム試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するニテンピラムの試験法による。

 (275) アセタミプリド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 アセタミプリド標準品 本品は、アセタミプリド99%以上を含み、融点は98.9℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(麦・雑穀及び豆類の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン60mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)を加えて溶かし、20mlとする。

 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これに上記溶液の5ml(麦・雑穀の場合は10ml、豆類の場合は4ml)を分取して流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水15mlで展開し、流出液を捨てる。次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を加えて溶かし、5ml(麦・雑穀、豆類、鱗茎類及びてんさいの場合は2ml)として試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を用い、アセタミプリドが12~17分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長245nmで測定する。

 感度 アセタミプリドの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 アセタミプリド標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってアセタミプリドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりアセタミプリドの重量を求め、これに基づき、検体中のアセタミプリドの濃度を算出する。

 (276) 削除

 (277) 削除

 (278) ヘキサフルムロン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するヘキサフルムロンの試験法による。

 (279) カーバムナトリウム塩試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフ及び蒸留装置((154)メチルイソチオシアネート試験法の別図(以下(279)において「別図」という。)に掲げる構成のもの)を用いる。

イ 試薬試液

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 シリコン 消泡用シリコン

 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム・十二水塩(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 0.2mol/Lリン酸緩衝液 0.2mol/Lリン酸二水素カリウム溶液に0.2mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液を加えてpHを5に調整したもの

 メチルイソチオシアネート標準品 本品は、メチルイソチオシアネート99%以上を含み、融点は35~36℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体50g相当の試料を蒸留装置の丸底フラスコに量り取り、0.2mol/Lリン酸緩衝液250ml、シリコン約1ml及び酢酸エチル10mlを加え、40分間加熱還流する。
 終了後、トラップ(別図の[1])の部分の水及び酢酸エチルを100mlの分液漏斗にとり、塩化ナトリウム15gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取し、液相分離ろ紙を用いてろ過し試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 担体 ケイソウ土を6mol/L塩酸で2時間還流して洗い、次いで蒸留水で洗液が中性になるまで洗った後乾燥し、メチルシラザン処理したものを用いる。

 充てん剤 担体に対してポリエチレングリコールを10%含ませたものを用いる。

 分離管 内径2~3mm、長さ200cmのガラス管を用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 130~140℃

 試料導入部温度 250℃

 検出器温度 250℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして、アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器の場合は高純度窒素ガス又はヘリウムガスを、炎光光度型検出器の場合は窒素ガスを用い、メチルイソチオシアネートが約3分で流出するように流量を調整するとともに、水素ガス及び空気の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メチルイソチオシアネートの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メチルイソチオシアネート標準品の0.05~1mg/L酢酸エチル溶液を数点調製し、それぞれを4μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメチルイソチオシアネートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から4μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメチルイソチオシアネートの重量を求め、これに係数1.77を乗じてカーバムナトリウム塩の重量に換算し、これに基づき、検体中のカーバムナトリウム塩の濃度を算出する。

 (280) ピリプロキシフェン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するピリプロキシフェンの試験法による。

 (281) フラチオカルブ試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 トルエン トルエン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム・十二水塩(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 1/15mol/Lリン酸緩衝液 1/15mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液に1/15mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpH8に調整したもの

 フラチオカルブ標準品 本品は、フラチオカルブ98.4%以上を含む。

 2,3―ジヒドロ―2,2―ジメチル―7―ベンゾフラニル N―メチルカルバマート(以下「カルボフラン」という。)標準品 本品は、カルボフラン97.5%以上を含み、融点は153~154℃である。

 2,3―ジヒドロ―2,2―ジメチル―3―ヒドロキシ―7―ベンゾフラニル N―メチルカルバマート(以下「3―ヒドロキシカルボフラン」という。)標準品 本品は、3―ヒドロキシカルボフラン99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 I フラチオカルブ又はカルボフランの試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gを300mlの分液漏斗に量り取り、1/15mol/Lリン酸緩衝液40mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。

2) この濃縮液を飽和塩化ナトリウム溶液100ml、次いでヘキサン100mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlの三角フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液を三角フラスコに合わせる。
 この溶液をヘキサン飽和アセトニトリル50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン20ml、次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にトルエンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜及びさとうきびの場合)

 検体に対し等重量の1/15mol/Lリン酸緩衝液を加えて磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、分液漏斗に戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。以下、この濃縮液についてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン20ml、次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(17:3)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にトルエンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

 II 3―ヒドロキシカルボフランの試験溶液の調製

A法(米の場合)

1) 試料20gを500mlの丸底フラスコに量り取り、0.25mol/L塩酸150mlを加え、還流冷却器を付けて1時間加熱する。終了後、冷却器を少量の蒸留水で洗い、洗液を丸底フラスコに合わせて放冷する。これをガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、0.25mol/L塩酸50mlで洗い、全ろ液を300mlの三角フラスコに合わせる。

2) これに塩化ナトリウム80gを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうした後、1時間放置する。これを、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用した三角フラスコを蒸留水50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)20ml、次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで展開し、初めの溶出液20mlは捨て、次の溶出液20mlを100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にトルエンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(果実、野菜及びさとうきびの場合)

 検体に対し等重量の1/15mol/Lリン酸緩衝液を加えて磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を500mlの丸底フラスコに量り取り、0.3mol/L塩酸150mlを加え、還流冷却器を付けて1時間加熱する。終了後、冷却器を少量の蒸留水で洗い、洗液を丸底フラスコに合わせて放冷する。これをガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、0.25mol/L塩酸50mlで洗い、全ろ液を300mlの三角フラスコに合わせる。以下、このろ液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 フラチオカルブの場合は、その0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。カルボフラン又は3―ヒドロキシカルボフランの場合は、それぞれの0.06ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フラチオカルブの場合には、標準品の0.05~1mg/Lトルエン溶液を数点調製し、カルボフラン又は3―ヒドロキシカルボフランの場合には、標準品の0.03~0.6mg/Lトルエン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフラチオカルブ、カルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液からそれぞれ2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフラチオカルブ、カルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランの重量を求める。このフラチオカルブの重量の値とカルボフラン及び3―ヒドロキシカルボフランの重量の値にそれぞれ係数1.73及び1.61を乗じてフラチオカルブの重量に換算したものとを和し、これに基づき、検体中のフラチオカルブの濃度を算出する。

 (282) メパニピリム試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の〇 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するメパニピリムの試験法による。

 (283) 削除

 (284) ジメテナミド試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するジメテナミドの試験法による。

 (285) ジフルベンズロン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するジフルベンズロンの試験法による。

 (286) 削除

 (287) 削除

 (288) シモキサニル試験法

第1 果実及び野菜の場合

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するシモキサニルの試験法による。

第2 鱗茎類及び大豆の場合

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シモキサニル標準品 本品は、シモキサニル99%以上を含み、融点は160~161℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体に対し、その500g当たりリン酸50g加えて磨砕均一化したものを試料とし、その検体20g相当の試料(大豆の場合は、試料10gに水20ml及びリン酸1mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)140mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、アルミナミニカラムにアセトニトリル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル、蒸留水及び酢酸の混液(95:5:0.2)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水、アセトニトリル及び酢酸の混液(40:10:0.1)を加えて溶かし、4ml(大豆の場合は2ml)として試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を用い、シモキサニルが15~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長245nmで測定する。

 感度 シモキサニルの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 シモキサニル標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水、アセトニトリル及び酢酸の混液(40:10:0.1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシモキサニルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりシモキサニルの重量を求め、これに基づき、試料中のシモキサニルの濃度を算出する。

 (289) グリホサートナトリウム塩試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ及び遠心分離機を用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 クロロホルム クロロホルム(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 四ホウ酸ナトリウム 四ホウ酸ナトリウム(特級)

 複合酵素 担子菌Irpex Lacteusにより生産される複合酵素で、1gにセルラーゼ800ユニット、プロテアーゼ10000ユニット及びペクチナーゼ300ユニットを含むもの。ここで、セルラーゼ1000ユニットは37℃で1分間に1cm×1cmの大きさの酵素定量用ろ紙2枚を完全に崩壊させる力価とし、プロテアーゼ1ユニットは37℃で乳製カゼインに作用するとき反応初期の1分間に1μgのチロシンに相当する非たん白性のフォリン試液呈色物質の増加をもたらす力価とし、ペクチナーゼ1ユニットは37℃で10分間に1%ペクチン溶液の粘度を半減させる力価とする。

 9―フルオレニルメチルクロロホルマート 9―フルオレニルメチルクロロホルマート(純度97%以上のもの)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 陰イオン交換樹脂 強塩基性陰イオン交換樹脂(粒径149~297μm)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 陽イオン交換樹脂 強酸性陽イオン交換樹脂(粒径37~74μm)

 N―(ホスホノメチル)グリシン(以下「グリホサート」という。)標準品 本品は、グリホサート99%以上を含み、分解点は230℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(こんにゃくいもの場合)

1) 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、蒸留水100ml、複合酵素1g及びクロロホルム50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、500mlの遠心分離管に移し、遠心分離を行った後、水層を分取し、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。遠心分離管中の残留物についても、分液漏斗に戻して蒸留水50mlを加え、同様の振とう、遠心分離、分取及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlの三角フラスコに合わせ、蒸留水を加えて200mlとする。
 あらかじめ、酢酸型にした陰イオン交換樹脂20mlを10%酢酸でクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、蒸留水300mlを流し入れ、洗浄しておく。これに三角フラスコ中の溶液の25mlを毎分約6~7mlの流速で流し入れ、蒸留水50ml、次いで0.1mol/L塩酸200mlを同流速で流し入れて展開し、初めの溶出液150mlは捨て、次の溶出液100mlを500mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水2mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、水素型にした陽イオン交換樹脂12mlを蒸留水でクロマト管(内径1cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、蒸留水50mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液の1mlを分取して毎分約0.3~0.4mlの流速で流し入れ、蒸留水11mlを同流速で流し入れて展開し、初めの溶出液8mlは捨て、次の溶出液3mlを50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物に0.05mol/L四ホウ酸ナトリウム溶液5mlを加えて溶かし、0.1%9―フルオレニルメチルクロロホルマートアセトン溶液5mlを加え、栓をして室温で20分間放置する。この溶液に酢酸エチル10mlを加え、1分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取して試験溶液とする。

B法(いも類(こんにゃくいもを除く。)の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの分液漏斗に量り取り、蒸留水100ml及びクロロホルム50mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、500mlの遠心分離管に移し、遠心分離を行った後、水層を分取し、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。遠心分離管の残留物についても、分液漏斗に戻して蒸留水50mlを加え、同様の振とう、遠心分離、分取及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水2mlを加えて溶かす。以下、この溶液について、A法の2)及び3)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 強塩基性陰イオン交換樹脂を用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 45℃

 溶離液 0.1mol/Lリン酸二水素カリウム溶液及びアセトニトリルの混液(3:1)を用い、N―(9―フルオレニルメトキシカルボニル)―N―(ホスホノメチル)グリシンが約10分で流出するように流速を調整する。

 検出器 励起波長254nm、けい光波長315nmで測定する。

 感度 グリホサートの0.1ngから誘導されるN―(9―フルオレニルメトキシカルボニル)―N―(ホスホノメチル)グリシンの相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 グリホサート標準品の500mg/L水溶液を調製し、この1mlを50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてウのA法の3)と同様の操作を行い、その水層を0.05mol/L四ホウ酸ナトリウム溶液で希釈してグリホサート0.005~0.1mg/L相当の溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってグリホサートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりグリホサートの重量を求め、これに基づき、検体中のグリホサートの濃度を算出する。

 (290) 削除

 (291) クロルフェナピル試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するクロルフェナピルの試験法による。

 (292) 削除

 (293) 削除

 (294) フルジオキソニル試験法

第1 果実及び野菜(第二葉菜類を除く。)の場合

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 フルジオキソニル標準品 本品は、フルジオキソニル99.5%以上を含み、融点は199.4℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン30mlを加えて溶かす。

 この溶液に凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液及びアセトンの混液(5:3)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとする。

 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液の5mlを分取して流し入れ、ヘキサン20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 フルジオキソニルの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フルジオキソニル標準品の0.02~0.4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフルジオキソニルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフルジオキソニルの重量を求め、これに基づき、検体中のフルジオキソニルの濃度を算出する。

第2 第二葉菜類の場合

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するフルジオキソニルの試験法による。

 (295) 削除

 (296) ジメトモルフ試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するジメトモルフの試験法による。

 (297) 削除

 (298) セトキシジム試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 過酸化水素水 過酸化水素水(特級)

 m―クロロ過安息香酸 m―クロロ過安息香酸(純度98%以上のもの)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 水酸化カルシウム 水酸化カルシウム(特級)

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 チオ硫酸ナトリウム チオ硫酸ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル(標準網フルイ約30~74μm、平均口径6nm)

 C18シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 (RS)―6―[2―(エチルスルホニル)プロピル]―4―オキソ―2―プロピル―4,5,6,7―テトラヒドロベンゾオキサゾール(以下「M2―SO」という。)標準品 本品は、M2―SO99%以上を含む。

 (RS)―6―[2―(エチルスルホニル)プロピル]―4―オキソ―6―ヒドロキシ―2―プロピル―4,5,6,7―テトラヒドロベンゾオキサゾール(以下「6―OH―M2―SO」という。)標準品 本品は、6―OH―M2―SO99%以上を含む。

ウ 試験溶液の調製

 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにメタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。
 全ろ液を500mlの三角フラスコに合わせ、蒸留水150ml及び水酸化カルシウム4gを加え、1分間軽く振り混ぜ、暫時放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻して蒸留水及びメタノールの混液(1:1)25mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。
 全ろ液を別の500mlの三角フラスコに合わせ、塩酸及び1mol/L塩酸を加えてpHを3に調整した後、過酸化水素水0.5mlを加え、50℃で16時間放置する。冷後、この溶液を少量の蒸留水で500mlの分液漏斗に移し、塩化ナトリウム5g及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。
 この水層にジクロロメタン80mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン80mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。
 全ジクロロメタン層を500mlの分液漏斗に合わせ、塩化ナトリウム5g及び0.01mol/L水酸化ナトリウム溶液50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を500mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にジクロロメタン30mlを加えて溶かす。
 この溶液にm―クロロ過安息香酸20mgを加え、栓をして時々振り混ぜながら30℃で10分間放置した後、少量のジクロロメタンで100mlの分液漏斗に移す。これに5%チオ硫酸ナトリウム溶液30mlを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうし、暫時放置した後、ジクロロメタン層を分取する。残った水層についても、ジクロロメタン20mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ジクロロメタン層を200mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて200mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジクロロメタン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(4:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱して活性化したシリカゲル5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(4:1)95mlで展開し、溶出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(3:1)100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、M2―SO溶出液とする。続いてヘキサン及びアセトンの混液(7:3)100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、6―OH―M2―SO溶出液とする。それぞれ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 M2―SO溶出液の残留物に蒸留水5mlを加えて溶かす。あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水5ml、次いで蒸留水及びアセトニトリルの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を捨てる。続いて蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にジクロロメタンを加えて溶かし、4mlとしてM2―SOの試験溶液とする。
 6―OH―M2―SO溶出液の残留物にジクロロメタンを加えて溶かし、4mlとして6―OH―M2―SOの試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 高速液体クロマトグラフィー用シリカゲルを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 ジクロロメタン及びメタノールの混液(49:1)を用い、M2―SOが8~10分で、6―OH―M2―SOが9~12分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長254nmで測定する。

 感度 M2―SO及び6―OH―M2―SOのそれぞれ2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 M2―SO標準品及び6―OH―M2―SO標準品のそれぞれ0.1~2mg/Lジクロロメタン溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってM2―SO及び6―OH―M2―SOの検量線を作成する。

カ 定量試験

 M2―SO及び6―OH―M2―SOの試験溶液からそれぞれ20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりM2―SO及び6―OH―M2―SOの重量を求める。このM2―SO及び6―OH―M2―SOの重量の値にそれぞれ係数1.04及び0.99を乗じてセトキシジムの重量に換算したものを和し、これに基づき、検体中のセトキシジムの濃度を算出する。

 (299) クロルフルアズロン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するクロルフルアズロンの試験法による。

 (300) ジフルフェニカン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するジフルフェニカンの試験法による。

 (301) 削除

 (302) ジアフェンチウロン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するジアフェンチウロンの試験法による。

 (303) 削除

 (304) フラザスルフロン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するフラザスルフロンの試験法による。

 (305) 削除

 (306)から(308)まで 削除

 (309) エマメクチン安息香酸塩試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ及び遠心分離機を用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 イソプロパノール イソプロパノール(特級)

 エタノール エタノール(特級)

 酢酸アンモニウム 酢酸アンモニウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジクロロジメチルシラン ジクロロジメチルシラン(純度99%以上のもの)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 トルエン トルエン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水トリフルオロ酢酸 無水トリフルオロ酢酸(純度99%以上のもの)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 1―メチルイミダゾール 1―メチルイミダゾール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 スルホプロピルシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スルホプロピルシリカゲル(シリカゲルにスルホプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリル化処理目盛り付き試験管 蛍光誘導化反応に用いる。試験管に5%ジクロロジメチルシラントルエン溶液を満たし、密栓をして40℃の水浴中に10分間放置した後、試験管中の溶液を捨て、トルエン及びメタノールで十分に洗浄する。次いで試験管にメタノールを満たし、40℃の水浴中に10分間放置した後、試験管中のメタノールを捨て、十分に乾燥する。

 エマメクチン安息香酸塩標準品 本品は、エマメクチン安息香酸塩(エマメクチンB1a安息香酸塩とエマメクチンB1b安息香酸塩の混合物)92%以上を含み、融点は141~146℃である。

 4″―エピ―アミノ―4″―デオキシ―アベルメクチンB (以下「アミノ体」という。) 標準品 本品は、アミノ体91%以上を含み、融点は146~148℃である。

 4″―デオキシ―4″―エピ―(N―ホルミル)アミノ―アベルメクチンB (以下「ホルミルアミノ体」という。)標準品 本品は、ホルミルアミノ体82%以上を含み、融点は177~180℃である。

 4″―デオキシ―4″―エピ―(N―ホルミル―N―メチル)アミノ―アベルメクチンB (以下「N―メチルホルミルアミノ体」という。)標準品 本品は、N―メチル ホルミルアミノ体85%以上を含み、融点は163~169℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(麦・雑穀、果実(いちごを除く。)及びいも類の場合)

1) 試料10g(果実(いちごを除く。)の場合は細切した検体10g)を300mlの三角フラスコに量り取り、メタノール25mlを加え、3分間細砕した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール25mlを加え、同様の細砕及びろ過の操作を繰り返す。メタノール25ml及び蒸留水40mlでろ紙上の残留物を洗い、同様にろ過する。全ろ液を500mlの三角フラスコに合わせ、蒸留水を加え500mlとする。

2) あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール10ml、次いで蒸留水10mlを流し入れ、洗浄しておく。これに三角フラスコ中の溶液を毎分約10mlの流速で流し入れ、流出液を捨てる。次いで1%酢酸アンモニウムメタノール溶液10mlで展開し、溶出液を15mlの試験管に取り、50~70℃に加温しながら窒素ガス気流中で約1mlに濃縮する。

 これに、1%酢酸アンモニウム溶液4ml及び酢酸エチル5mlを加えて密栓し、1分間振り混ぜた後、毎分2000回転で4分間遠心分離し、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル5mlを加え、同様の振とう、遠心分離及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を15mlの試験管に合わせる。

 あらかじめ、スルホプロピルシリカゲルミニカラムに1%酢酸アンモニウムメタノール溶液、1%リン酸メタノール溶液、蒸留水、メタノール及び酢酸エチルの順にそれぞれ5mlずつ流し入れ、洗浄しておく。これに試験管中の溶液を毎分5ml以下の流速で流し入れ、次いで酢酸エチル2mlで試験管を洗い、その洗液を同様に流し入れ、全溶出液を15mlの試験管に取り、これをホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体溶出液とする。次いで、1%酢酸アンモニウムメタノール溶液10mlで展開し、溶出液を15mlの試験管に取り、1%酢酸アンモニウムメタノール溶液を加え10mlとし、これをエマメクチン安息香酸塩及びアミノ体溶出液とする。

3) エマメクチン安息香酸塩及びアミノ体溶出液をよく混合し、その2mlを15mlの試験管に取り、50~70℃に加温しながら窒素ガス気流中で約1mlに濃縮する。これに蒸留水4ml及び酢酸エチル5mlを加えて密栓し、1分間振り混ぜた後、毎分2000回転で4分間遠心分離し、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル5mlを加え、同様の振とう、遠心分離及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を綿栓をした漏斗を用いてろ過し、ろ過器上を酢酸エチル2mlで洗浄する。全ろ液を10mlのシリル化処理目盛り付き試験管に合わせ、50~70℃に加温しながら窒素ガス気流中で約0.5mlに濃縮する。これにアセトニトリル2mlを加えて密栓し、軽く振り混ぜた後10分間氷冷する。

4) これに1―メチルイミダゾール0.1mlを加えて密栓し、軽く振り混ぜた後10分間氷冷する。これに、あらかじめ氷冷したアセトニトリル及び無水トリフルオロ酢酸の混液(2:1、用時調製)0.3mlを加えて密栓し、よく混合した後20℃の水浴中で10分間放置する。これにアセトニトリルを加え、5mlとしてエマメクチン安息香酸塩及びアミノ体の試験溶液とする。

5) ホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体溶出液を、50~70℃に加温しながら窒素ガス気流中で溶媒を除去する。

6) この残留物にジクロロメタン2mlを加えて溶かし、ヘキサン8mlを加えてよく混合する。これを、あらかじめメタノール10ml、ジクロロメタン10ml、次いでヘキサン10mlを流し入れ洗浄したNH シリカゲルミニカラムに毎分5ml以下の流速で流し入れる。試験管をトルエン5mlで2回、ヘキサン及びイソプロパノールの混液(17:3)5mlで2回洗浄し、その洗液を順次カラムに流し入れ、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びエタノールの混液(17:3)10mlで展開し、溶出液を15mlの試験管に取り、酢酸エチル及びエタノールの混液(17:3)を加え10mlとする。これをよく混合した後、その2mlを10mlのシリル化処理目盛り付き試験管に取り、50~70℃に加温しながら窒素ガス気流中で溶媒を除去する。この残留物にアセトニトリル1mlを加えて溶かした後密栓し、10分間氷冷する。

7) これに1―メチルイミダゾール0.1mlを加えて密栓し、軽く振り混ぜた後10分間氷冷する。これに、あらかじめ氷冷したアセトニトリル及び無水トリフルオロ酢酸の混液(2:1、用時調製)0.3mlを加えて密栓し、よく混合した後20℃の水浴中で10分間放置する。これにメタノール及び蒸留水の混液(4:1)を加え、5mlとしてホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体の試験溶液とする。

B法(いちごの場合)

 細切した検体10gを100mlの三角フラスコに量り取り、メタノール25mlを加え、3分間細砕した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール25mlを加え、同様の細砕及びろ過の操作を繰り返す。メタノール25ml及び蒸留水40mlでろ紙上の残留物を洗い、同様にろ過する。全ろ液に蒸留水を加えて200mlとする。この40mlを300mlの分液漏斗に取り、蒸留水40ml及び酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で約1mlに濃縮し、酢酸エチルを加えて10mlとする。

 あらかじめ、スルホプロピルシリカゲルミニカラムに1%酢酸アンモニウムメタノール溶液、1%リン酸メタノール溶液、蒸留水、メタノール及び酢酸エチルの順に各々5mlずつ流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を毎分5ml以下の流速で流し入れ、次いで酢酸エチル10mlでナス型フラスコを洗い、その洗液を同様に流し入れ、全溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体溶出液とする。次いで、1%酢酸アンモニウムメタノール溶液10mlで展開し、溶出液を15mlの試験管に取り、これをエマメクチン安息香酸塩及びアミノ体溶出液とする。

 エマメクチン安息香酸塩及びアミノ体溶出液を50~70℃に加温しながら窒素ガス気流中で約1mlに濃縮する。これに蒸留水4ml及び酢酸エチル5mlを加えて密栓し、1分間振り混ぜた後、毎分2000回転で4分間遠心分離し、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル5mlを加え、同様の振とう、遠心分離及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を綿栓をした漏斗を用いてろ過し、ろ過器上を酢酸エチル2mlで洗浄する。全ろ液を10mlのシリル化処理目盛り付き試験管に合わせ、50~70℃に加温しながら窒素ガス気流中で約0.5mlに濃縮する。これにアセトニトリル2mlを加えて密栓し、軽く振り混ぜた後10分間氷冷する。以下、この溶液についてA法の4)と同様の操作を行う。

 ホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体溶出液を、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にジクロロメタン2mlを加えて溶かし、ヘキサン8mlを加えてよく混合する。これを、あらかじめメタノール10ml、ジクロロメタン10ml、次いでヘキサン10mlを流し入れ洗浄したNH シリカゲルミニカラムに毎分5ml以下の流速で流し入れる。ナス型フラスコをトルエン5mlで2回、ヘキサン及びイソプロパノールの混液(17:3)5mlで2回洗浄し、その洗液を順次カラムに流し入れ、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びエタノールの混液(17:3)10mlで展開し、溶出液を15mlのシリル化処理目盛り付き試験管に取り、50~70℃に加温しながら窒素ガス気流中で溶媒を除去する。この残留物にアセトニトリル1mlを加えて溶かした後密栓し、氷冷する。以下、この溶液についてA法の7)と同様の操作を行う。

C法(野菜の場合)

 A法の1)、2)、3)、4)及び5)と同様の操作を行う。この残留物にアセトニトリル及びトルエンの混液(3:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにアセトニトリル及びトルエンの混液(3:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これに試験管中の溶液を毎分5ml以下の流速で流し入れ、アセトニトリル及びトルエンの混液(3:1)10mlで展開し、全溶出液を50mlのナス型フラスコに合わせる。すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で約0.5mlに濃縮し、窒素ガス気流中で溶媒を除去する。以下、この残留物について、A法の6)及び7)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 50℃

 溶離液 メタノール及び蒸留水の混液(97:3)を用い、エマメクチン安息香酸塩から誘導される蛍光体の2本のピークが約9分と約10分で、アミノ体から誘導される蛍光体の2本のピークが約7分と約8分で流出するように流速を調整する。また、ホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体から誘導される蛍光体の複合ピークが約7~9分で流出するように流速を調整する。

 検出器 励起波長365nm、けい光波長470nmで測定する。

 感度 エマメクチン安息香酸塩、アミノ体並びにホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体の合量のそれぞれ0.04ngから誘導される蛍光体の相当量が十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 1) エマメクチン安息香酸塩及びアミノ体の検量線の作成

 エマメクチン安息香酸塩標準品及びアミノ体標準品のそれぞれ0.08mg/Lアセトニトリル溶液を調製する。
 これらの溶液のそれぞれ1mlを10mlのシリル化処理目盛り付き試験管に別々に取り、酢酸エチル0.5ml及びアセトニトリル1mlを加えて密栓し、軽く振り混ぜた後10分間氷冷する。以下、これらの溶液についてそれぞれウのA法の4)と同様の操作を行い、0.016mg/L溶液を調製する。これらの溶液をアセトニトリル及び酢酸エチルの混液(9:1)で希釈してそれぞれ0.0008~0.016mg/L溶液を数点調製し、それぞれを50μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク面積の和、横軸に重量を取ってエマメクチン安息香酸塩及びアミノ体の検量線を別々に作成する。

 2) ホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体の合量の検量線の作成

 ホルミルアミノ体標準品及びN―メチルホルミルアミノ体標準品のそれぞれ40mg/Lアセトニトリル溶液を調製する。これを1:1の割合で混合した後希釈し、合量として0.08mg/Lアセトニトリル混合溶液を調製する。この溶液の1mlを10mlのシリル化処理目盛り付き試験管に取り密栓し、10分間氷冷する。以下、ウのA法の7)と同様の操作を行い、0.016mg/L溶液を調製する。この溶液をメタノール及び蒸留水の混液(4:1)で希釈して0.0008~0.016mg/L溶液を数点調製し、それぞれを50μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体のピーク面積の和を、横軸に重量を取ってホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体の合量の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から50μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりエマメクチン安息香酸塩(8,9―Z異性体を含む。)、アミノ体並びにホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体の合量の重量を求める。このエマメクチン安息香酸塩の重量の値とアミノ体並びにホルミルアミノ体及びN―メチルホルミルアミノ体の合量の重量の値にそれぞれ係数1.16及び1.11を乗じてエマメクチン安息香酸塩の重量に換算したものを和し、これに基づき、検体中のエマメクチン安息香酸塩の濃度を算出する。

 (310) クレソキシムメチル試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 クレソキシムメチル標準品 本品は、クレソキシムメチル99%以上を含み、融点は102℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(麦・雑穀の場合)

1) 試料20gを300mlの三角フラスコに量り取り、水40mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で40mlに濃縮する。

2) この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いでヘキサン50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

4) この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとする。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液の5mlを分取して流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(49:1)20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にヘキサンを加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。

B法(果実及び野菜の場合)

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液についてA法の2)及び4)と同様の操作を行う。

C法(茶の場合)

 試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この濃縮液についてA法の2)と同様の操作を行う。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で16時間加熱して活性化したシリカゲル10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5~2cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)100mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物についてA法の4)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ5~15mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 クレソキシムメチルの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 クレソキシムメチル標準品の0.02~0.4mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってクレソキシムメチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりクレソキシムメチル(Z体を含む。)の重量を求め、これに基づき、検体中のクレソキシムメチルの濃度を算出する。

 (311) 削除

 (312) エトキシスルフロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(純度98%以上のもの)

 リン酸 リン酸(特級)

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 エトキシスルフロン標準品 本品は、エトキシスルフロン98.5%以上を含み、融点は144~147℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料20gを300mlの三角フラスコに量り取り、水40mlを加えて2時間放置する。これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトニトリルを加えて200mlとする。これの100mlを500mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で15mlに濃縮する。
 この濃縮液にリン酸1mlを加えて多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、5分間放置する。酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、1%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、アルミナミニカラムにアセトニトリル10mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル15ml次いでアセトニトリル及び蒸留水の混液(19:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。続いてアセトニトリル及び蒸留水の混液(9:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、1%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。なお、試験溶液を調製した後は、速やかに定量試験を行うこととする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 0.1%リン酸及びアセトニトリルの混液(3:2)を用い、エトキシスルフロンが6~12分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長240nmで測定する。

 感度 エトキシスルフロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 エトキシスルフロン標準品の0.05~1mg/L蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエトキシスルフロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりエトキシスルフロンの重量を求め、これに基づき、検体中のエトキシスルフロンの濃度を算出する。

 (313) エトキサゾール試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジクロロメタン ジクロロメタン(特級)

 ピリジン ピリジン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水トリフルオロ酢酸 無水トリフルオロ酢酸(純度99%以上のもの)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水800mlを加えたもの

 2―アミノ―2―(4―tert―ブチル―2―エトキシフェニル)エチル 2′,6′―ジフルオロベンゾアート塩酸塩(以下「アミノ体塩酸塩」という。)標準品 本品は、アミノ体塩酸塩97%以上を含み、融点は110~118℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 検体20g相当の試料(みかん以外のかんきつ類及びメロン類の場合は検体10g相当の試料、豆類の場合は試料10gに0.1mol/L塩酸20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、1mol/L塩酸2ml(豆類の場合は5ml)及びアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を300mlのナス型フラスコに合わせ、室温で16時間振とうした後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 これを多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物に酢酸エチル1mlを加えて溶かす。
 これに無水トリフルオロ酢酸1ml、ピリジン0.5mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら室温で1時間放置する。これにアセトン5ml及び蒸留水10mlを加え、振り混ぜながら3分間放置後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。
 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)8mlで展開し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。次いでヘキサン8mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にジクロロメタン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにジクロロメタン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ジクロロメタン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでジクロロメタン及び酢酸エチルの混液(19:1)8mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2ml(みかん以外のかんきつ類及びメロン類の場合は1ml)として試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 アミノ体塩酸塩の0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 アミノ体塩酸塩標準品の100mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この1mlを50mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を除去する。以下この残留物についてウのA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にアセトンを加えて溶かし10mlとする。この溶液をアセトンで希釈してアミノ体塩酸塩0.1~2mg/L相当の溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってアミノ体塩酸塩の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりアミノ体塩酸塩の重量を求め、これに係数0.868を乗じてエトキサゾールの重量に換算し、これに基づき、検体中のエトキサゾールの濃度を算出する。

 (314) 削除

 (315) アゾキシストロビン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するアゾキシストロビンの試験法による。

 (316) イマザモックスアンモニウム塩試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するイマザモックスアンモニウム塩の試験法による。

 (317) シプロジニル試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するシプロジニルの試験法による。

 (318) テトラコナゾール試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するテトラコナゾールの試験法による。

 (319) 削除

 (320) メトミノストロビン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 トルエン トルエン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 メトミノストロビン標準品 本品は、メトミノストロビン99.0%以上を含み、融点は87~89℃である。

 メトミノストロビン(Z体)標準品 本品は、メトミノストロビン(Z体)99.0%以上を含み、融点は107~109℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、蒸留水20mlを加えて2時間放置する。これにメタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液50ml、次いでジエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、ジエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをジエチルエーテル及びヘキサンの混液(1:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlの分液漏斗に合わせ、アセトニトリル飽和ヘキサン30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに分取し、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン10mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にトルエンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約260℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メトミノストロビン及びメトミノストロビン(Z体)のそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メトミノストロビン及びメトミノストロビン(Z体)標準品のそれぞれ0.05~1mg/Lトルエン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメトミノストロビン及びメトミノストロビン(Z体)の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメトミノストロビン及びメトミノストロビン(Z体)の重量を求める。このメトミノストロビンの重量の値とメトミノストロビン(Z体)の重量の値を和し、これに基づき、検体中のメトミノストロビンの濃度を算出する。

 (321) 削除

 (322) ピメトロジン試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するピメトロジンの試験法による。

 (323) 削除

 (324) 削除

 (325) ピラフルフェンエチル試験法

第1 麦・穀類、果実及びナッツ類の場合

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するピラフルフェンエチルの試験法による。

第2 野菜の場合

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 SCXシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用SCXシリカゲル(シリカゲルにスルホフェニルプロピル基を化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ピラフルフェンエチル標準品 本品は、ピラフルフェンエチル99%以上を含み、融点は126~128℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。これをヘキサン100mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、SCXシリカゲルミニカラムにアセトン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン10mlで展開し、全溶出液を50mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル1ml及び蒸留水9mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(97:3)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ピラフルフェンエチルの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ピラフルフェンエチル標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピラフルフェンエチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピラフルフェンエチルの重量を求め、これに基づき、検体中のピラフルフェンエチルの濃度を算出する。

 (326) MCPAエチル、フェノチオール(MCPAチオエチル)又はMCPAナトリウム塩試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するMCPAの試験法による。

 (327) スピノサド試験法

第1 米、果実(いちごを除く。)及び野菜の場合

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するスピノサドの試験法による。

第2 いちごの場合

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸アンモニウム 酢酸アンモニウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 トリエチルアミン トリエチルアミン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 CHシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用CHシリカゲル(シリカゲルにシクロヘキシル基を化学的に結合させたもの)1900mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 スピノシンA標準品 本品は、スピノシンA90%以上を含み、融点は84~99.5℃である。

 スピノシンD標準品 本品は、スピノシンD90%以上を含み、融点は161.5~170℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル及び蒸留水の混液(4:1)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル及び蒸留水の混液(4:1)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を200mlのメスシリンダーに合わせ、アセトニトリル及び蒸留水の混液(4:1)を加えて200mlとし、その100mlを500mlの分液漏斗に取る。これに10%塩化ナトリウム溶液150mlを加え、次いで酢酸エチル100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物に蒸留水、アセトニトリル及びメタノールの混液(3:1:1)10mlを加えて溶かす。あらかじめ、CHシリカゲルミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル10ml、次いでアセトン10mlで展開し、これらの流出液を捨てる。次いでアセトニトリル及びトリエチルアミンの混液(49:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにアセトン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(4:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトン5mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして、これをスピノシンA及びスピノシンDの試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル、メタノール及び2%酢酸アンモニウムの混液(2:2:1)を用い、スピノシンA及びスピノシンDがそれぞれ10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長250nmで測定する。

 感度 スピノシンA及びスピノシンDのそれぞれ2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 スピノシンA標準品及びスピノシンD標準品をそれぞれアセトニトリルに溶解し、各溶液を等量ずつ合わせ取る。これらをアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈し、スピノシンA及びスピノシンDの0.1~2mg/L溶液を数点調製し、それぞれ20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってスピノシンA及びスピノシンDの検量線を作成する。

カ 定量試験

 スピノシンA及びスピノシンDの試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりスピノシンA及びスピノシンDの各重量を求める。このスピノシンA及びスピノシンDの重量の値を合計し、これに基づき、検体中のスピノサドの濃度を算出する。

 (328) アセキノシル試験法

第1 果実及び野菜の場合

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するアセキノシルの試験法による。

第2 茶の場合

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 凝固液 塩化アンモニウム10gを蒸留水800mlに溶解しリン酸20mlを加えたもの

 アセキノシル標準品 本品は、アセキノシル99%以上を含み、融点は58~59℃である。

 3―ドデシル―2―ヒドロキシ―1,4―ナフトキノン(以下「アセキノシルヒドロキシル体」という)標準品 本品は、アセキノシルヒドロキシル体99%以上を含み、融点は95~96℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料2gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、5%塩化ナトリウム溶液150ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。ヘキサン20mlでろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン30mlを加えて溶かす。

 この溶液に凝固液60ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、10分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液及びアセトンの混液(2:1)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、5%塩化ナトリウム溶液150ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。ヘキサン20mlでろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン10mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(49:1)8mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)8mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリルを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 メタノール、蒸留水及びリン酸の混液(95:5:0.1)を用い、アセキノシル及びアセキノシルヒドロキシル体がそれぞれ10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長275nmで測定する。

 感度 アセキノシル及びアセキノシルヒドロキシル体のそれぞれ2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 アセキノシル標準品及びアセキノシルヒドロキシル体標準品をそれぞれアセトニトリルに溶解し、各溶液を等量ずつ合わせ取り、アセトニトリルで希釈し、アセキノシル及びアセキノシルヒドロキシル体0.1~2mg/Lアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってアセキノシル及びアセキノシルヒドロキシル体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりアセキノシル及びアセキノシルヒドロキシル体の各重量を求める。このアセキノシルの重量の値と、アセキノシルヒドロキシル体の重量の値に係数1.12を乗じてアセキノシルに換算したものとを和し、これに基づき、試料中のアセキノシルの濃度を算出する。

 (329) 削除

 (330) フェンヘキサミド試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するフェンヘキサミドの試験法による。

 (331) 削除

 (332) プロヘキサジオンカルシウム塩試験法

第1 穀類の場合

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するプロヘキサジオンカルシウム塩の試験法による。

第2 果実及び野菜の場合

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 プロヘキサジオン標準品 本品は、プロヘキサジオン99%以上を含み、融点は123~125℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 検体10g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これに1mol/L硫酸10ml及びアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を蒸留水50ml及びヘキサン50mlで200mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層にヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全有機溶媒層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液30mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に1%炭酸水素ナトリウム溶液5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml、次いで1%炭酸水素ナトリウム溶液5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、1%炭酸水素ナトリウム溶液15mlで展開し、溶出液を100mlの分液漏斗に取る。これに蒸留水10ml、4mol/L塩酸3ml及び酢酸エチル30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を100mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム10gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、100mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にメタノール4ml及び硫酸0.05mlを加え、室温で12時間放置する。この溶液を2%炭酸水素ナトリウム溶液30ml及びヘキサン30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。この水層に4mol/L塩酸5ml及びヘキサン30mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を2回繰り返す。全ヘキサン層を200mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物に蒸留水、アセトニトリル及び酢酸の混液(70:30:0.5)を加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水、アセトニトリル及び酢酸の混液(70:30:0.5)を用い、メチル―3,5―ジオキソ―4―プロピオニルシクロヘキセンカルボキシラートが約10分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長275nmで測定する。

 感度 プロヘキサジオンの1ngから誘導されるメチル―3,5―ジオキソ―4―プロピオニルシクロヘキセンカルボキシラートが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロヘキサジオン標準品の50mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この1mlを100mlのナス型フラスコに取り、室温で窒素ガスを通じて溶媒を留去する。以下、この残留物についてウの2)と同様の操作を行い、残留物をアセトニトリルに溶かし10mlとする。この溶液を蒸留水、アセトニトリル及び酢酸の混液(70:30:0.5)で希釈し、0.1~2mg/L溶液を数点調製し、それぞれ10μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってプロヘキサジオンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から10μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロヘキサジオンの重量を求め、これに換算係数1.18を乗じてプロヘキサジオンカルシウム塩の重量に換算し、これに基づき、検体中のプロヘキサジオンカルシウム塩の濃度を算出する。

 (333) ピリメタニル試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するピリメタニルの試験法による。

 (334) クロマフェノジド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ポリスチレンミニカラム 内径15mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径80~160μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 クロマフェノジド標準品 本品は、クロマフェノジド98%以上を含み、融点は186~189℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、果実、野菜及びてんさいの場合)

1) 検体20g相当の試料(米の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2) この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いで酢酸エチル50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(17:3)20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

4) あらかじめ、アルミナミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

5) この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を加えて溶かし、4ml(米の場合は2ml)として試験溶液とする。

B法(大豆の場合)

 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

 この残留物をへキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の3)及び4)と同様の操作を行う。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

C法(茶の場合)

 試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 あらかじめ、ポリスチレンミニカラムにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取る。

 あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにアセトニトリル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル5mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめC18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いで、アセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の4)及び5)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を用い、クロマフェノジドが8~14分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長250nmで測定する。

 感度 クロマフェノジドの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 クロマフェノジド標準品の0.05~1mg/Lアセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってクロマフェノジドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりクロマフェノジドの重量を求め、これに基づき、検体中のクロマフェノジドの濃度を算出する。

 (335) ファモキサドン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ファモキサドン標準品 本品は、ファモキサドン99.4%以上を含み、融点は142.4~143.3℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)120mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(3:2)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、アルミナミニカラムにアセトン5ml、次いでヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(3:2)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びメタノールの混液(1:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール及び蒸留水の混液(7:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、ファモキサドンが14~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長230nmで測定する。

 感度 ファモキサドンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ファモキサドン標準品の0.05~1mg/Lアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってファモキサドンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりファモキサドンの重量を求め、これに基づき、検体中のファモキサドンの濃度を算出する。

 (336) カーバムアンモニウム塩試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフ及び蒸留装置((154) メチルイソチオシアネート試験法の別図(以下、(336)において「別図」という。)に掲げる構成のもの)を用いる。

イ 試薬試液

 亜硫酸ナトリウム 亜硫酸ナトリウム(特級)

 塩化カルシウム 塩化カルシウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 シリコン 消泡用シリコン

 次亜塩素酸ナトリウム溶液 有効塩素5%以上を含む次亜塩素酸ナトリウム溶液を蒸留水で用時100倍に希釈したもの

 水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 メチルイソチオシアネート標準品 本品は、メチルイソチオシアネート97.0%以上を含み、融点は35~36℃である。

ウ 試験溶液の調製

 細切した検体20g相当の試料を蒸留装置の丸底フラスコに量り取り、蒸留水300ml、0.1mol/L塩化カルシウム溶液20ml、0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液20ml、次亜塩素酸ナトリウム溶液10ml、1%亜硫酸ナトリウム溶液2ml、シリコン約0.2ml及び酢酸エチル10mlを加え、40分間加熱還流する。終了後、トラップ(別図の[1])の部分の水及び酢酸エチルを別の丸底フラスコに取り、これに蒸留水300mlを加え蒸留装置に取りつけ、40分間加熱還流する。

 終了後、トラップ(別図の[1])の部分の水及び酢酸エチルを100mlの分液漏斗に取り、蒸留水10mlでトラップを洗い、その洗液を分液漏斗に合わせる。これに塩化ナトリウム10gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取し、液相分離ろ紙を用いてろ過し試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にポリエチレングリコールを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 炎光光度型検出器のフィルター イオウ用干渉フィルター(波長394nm)を用いる。

 分離管槽温度 80℃

 試料導入部温度 250℃

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 メチルイソチオシアネートの0.01ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メチルイソチオシアネート標準品の0.005~0.1mg/L酢酸エチル溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメチルイソチオシアネートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりメチルイソチオシアネートの重量を求め、これに係数1.70を乗じてカーバムアンモニウム塩の重量に換算し、これに基づき、検体中のカーバムアンモニウム塩の濃度を算出する。

 (337) 削除

 (338) テプラロキシジム試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 イソプロパノール イソプロパノール(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 オルトぎ酸トリメチル オルトぎ酸トリメチル(純度98%以上のもの)

 過酸化水素水 過酸化水素水(特級)

 ぎ酸 ぎ酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 水酸化カリウム 水酸化カリウム(特級)

 水酸化カルシウム 水酸化カルシウム(特級)

 炭酸水素ナトリウム 炭酸水素ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ペルオキソ二硫酸カリウム ペルオキソ二硫酸カリウム(純度95%以上のもの)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 硫酸 硫酸(特級)

 活性炭 化学分析用活性炭

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 C18シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用アミノプロピル(NH)シリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ジメチル 3―(3,4,5,6―テトラヒドロ―2H―ピラン―4―イル)グルタラート(以下、「DMP」という。)標準品 本品は、DMP99.0%以上を含み、屈折率は1.4662である。

 ジメチル 3―ヒドロキシ―3―(3,4,5,6―テトラヒドロ―2H―ピラン―4―イル)グルタラート(以下、「OH―DMP」という。)標準品 本品は、OH―DMP99.0%以上を含み、融点は67~68℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(豆類の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、メタノール及び蒸留水の混液(4:1)150mlを加え、5分間細砕した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール及び蒸留水の混液(4:1)150mlを加え、同様の細砕及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で30mlに濃縮する。
 この濃縮液に蒸留水70mlを加えた後、イソプロパノールを加えて300mlとする。この150mlを300mlの三角フラスコに取り、水酸化カルシウム5gを加えて緩やかに振り混ぜた後、ろ紙を用いて吸引ろ過する。(豆類の場合は、濃縮液に蒸留水20ml、イソプロパノール100ml及び水酸化カルシウム5gを加えて緩やかに振り混ぜた後、ろ紙を用いて吸引ろ過する。)使用した三角フラスコをイソプロパノール及び蒸留水の混液(4:1)20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、同様にろ過する。全ろ液を500mlの三角フラスコに合わせ、水酸化カリウム1gを加え、撹拌子を投入し、還流冷却器を付けて撹拌しながら加熱還流する。還流開始直後に過酸化水素水3mlを還流冷却器上から滴下して加え、10分間隔で過酸化水素水3mlを滴下して加える操作を3回繰り返した後、さらに30分間加熱還流する。冷後、塩化ナトリウム25gを加え10分間撹拌する。三角フラスコから撹拌子を取り出し、溶液を飽和塩化ナトリウム溶液20mlで500mlの分液漏斗に洗い入れ、暫時放置した後、水層を分取する。残った有機溶媒層についても、飽和塩化ナトリウム溶液50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、水層を分取する。全水層を300mlのナス型フラスコに合わせ、塩酸5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50~60℃でイソプロパノールを完全に留去する。
 これに残留物が溶解するまで蒸留水を加えた後、活性炭2.5gを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とうする。溶液をろ紙を用いて吸引ろ過し、使用したナス型フラスコを蒸留水200mlで洗い、その洗液でろ紙上の活性炭を洗った後、5分間吸引を続け水分を除去する。次いでヘキサン100mlでろ紙上の活性炭を洗い、5分間吸引を続け、活性炭を乾燥させる。
 ろ紙上の活性炭及び5mm角に切断したろ紙を500mlの三角フラスコに移す。これにメタノール100ml、ペルオキソ二硫酸カリウム2g、オルトぎ酸トリメチル25ml及び硫酸20mlを加え、撹拌子を投入し、還流冷却器を付けて1時間撹拌しながら加熱還流する。終了後、冷却器をメタノール50mlで洗い、洗液を三角フラスコに合わせる。これを500mlのナス型フラスコ中にろ紙を用いてろ過し、使用した三角フラスコをメタノール及びぎ酸の混液(9:1)100mlで洗い、その洗液でろ過器上を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて50~60℃で80mlに濃縮する。
 この濃縮液を蒸留水300ml、次いで酢酸エチル150mlで1000mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても酢酸エチル150mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。
 全酢酸エチル層を500mlの分液漏斗に合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。
 全酢酸エチル層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン1mlを加えて溶かし、ヘキサン19mlを加える。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウム10gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんし、その上に無水硫酸ナトリウム5gをヘキサンで充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)60mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(4:1)80mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にジエチルエーテル3mlを加えて溶かし、ヘキサン12mlを加える。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(4:1)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール0.5mlを加えて溶かし、蒸留水9.5mlを加える。
 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びメタノールの混液(1:1)20mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトンを加えて溶かし、3mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフ質量分析計の操作条件

 分離管 内径0.2~約0.25mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にフェニルポリシルフェニレンシロキサンを0.1~0.25μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 キャリヤーガス ヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.25mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとする。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約200℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 インターフェース部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 DMPの場合は、213、182、168、OH―DMPの場合は、175、155、143

 感度 DMP及びOH―DMPのそれぞれ0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 DMP及びOH―DMP標準品のそれぞれ0.025~0.5mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってDMP及びOH―DMPの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりDMP及びOH―DMPの重量を求める。このDMP及びOH―DMPの重量の値にそれぞれ係数1.40及び1.31を乗じてテプラロキシジムの重量に換算したものを合計し、これに基づき、検体中のテプラロキシジムの濃度を算出する。

 (339) 削除

 (340) オキスポコナゾールフマル酸塩試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ並びにアルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸水素二ナトリウム リン酸水素二ナトリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用アミノプロピル(NH)シリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 0.2mol/Lリン酸緩衝液 0.2mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液に0.2mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpHを7.5に調整したもの

 オキスポコナゾールフマル酸塩標準品 本品は、オキスポコナゾールフマル酸塩99.95%以上を含み、融点は123.6~124.5℃である。

 2―[3―(4―クロロフェニル)プロピル]―N―ホルミル―2,4,4―トリメチルオキサゾリジン―3―カルボキサミド(以下、「ホルミル体」という。)標準品 本品は、ホルミル体97.63%以上を含み、融点は100.5~102℃である。

 4,4―ジメチル―2―オキサゾリジノン(以下、「オキサゾリジノン」という。)標準品 本品は、オキサゾリジノン99.3%以上を含み、融点は57~58℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これに0.2mol/Lリン酸緩衝液(みかん以外のかんきつ類の場合は0.1mol/Lリン酸水素二ナトリウム溶液)10ml及びアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で30mlに濃縮する。
 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ 、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びメタノールの混液(1:1)5mlで展開し、溶出液を50mlの三角フラスコに取り、これをオキサゾリジノン溶出液とする。次いで、メタノール10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをオキスポコナゾールフマル酸塩及びホルミル体溶出液とする。

2) オキスポコナゾールフマル酸塩及びホルミル体溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液(みかん以外のかんきつ類の場合は、その1ml)を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5ml(みかん以外のかんきつ類の場合は10ml)で展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをホルミル体溶出液とする。次いで、ヘキサン及びアセトンの混液(4:1)25mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをオキスポコナゾールフマル酸塩溶出液とする。

3) オキスポコナゾールフマル酸塩溶出液を、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いで、アセトン及びヘキサンの混液(1:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にメタノールを加えて溶かし、2mlとしてオキスポコナゾールフマル酸塩の試験溶液とする。

4) 2)のホルミル体溶出液を、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノールを加えて溶かし、2mlとしてホルミル体の試験溶液とする。

5) 1)のオキサゾリジノン溶出液に蒸留水を加えて40mlとする。この20mlを、多孔性ケイソウ土カラムの下にNHシリカゲルミニカラムを連結したものに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとしてオキサゾリジノンの試験溶液とする。

エ 測定機器の操作条件

1) 高速液体クロマトグラフ(オキスポコナゾールフマル酸塩及びホルミル体測定用)

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 メタノール及び蒸留水の混液(13:7)を用い、オキスポコナゾールフマル酸塩及びホルミル体がそれぞれ10~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長220nmで測定する。

 感度 オキスポコナゾールフマル酸塩及びホルミル体のそれぞれ2ngが十分確認できるように感度を調整する。

2) ガスクロマトグラフ(オキサゾリジノン測定用)

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 オキサゾリジノンの0.03ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線

1) オキスポコナゾールフマル酸塩及びホルミル体

 オキスポコナゾールフマル酸塩標準品及びホルミル体標準品のそれぞれ0.1~2mg/Lメタノール溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってオキスポコナゾールフマル酸塩及びホルミル体の検量線を作成する。

2) オキサゾリジノン

 オキサゾリジノン標準品の0.015~0.3mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってオキサゾリジノンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 オキスポコナゾールフマル酸塩及びホルミル体の試験溶液からそれぞれ20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの1)の検量線によりオキスポコナゾールフマル酸塩及びホルミル体の重量を求める。
 オキサゾリジノンの試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの2)の検量線によりオキサゾリジノンの重量を求める。
 このオキスポコナゾールフマル酸塩の重量と、ホルミル体及びオキサゾリジノンの重量の値にそれぞれ係数1.24及び3.65を乗じてオキスポコナゾールフマル酸塩の重量に換算したものとを合計し、これに基づき、検体中のオキスポコナゾールフマル酸塩の濃度を算出する。

 (341) フルミオキサジン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイ酸マグネシウム カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用アミノプロピル(NH)シリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 フルミオキサジン標準品 本品は、フルミオキサジン99.0%以上を含み、融点は201.8~203.8℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びメタノールの混液(1:1)8mlで展開し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。次いで、メタノール10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いで、ヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 フルミオキサジンの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フルミオキサジン標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフルミオキサジンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフルミオキサジンの重量を求め、これに基づき、検体中のフルミオキサジンの濃度を算出する。

 (342) ビフェナゼート試験法

ア 装置 けい光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アスコルビン酸 L(+)―アスコルビン酸(特級)

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 1,5―ジフェニルカルボノヒドラジド(以下「DPH」という。) DPH(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 0.1%DPHアセトニトリル溶液 DPH1gをアセトニトリルに溶かして1Lにしたもの。使用時に調製する。

 0.01%DPHアセトニトリル溶液 DPH0.1gをアセトニトリルに溶かして1Lにしたもの。使用時に調製する。

 2%アスコルビン酸溶液 アスコルビン酸20gを蒸留水に溶かして1Lにしたもの。使用時に調製する。

 0.02%アスコルビン酸溶液 アスコルビン酸0.2gを蒸留水に溶かして1Lにしたもの。使用時に調製する。

 ビフェナゼート標準品 本品は、ビフェナゼート99%以上を含み、融点は123~125℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体10g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル及び水の混液(3:2)100mlを加え(茶の場合は試料5gに水20mlを加え、2時間放置した後、アセトニトリル100mlを加える。)、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル及び水の混液(3:2)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのメスシリンダーに合わせ、水を加えて500mlとし、その250ml(みかん以外のかんきつ類及び小粒果実類の場合は125ml、茶の場合は100ml)を三角フラスコに取る。
 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これに三角フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル及び2%アスコルビン酸溶液の混液(3:2)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取る。
 ナス型フラスコに栓をして時々振り混ぜながら50℃で30分間放置する。冷後、0.1%DPHアセトニトリル溶液0.5mlを加える。
 あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムに0.01%DPHアセトニトリル溶液10ml、次いで蒸留水10mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、0.01%DPHアセトニトリル溶液及び蒸留水の混液(3:2)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いで0.01%DPHアセトニトリル溶液25mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトニトリル及び0.02%アスコルビン酸溶液の混液(3:2)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、ビフェナゼートが15~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 励起波長266nm、けい光波長427nmで測定する。

 感度 ビフェナゼートの2.5ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検出線の作成

 ビフェナゼート標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を0.01%DPHアセトニトリル溶液及び蒸留水の混液(3:2)で希釈して、ビフェナゼート0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを50μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってビフェナゼートの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から50μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりビフェナゼートの重量を求め、これに基づき、検体中のビフェナゼートの濃度を算出する。

 (343) 削除

 (344) 削除

 (345) テブコナゾール試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するテブコナゾールの試験法による。ただし、茶の場合における試験溶液の調製については、4.試験溶液の調製中「[2]果実、野菜及び抹茶の場合」の方法によるものとする。

 (346) 削除

 (347) カズサホス試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 カズサホス標準品 本品はカズサホス98.1%以上を含み、融点は-20℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(97:3)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、5mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 カズサホスの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 カズサホス標準品の0.02~0.1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってカズサホスの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりカズサホスの重量を求め、これに基づき、検体中のカズサホスの濃度を算出する。

 (348) 削除

 (349) シアゾファミド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 炭酸ナトリウム 炭酸ナトリウム(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シアゾファミド標準品 本品は、シアゾファミド99.0%以上を含み、融点は152.7℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(麦・雑穀の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコ中に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で15mlに濃縮し、0.3mol/L炭酸ナトリウム5mlを加える。
 この溶液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン100mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、この流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(17:3)10mlで展開し、この流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
 この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、4ml(麦・雑穀の場合は2ml)として試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(3:2)を用い、シアゾファミドが10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長280nmで測定する。

 感度 シアゾファミドの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 シアゾファミド標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれ20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシアゾファミドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりシアゾファミドの重量を求め、これに基づき、検体中のシアゾファミドの濃度を算出する。

 (350) チアクロプリド試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 チアクロプリド標準品 本品は、チアクロプリド98.0%以上を含み、融点は135~136℃である。

 3―(6―クロロ―3―ピリジルメチル)―1,3―チアゾリジン―2―イリデンアミノカルボキサミド(以下「アミド体」という。)標準品 本品は、アミド体98.0%以上を含み、融点は158~160℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(米の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの、茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル及び水の混液(4:1)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトニトリルを加えて200mlとする。この溶液の50ml(米の場合は100ml、茶の場合は20ml)を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で5mlに濃縮する。
 この濃縮液に10%塩化ナトリウム溶液10mlを加え、多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン80mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(3:2)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:2)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、これをチアクロプリド溶出液とする。続いて酢酸エチル及びアセトンの混液(9:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをアミド体溶出液とする。
 チアクロプリド溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、アルミナミニカラムにアセトニトリル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)を加えて溶かし、2mlとしてチアクロプリドの試験溶液とする。
 アミド体溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びアセトンの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を加えて溶かし、2mlとしてアミド体の試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 チアクロプリドの場合は蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)を用い、チアクロプリドが8~12分で流出するように流速を調整する。アミド体の場合は蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を用い、アミド体が10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長240nmで測定する。

 感度 チアクロプリド及びアミド体のそれぞれ0.5ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 チアクロプリド標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)で希釈して0.0125~0.25mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってチアクロプリドの検量線を作成する。
 アミド体標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)で希釈して0.0125~0.25mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってアミド体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 チアクロプリド及びアミド体の試験溶液からそれぞれ40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりチアクロプリド及びアミド体の重量を求める。このチアクロプリドの重量の値とアミド体の重量の値に係数0.93を乗じてチアクロプリドの値に換算したものとを和し、これに基づき、検体中のチアクロプリドの濃度を算出する。

 (351) フェンブコナゾール試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 トルエン トルエン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ポリエチレングリコール ポリエチレングリコール(平均分子量400のもの)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 凝固液 塩化アンモニウム2gにリン酸4ml及び蒸留水400mlを加えたもの

 フェンブコナゾール標準品 本品は、フェンブコナゾール99.5%以上を含み、融点は127℃である。

 cis―5―(4―クロロフェニル)―ジヒドロ―3―フェニル―3―(メチル―1H―1,2,4―トリアゾール―1―イル)―2―3H―フラノン(以下「ラクトン体A」という。)標準品 本品は、ラクトン体A99.8%以上を含み、融点は126~128℃である。

 trans―5―(4―クロロフェニル)―ジヒドロ―3―フェニル―3―(メチル―1H―1,2,4―トリアゾール―1―イル)―2―3H―フラノン(以下「ラクトン体B」という。)標準品 本品は、ラクトン体B99.2%以上を含み、融点は112~114℃である

ウ 試験溶液の調製

A法(果実の場合)

1) 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、メタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液を5%塩化ナトリウム溶液100ml、次いで酢酸エチル50mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(9:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に0.05%ポリエチレングリコールトルエン溶液を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(茶の場合)

 試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにメタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にメタノールを加えて200mlとする。その80mlを500mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。
 この濃縮液にアセトン30ml、凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液及びアセトンの混液(5:3)40mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を300mlの分液漏斗に合わせ、酢酸エチル50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取する。残った水層についても、酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全酢酸エチル層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを酢酸エチル20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(9:1)5mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 フェンブコナゾール、ラクトン体A及びラクトン体Bのそれぞれ0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フェンブコナゾール標準品、ラクトン体A標準品及びラクトン体B標準品のそれぞれ0.05~1mg/Lの0.05%ポリエチレングリコールトルエン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフェンブコナゾール、ラクトン体A及びラクトン体Bの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフェンブコナゾール、ラクトン体A及びラクトン体Bの重量を求める。このフェンブコナゾールの重量の値と、ラクトン体A及びラクトン体Bの重量の値にそれぞれ係数0.95を乗じてフェンブコナゾールの重量に換算したものとを和し、これに基づき、検体中のフェンブコナゾールの濃度を算出する。

 (352) ベンゾビシクロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ポリスチレンミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 SAXミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用SAXシリカゲル(シリカゲルにトリメチルアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ベンゾビシクロン標準品 本品は、ベンゾビシクロン99.0%以上を含み、融点は188~189℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、0.15mol/Lリン酸20mlを加えて2時間放置する。これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコ中に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 あらかじめ、ポリスチレンミニカラムにアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)10mlで展開し、この流出液を捨てる。次いでアセトニトリル及び蒸留水の混液(4:1)10mlで展開し、溶出液を50mlの三角フラスコに取り、これに蒸留水10mlを加える。

 この溶液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル120mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(19:1:0.2)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(19:1:0.2)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(19:1:0.2)10mlで展開し、この流出液を捨てる。次いでヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(3:2:0.05)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、SAXミニカラムにアセトニトリル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル10mlで展開し、全溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(3:2:0.005)を用い、ベンゾビシクロンが10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長320nmで測定する。

 感度 ベンゾビシクロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ベンゾビシクロン標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれ20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってベンゾビシクロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりベンゾビシクロンの重量を求め、これに基づき、試料中のベンゾビシクロンの濃度を算出する。

 (353) インドキサカルブMP試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充填したもの又はこれと同等の性能を有するもの

 インドキサカルブMP標準品 本品は、インドキサカルブMP99.0%以上を含み、融点は140~141℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(豆類の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにメタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコ中に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この溶液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)140mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)20mlで展開し、この流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びメタノールの混液(1:1)15mlで展開し、この流出液を捨てる。次いでメタノール20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(7:3)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル、蒸留水及びリン酸の混液(70:30:0.05)を用い、インドキサカルブMPが10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長310nmで測定する。

 感度 インドキサカルブMPの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 インドキサカルブMP標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(7:3)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれ20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってインドキサカルブMPの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりインドキサカルブMPの重量を求め、これに基づき、検体中のインドキサカルブMPの濃度を算出する。

 (354) トリフロキシストロビン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 トリフロキシストロビン標準品 本品は、トリフロキシストロビン99.0%以上を含み、融点は72~73℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとし、その50ml(茶の場合、その40ml)を300mlの分液漏斗に取る。これに5%塩化ナトリウム溶液100ml、リン酸2ml次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても、同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、液相分離ろ紙を用いて300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液30mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにアセトン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にジエチルエーテル1mlを加えて溶かし、ヘキサン9mlを加える。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)20mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとしてトリフロキシストロビンの試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、トリフロキシストロビンが40~45分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長250nmで測定する。

 感度 トリフロキシストロビンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 トリフロキシストロビン標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってトリフロキシストロビンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりトリフロキシストロビンの重量を求め、これに基づき、検体中のトリフロキシストロビンの濃度を算出する。

 (355) アニロホス試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 トルエン トルエン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 アニロホス標準品 本品は、アニロホス99.5%以上を含み、融点は50.5~52.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体10gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにメタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)80mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にトルエンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は100~約150℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 アニロホスの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 アニロホス標準品の0.05~1mg/Lトルエン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってアニロホスの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりアニロホスの重量を求め、これに基づき、検体中のアニロホスの濃度を算出する。

 (356) チアメトキサム試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 SCXシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用SCXシリカゲル(シリカゲルにスルホフェニルプロピル基を化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 チアメトキサム標準品 本品は、チアメトキサム99.3%以上を含み、融点は139.1℃である。

 N―(2―クロロ―1,3―チアゾール―5―イルメチル)―N′―メチル―N′′―ニトロ―グアニジン(以下「グアニジン体」という。)標準品 本品は、グアニジン体99.0%以上を含み、融点は139.1℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(米及び豆類の場合は試料20gに水40mlを加えて2時間放置したもの、茶の場合は試料4gに水40mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン及び水の混液(4:1)100ml(米、豆類及び茶の場合はアセトン80ml)を加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとし、その100ml(茶の場合は25mlに水15mlを加えたもの)を300mlのナス型フラスコ中に取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン50mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル120mlで展開し、この溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、SCXシリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び酢酸エチル5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、アルミナミニカラムにアセトン10mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン25mlで展開し、全溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を加えて溶かし、2ml(米、豆類及び茶の場合は1ml)として試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(17:3)を用い、チアメトキサム及びグアニジン体がそれぞれ10~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長258nmで測定する。

 感度 チアメトキサム及びグアニジン体の各1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 チアメトキサム標準品及びグアニジン体標準品のそれぞれ500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、各溶液を等量ずつ合わせ取り、蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)で希釈して0.04~0.8mg/L溶液を数点調製し、それぞれ25μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってチアメトキサム及びグアニジン体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から25μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりチアメトキサム及びグアニジン体の重量を求める。このチアメトキサムの重量の値とグアニジン体の重量の値に係数1.17を乗じてチアメトキサムの重量に換算したものとを和し、これに基づき、検体中のチアメトキサムの濃度を算出する。

 (357) 削除

 (358) メトキシフェノジド試験法

ア 装置 紫外分光光度検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 トルエン トルエン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 C18シリカゲル シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

18シリカゲルミニカラム(1) 内径10mm、長さ13mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム(2) 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル2gを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 PSAシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用PSAシリカゲル(シリカゲルにN′―プロピルエチレンジアミン基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 メトキシフェノジド標準品 本品は、メトキシフェノジド99.8%以上を含み、融点は204~206℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米及び大豆の場合)

1) 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2) この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル80mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物をアセトニトリル飽和へキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。

4) あらかじめ、PSAシリカゲルミニカラムにアセトン及びヘキサンの混液(1:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン及びヘキサンの混液(1:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(49:1)5mlを加えて溶かす。

5) あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(49:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(3:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

6) この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。

B法(果実及び野菜(ねぎを除く。)の場合)

1) 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行い、その残留物にアセトン及びヘキサンの混液(1:1)5mlを加えて溶かし、この溶液についてA法の4)及び5)と同様の操作を行う。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(4:1)5mlを加えて溶かす。

2) あらかじめ、C18シリカゲルミニカラム(1)にメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びメタノールの混液(4:1)15ml、次いで蒸留水及びメタノールの混液(1:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。続いてメタノール及び蒸留水(4:1)10mlで展開し、溶出液を50mlの三角フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、8mlとして試験溶液とする。

C法(茶及びねぎの場合)

 検体20g相当の試料(茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとする。この溶液の50ml(茶の場合は40ml)を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で2mlに濃縮する。この濃縮液にメタノール20ml及び蒸留水78mlを加える。
 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラム(2)にメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びメタノールの混液(3:2)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及びヘキサンの混液(1:1)5mlを加えて溶かし、以下、A法の4)と同様の操作を行う。得られた残留物にアセトニトリル及びトルエン(3:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにアセトニトリル及びトルエンの混液(3:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル及びトルエンの混液(3:1)25mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチル(9:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、130℃で4時間加熱活性化したシリカゲル5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)50mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)80mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(4:1)5mlを加えて溶かし、以下、この溶液についてB法の2)と同様の操作を行う。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、メトキシフェノジドが25~30分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長210nmで測定する。

 感度 メトキシフェノジドの0.5ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メトキシフェノジド標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.025~0.5mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメトキシフェノジドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりメトキシフェノジドの重量を求め、これに基づき、検体中のメトキシフェノジドの濃度を算出する。

 (359) 削除

 (360) フルアクリピリム試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 フルアクリピリム標準品 本品は、フルアクリピリム98%以上を含み、融点は107.2~108.6℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この溶液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン100mlで展開し、溶出液を200mlナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(9:1)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 フルアクリピリムの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フルアクリピリム標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフルアクリピリムの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフルアクリピリムの重量を求め、これに基づき、検体中のフルアクリピリムの濃度を算出する。

 (361) カルフェントラゾンエチル試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 酢酸ナトリウム 酢酸ナトリウム(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ15mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 緩衝液 0.2mol/L酢酸ナトリウム溶液に0.2mol/L塩酸を加えてpH3に調整したもの

 カルフェントラゾンエチル標準品 本品は、カルフェントラゾンエチル97.6%以上を含み、融点は-20℃以下である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(小麦の場合は試料10gに緩衝液20mlを加えて30分間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン100mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物にアセトンを加えて溶かし、2ml(小麦の場合は1ml)として試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 カルフェントラゾンエチルの0.2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 カルフェントラゾンエチル標準品の0.1~2mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってカルフェントラゾンエチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりカルフェントラゾンエチルの重量を求め、これに基づき、検体中のカルフェントラゾンエチルの濃度を算出する。

 (362) トルフェンピラド試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化アンモニウム 塩化アンモニウム(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 リン酸 リン酸(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン250mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 凝固液 塩化アンモニウム2gを蒸留水400mlに溶解した後、リン酸4mlを加えたもの

 トルフェンピラド標準品 本品は、トルフェンピラド99.1%以上を含み、融点は86.8~88.3℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(果実及び野菜の場合)

1) 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン120mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、10mlとする。

2) あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにアセトン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これに上記溶液の5mlを分取して流し入れ、アセトン20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

B法(茶の場合)

 試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
 この濃縮液にアセトン30ml、凝固液50ml及びケイソウ土2gを加えて緩やかに振り混ぜ、5分間放置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。使用したナス型フラスコを凝固液及びアセトンの混液(5:3)50mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、吸引ろ過する。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、5%塩化ナトリウム溶液100ml及びヘキサン50mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についてもヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、10mlとする。以下、この溶液についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 200~270℃

 分離管槽昇温プログラム 150℃で2分保ち、150~約250℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 トルフェンピラドの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 トルフェンピラド標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってトルフェンピラドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりトルフェンピラドの重量を求め、これに基づき、検体中のトルフェンピラドの濃度を算出する。

 (363) クロチアニジン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ポリスチレンミニカラム 内径15mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径80~160μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 クロチアニジン標準品 本品は、クロチアニジン98%以上を含み、融点は176.8℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、果実及び野菜の場合)

1) 検体20g相当の試料(米の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2) この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン100mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル80mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3) この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムに酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル30mlで展開し、この溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

4) この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。あらかじめ、アルミナミニカラムに酢酸エチル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

5) この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を加えて溶かし、4ml(米の場合は2ml)として試験溶液とする。

B法(茶の場合)

 試料5gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトニトリル及び1mol/L塩酸の混液(1:1)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻して同混液50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトニトリルを加えて200mlとする。これの40mlを300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。

 あらかじめ、ポリスチレンミニカラムにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水20mlで展開し、流出液を捨てる。次いでアセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水20mlを加えて溶かす。以下、この溶液についてA法の2)及び4)と同様の操作を行う。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を用い、クロチアニジンが15~20分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長265nmで測定する。

 感度 クロチアニジンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 クロチアニジン標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(3:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってクロチアニジンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりクロチアニジンの重量を求め、これに基づき、検体中のクロチアニジンの濃度を算出する。

 (364) ジノテフラン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ジノテフラン標準品 本品は、ジノテフラン99.8%以上を含み、融点は107.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、果実及び野菜(ねぎ、だいこんの根及び葉を除く。)の場合)

1) 検体20g相当の試料(米の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で15mlに濃縮する。

 この濃縮液に塩化ナトリウム5gを加えて溶かし、多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン50mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物に蒸留水5mlを加えて溶かす。あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水10ml、次いで蒸留水及びメタノールの混液(9:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。続いて蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)25mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル120mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水を加えて溶かし、4ml(米の場合は2ml)として試験溶液とする。

B法(茶、ねぎ、だいこんの根及び葉の場合)

 検体20g相当の試料(茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で15mlに濃縮する。

 この濃縮液に塩化ナトリウム5gを加えて溶かし、多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン50mlで展開し、流出液を捨てた後、酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムに酢酸エチル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル10mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びメタノールの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水、アセトニトリル及びメタノールの混液(90:7:3)を用い、ジノテフランが9~14分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長270nmで測定する。

 感度 ジノテフランの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 ジノテフラン標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液を蒸留水で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってジノテフランの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりジノテフランの重量を求め、これに基づき、検体中のジノテフランの濃度を算出する。

 (365) フルチアセットメチル試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲル カラムクロマトグラフィー用シリカゲル

 フルチアセットメチル標準品 本品は、フルチアセットメチル99%以上を含み、融点は105.0~106.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(乾燥子実の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、メタノール及び蒸留水の混液(2:1)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻して同混液50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlの分液漏斗に合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液50ml及びヘキサン100mlを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についてもヘキサン100mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を500mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、500mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物をアセトニトリル飽和へキサン30ml、次いでヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとする。

 あらかじめ、130℃で4時間加熱活性化したシリカゲル5gをヘキサンでクロマト管(内径1.5cm、長さ30cmのガラス管)に充てんしておく。これに上記の溶液2ml(乾燥子実の場合は4ml)を流し入れ、ヘキサン20ml次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)50mlで展開し、流出液を捨てる。続いてヘキサン及び酢酸エチルの混液(13:7)150mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにアセトニトリル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル5mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル50mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~約100℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約270℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 フルチアセットメチルの0.04ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 フルチアセットメチル標準品の0.02~0.4mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってフルチアセットメチルの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりフルチアセットメチルの重量を求め、これに基づき、検体中のフルチアセットメチルの濃度を算出する。

 (366) メタミトロン試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ15mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 メタミトロン標準品 本品は、メタミトロン98%以上を含み、融点は167℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これに1mol/L塩酸1ml及びアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコ中に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン50mlで展開し、この流出液を捨てる。次いで酢酸エチル120mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムに酢酸エチル5ml及びヘキサン5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:2)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を用い、メタミトロンが10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長310nmで測定する。

 感度 メタミトロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 メタミトロン標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)で希釈して0.05~1.0mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメタミトロンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりメタミトロンの重量を求め、これに基づき、検体中のメタミトロンの濃度を算出する。

 (367) シフルフェナミド試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン、酢酸エチル、ヘキサン及びメタノール それぞれ300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シフルフェナミド標準品 本品は、シフルフェナミド98%以上を含み、融点は61.5~62.5℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料(麦・雑穀の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、メタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとする。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これに上記の溶液5mlを流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにメタノール5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、メタノール10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10ml(麦・雑穀の場合は5ml)として試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約270℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、追加ガス(高純度窒素ガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 シフルフェナミドの0.01ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 シフルフェナミド標準品の0.005~0.1mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシフルフェナミドの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりシフルフェナミドの重量を求め、これに基づき、検体中のシフルフェナミドの濃度を算出する。

 (368) ピリフタリド試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ並びにカラムスイッチングシステム及び紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ(別図)を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 シリコン 消泡用シリコン

 トルエン トルエン(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 リン酸水素二カリウム リン酸水素二カリウム(特級)

 リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 0.07mol/Lリン酸緩衝溶液 0.07mol/Lリン酸水素二カリウム溶液に0.07mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpHを7に調整したもの

 ピリフタリド標準品 本品は、ピリフタリド99.6%以上を含み、融点は163.4℃である。

 7―メタンスルフィニル―3―メチル―3H―イソベンゾフラン―1―オン(以下「脱ピリミジン体」という。)標準品 本品は、脱ピリミジン体99%以上を含み、融点は140℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、0.07mol/Lリン酸緩衝液20mlを加えて2時間放置する。これにメタノール80mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール及び0.07mol/Lリン酸緩衝液の混液(4:1)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、シリコン0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン140mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、これをピリフタリド溶出液とする。続いて酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)120mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、これを脱ピリミジン体溶出液とする。

 ピリフタリド溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(49:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(49:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(49:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にトルエンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

 脱ピリミジン体溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)20mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水15mlで展開し、流出液を捨てる。次いで蒸留水及びメタノールの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlの三角フラスコに取る。

 この溶液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(4:1)を加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

エ 測定機器の操作条件

 I ピリフタリドの測定機器の操作条件

 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面にメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 ピリフタリドの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。

 II 脱ピリミジン体の測定機器の操作条件

 装置 カラムスイッチングシステム及び紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

 分離管[1] 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管にシリカゲルにフェニル基を化学的に結合させたものを充てんして用いる。

 分離管[2] 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管にシリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを充てんして用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液[1] 蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を用い、脱ピリミジン体が分離管[1]を12.5~14分で流出するように流速を調整する。

 溶離液[2] 蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を用い、脱ピリミジン体が分離管[2]を17.5~21分で流出するように流速を調整する。なお、溶離液[1]の流速と溶離液[2]の流速は同一とする。

 カラムスイッチングシステム 注入から脱ピリミジン体が分離管[1]を流出する直前まで分離管[1]及び分離管[2]に別々に溶離液を流し、脱ピリミジン体が分離管[1]から流出している間は、分離管[1]と分離管[2]を連結した状態で溶離液を流す。脱ピリミジン体が分離管[1]から流出を終了した以降は分離管[1]及び分離管[2]に別々に溶離液を流す。

 検出器 波長225nmで測定する。

 感度 脱ピリミジン体の1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 I ピリフタリド

 ピリフタリド標準品の0.025~0.5mg/Lトルエン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピリフタリドの検量線を作成する。

 II 脱ピリミジン体

 脱ピリミジン体標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(4:1)で希釈して0.025~0.5mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク面積(31分から34分にかけて検出される2本のピークの合計値)、横軸に重量を取って脱ピリミジン体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 ピリフタリドの試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピリフタリドの重量を求め、これに基づき、検体中のピリフタリドの濃度を算出する。

 また、脱ピリミジン体の試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線により脱ピリミジン体の重量を求め、これに基づき検体中の脱ピリミジン体の濃度を算出する。

 このピリフタリドの濃度の値及び脱ピリミジン体の濃度の値に係数1.51を乗じてピリフタリドの濃度に換算したものを和し、検体中のピリフタリドの濃度を算出する。

(別図)高速液体クロマトグラフ(カラムスイッチングシステム)流路図

手順1 試料注入時から目的物質が分離管[1]から溶出する直前まで

手順3 目的物質が分離管[1]から溶出を終了した後

手順2 目的物質が分離管[1]から溶出している間

 (369) シメコナゾール試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 アンモニア水 アンモニア水(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 アルミナミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用中性アルミナ1710mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 SCXシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用SCXシリカゲル(シリカゲルにスルホフェニルプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ポリスチレンミニカラム 内径15mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径80~160μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 1―[2―(4―フルオロフェニル)―アリル]―1H―1,2,4―トリアゾール(以下「脱シロキサン体」という。)標準品 本品は、脱シロキサン体98%以上を含み、融点は38~39℃である。

ウ 試験溶液の調製

A法(米、豆類、果実、野菜(にんにくを除く。)及び茶の場合)

1)検体20g相当の試料(米及び豆類の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの、茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル及び水の混液(4:1)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトニトリルを加えて200mlとする。この溶液の100mlを300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

2)この濃縮液を酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50ml、次いで蒸留水100mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、これに塩化ナトリウム6gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

3)この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

4)この残留物に7%酢酸15ml及び1mol/L塩酸15mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら60℃で3時間放置する。

 あらかじめ、ポリスチレンミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水10mlで展開し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。ポリスチレンミニカラムの下にSCXシリカゲルミニカラム(あらかじめ、メタノール5mlを流し入れ、洗浄したもの)を連結し、メタノール10mlで展開し、流出液を捨てた後、ポリスチレンミニカラムを分離する。SCXシリカゲルミニカラムにメタノール―アンモニア水(99:1)10mlを流し入れて展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)を加えて溶かし、2ml(米及び豆類の場合は1ml、茶の場合は6ml)として試験溶液とする。

B法(にんにくの場合)

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これに水20ml及びアセトニトリル80mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル及び水の混液(4:1)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトニトリルを加えて200mlとする。この溶液の100mlを300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。この溶液について、A法の2)と同様の操作を行う。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムの下にポリスチレンミニカラムを連結し、これにアセトニトリル5ml、次いで蒸留水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いで、アセトニトリル10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物についてA法の3)と同様の操作を行う。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、アルミナミニカラムにアセトン及び蒸留水の混液(19:1)5ml、次いでヘキサン5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

 以下、この残留物についてA法の4)と同様の操作を行う。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)を用い、脱シロキサン体が10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 波長240nmで測定する。

 感度 脱シロキサン体の1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 脱シロキサン体標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)で希釈して0.025~0.5mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取って脱シロキサン体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線により脱シロキサン体の重量を求め、これに係数1.44を乗じてシメコナゾール重量に換算し、これに基づき、検体中のシメコナゾールの濃度を算出する。

 (370) チアジニル試験法

ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 アセトン アセトン(特級)

 アンモニア水 アンモニア水(特級)

 塩酸 塩酸(特級)

 ぎ酸 ぎ酸(特級)

 酢酸 酢酸(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)

 トリメチルシリルジアゾメタン溶液 トリメチルシリルジアゾメタンを約10%含むヘキサン溶液

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 メタノール メタノール(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ポリスチレンミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径50μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 チアジニル標準品 本品は、チアジニル95%以上を含み、融点は112.2℃である。

 4─メチル─1,2,3─チアジアゾール─5─カルボン酸(以下「カルボン酸体」という。)標準品 本品は、カルボン酸体97%以上を含み、融点は198.1℃である。

 4─ヒドロキシメチル─1,2,3─チアジアゾール─5─カルボン酸(以下「ヒドロキシ・カルボン酸体」という。)標準品 本品は、ヒドロキシ・カルボン酸体97%以上を含み、融点は157.3℃である。

ウ 試験溶液の調製

1) 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、0.1mol/L塩酸20mlを加えて2時間放置する。これにアセトニトリル80mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル及び水の混液(9:1)60mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコ中に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で15mlに濃縮する。
 この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン120mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、これをチアジニル溶出液とする。次いで4mol/L塩酸3mlを多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、5分間放置した後、酢酸エチル及びぎ酸の混液(99:1)150mlで展開し、全溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、これをカルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体溶出液とする。
 チアジニル溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(4:1)5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び蒸留水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、メタノール及び蒸留水の混液(3:2)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール及び蒸留水の混液(4:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)15mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとしてチアジニルの試験溶液とする。
 カルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体溶出液に2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に0.1%アンモニア水5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml及び0.1%アンモニア水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、0.1%アンモニア水10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に1%ぎ酸3mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、ポリスチレンミニカラムにメタノール及びぎ酸の混液(99:1)5mlと1%ぎ酸5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、流出液を捨てる。次いで蒸留水、メタノール及びぎ酸の混液(80:20:1)10mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをヒドロキシ・カルボン酸体溶出液とする。蒸留水、メタノール及びぎ酸の混液(60:40:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでメタノール、蒸留水及びぎ酸の混液(60:40:1)10mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これをカルボン酸体溶出液とする。
 カルボン酸体溶出液に2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにアセトン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトン10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン、アセトン及び酢酸の混液(60:40:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これに2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

2) この残留物にヘキサン及び酢酸の混液(99:1)1ml及びジエチルエーテル1mlを加えて溶かす。この溶液にトリメチルシリルジアゾメタン溶液1mlを加え、室温で15分間放置した後、2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて20℃以下で約0.5mlに濃縮する。これを室温に放置し、溶媒を揮散させた後、この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、これに2%ジエチレングリコールアセトン溶液1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて20℃以下で約0.5mlに濃縮した後、室温に放置し、溶媒を揮散させる。

3) この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(1:1)を加えて溶かし、2mlとしてカルボン酸体の試験溶液とする。
 ヒドロキシ・カルボン酸体溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。

4) この残留物にメタノール及び酢酸の混液(96:4)1ml及びジエチルエーテル1mlを加えて溶かす。この溶液にトリメチルシリルジアゾメタン溶液1mlを加え、室温で15分間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器を用いて20℃以下で約0.5mlに濃縮する。これを室温に放置し、溶媒を揮散させた後、この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。
 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて20℃以下で約0.5mlに濃縮した後、室温に放置し、溶媒を揮散させる。

5) この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(17:3)を加えて溶かし、2mlとしてヒドロキシ・カルボン酸体の試験溶液とする。

エ 高速液体クロマトグラフの操作条件

 充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。

 分離管 内径2~6mm、長さ15~30cmのステンレス管を用いる。

 分離管槽温度 40℃

 溶離液 [1]  アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)を用い、チアジニルが10~15分で流出するように流速を調整する。

 溶離液 [2]  蒸留水、メタノール及びアセトニトリルの混液(7:2:1)を用い、カルボン酸体の誘導体化物が10~15分で流出するように流速を調整する。

 溶離液 [3]  蒸留水及びメタノールの混液(17:3)を用い、ヒドロキシ・カルボン酸体の誘導体化物が10~15分で流出するように流速を調整する。

 検出器 チアジニルは波長275nmで測定する。また、カルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体は波長270nmで測定する。

 感度 チアジニル、カルボン酸体並びにヒドロキシ・カルボン酸体の誘導体化物のそれぞれ2ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

1) チアジニルの検量線の作成

 チアジニル標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液をアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってチアジニルの検量線を作成する。

2) カルボン酸体の検量線の作成

 カルボン酸体標準品の50mg/Lアセトニトリル溶液を調製する。この溶液の1mlを50mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、ウの2)と同様の操作を行い、残留物を蒸留水及びメタノールの混液(1:1)50mlに溶解し、1mg/L溶液を調製する。この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(1:1)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってカルボン酸体の検量線を作成する。

3) ヒドロキシ・カルボン酸体の検量線の作成

 ヒドロキシ・カルボン酸体標準品の50mg/Lアセトニトリル溶液を調製する。この溶液の1mlを50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、ウの4)と同様の操作を行い、残留物を蒸留水及びメタノールの混液(17:3)50mlに溶解し、1mg/L溶液を調製する。この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(17:3)で希釈して0.05~1mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってヒドロキシ・カルボン酸体の検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりチアジニル、カルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体の重量を求める。このチアジニルの重量の値とカルボン酸体及びヒドロキシ・カルボン酸体の重量の値にそれぞれ係数1.86及び1.67を乗じてチアジニルの重量に換算したものとを和し、これに基づき、試料中のチアジニルの濃度を算出する。

 (371) プロヒドロジャスモン試験法

ア 装置 ガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 プロヒドロジャスモン標準品 本品は、プロヒドロジャスモン97%以上を含み、沸点は318℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。

 この濃縮液を飽和塩化ナトリウム溶液50ml、次いでヘキサン100mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、ヘキサン層を分取する。残った水層についても、ヘキサン50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全ヘキサン層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコをヘキサン20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、その洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(49:1)5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及び酢酸エチルの混液(49:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(49:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)25mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフ質量分析計の操作条件

 分離管 内径0.2~約0.25mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~0.25μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 ガス流量 キャリヤーガスとしてヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.25mmの分離管に対して線速度が毎秒20~40cmとなるよう流量を調整する。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は60~100℃

 分離管槽昇温プログラム 60℃で2分保ち、60~約200℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 インターフェイス部温度 200~270℃

 イオン源温度 150℃以上

 測定質量数 184、254、153

 感度 プロヒドロジャスモンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 プロヒドロジャスモン標準品の0.05~1mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク面積(9分から10分にかけて検出される2本のピークの合計値)、横軸に重量を取ってプロヒドロジャスモンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりプロヒドロジャスモンの重量を求め、これに基づき、検体中のプロヒドロジャスモンの濃度を算出する。

 (372) オキサジアゾン試験法

ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトン アセトン(特級)

 アセトニトリル アセトニトリル(特級)

 酢酸エチル 酢酸エチル(特級)

 ジエチルエーテル ジエチルエーテル(特級)

 ヘキサン ヘキサン(特級)

 ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 NHシリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ15mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NHシリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 ケイ酸マグネシウムミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム910mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 オキサジアゾン標準品 本品は、オキサジアゾン94%以上を含み、融点は89~90℃である。

ウ 試験溶液の調製

 試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、水20mlを加えて2時間放置する。これにアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトンを加えて200mlとし、その100mlを300mlのナス型フラスコ中に取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で10mlに濃縮する。

 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml及び蒸留水5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水及びアセトニトリルの混液(3:2)10mlで展開し、この流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。アセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、ケイ酸マグネシウムミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン5mlを加えて溶かす。

 あらかじめ、NHシリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びジエチルエーテルの混液(19:1)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200~270℃、コールドオンカラム方式の場合は50~100℃

 分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20~40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 オキサジアゾンの0.1ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 オキサジアゾン標準品の0.05~1mg/Lアセトン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってオキサジアゾンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりオキサジアゾンの重量を求め、これに基づき、試料中のオキサジアゾンの濃度を算出する。

 (373) グルホシネート試験法

 食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するグルホシネートの試験法による。

 (374) スピロジクロフェン試験法

ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。

イ 試薬試液

 アセトニトリル及びヘキサン それぞれ300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gの γ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの

 ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土

 グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン250mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの

 スピロジクロフェン標準品 本品は、スピロジクロフェン98%以上を含み、融点は94~95℃である。

ウ 試験溶液の調製

 検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、アセトニトリル及び水の混液(4:1)100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻して同混液50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を200mlのメスシリンダーに合わせ、アセトニトリル及び水の混液(4:1)を加えて200mlとし、その10mlを50mlの三角フラスコに取り、蒸留水5mlを加える。

 あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにアセトニトリル5ml、次いでアセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これに三角フラスコ中の溶液を流し入れ、アセトニトリル及び蒸留水の混液(1:1)10mlで展開し、流出液を捨てる。C18シリカゲルミニカラムの下にグラファイトカーボンミニカラム(あらかじめ、アセトニトリル5mlを流し入れ、洗浄したもの)を連結し、アセトニトリル20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10ml(みかんの場合は2ml)として試験溶液とする。

エ ガスクロマトグラフの操作条件

 分離管 内径0.2~約0.7mm、長さ10~30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1~1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。

 試料導入部温度 200~270℃

 分離管槽昇温プログラム 150℃で2分保ち、150~約280℃の範囲で毎分2~20℃の昇温を行う。

 検出器温度 280~300℃

 ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2~約0.7mmの分離管に対して線速度が毎秒20~40cmとするとともに、追加ガス(高純度窒素ガス)の流量を至適条件になるように調整する。

 感度 スピロジクロフェンの0.01ngが十分確認できるように感度を調整する。

オ 検量線の作成

 スピロジクロフェン標準品の0.005~0.1mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってスピロジクロフェンの検量線を作成する。

カ 定量試験

 試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりスピロジクロフェンの重量を求め、これに基づき、検体中のスピロジクロフェンの濃度を算出する。

前文(平成5年環境庁告示第33号)抄
 〔前略〕平成5年5月1日から適用する。

前文(平成5年環境庁告示第34号)抄
 〔前略〕平成5年9月1日から適用する。

前文(平成5年環境庁告示第92号)抄
 〔前略〕平成5年11月1日から適用する。

前文(平成5年環境庁告示第93号)抄
 〔前略〕平成6年4月1日から施行する。

前文(平成6年環境庁告示第50号)抄
 〔前略〕平成7年1月1日から施行する。

前文(平成7年環境庁告示第39号)抄
 〔前略〕平成8年3月1日から適用する。

前文(平成8年環境庁告示第75号)抄
 〔前略〕2 試験法(1) 検体におけるいよかん、ネーブルオレンジ、はっさく、パイナップル、バナナ、びわ、かぼちゃ、しゅんぎく、セロリ、パセリ及びみつばの検体については、平成11年11月1日までの間は、なお従前の例によることができる。

前文(平成8年環境庁告示第76号)抄
 〔前略〕平成9年3月1日から適用する。

前文(平成9年環境庁告示第100号)抄
 〔前略〕平成10年3月1日から適用する。

前文(平成11年環境庁告示第65号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成11年12月27日〕から適用する。

前文(平成11年環境庁告示第66号)抄
 〔前略〕平成12年4月1日から適用する。

前文(平成12年環境庁告示第32号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成12年4月28日〕から適用する。

前文(平成12年環境庁告示第53号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成12年8月17日〕から適用する。

前文(平成12年環境庁告示第80号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成12年12月21日〕から適用する。

前文(平成13年環境省告示第10号)抄
 〔前略〕平成13年4月1日から適用する。

前文(平成13年環境省告示第31号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成13年4月26日〕から適用する。

前文(平成13年環境省告示第48号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成13年8月22日〕から適用する。

前文(平成13年環境省告示第79号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成13年12月20日〕から適用する。

前文(平成14年環境省告示第23号)抄
 〔前略〕平成14年4月1日から適用する。

前文(平成14年環境省告示第35号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成14年4月24日〕から適用する。

前文(平成14年環境省告示第57号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成14年8月29日〕から適用する。

前文(平成14年環境省告示第83号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成14年12月24日〕から適用する。

前文(平成15年環境省告示第60号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成15年4月10日〕から適用する。

前文(平成15年環境省告示第71号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成15年6月30日〕から適用する。

前文(平成16年環境省告示第34号)抄
 〔前略〕平成十六年九月一日から適用する。ただし、1の表O、O―ジメチル S―フタルイミドメチルジチオホスフェート(別名PMP又はホスメット)の項、1の表(Z)―2―クロロ―1―(2、4、5―トリクロロフェニル)ビニル ジメチル ホスファート(別名CVMP又はテトラクロルビンホス)の項、1の表ジメチル 1―メチル―2―(メチルカルバモイル)ビニル ホスファート(E)(別名モノクロトホス)の項、1の表α―(2―ナフトキシ)プロピオンアニリド(別名ナプロアニリド)の項、1の表2、2、2―トリクロロ―1、1―ビス(4―クロロフェニル)エタノール(別名ジコホル又はケルセン)の項、1の表ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル(別名有機ニッケル)の項、1の表エチル (RS)―2―〔4―(6―クロロ―1、3―ベンゾオキサゾル―2―イルオキシ)フェノキシ〕プロピオナート(別名フェノキサプロップエチル)の項、1の表5―ブチル―2―ジメチルアミノ―6―メチルピリミジン―4―オール(別名ジメチリモール)の項、1の表S―2―メチルピペリジノカルボニルメチル O、O―ジプロピル ホスホロジチオアート(別名ピペロホス)の項、1の表6―クロロ―3―フェニルピリダジン―4―イル S―オクチル チオカルボナート(別名ピリデート)の項、1の表2、4―ジニトロ―6―オクチルフェニル クロトナート及び2、6―ジニトロ―4―オクチルフェニル クロトナートの混合物(ただし、オクチルは1―メチルヘプチル、1―エチルヘキシル又は1―プロピルペンチルに限る。)(別名ジノカップ又はDPC)の項、1の表O―エチル S、S―ジプロピル ホスホロジチオアート(別名エトプロホス)の項、2(24)、2(48)、2(93)、2(100)、2(131)、2(164)、2(204)、2(243)、2(247)、2(252)、2(261)及び2(305)の改正規定は、公布の日〔平成16年4月30日〕から適用する。

前文(平成16年環境省告示第78号)抄
 〔前略〕公布の日〔平成16年12月20日〕から適用する。