〔平成一四・一二・二四環告八三〕
農薬取締法第三条第二項の規定により定められた同条第一項第四号から第七号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件第一号イの環境大臣の定める基準を定める件(昭和四十八年七月環境庁告示第四十六号)の一部を次のように改正し、公布の日から適用する。
1の表2―クロロエチルホスホン酸(別名エテホン)の項を次のように改める。
2―クロロエチルホスホン酸(別名エテホン) | 小麦 | 2ppm |
小麦以外の麦・雑穀 | 0.5ppm | |
みかん | 0.2ppm | |
みかん以外のかんきつ類 | 2ppm | |
第一大粒果実類 | 0.5ppm | |
第二大粒果実類 | 2ppm | |
小粒果実類 | 2ppm | |
第二果菜類 | 2ppm |
1の表4―[3―(4―クロロフェニル)―3―(3、4―ジメトキシフェニル)アクリロイル]モルホリン(別名ジメトモルフ)の項を次のように改める。
4―[3―(4―クロロフェニル)―3―(3,4―ジメトキシフェニル)アクリロイル]モルホリン(別名ジメトモルフ) | 第一大粒果実類 | 0.1ppm |
小粒果実類 | 5ppm | |
第二果菜類 | 2ppm | |
第一葉菜類 | 1ppm | |
第二葉菜類 | 2ppm | |
鱗茎類 | 0.1ppm | |
いも類 | 0.1ppm |
1の表メチル (E)―2―メトキシイミノ―2―[2―(o―トリルオキシメチル)フェニル]アセタート(別名クレソキシムメチル)の項を次のように改める。
メチル (E)―2―メトキシイミノ―2―[2―(o―トリルオキシメチル)フェニル]アセタート(別名クレソキシムメチル) | 小麦以外の麦・雑穀 | 5ppm |
第一大粒果実類 | 1ppm | |
第二大粒果実類 | 5ppm | |
小粒果実類 | 15ppm | |
第一果菜類 | 2ppm | |
第二果菜類 | 3ppm | |
第一葉菜類 | 2ppm | |
第二葉菜類 | 25ppm | |
根・茎類 | 0.3ppm | |
鱗茎類 | 0.1ppm | |
いも類 | 0.1ppm | |
茶 | 15ppm |
1の表メチル (E)―2―[2―[6―(2―シアノフェノキシ)ピリミジン―4―イルオキシ]フェニル]―3―メトキシアクリラート(別名アゾキシストロビン)の項を次のように改める。
メチル (E)―2―[2―[6―(2―シアノフェノキシ)ピリミジン―4―イルオキシ]フェニル]―3―メトキシアクリラート(別名アゾキシストロビン) | 第一大粒果実類 | 0.1ppm |
第二大粒果実類 | 2ppm | |
小粒果実類 | 10ppm | |
第一葉菜類 | 0.5ppm | |
第二葉菜類 | 5ppm | |
鱗茎類 | 0.1ppm | |
大豆 | 0.1ppm |
1の表N―(2、3―ジクロロ―4―ヒドロキシフェニル)―1―メチルシクロヘキサンカルボキサミド(別名フェンヘキサミド)の項を次のように改める。
N―(2,3―ジクロロ―4―ヒドロキシフェニル)―1―メチルシクロヘキサンカルボキサミド(別名フェンヘキサミド) | 第一大粒果実類 | 1ppm |
小粒果実類 | 20ppm | |
第二果菜類 | 2ppm | |
鱗茎類 | 0.1ppm | |
大豆以外の豆類 | 0.1ppm |
1の表アンモニウム メチルジチオカルバマート(別名メタムアンモニウム塩又はカーバムアンモニウム塩)の項を次のように改める。
アンモニウム メチルジチオカルバマート(別名メタムアンモニウム塩又はカーバムアンモニウム塩) | 第一大粒果実類 | 0.1ppm |
小粒果実類 | 0.1ppm | |
第二果菜類 | 0.1ppm | |
第一葉菜類 | 0.1ppm | |
第二葉菜類 | 0.1ppm | |
根・茎類 | 0.1ppm | |
鱗茎類 | 0.1ppm | |
いも類 | 0.1ppm |
1の表4―クロロ―2―シアノ―N、N―ジメチル―5―p―トリルイミダゾール―1―スルホンアミド(別名シアゾファミド)の項を次のように改める。
4―クロロ―2―シアノ―N,N―ジメチル―5―p―トリルイミダゾール―1―スルホンアミド(別名シアゾファミド) | 小麦 | 0.1ppm |
第一大粒果実類 | 0.1ppm | |
小粒果実類 | 10ppm | |
第一果菜類 | 1ppm | |
第二果菜類 | 2ppm | |
第一葉菜類 | 1ppm | |
鱗茎類 | 0.1ppm | |
いも類 | 0.1ppm |
1の表3―(2―クロロ―1、3―チアゾール―5―イルメチル)―5―メチル―1、3、5―オキサジアジナン―4―イリデン(ニトロ)アミン(別名チアメトキサム)の項を次のように改める。
3―(2―クロロ―1,3―チアゾール―5―イルメチル)―5―メチル―1,3,5―オキサジアジナン―4―イリデン(ニトロ)アミン(別名チアメトキサム) | 米 | 0.1ppm |
みかん | 0.5ppm | |
みかん以外のかんきつ類 | 0.5ppm | |
第一大粒果実類 | 0.5ppm | |
第二大粒果実類 | 1ppm | |
小粒果実類 | 5ppm | |
第一果菜類 | 1ppm | |
第二果菜類 | 0.5ppm | |
第一葉菜類 | 1ppm | |
第二葉菜類 | 2ppm | |
いも類 | 0.5ppm | |
大豆以外の豆類 | 0.5ppm | |
てんさい | 0.1ppm | |
茶 | 15ppm |
1の表(RS)―1―メチル―2―ニトロ―3―(テトラヒドロ―3―フリルメチル)グアニジン(別名ジノテフラン)の項を次のように改める。
(RS)―1―メチル―2―ニトロ―3―(テトラヒドロ―3―フリルメチル)グアニジン(別名ジノテフラン) | 米 | 2ppm |
みかん | 2ppm | |
みかん以外のかんきつ類 | 5ppm | |
第一大粒果実類 | 1ppm | |
第二大粒果実類 | 2ppm | |
小粒果実類 | 10ppm | |
第一果菜類 | 5ppm | |
第二果菜類 | 2ppm | |
第一葉菜類 | 2ppm | |
第二葉菜類 | 5ppm | |
根・茎類 | 0.2ppm | |
いも類 | 0.2ppm | |
てんさい | 0.2ppm | |
茶 | 25ppm |
1の表メチル [[2―クロロ―4―フルオロ―5―[(5、6、7、8―テトラヒドロ―3―オキソ―1H、3H―[1、3、4]チアジアゾロ[3、4―a]ピリダジン―1―イリデン)アミノ]フェニル]チオ]アセタート(別名フルチアセットメチル)の項の次に次のように加える。
4―アミノ―3―メチル―6―フェニル―1,2,4―トリアジン―5(4H)―オン(別名メタミトロン) | てんさい | 0.1ppm |
(Z)―N―[α―(シクロプロピルメトキシイミノ)―2,3―ジフルオロ―6―(トリフルオロメチル)ベンジル]―2―フェニルアセトアミド(別名シフルフェナミド) | 小麦 | 0.5ppm |
小麦以外の麦・雑穀 | 1ppm | |
第一大粒果実類 | 0.1ppm | |
第二大粒果実類 | 1ppm | |
小粒果実類 | 5ppm | |
第一果菜類 | 1ppm | |
第二果菜類 | 0.5ppm | |
(RS)―7―(4,6―ジメトキシピリミジン―2―イルチオ)―3―メチル―2―ベンゾフラン―1(3H)―オン(別名ピリフタリド) | 米 | 0.1ppm |
(RS)―2―(4―フルオロフェニル)―1―(1H―1,2,4―トリアゾール―1―イル)―3―トリメチルシリルプロパン―2―オール(別名シメコナゾール) | 米 | 0.1ppm |
みかん | 0.1ppm | |
みかん以外のかんきつ類 | 0.5ppm | |
第一大粒果実類 | 0.2ppm | |
第二大粒果実類 | 0.5ppm | |
第二果菜類 | 0.5ppm | |
第二葉菜類 | 0.2ppm | |
大豆 | 0.2ppm | |
茶 | 10ppm |
2(166)を次のように改める。
(166) エテホン試験法
ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器、高感度窒素・リン検出器又は炎光光度型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
アセトニトリル アセトニトリル(特級)
アセトン アセトン(特級)
塩酸 塩酸(特級)
酢酸 酢酸(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)
トリメチルシリルジアゾメタン溶液 トリメチルシリルジアゾメタンを約10%含むヘキサン溶液
ヘキサン ヘキサン(特級)
無水硫酸ナトリウム 無水硫酸ナトリウム(特級)
硫酸マグネシウム 硫酸マグネシウム(特級)
ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土
シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
エテホン標準品 本品は、エテホン99%以上を含み、融点は74〜75℃である。
ウ 試験溶液の調製
A法(麦・雑穀の場合)
1) 試料20gを300mlの三角フラスコに量り取り、塩酸1ml、酢酸エチル100ml、硫酸マグネシウム20g及び無水硫酸ナトリウム10gを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。
2) ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻して酢酸エチル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を合わせ、酢酸エチルを加えて200mlとする。この溶液の20mlを200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
この残留物をアセトニトリル飽和ヘキサン30ml及びヘキサン飽和アセトニトリル30mlで100mlの分液漏斗に洗い入れ、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、アセトニトリル層を分取する。残ったヘキサン層についても、ヘキサン飽和アセトニトリル30mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全アセトニトリル層を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトン及び酢酸の混液(99:1)1mlを加えて溶かす。
3) この溶液にトリメチルシリルジアゾメタン溶液1mlを加え、室温で30分間放置した後、アセトン及びジエチレングリコールの混液(99:1)1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
4) この残留物に酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlを加えて溶かす。あらかじめ、シリカゲルミニカラムに酢酸エチル5ml及びヘキサン5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(4:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、アセトン及びジエチレングリコールの混液(99:1)1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にアセトンを加えて溶かし、4mlとして試験溶液とする。
B法(果実及び野菜の場合)
検体に対してその20g当たり塩酸1mlを加えて磨砕均一化したものを試料とする。検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、酢酸エチル100ml、硫酸マグネシウム20g及び無水硫酸ナトリウム60gを加え、振とう機を用いて10分間激しく振とう後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。以下、この残留物についてA法の2)、3)及び4)と同様の操作を行う。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
分離管 内径0.2〜約0.7mm、長さ10〜30mの溶融シリカ製の管の内面に5%フェニルメチルポリシロキサンを0.1〜1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
炎光光度型検出器のフィルター リン用干渉フィルター(波長526nm)を用いる。
試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200〜270℃、コールドオンカラム方式の場合は50〜100℃
分離管槽昇温プログラム 50℃で2分保ち、50〜約280℃の範囲で毎分2〜20℃の昇温を行う。
検出器温度 280〜300℃
ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2〜約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20〜40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
感度 エテホンの0.02ngから誘導されるO,O―ジメチル―2―クロロエチル ホスホナートの相当量が十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
エテホン標準品の100mg/Lアセトン溶液を調製し、その1mlを100mlの三角フラスコに取り、酢酸0.01mlを加える。この溶液についてウのA法の3)と同様の操作を行い、その残留物にアセトンを加えて溶かし、50mlとする。この溶液をアセトンで希釈して0.01〜0.2mg/L溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってエテホンの検量線を作成する。
カ 定量試験
試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりエテホンの重量を求め、これに基づき、検体中のエテホンの濃度を算出する。
2(296)を次のように改める。
(296) ジメトモルフ試験法
食品、添加物等の規格基準(昭和34年12月厚生省告示第370号)第1 食品の部D 各条の項の○ 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの2 穀類、豆類、果実、野菜、種実類、茶及びホップの成分規格の試験法の目に規定するジメトモルフの試験法による。
2(336)イ及びウを次のように改める。
イ 試薬試液
亜硫酸ナトリウム 亜硫酸ナトリウム(特級)
塩化カルシウム 塩化カルシウム(特級)
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
シリコン 消泡用シリコン
次亜塩素酸ナトリウム溶液 有効塩素5%以上を含む次亜塩素酸ナトリウム溶液を蒸留水で用時100倍に希釈したもの
水酸化ナトリウム 水酸化ナトリウム(特級)
液相分離ろ紙 液相分離ろ紙(化学分析用ろ紙をシリコン処理したもの)
メチルイソチオシアネート標準品 本品は、メチルイソチオシアネート97.0%以上を含み、融点は35〜36℃である。
ウ 試験溶液の調製
細切した検体20g相当の試料を蒸留装置の丸底フラスコに量り取り、蒸留水300ml、0.1mol/L塩化カルシウム溶液20ml、0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液20ml、次亜塩素酸ナトリウム溶液10ml、1%亜硫酸ナトリウム溶液2ml、シリコン約0.2ml及び酢酸エチル10mlを加え、40分間加熱還流する。終了後、トラップ(別図の@)の部分の水及び酢酸エチルを別の丸底フラスコに取り、これに蒸留水300mlを加え蒸留装置に取りつけ、40分間加熱還流する。
終了後、トラップ(別図の@)の部分の水及び酢酸エチルを100mlの分液漏斗に取り、蒸留水10mlでトラップを洗い、その洗液を分液漏斗に合わせる。これに塩化ナトリウム10gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、酢酸エチル層を分取し、液相分離ろ紙を用いてろ過し試験溶液とする。
2(336)エ中「メチルイソチオシアネートの0.03ng」を「メチルイソチオシアネートの0.01ng」に改め、2(336)オ中「メチルイソチオシアネート標準品の0.015〜0.3mg/L酢酸エチル溶液」を「メチルイソチオシアネート標準品の0.005〜0.1mg/L酢酸エチル溶液」に改める。
2(349)ウ中「検体20g相当の試料」を「検体20g相当の試料(麦・雑穀の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)」に、「4mlとして試験溶液とする。」を「4ml(麦・雑穀の場合は2ml)として試験溶液とする。」に改める。
2(356)ウ中「検体20g相当の試料(米の場合は試料20gに水40mlを加えて2時間放置したもの、茶の場合は試料4gに水40mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン及び水の混液(4:1)100ml(米の場合はアセトン80ml、茶の場合はアセトン60ml)」を「検体20g相当の試料(米及び豆類の場合は試料20gに水40mlを加えて2時間放置したもの、茶の場合は試料4gに水40mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトン及び水の混液(4:1)100ml(米、豆類及び茶の場合はアセトン80ml)」に、「2ml(米及びてんさいの場合は1ml)として試験溶液とする。」を「2ml(米、豆類及び茶の場合は1ml)として試験溶液とする。」に改める。
2(364)ウ中「A法(米、果実及び野菜(だいこんの根及び葉を除く。)の場合)」を「A法(米、果実及び野菜(ねぎ、だいこんの根及び葉を除く。)の場合」に改め、2(364)ウA法1)中「すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。」を「すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で15mlに濃縮する。」に、「この濃縮液に塩化ナトリウム5.5gを加えて溶かし、」を「この濃縮液に塩化ナトリウム5gを加えて溶かし、」に改め、2(364)ウA法2)中「この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。」を「この残留物に蒸留水5mlを加えて溶かす。」に改め、2(364)ウB法を次のように改める。
B法(茶、ねぎ、だいこんの根及び葉の場合)
検体20g相当の試料(茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で15mlに濃縮する。
この濃縮液に塩化ナトリウム5gを加えて溶かし、多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン50mlで展開し、流出液を捨てた後、酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に酢酸エチル5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、NH2シリカゲルミニカラムに酢酸エチル5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、酢酸エチル10mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びメタノールの混液(9:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。以下、この残留物についてA法の2)と同様の操作を行う。
2(365)の次に次のように加える。
(366) メタミトロン試験法
ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
アセトニトリル アセトニトリル(特級)
アセトン アセトン(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙
多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
NH2シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ15mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NH2シリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
メタミトロン標準品 本品は、メタミトロン98%以上を含み、融点は167℃である。
ウ 試験溶液の調製
検体20g相当の試料を300mlの三角フラスコに量り取り、これに1mol/L塩酸1ml及びアセトン100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトン50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコ中に合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン50mlで展開し、この流出液を捨てる。次いで酢酸エチル120mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、NH2シリカゲルミニカラムに酢酸エチル5ml及びヘキサン5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(4:1)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いで酢酸エチル及びヘキサンの混液(3:2)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。
この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2〜6mm、長さ15〜30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)を用い、メタミトロンが10〜15分で流出するように流速を調整する。
検出器 波長310nmで測定する。
感度 メタミトロンの1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
メタミトロン標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(4:1)で希釈して0.05〜1.0mg/L溶液を数点調製し、それぞれを20μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってメタミトロンの検量線を作成する。
カ 定量試験
試験溶液から20μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線によりメタミトロンの重量を求め、これに基づき、検体中のメタミトロンの濃度を算出する。
(367) シフルフェナミド試験法
ア 装置 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
アセトン、酢酸エチル、ヘキサン及びメタノール それぞれ300mlをすり合わせ減圧濃縮器を用いて5mlに濃縮し、その5μlをガスクロマトグラフに注入したとき、ガスクロマトグラム上の当該物質が示すピーク以外のピークの高さが2×10-11gのγ―BHCが示すピークの高さ以下であるもの
ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土
グラファイトカーボンミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用グラファイトカーボン500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
NH2シリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NH2シリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)360mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
シフルフェナミド標準品 本品は、シフルフェナミド98%以上を含み、融点は61.5〜62.5℃である。
ウ 試験溶液の調製
検体20g相当の試料(麦・雑穀の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、メタノール100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10mlとする。
あらかじめ、NH2シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これに上記の溶液5mlを流し入れ、ヘキサン5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にメタノール5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、グラファイトカーボンミニカラムにメタノール5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、メタノール10mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサンを加えて溶かし、10ml(麦・雑穀の場合は5ml)として試験溶液とする。
エ ガスクロマトグラフの操作条件
分離管 内径0.2〜約0.7mm、長さ10〜30mの溶融シリカ製の管の内面に50%フェニルメチルポリシロキサンを0.1〜1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200〜270℃、コールドオンカラム方式の場合は50〜100℃
分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100〜約270℃の範囲で毎分2〜20℃の昇温を行う。
検出器温度 280〜300℃
ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2〜約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20〜40cmとするとともに、追加ガス(高純度窒素ガス)の流量を至適条件になるように調整する。
感度 シフルフェナミドの0.01ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
シフルフェナミド標準品の0.005〜0.1mg/Lヘキサン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってシフルフェナミドの検量線を作成する。
カ 定量試験
試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりシフルフェナミドの重量を求め、これに基づき、検体中のシフルフェナミドの濃度を算出する。
(368) ピリフタリド試験法
ア 装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフ並びにカラムスイッチングシステム及び紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ(別図)を用いる。
イ 試薬試液
アセトン アセトン(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
シリコン 消泡用シリコン
トルエン トルエン(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
メタノール メタノール(特級)
リン酸水素二カリウム リン酸水素二カリウム(特級)
リン酸二水素カリウム リン酸二水素カリウム(特級)
ガラス繊維ろ紙 化学分析用ガラス繊維ろ紙
シリカゲルミニカラム 内径10mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用シリカゲル690mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
C18シリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用C18シリカゲル(シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたもの)1000mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
NH2シリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NH2シリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
多孔性ケイソウ土カラム 内径約2cmのカラムに20ml保持量のカラムクロマトグラフィー用顆粒状多孔性ケイソウ土を充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
0.07mol/Lリン酸緩衝溶液 0.07mol/Lリン酸水素二カリウム溶液に0.07mol/Lリン酸二水素カリウム溶液を加えてpHを7に調整したもの
ピリフタリド標準品 本品は、ピリフタリド99.6%以上を含み、融点は163.4℃である。
7―メタンスルフィニル―3―メチル―3H―イソベンゾフラン―1―オン(以下「脱ピリミジン体」という。)標準品 本品は、脱ピリミジン体99%以上を含み、融点は140℃である。
ウ 試験溶液の調製
試料10gを300mlの三角フラスコに量り取り、0.07mol/Lリン酸緩衝液20mlを加えて2時間放置する。これにメタノール80mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ガラス繊維ろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してメタノール及び0.07mol/Lリン酸緩衝液の混液(4:1)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液を500mlのナス型フラスコに合わせ、シリコン0.1mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。
この濃縮液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。ヘキサン140mlで展開し、溶出液を300mlのナス型フラスコに取り、これをピリフタリド溶出液とする。続いて酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)120mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、これを脱ピリミジン体溶出液とする。
ピリフタリド溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(49:1)5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(49:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(49:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にトルエンを加えて溶かし、2mlとして試験溶液とする。
脱ピリミジン体溶出液をすり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、シリカゲルミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(17:3)5mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(7:3)20mlで展開し、この溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、C18シリカゲルミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水15mlで展開し、流出液を捨てる。次いで蒸留水及びメタノールの混液(7:3)20mlで展開し、溶出液を50mlの三角フラスコに取る。
この溶液を多孔性ケイソウ土カラムに流し入れ、10分間放置する。酢酸エチル100mlで展開し、溶出液を200mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、NH2シリカゲルミニカラムにヘキサン及びアセトンの混液(19:1)5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及びアセトンの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及びアセトンの混液(17:3)20mlで展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びメタノールの混液(4:1)を加えて溶かし、1mlとして試験溶液とする。
エ 測定機器の操作条件
T ピリフタリドの測定機器の操作条件
装置 アルカリ熱イオン型検出器又は高感度窒素・リン検出器付きガスクロマトグラフを用いる。
分離管 内径0.2〜約0.7mm、長さ10〜30mの溶融シリカ製の管の内面にメチルポリシロキサンを0.1〜1.5μmの厚さで被覆したもの又はこれと同等の分離性能を有するものを用いる。
試料導入部温度 スプリットレス方式の場合は200〜270℃、コールドオンカラム方式の場合は50〜100℃
分離管槽昇温プログラム 100℃で2分保ち、100〜約280℃の範囲で毎分2〜20℃の昇温を行う。
検出器温度 280〜300℃
ガス流量 キャリヤーガスとして高純度窒素ガス又はヘリウムガスを用い、内径0.2〜約0.7mmの分離管に対して線速度を毎秒20〜40cmとするとともに、水素ガス、空気及び追加ガス(高純度窒素ガス又はヘリウムガス)の流量を至適条件になるように調整する。
感度 ピリフタリドの0.05ngが十分確認できるように感度を調整する。
U 脱ピリミジン体の測定機器の操作条件
装置 カラムスイッチングシステム及び紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
分離管@ 内径2〜6mm、長さ15〜30cmのステンレス管にシリカゲルにフェニル基を化学的に結合させたものを充てんして用いる。
分離管A 内径2〜6mm、長さ15〜30cmのステンレス管にシリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを充てんして用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液@ 蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を用い、脱ピリミジン体が分離管@を12.5〜14分で流出するように流速を調整する。
溶離液A 蒸留水及びメタノールの混液(3:1)を用い、脱ピリミジン体が分離管Aを17.5〜21分で流出するように流速を調整する。なお、溶離液@の流速と溶離液Aの流速は同一とする。
カラムスイッチングシステム 注入から脱ピリミジン体が分離管@を流出する直前まで分離管@及び分離管Aに別々に溶離液を流し、脱ピリミジン体が分離管@から流出している間は、分離管@と分離管Aを連結した状態で溶離液を流す。脱ピリミジン体が分離管@から流出を終了した以降は分離管@及び分離管Aに別々に溶離液を流す。
検出器 波長225nmで測定する。
感度 脱ピリミジン体の1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
T ピリフタリド
ピリフタリド標準品の0.025〜0.5mg/Lトルエン溶液を数点調製し、それぞれを2μlずつガスクロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取ってピリフタリドの検量線を作成する。
U 脱ピリミジン体
脱ピリミジン体標準品の500mg/Lメタノール溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びメタノールの混液(4:1)で希釈して0.025〜0.5mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク面積(31分から34分にかけて検出される2本のピークの合計値)、横軸に重量を取って脱ピリミジン体の検量線を作成する。
カ 定量試験
ピリフタリドの試験溶液から2μlを取り、ガスクロマトグラフに注入し、オの検量線によりピリフタリドの重量を求め、これに基づき、検体中のピリフタリドの濃度を算出する。
また、脱ピリミジン体の試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線により脱ピリミジン体の重量を求め、これに基づき検体中の脱ピリミジン体の濃度を算出する。
このピリフタリドの濃度の値及び脱ピリミジン体の濃度の値に係数1.51を乗じてピリフタリドの濃度に換算したものを和し、検体中のピリフタリドの濃度を算出する。
(別図)高速液体クロマトグラフ(カラムスイッチングシステム)流路図
手順1 試料注入時から目的物質が分離管@から溶出する直前まで
手順3 目的物質が分離管@から溶出を終了した後
手順2 目的物質が分離管@から溶出している間
(369) シメコナゾール試験法
ア 装置 紫外分光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフを用いる。
イ 試薬試液
アセトニトリル アセトニトリル(特級)
アセトン アセトン(特級)
アンモニア水 アンモニア水(特級)
塩化ナトリウム 塩化ナトリウム(特級)
塩酸 塩酸(特級)
酢酸 酢酸(特級)
酢酸エチル 酢酸エチル(特級)
ジエチレングリコール ジエチレングリコール(特級)
ヘキサン ヘキサン(特級)
メタノール メタノール(特級)
ケイソウ土 化学分析用ケイソウ土
NH2シリカゲルミニカラム 内径9mm、長さ60mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用NH2シリカゲル(シリカゲルにアミノプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
SCXシリカゲルミニカラム 内径15mm、長さ65mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用SCXシリカゲル(シリカゲルにスルホフェニルプロピル基を化学的に結合させたもの)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
ポリスチレンミニカラム 内径15mm、長さ25mmのカラムにカラムクロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体(ポリスチレン系ゲル、粒径80〜160μm)500mgを充てんしたもの又はこれと同等の性能を有するもの
2―(4―フルオロフェニル)―3―1H―1,2,4―トリアゾール―1―イル)プロペン(以下「脱シロキサン体」という。)標準品 本品は、脱シロキサン体98%以上を含み、融点は38〜39℃である。
ウ 試験溶液の調製
検体20g相当の試料(米及び豆類の場合は試料10gに水20mlを加えて2時間放置したもの、茶の場合は試料5gに水20mlを加えて2時間放置したもの)を300mlの三角フラスコに量り取り、これにアセトニトリル100mlを加え、振とう機を用いて30分間激しく振とうした後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過する。ろ紙上の残留物についても、三角フラスコに戻してアセトニトリル及び水の混液(4:1)50mlを加え、同様の振とう及びろ過の操作を繰り返す。全ろ液にアセトニトリルを加えて200mlとする。この溶液の100mlを300mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で20mlに濃縮する。この濃縮液を酢酸エチル及びヘキサンの混液(1:1)50ml、次いで蒸留水10mlで300mlの分液漏斗に洗い入れ、これに塩化ナトリウム6gを加え、振とう機を用いて5分間激しく振とうし、暫時放置した後、有機溶媒層を分取する。残った水層についても同混液50mlを加え、同様の振とう及び分取の操作を繰り返す。全有機溶媒層を300mlの三角フラスコに合わせ、無水硫酸ナトリウム20gを加え、時々振り混ぜながら30分間放置した後、300mlのナス型フラスコ中にろ過する。使用した三角フラスコを同混液20mlで洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗い、この洗液をナス型フラスコに合わせ、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物にヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)5mlを加えて溶かす。
あらかじめ、NH2シリカゲルミニカラムにヘキサン5mlを流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(19:1)15mlで展開し、流出液を捨てる。次いでヘキサン及び酢酸エチルの混液(7:3)30mlで展開し、溶出液を100mlのナス型フラスコに取り、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に7%酢酸15ml及び1mol/L塩酸15mlを加え、栓をして時々振り混ぜながら60℃で3時間放置する。
あらかじめ、ポリスチレンミニカラムにメタノール5ml、次いで蒸留水5mlを順に流し入れ、洗浄しておく。これにナス型フラスコ中の溶液を流し入れ、蒸留水10mlで展開し、流出液を捨てた後、約1分間吸引を続け水分を除去する。
ポリスチレンミニカラムの下にSCXシリカゲルミニカラム(あらかじめ、メタノール5mlを流し入れ、洗浄したもの)を連結し、メタノール10mlで展開し、流出液を捨てた後、ポリスチレンミニカラムを分離する。SCXシリカゲルミニカラムにメタノール―アンモニア水(99:1)10mlを流し入れて展開し、溶出液を50mlのナス型フラスコに取り、2%ジエチレングリコールアセトン溶液0.5mlを加え、すり合わせ減圧濃縮器を用いて40℃以下で溶媒を留去する。この残留物に蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)を加えて溶かし、2ml(米、豆類及び茶の場合は1ml)として試験溶液とする。
エ 高速液体クロマトグラフの操作条件
充てん剤 シリカゲルにオクタデシルシランを化学的に結合させたものを用いる。
分離管 内径2〜6mm、長さ15〜30cmのステンレス管を用いる。
分離管槽温度 40℃
溶離液 蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)を用い、脱シロキサン体が10〜15分で流出するように流速を調整する。
検出器 波長240nmで測定する。
感度 脱シロキサン体の1ngが十分確認できるように感度を調整する。
オ 検量線の作成
脱シロキサン体標準品の500mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、この溶液を蒸留水及びアセトニトリルの混液(7:3)で希釈して0.025〜0.5mg/L溶液を数点調製し、それぞれを40μlずつ高速液体クロマトグラフに注入し、縦軸にピーク高、横軸に重量を取って脱シロキサン体の検量線を作成する。
カ 定量試験
試験溶液から40μlを取り、高速液体クロマトグラフに注入し、オの検量線により脱シロキサン体の重量を求め、これに係数1.44を乗じてシメコナゾール重量に換算し、これに基づき、検体中のシメコナゾールの濃度を算出する。